純「あま~い。おいひ~」ムシャムシャ

「純、食べ過ぎじゃない?」

純「えー? そんなことないよ。それよりプリクラ撮ろっ、プリクラ」

「う、うん」



ハイ、ポーズ♪ カシャ

純「えへへ、ナイスカメラアングルだったねー」

「じゅ、じゅじゅじゅっ…純!」

純「え? どったの?」

「これ! これ見て! あんたの頭のところ!」

純「んー?」

純「どひゃあ!? ななななにこれぇー!?」

「やばいよこれ…心霊写真じゃない?」

「ていうかこの物体何なのよぉ…」

純「…な、なんか私気分悪くなっちゃった……ごめん、帰るね」トボトボ…

「テレビ局に売りつけたらいくらで売れるかな…」ゴクリ




純「はぁ…何だったのさっきのプリクラ…もしかしてああいう仕様なのかな…あ」

紬「あら、偶然」

純「ムギ先輩…こんにちは」

紬「元気無さそうね。大丈夫?」

純「わりと大丈夫じゃないです…あー、家に帰ってお菓子食べなきゃやってらんない!」

紬「お菓子? あら、ちょうど良かった。それならいい物があるのよ。よいっしょ」ドン

純「な、なんですか! このお菓子の山は!?」

紬「商店街の福引で当たっちゃって…こんなにいっぱい貰って困っていたところだったのよ。よかったらこれ、全部純ちゃんにあげる」

純「うそ!? ほ、ほんとですか!? いいんですか!? こんなにっ」

紬「ええ、私ちょうどダイエット中だったし…だから遠慮せずに全部受け取って?」

純「いいって言うのなら是非いただきますよ! やったぁ~! きゃっほー!」ピューン

紬「ふふ…あと少しってところかしら」




「きゃー! きゃー!?」

ガシッ

ウヴァ『お前の欲望、解き放て』チャリン…

ウニュウウウ…

白ヤミー『おおお…』

「ひぃぃっ、ば、化物!」

ウヴァ『こいつはお前の欲望自身だ。そんなこと言ってやるなよ』

白ヤミー『あむっ、むしゃ…むしゃ…うぐ』バクバク、ムシャムシャ…

ウヴァ『金に対する欲望か、人間なんてみんな同じもんだな!』

ウヴァ『メダルを集めろ! 隅々を探しまわれ! わかったな?』

白ヤミーもといクモヤミー『御意…』




憂「…ん?」カチッ

憂「街の路地で化物…ヤミーか」

バッタカンドロイド『バッタ!バッタ!』

憂「唯、ヤミーが現れた。すぐにこっちに向かえ」

『わ、わかった』

憂(あいつ…カンドロイドで盗聴されていたことに気づいていないのか)

憂「…まぁ、それはいいとして。出現したヤミーはこのタイミングだとメズールのものではなさそうだな。別のグリードのものか」





ブウウゥゥーン、キキィーッ

「うわあああ!? 助けてー!」プラーン、プラーン

唯「あ、あんな高いところに人が吊るされてるよ! アンク!」

憂「蜘蛛の糸…昆虫型のヤミーということはウヴァが生み出したやつか」

唯「アンク! うー…もうっ! 今助けるから待ってて!」タタタ…

憂「おい! どこに行く!」

唯「あの人を助けるに決まってるでしょ!?」

憂「あんな奴放っておけっ、それよりも今はヤミーが優先だ!」

唯「アンクはあのおばけよりメダルが欲しいだけでしょ!!」

唯「人の命よりメダルなんかを優先しないでよっ!」

憂「なに…っ」



「あ、ありがとう! お陰で助かりました…」

唯「いやー、それほどでもー…」

「それじゃあ!」タタタ…

唯「気をつけてねー!」

憂「おい」

唯「…なにかな」

憂「お前さっき俺になんて言った? 人の命よりメダル゛なんか゛を優先するな?」

憂「舐めてるのかっ!」

唯「そんなことないよ。ていうかむしろ当然のことだと思う」

憂「俺にとっては人間<メダルだ! お前の中の常識で俺を当てはめるな!!」

憂「いいか? 人間なんて所詮は欲望を生み出すだけの存在だ、一人消えようが知ったこっちゃない」

唯「…私のこともそう思ってるんだ?」

憂「さぁ? どうだろうな? どう思う?」

唯「あきれたよ…アンク」

憂「…ふん、さっさとヤミーを追うぞ」

唯「……」

ブウウゥゥーン……


タカ!トラ!バッタ! タ!ト!バ! タトバ! タ!ト!バ!

