仕事場の部屋

律「おい。来週のスケジュールだぞ」

澪「来週の仕事はなんだ?」

唯「…どうせまた1個2個なんでしょ」

律「そう言うなよ…。仕事があるだけありがたいと思え」

梓「そうですよ。唯先輩」

唯「…うん」

紬「それで、来週のスケジュールは?」

律「…水曜日に都内の公園の祭の客寄せライブだ…」

澪「…それだけ…なのか?」

律「…ああ」

唯「私たち…デビューできたのはよかったけど全然売れないね…」

紬「唯ちゃん…」

梓「…放課後ティータイムとしてデビューしてもう2年ですか」

唯「2年もやってるのに仕事が全然来ないね…」

梓「週に一つか二つ…。ゼロの週もあります…」

律「それに仕事の内容も小さい祭の客寄せとかばっか…」

澪「し、仕事があるだけありがたいと思おうって!」

紬「そ、そうよ!りっちゃんさっき言ってたじゃない!」

律「まあそうだけどさ…」


梓「…」

唯先輩達が大学を卒業して私達は放課後ティータイムとしてデビューしました

唯先輩達4人はもう24歳…私は23歳

大学を卒業したばかりの時の唯先輩達は放課後ティータイムとして暮らしていけるよう頑張っていくとか行っていましたが…

現実は厳しいです

小さな事務所に所属できた私達放課後ティータイムですが、来る仕事は小さい仕事ばかり…それも週に一つか二つ。ゼロの時もある…

ギャラも良くて5人で一万円…

さすがにこれじゃあ暮らしていけないので私達5人は放課後ティータイムの活動とは別にバイトをしています

もはやバイトの給料で暮らしていってる日々です

そんな日々の中で先輩達はやる気を失いかけています…


梓「…」

唯「…私達」

律「ん?」

唯「私達…本当に放課後ティータイムとしての活動で暮らしていける日が来るのかな…」

律「…」

紬「き、きっと来るわよ!私達…頑張ってるじゃない!」

唯「でも…2年やってこんな状況だよ。もっと人気者になりたいよ…」

澪「私達…まだメジャーデビューもしてないんだよな」

梓「シングルもまだ一枚も出してませんね…」

律「…はあ」

紬「き、きっと出せるわよ!だって私達…」

律「頑張ってる…か?」

紬「…」

律「ムギはいいよなー。家が金持ちだしさ」

澪「ちょっと律…」

律「放課後ティータイムが売れなくても楽に食っていけるわけだ…」

紬「…」

澪「おい律!そんな言い方よせ!」

梓「そうですよ。私達…仲間でしょ」

律「仲間…か」

唯「はあ…早く人気者になりたいなあ」

梓「そうですね…」

澪「その為には…これから来る仕事を頑張ろう!もしかしたら誰か凄い人が見てて私達を気に入ってくれるかもしれない!」

律「そんなうまく行くもんかねー」

紬「でも…小さな仕事だってライブはライブよ!頑張りましょう!」

唯「…うん。そうだね!」

律「…ああ。頑張れるだけ頑張りたいな…!」

澪「諦めちゃ駄目だよな…!」

梓「頑張りましょう!」

私達はたまにこんな悪い状況になって喧嘩したりしますが…

仕事に対してはみんな本気でした。唯先輩も律先輩も澪先輩もムギ先輩も私も…

ライブが出来るというのは嬉しい事でした

そんな日々が続く中…



1ヶ月後

律「来週のスケジュールだ」

唯「来週は仕事いくつ~?」

律「…一つだ」

梓「またですか…」

律「まあ仕事が…」

澪「仕事があるだけありがたいと思え…だろ」

律「あ、ああ…」

唯「もうそれりっちゃんの口癖だよね」

紬「うふふ…。いい事じゃない」

律「ははは…」

澪「で、来週の仕事はなんだ?」

律「えーと。沖縄の小さい祭でのライブだ」

唯「沖縄ー!?」

梓「また随分遠い所ですね…」

澪「交通費とかは…」

律「自費だそうだ…」

唯「自費か…」

梓「…交通費のほうがギャラより高いかもしれませんね」

律「…キャンセルするか?」

澪「でも…私達にせっかく来た仕事だぞ」

紬「みんなの交通費…私が出すから行きましょう!」

唯「いいよ。ムギちゃんには頼らない」

紬「え…」

律「…そうだな。行くんならそれぞれ自分達の金で行くべきだ」

澪「ああ。私達はまだ仕事をキャンセルなんてできる立場じゃないしな」

梓「交通費がなんですか!」

紬「でもみんな…」

唯「大丈夫だよムギちゃん!私達…バイトで稼いだお金があるから!」

律「沖縄でもアメリカでもどこだって行けるさ!」

