唯「軽音部ってとこに入ってみました!」

和「へぇ!そんで、軽音部って何すんだ?」

唯「わかんない」エヘヘ

和「お前な…」

唯「でも軽い音楽って書くぐらいだからきっと簡単なことしかやらないよぉ」

和「ま、頑張れや。」


俺は真鍋和。この4月に共学の桜ヶ丘高校に入学した。

冒頭の軽音部を甘く見てるのが幼馴染の平沢唯。
幼稚園、小学校、中学校とずっと俺が面倒見てきたといっても過言ではない。
そしておそらく高校でも…

しかし、こんな奴つかまされて大丈夫なのか軽音部…

それからしばらく経って、唯は軽音部で楽しくやっているようだった。
主にティータイムを。

それでも中学の頃より大分自立した子に育ったような気はしなくもない。
いや、気のせいかな…

嬉しいような寂しいような。親鳥の心境ってこんな感じか?

とりあえもうすぐ中間テスト。勉強せねば。


帰り道

和「おーい、ゆいー!」

唯「あ!和くん!今日帰り遅いねぇ」

和「あぁ、ちょっと図書室で中間テストの勉強してたから」

唯「へぇ、えらいねー…って、中間テスト!?」

和「知らなかったんかい…」

唯「せっかくギターの練習しようと思ってたのにぃ」

和「でもお前中学の時からテスト勉強なんてしたことなかったじゃん」

唯「そっかぁ。なら大丈夫だね!」

和「いや、大丈夫…じゃないけどな」


あいつ結局赤点取って追試かよ…
高校入って早々てシャレにならん。
…ちょっと様子見に行ってみるか。


ピンポーン
憂「はーい」

憂「あ、和くん!どうしたの?」

ワイワイガヤガヤ

和「おっす。ちょっと唯の様子見にきたんだけど…お客さん?」

憂「うん、お姉ちゃんなら軽音楽部のみなさんと勉強中だよ。」

和「そっか。ちゃんと勉強してんだな。邪魔しちゃ悪いから帰るわ。」

憂「せっかく来たんだからあがってって。お姉ちゃんのお友達もみんないい人だよー。」

和「うーん、じゃぁお言葉に甘えてちょっとだけ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

和「どーも、真鍋和です。唯とは家が近所で幼馴染なんだけど、高校でも同じクラスになりました。」

唯「幼稚園からほとんど一緒なんだよぉ」

律「ほう、じゃぁ真鍋くんは唯の彼氏というわけですな」

唯「いやー、照れますなー」ヘラ

紬「」

和「冗談はそこまでにしとけよー」

唯「ぶー」

澪「なんだ冗談か」

律「つまんないのー」


数時間後

ウフフアハハ


和「ところで、勉強はいいのか?」

唯澪律紬憂「」


軽音部、唯に合ってるな。みんないい子だったし。
唯がちゃんと部活やってけるか心配だったけど、一安心だな


澪「合宿をします!」

紬「私みんなでお泊りするの夢だったの~」

唯「そうなんだ~」

律「あはっ、じゃぁ海にする?それとも~」

澪「だから!バンドの強化合宿だって言ってるだろ!」

唯「あ…でも、お金とかどれくらい掛かるのかなぁ」

澪「それは…ム、ムギ、別荘とか…」

紬「ありますよ」

唯澪律「あるんかい!」



唯「そんなわけで女の子だけだと危ないので話の都合上和くんにも来てもらえないかと!」

和「なんだそりゃ。べつにいいけど、女4人に男1人ってどうなんだ…」



合宿当日

唯律「海だー!!」

2人は着いて早々水着に着替えて今にも海に飛び込みそうな勢いだ。
しかしなんて色気のない奴ら…俺もいるんだから少しは恥じらいを持ってもらわないとこっちが困る。

そして少し遅れて着替えてきた澪とムギ。
精神年齢は身体に影響するのか?