クモヤミー『んむぅ?』

オーズ(唯)「やあっ」ザシュッ

クモヤミー『おぶぅ!?』

クモヤミー『オーズ…現れたか。ぷっ! ぷっ!』ヒュッ、ベチャァ…

オーズ(唯)「! な、なにこのネバネバ…」

憂「あの攻撃…ここに来るまで貼ってあった粘液のネットはあれが正体だったのか」

憂「唯! カマキリに変えろ!」

オーズ(唯)「ふんっ!」ザシュッ、ブチィッ

クモヤミー『なっ…!』

オーズ(唯)「えいやぁっ!」ドカ!

憂「あいつ、俺の指示を無視しやがった…!」

トリプル!スキャニングチャージ!

オーズ(唯)「せいやぁーっ!」ズバアアァンッ!!

グニョオオォォン…

クモヤミー『ぎゃああああ!!?』ドカーン!

チャリン、チャリン、チャリン…

唯「…倒したよ。ほら、はやくメダル拾いなよ」

憂「おい! どうしてさっき俺の指示を無視した!」

唯「ちゃんと倒すことできたんだし、いいじゃん。結果オーライだよ」

憂「そういう問題じゃない!」

唯「私はアンクのお人形じゃないんだよ!? 私の思った通りに動くし、考えるもん!」

憂「なっ…そうかよ。あー、わかったよ。お前はお前だ。唯(こいつ、調子に乗りやがって)」


唯「それより、さっきのおばけを作ったのって、前に会ったグリードってやつらだよね?」

憂「そうだが、それが今さらどうした」

唯「人を襲うようなおばけを作っておいて『安心して信じて』だなんて…やっぱり信じられないよ」

憂(ほぉ…)

唯「やっぱり…あの話、ちゃんと断ろう」

憂「そうだ、あんな奴ら信用に値しないからな」

唯「知ってたの!?」

憂「まぁな。これでお前も晴れて俺と…」

唯「……私、アンクのことも信用しないから」

憂「…なんだと?」





とみ「あらー、唯ちゃん。おかえり」

唯「おばあちゃーん! ただいまー!」

とみ「今日は帰りが遅かったねぇ。もう日も沈んじゃって…」

唯「高校生って色々忙しいんだよ~」

とみ「そうかい、そうかい…ご苦労さま。あれ、後ろにいるのは憂ちゃんかい?」

憂「……」

唯「ううん。違うよ、私の知り合いの子」

とみ「…? そう、だったのかい? 初めまして、唯ちゃんのおウチのお隣の者です…」

憂「……」

唯「ごめんねおばあちゃん。この子いま気分悪いみたいなんだぁ。だからまた今度あらためて紹介するね」

とみ「あ、ああ…そうね。お大事にね」

憂「…ちっ」




ガチャン

唯「…今まで通りにここには住まわせてあげるから安心して」

憂「この体がお前の妹の物だからだろ?」

唯「…あたりまえでしょ」

唯「アンクはただの居候ってことで、それ以上それ以下はないよ」

唯「文句はー?」

憂「色々とつけてやりたいところだが今はそんな気分じゃない」

憂「…それとお前は俺の調べ物の邪魔をするなよ? 迷惑だからなぁ」

唯「むっ…言われなくてもそんなことしないよっ!」

憂「どうだかな、お前のことだ。どうせまた暇だからかまってくれと…」

唯「だからしないって言ってるじゃん!! しつこいよ!?」

憂「なに自棄になってるんだよ、え?」

唯「っっ…!」

唯「やっぱりアンクなんて知らない! どこにでも行っちゃえ!」

憂「住んでいいと言ったり、どこかに行けと言ったり…勝手な奴だ。言われなくても出て行く。今のお前と一緒にいたら息が詰まっちまうしなぁ!」スタ、スタ、スタ…

憂「…それから、この体は当然のことだが持っていかせてもらうからな。あばよ」

…ガチャン


唯「ふーんっ! アンクの…アンクのバカちんっ」

唯「……」

唯(ちょっと言いすぎちゃったかなぁ…)




憂(しょせん馬鹿は馬鹿だったということか)

憂「使える馬鹿だと思っていたが、俺の検討違いだったようだな」

憂「…唯のことはこれからは必要な時だけ呼びだすとして……さて、寝床はどうするか」

和「唯と喧嘩でもしたのかしら?」

憂「…またお前か」

和「ふふ、どうも。それで? どうなの?」

憂「お前には関係ない。というか教えてやる義理もないが?」

和「…うちに来なさい。寝床ないんでしょう?」

憂「ふん、わかってるじゃないか。どこで寝させる気だ? 便所か? 風呂場か?」

和「ふふ、毛布ぐらいはあげるから安心して」

憂「くそが…」



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