澪「今回は本当にありがとう」

律「素晴らしい働きであった!」

紬「とても助かったわ」

唯「来年もよろしくね~」

和「いやいや、俺も十分楽しめたよ。ありがとう」

ん、来年・・・?まぁいいか。
そんなこんなで合宿は無事終わりを告げた。


夏休みはついに最終日の8月31日を迎えた。

もちろん俺はこんなギリギリまで宿題を残さない。
いつからだっけ早め早めに物事を行うようになったのは
物心がついた時からだなきっと

ピンポーン

こいつのせいで

和「唯」
ガチャ

唯「すごいね!和くん!」

和「わかるよそのぐらい。夏休みの宿題だろ?」

唯「えへへ、面目ない」

和「唯んちでいいか?荷物まとめてくるからちょっと待ってろ」

唯「了解!」

冷房を切って唯をリビングに座らせると俺は足早に自分の部屋へ向かった。

ガチャ
和母「ただいま~」

和「」

唯「和くんのおばちゃん!」

和母「あら~、唯ちゃん久しぶりねぇ」

和母「また一段ときれいになっちゃって」

唯「入学式に会った以来だからまだ半年も経ってないよぉ」

和母「あら、そうだったかしら。昔は毎日のように遊びに来てたからね~」

和母「そうだ!スイカ買ってきたんだけど食べる?」

唯「食べる!」

和母「本当に唯ちゃんでも憂ちゃんでもうちの子のお嫁に来てくれないかしら」

タッタッタッ
和「はい!そこまで!冗談言ってないでさっさと宿題やりにいくぞ!」

唯「え~スイカ~」

和母「あら、和ったらテレてるのね。唯ちゃんのためにしっかり冷房切ってあげてるのに」

和「」

和母「じゃぁ唯ちゃんスイカ持ってておうちで憂ちゃんと食べてちょうだい」

唯「わー!ありがとう!」

和「ほら・・・いくぞ・・・」


ガチャ
唯「ただいまー」
和「お邪魔しまーす」

憂「おかえりー。和くんいらっしゃい」ニコッ

唯「憂!和くんのおばちゃんからスイカもらったよ!」

憂「わぁ!ありがとう!」

憂「今度何かお返しするね」

和「いいんだよ。好きでやってんだから気にしなくて」

和「で、ここにxを代入して・・・」

和「そうするとこうなるから・・・」

扇風機から送られてくる生暖かい風

憂が持ってきてくれた冷たいウーロン茶

そして、隣には少し気だるそうに問題に取り組む唯

『また一段ときれいになっちゃって』

確かにそうかもな・・・


ピンポーン
和「」ビクッ

唯「あ!みんな来たかなぁ」

和「みんな?」

唯「うん、律ちゃんも宿題終わってないし、大勢でやった方が早いと思って軽音楽部のみんなも誘ったんだぁ」

和「あぁ、なるほどね」

憂「お姉ちゃん、軽音部みなさんだよ」

律「密室に若い男女が二人きりとはどういう了見だぁ!」

和「どうもこうも宿題教えてただけだろ!」

紬「他に何もなかったのかしら」

和「あるわけ・・・ないだろ」

澪(その反応はもしかして何かあったのか!?)カァァ

唯「澪ちゃんどうしたの?」

澪「なんでもない・・・」


例のごとく騒がしくなったけど、最終的に唯も律も宿題を終えることができた。

夏休みが明けてからは俺は生徒会の役員として学園祭の準備に追われ、
その時に行われる初ライブに向けて、軽音部はめずらしく頑張って練習していた。


生徒会室

唯「たのもー!」

和「あれ?唯?」

唯「和くん!なんでここに?」

和「なんでって・・・生徒会だからだけど・・・」

唯「え!?すごいね!さすが和くんだよ!」

律「お前ら本当に幼馴染?」

和「うーん、確かにリストにはないな・・・」

律「もしかして・・・」

唯「律ちゃん!もしかしてなにか心当たりが!?」

律「おそらくこれは弱小部を廃部に追い込むための・・・生徒会の陰謀!」

唯紬「!?」

唯「和くんは本当は心がきれいな子!」

和「なんの話だよ」

和「ただ単に部活申請用紙が出てないだけじゃないのか?」

律「そんな話は聞いてないぞ!」

澪「聞いてるだろ!」ゴチン

律「うぅ・・・」

紬「まぁまぁまぁまぁ」

和「しょうがねーな、俺がなんとかするよ」

唯澪律紬「ホント!?」

和「軽音楽部・・・と。顧問は?」

唯澪律紬「顧問?」キョトン

和「お前ら・・・」

唯「カクカクシカジカでさわ子先生が顧問になってくれたんだぁ」

和「さすが学園のアイドルさわ子先生だな」


廊下

和「あ、先生」

さ「あなたは確か生徒会の真鍋くん」

和「軽音部の顧問になっていただいたみたいで、ありがとうございました」

さ「あら、どうしてあなたが?」

和「いや、軽音部には知り合いが多くて・・・」

さ「ふーん。それで、本命はどの子なの?」

和「な・・・」

さ「冗談よ♪」

和「・・・・・・」


文化祭1日目学内公開日

文化祭実行委員といっても常に仕事があるわけじゃない
特に今日は一般公開していないので、大きな仕事はあまりなかった。
軽音部のライブも明日の一般公開日に予定されている。