紬「…わかったわ。みんな…自分達で行きましょう!沖縄の仕事!」

唯「うん!」

梓「行きましょう!」

こうして私達は仕事で自費で沖縄まで小さなライブをやりに行きました

この沖縄でのライブで大きな出来事が起こりました…



沖縄

紬「ライブ会場までもうすぐね」

律「沖縄…海が綺麗な所だなー」

澪「そうだな」

唯「写真沢山撮っちゃお!憂に見せたいし!」

梓「もう皆さん…私達は仕事で来てるんですよ」

唯「わかってるよあずにゃん~」

ダキッ

梓「こんなところで止めてくださいよ!」

唯「わかったわかった~」

梓「もう…」



澪「仕事のライブ会場…。ここかな」

紬「…地図によるとここね」

律「…随分小さい建物だなー」

唯「だって…小さなライブだもんね」

梓「お客さんとかどれくらい来るんでしょうか…」

律「まあ…あんまり来ないだろうな」

澪「そんな事言うな!」

紬「そうよ。ポジティブに行きましょう!」

律「…ああ」

唯「ライブはライブだもんね」

梓「皆さんで頑張りましょう!」

澪「ああ!」



ライブ会場

スタッフ「えーと。放課後ティータイムの皆さん。次出番です」

律「はーい」

紬「次ね」

梓「ライブ会場…イマイチ盛り上がってませんね」

澪「私達で盛り上げよう!」

唯「そうだね!えーと…曲はふわふわ時間でいいんだよね」

紬「ええ」

律「よし。このライブで少しの人にでも私達を知ってもらおう!」

梓「はい!」

唯「頑張ろう!人気者になるために!」

スタッフ「放課後ティータイムの皆さん。お願いしまーす」

律「はい!」



ステージ

唯「皆さんこんにちは~」

パチパチパチ

唯「私達は放課後ティータイムと言うバンドです!」

唯「どうして放課後かというと…永遠に放課後だからです!」

シーン

律「(おい唯…スベってるぞ…)」

唯「私達…デビューから2年で全然売れないんです」

澪「(ちょっと唯…何言ってるんだ!)」

唯「私達…一生懸命頑張ってるんです!みんなに気に入ってもらう歌を作って頑張っています!」

紬「(唯ちゃん…)」

唯「今日は…私達が一番始めに作った曲を聞いて下さい!」

唯「放課後ティータイムは永遠に放課後です!」

梓「(だから何ですかそれは…)」

唯「ふわふわ時間!」

ジャカジャカジャン ジャカジャカジャン♪



ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ジャーーーン

唯「ありがとうございましたー!」

司会「以上、放課後ティータイムの皆さんでしたー」

パチパチパチ



控え室

唯「ふう。終わったね」

律「なあ唯。なんでさっきはあんな事言い出したんだ?」

澪「ビックリしたぞ」

唯「え?だって…私達の思ってることでしょ」

梓「そんなハッキリお客さんに言うことじゃありませんよ」

紬「そういうのは心の中で呟かなきゃ」

唯「で、でも!私は人気者になりたいから言ったんだよ!」

律「ゆ、唯…」

澪「ま、まあさ!せっかくの沖縄だし…散歩して帰らないか?」

紬「あ!いいわね!それ~」

梓「ゆ、唯先輩はどうですか!?」

唯「…」

律「(このムードじゃダメかなあ…)」

唯「沖縄の散歩面白そうだね!」

律「(乗ってきたー)」


唯「海が奇麗だね~」

梓「そうですね」

律「さっき貰った地図によるとこの先にお土産屋があるんだとさ」

澪「そこ、行ってみるか」

紬「いいわね~」

梓「行きましょう!」

唯「あ。ごめん…私、ちょっと海散歩したいんだ」

梓「海ですか?」

澪「じゃあ、先にみんなで海を散歩するか」

唯「ごめん…一人で散歩したいんだ」

梓「唯先輩…」

律「…わかった。じゃあ私達はこの先のお土産屋にいるから」

唯「うん。少ししたら行くね」

澪「じゃあ、私達は先に行ってるぞ」

紬「また後でね。唯ちゃん」

唯「うん!」

スタスタ


梓「唯先輩…一人にしてよかったんですか?」

律「まあいいだろ。今のあいつ…なんか一人で考えたいみたいだし」

澪「唯はずっと人気者になりたがってたからな…」

紬「私達はあんまり気にしないけど…唯ちゃんはかなり気にしてるみたいなのよね」

梓「確かに…」




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