真面目に見えたって俺だって健全な男子高校生
かわいい女の子4人と海だなんて正直、逆に辛いです・・・

唯「和くーん!一緒に泳ごうよー」

和「おー、じゃぁちょっと沖の方まで行ってみるか」

唯「ラジャ!」

和「…で、なんで浮輪の紐を俺の体にくくりつけてんの?」

唯「もちろん沖まで連れてってもらうためだよぉ」

和「へぇ」

唯「いざゆかん!」

和「今日は波が低くていいな」スイスイ

唯「快適快適」プカプカ

和「唯と海来るのも小学校以来かな」

唯「そーだねぇ」

和「あん時は胸もないのにビキニなんか着るから上なくして大騒ぎしたっけ」

唯「むー、今は立派に成長したもん!」フンス

和「立派かどうかはともかく、お前はもう少し恥じらいというものをだな…」

唯「この水着今年買ったんだよぉ。どうかな?」

和「…似合ってるよ」

唯「えへへへ、ありがとう」

律「ほー、泳いでったのか?」

和「俺だけな。唯は浮輪で引っ張られてただけ」

律「和くんはあいかわらず唯ちゃんに甘いんですのね」

和「そんなんじゃねぇよ…基本俺は誰にでも甘いんだ」

律「私にも?」

和「たぶんな」

律「イヒヒ、じゃぁ何お願いしよっかなー」

和「なるべく疲れないやつで頼む」

律「そ・れ・じゃ・あ」

律「あそこにいる澪に怖い話をしてこーい!」

和「なんだそれ」

律「いいからいいから」


律「…意外と思いつかないもんだな」


和「おーい、みおー!」

澪「ん?」

和「こんなところで何やってんだ?」

澪「ちょっと散歩を…」

和「あ、フジツボ」

澪「コワクナイコワクナイコワクナイ」スタスタスタ

和「え?なに?」

和「澪?どうした?」

和「よくわかんないけど、気晴らしに律に言われた通り怖い話でもしてみるか」

和「フジツボといえば昔岩で足を切った少年が医者に行くと…」

澪「うわあああぁぁぁ!!!」

和「え?え?」


律「グッジョブ!」

和「え?」

律「いやー、澪はさ、怖い話苦手なんだよ」

和「先に言え!」

律「そうなるとしばらく戻ってこないからあとよろしくな!」

律「ついでに言うと男子も苦手だから!」

和「なら俺じゃなくて律がいた方がいいんじゃないのか」

律「荒治療ってやつだよ」

律「さらばじゃ!」

和「さて、どうしたもんかな」

和「おーい」

澪「」

和「澪、もう怖くないから、大丈夫だから、ごめんな」

澪「…ホント?」ナミダメウワメヅカイ

和「う、うん」ドキッ

澪「あ、あの!本当にお恥ずかしいところをお見せしまして」

和「いや、俺が悪かったし」

澪「どうせ律にでも言われたんだろ・・・?」

和「まぁ…」

和「でも女の子はちょっと怖がりなぐらいがちょうどいいよ」

澪「」カァァ

和「?」

和「そういえばさっきからムギ見てないな」

和「なんだあれ。城…?」

和「って…ムギ!これ一人でつくったのか!?」

紬「気がついたらこんなになってて~」

和「もはや遊びのレベルじゃないな…どこでこんなの覚えたんだ」

紬「毎年避暑先でお父様のお友達の職人さんと砂遊びしてたらいつのまに」

和「はぁー、この別荘といい、お前んちってやっぱすごいんだな」

紬「…」

和「どした?」

紬「男の子にお前って言われた初めてなの」

和「あ、悪い。嫌だったか?」

紬「ううん、嬉しくて。お前って呼ばれるのもあだ名で呼ばれるのも」

和「そんなもんか」

和「・・・」

和「ムギ」

紬「なぁに?」

和「呼んだだけ」

紬「ウフフ」

そんなこんなで夕方までみんなで楽しく遊んだ。
いやー、楽しかったな本当に。
それにしてもこいつら練習忘れてないか?