男1「じゃぁ俺らそろそろ当番だから行くなー」

男2「ひとりになったからって女の子と二人で回るような抜け駆けは許さん」

和「いいからはよ行け」

和「・・・とはいっても一人じゃ暇だ」

和「そのへんに知り合いでもいねぇかな」


とりあえず自分の教室に戻ってみることにした

唯「焼きそば食べるかいあんちゃん」ガラガラ

和「ひでぇ声」

唯「えへへ」

唯「和くん当番じゃないのにどうしたの?」

和「ちょっと時間空いたから様子見に・・・」

唯「じゃぁ暇なんだね!」

和「あいにくな」

唯「私もう交代の時間なんだぁ」

和「・・・・・・」

唯「私もう交代の時間なんだぁ」

和「・・・・・・」

唯「うぅ」

和「ごめんごめん。じゃぁ一緒にまわろうぜ」

唯「うん!」

男2「和のやろうあんだけ言ったのにあの平沢と出て行きやがった」

男1「まぁ幼馴染だしな・・・それにお前に平沢は扱いきれん。あきらめろ」

和「どっか行きたいとこある?」

唯「甘いものが食べたい!」

和「いつもそれだなお前は」

女1「ねぇねぇ、あの二人って付き合ってるのかな?」ヒソヒソ

女2「ただの幼馴染って話だけど」ヒソヒソ

女3「だけどお似合いじゃない?」ヒソヒソ

内緒話のつもりかもしれませんが聞こえてますって

和「あんなこと言われてんぞ」

唯「お似合いなんて言われたらテレちゃうね~」

俺自身は別に迷惑ではない
唯はやっぱりひいき目なしにかわいいし、事実クラスの男子の中でも人気だ。
そんな子とお似合いだと言われて悪い気がするわけない
だけどそれだけだろうか

唯は?
何を考えてるのかわからない
案外何も考えてないのかもしれないな


マイドー

唯「これおいしい」

唯「一口食べる?」

和「いや、俺はいいよ」

唯「おいしいのにー」

和「声・・・さ」

唯「ん?」

和「治らなくて残念だったな」

和「本当はボーカルやる予定だったんだろ?」

唯「うん・・・でもいいんだぁ」

和「?」

唯「澪ちゃんね、人前だと恥ずかしがっちゃうけど、すごくきれいな声で歌うんだぁ」

唯「だからいいの」

和「そっか・・・」

和「唯の歌も聴いてみたかったんだけどな」

唯「次頑張るよ!」

和「期待してる」

和「とりあえず明日頑張れ!」

唯「ガッテン!」


文化祭2日目一般公開日
律「ワン、ツー、スリー、フォー、ワン、ツー、スリー!」

澪「君を見てると いつもハート DOKI☆DOKI♪」

ついに軽音部のライブが始まった。
唯より俺のが緊張してたんじゃないだろうか

だけど蓋を開けてみると心配なんていらなかった

唯の言ってた通り澪の歌声はきれいだった。
唯のコーラスはガラガラ声なのに一生懸命歌う姿がかわいくてなんだか笑いそうになってしまった。

音楽のことはよくわからないからこのバンドが上手いのか下手なのかもわからないが
4人の波長がすごく合っていて、心地良い。

そして、いままで何かに一生懸命打ち込むことのなかったあいつがこんな大勢の前で演奏してる。
その事実が無性に嬉しかった。
しかし同時に『唯にはもう俺は必要ないんじゃないか』そんな気分にさせられた。


ジャーン
演奏が終わって軽音部の面々は舞台裏に戻ってきた。

澪は演奏後のハプニングにより固まっていた。
それをなだめる律とムギ

唯は安心したのか、俺に抱きついてきた。

和「・・・お疲れ」

唯「どうだった!?」

和「よくわかんないけど、良かったよ」

唯「頑張ったもんね~」

和「あぁ」

そっと唯の体を離す。

和「今度は唯の歌、楽しみにしいてるからな!」

そう言い残して俺は実行委員の仕事に戻った。

それからしばらくはなんとなく唯を避けていた。
もちろん表面上は今まで通りだが、心のどこかで避けていた。

クリスマス会は用事があるからと断った。

それでもバレンタインは例年通り憂の作ったチョコを二人からということでもらったし
ホワイトデーにはしっかりお返しもした。


ピンポーン
「はーい」

ガチャ
憂「和くん!どうしたの?」

和「よ、合格おめでとう。それ言いにきた」

憂「わぁ、ありがとう!」

憂「これからは和先輩だね」

和「いいよ今まで通りで。憂は俺の妹みたいなもんなんだから」

憂「本当の妹になるかもしれないし?」ニコッ

和「何言ってんだよ」

憂「お姉ちゃんもう少しで帰ってくると思うけど、あがってく?」

和「いや、今日は遠慮しとくよ」

俺たちの関係は何も変わらないまま2年生になった。

唯「あったぁ!2年2組だ!」

律「私もだ!」

紬「私もよ」

唯「あ、じゃぁもしかして澪ちゃんも?」

澪「1組・・・」

唯律紬「あ・・・」

澪「なんだその眼は!」

律「寂しくなったらいつでも遊びにきていいんだよ」

唯「・・・・・・」

紬「唯ちゃん、どうしたの?」

唯「あ!ううん、澪ちゃんだけ別で寂しくなるなぁと思って!」

澪「うぅ」

澪「知っている子が誰もいない・・・」

和「澪!」

澪「の、和!」

和「同じクラスか。これから1年間よろしくな」

澪「こちらこそよろしく!!」

和「・・・女の子の知り合いがいない?」

澪「うん・・・」

和「なるほど、死活問題だな」

和「このクラスなら何人か知り合いいるけど、紹介しようか?」

澪「・・・お願いします」


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