憂「逃げない!」ダッ

和「まったく愚かね」

憂「私はもう媚びぬ、退かぬ、顧みぬ!」

律「う、憂ちゃん……」

漢、平沢憂。狂敵を前にして退かないその勇気! 尊敬に値するッ!

和「ふっ、そこまで言うのなら……憂、あなたに相応しい駒をくれるわ!」

突如、憂に向けて伸びてきた髪の毛。髪の毛……!
憂はそれを冷静に手刀で叩き切る。

憂「これは……」


純「じゃじゃーん! ここは私にお任せを! ご主人様」

和「後は任せたわ」


純「ふふっ、なんてザマですか。律先輩」

律「鈴木さん!?」

律「どうしてキミが和に味方を!」

純「あの方は本当に素晴らしいお方……私を完膚なきまで打ちのめしてくれた。ああァ……!」

どうやらこことは別のところで和と純の死闘が繰り広げられていたようだ。
結果は……やはり和の圧勝。
純にもリーチがかかっているッ! これはチャンス!

純「SとMは表裏一体……」

憂「なにを言ってるの?」

純「さぁ、このまま律さんをヤられたくなければ私と戦え! 憂!」

憂「っ!」

憂VS純。
これは注目のカードの戦い!




憂「――――ううっ……」

律「う、憂ちゃん……やめてくれ、こんなこと……」

全身髪の毛によって雁字搦めに縛られ、天井から吊るされる憂。
その体はズタボロ。まるでボロ雑巾の如く。
やはり、能力とは絶対なのか。

純「うぇっへっへー……いい姿だねぇ、憂ぃ~」ツンツン

憂「あっ……ん……」グググ…

なんて厭らしい光景!
なんて素晴らしい光景!
憂は完全に純の手玉! 支配権は純の手の中にあるッ!

純「次は……こう結んであげる!」

髪の毛の拘束を解いたと思いきや、再び拘束。
おお、亀甲縛りである。

純「このまま調教してあげる」

憂「やめ……やめ、てっ……」

律「私は……無力だ」

憂、律、絶体絶命。


触手のように伸ばされるその髪の毛は憂の体を舐めるように動く。

憂(この状況を打破するには……能力)

憂(目には目を、歯には歯を。でも)

そう、まだ憂は己の能力を知らない。
それはなによりもカンチョニストとしての未熟を意味する。

憂(カンチョニストとして目覚めれば私は能力を……だけどそれはいや……)

律「憂ちゃん……私にもっと力があれば……畜生ッ!」

純「まだまだへばらないでね。もっと楽しむんだから」

憂「私は……私は……」

憂「常人を捨てるよっ!!」

純「なに?」

その時、憂の体に異変が!
憂、光る。

律「憂ちゃん……輝け、もっとだ、もっと輝けぇぇぇっっ!!」

純「えっ! なになに!?」

憂「……!」


憂「私の能力は、能力の否定」

さっきまで絡みついていた髪の毛が憂の体から静かに解かれていく。
能力の拒絶、能力の否定。いや、これは能力が憂を拒絶しているッ!

純「えぇ!? わ、私……能力解いてない! なんで!?」

憂「私に能力は無意味だよ」

そう、憂の能力は相手の能力の無効化。
対能力者用といっていいほどの絶大的効果。
どんな力だろうと彼女の前にしては無意味ッ!

そして!

憂(私の、持ち前の運動能力!)

純(私のバックをとった――――)

憂「かんちょー!」ズブリ

純「きゃっひぃ!?」

鈴木純、敗北。





純「  」ビクンビクン

律「や、やったな! 憂ちゃん!」

憂「……」

憂(これがカンチョニストの力……すごい)

憂「これで私はまたお姉ちゃんに近づいた……」

律「憂ちゃん?」

憂「あ、ごめんなさい。なんでもないです」

律「?」




唯「まずいよ、このまま和ちゃんと戦っても勝てない」

唯「なにか、なにか考えないと」

梓「まずいまずいまずい、このままだと純に……」

さわ子「純ちゃんは敗退したわ」

梓「え!? ほんとですか!」

さわ子「ええ。憂ちゃんにやられて、ね」

唯「憂……?」

唯「そうか、憂もついに覚醒したんだね。カンチョニストに」

さわ子「私が見ている限り、彼女は並みのカンチョニストでは敵わない。絶対にね」

梓「ふ、ふふっ! なんだか燃えてきましたよ。俄然やる気になりました!」

梓(次こそは、次こそは!)

唯「私はどうしたら和ちゃんに勝てるんだろう……」

脱落者1名! 鈴木純。


2日目終了。



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