澪「せっかくここまで来たんだから思う存分遊ばなきゃ来た意味が……あぁ~~~!!!練習~~!!!」

律「忘れてたのかよっ!?」

和「やっぱり…」

和「んじゃぁ俺先に戻って夕飯の準備してるから、練習の前に遊びの疲れでも取っててくれや」

澪律紬「…夕飯?」キョトン

ドーン

律「すっげー!!」

澪「すごいな。これ全部一人で作ったのか?」

和「まぁ俺は練習しないからこれぐらいはしないとな」

唯「和くんの料理は世界一だよ!」

紬「料理のできる男の子って素敵ね~」

一同「いただきまーす」


食後

律「ふぅ…お腹いっぱい」

唯「おやすみなさい…」

澪「練習するぞ!!」

和「食った分はしっかり動けー」

結局、澪の呼びかけも空しく、花火をしてから少しだけ練習してこの日は終わった。
俺は唯達に頼まれて打ち上げ花火の設置をし、みんなが練習してる間は残りの細かい片づけを
していた。
ムギの別荘はさすがの防音設備で、俺の耳までみんなの演奏が届くことはなかったが、
それぞれに収穫はあったようで、練習後はみんな清々しい顔をしていた。

そして今から床に着くわけだが、当然一人別の部屋の俺は暇を持て余し、少し散歩にでることにした。


ミーンミンミンミーンミンミン

和「いやー、すっかり夏だな。…ん、あれは」

そこにはひとり佇む少女の姿があった。

※安価

和「あのー・・・」

長門「家がなくなったので泊めてほしい」

和「は?」

和「どこの誰かは存じませんがこんな時間に女の子が一人で危ないから早く家に帰った方がいいですよ」

長門「私は情報統合思念体」

長門「帰る家がなくなった」

和「は?」

和「うーん、泊めてあげたいんだけどさすがに無理だ」

ピポパポピ
和「あ、もしもし?警察ですか?迷子の女の子が一人いまして。」

和「えぇ、ちょっと混乱してるみたいで、不可解な言動がみられます。はい、お願いします」

長門「・・・・・・」

和「ごめんな」


情報統合思念体と名乗る謎の少女を警察に引き渡すと俺は再び歩き始めた。

その少女は悲しげな眼をしていたが、ひと夏の思い出としてきれいさっぱり忘れよう

そして歩く先に新たな人影を発見した

※安価

和「あれは・・・憂!?」

憂「和くん!」

和「どうしたんだよこんなとこで!」

憂「お姉ちゃんに忘れ物届けにきたんだけど迷っちゃった」

和「危ないだろ一人でこんな夜中に!!」

憂「ごめんなさい・・・」ウルウル

和「あ、いや、怒ってるわけじゃないんだ」

和「あ、いや、怒ってるわけじゃないんだ」

和「さっきもさ、パトカーの音聞こえただろ?物騒な世の中なんだよ」アセッ

和「憂だってしっかりしてるけど女の子なんだから」

和「こんなかわいい子がこんなところにひとりでいたらいつ変態さんが襲ってくるかわかったもんじゃない」

和「とりあえずもうムギんちの別荘すぐそこだから一緒に行こう?な?」

憂「うん・・・」

和「唯のやつも合宿だってのに忘れ物だなんてあいかわらずだよな」

憂「家出る前に私が気づいてあげられてればよかったんだけど・・・」

和「しっかし、その忘れ物をわざわざ届けにくるなんて、あいかわらずだな憂も」

憂「お姉ちゃんに頼まれて合宿についてくる和くんもだけどね」

和「う・・・」

憂「お姉ちゃんかわいいもんね」

和「そういう問題じゃないけどさ・・・」

和「あ、着いたぞ!」


唯たちの部屋

コンコン
紬「はーい」

ガチャ
紬「あら、和くん」

唯「どうしたのぉ」

律「夜這いか?」

和「違うって・・・ほら」

憂「あの・・・夜分遅くに訪ねてきてしまってすみません・・・」

澪律紬「憂ちゃん!?」唯「憂!?」

和「忘れ物届けにきたんだよな?」

憂「はい・・・あの、枕を・・・」

和「へ?枕?」

憂「お姉ちゃん枕変わると寝違えやすくなるから・・・」

唯「わー!憂!ありがとう!」ダキッ

和澪律紬「」

俺の世話焼きも大概だけど、憂には負ける自信がある


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