唯「あはは律ちゃんそれはカジキマグロだよー」

澪「おまっなんてもん振り回してんだー!」

律「ごめん、まちがいた」

紬「もー、りっちゃんったら、ふふふ」

いつもと変わらない学校からの帰り道ー

しかし。

「お嬢さんたち、楽しそうだねえ」

道を塞ぐように立っていた大柄な男が、4人に声をかけた。


唯「え?」

紬「お知り合い?」

律「さあ。おじさん、誰?」

澪(お、おい、相手にするのやめろよ!)ボソボソ

「ちょっとお兄さんと遊んでくれないかな」

男は羽織っていたレザージャケットを脱ぎ捨て、肌をあらわにする。

唯「わー、すごい体」

紬「スポーツマンかしら」

澪「バババ、バカッ、変態だ!」

律「…?」

「グオオオオ、ウォオオオオオッ!!」

男は突如苦しそうにうずくまり、うなり声をあげた。

男の背中はバリバリと音を立てて裂け、

そのまま全身にはいった亀裂を破って赤黒い皮膚が露出する。

そして、腕からニョキニョキと生える翼。

澪「ヒッ…!」

律「っと、危ない!」

あまりのことに失神した澪を律が支える。

紬「こ、これは、、、」

唯「か、怪物!?」

男はゆっくり立ちあがると、耳まで裂けた口を歪ませる。

「おれは怪人こうもり男!

 貴様らの血をいただく!!」


律「…みんな、逃げて。あ、ごめん。澪を頼むよ」

紬「え、り、りっちゃんは?」

ニコリと笑う律。

律「大丈夫、あたしはね」

どこからか取り出した音叉を電信柱にあて、響かせる。

律「…変身ッ!」

言葉と同時に、律の体が金色の炎に包まれる。

炎を振払った律、その姿はまさに。

怪人「お、鬼だと!?」

律「鬼だよ」

ででん!

律「私は仮面ライダー…Cagaya鬼!」


紬「りっちゃん! その姿は」

律「ごめんな、みんな。今まで、隠しててさ。

  あたし、変だろ」

唯「ううん…違うよりっちゃん。

  私もだから!」

腕をかざした唯の身に、轟音とともに雷が墜ちる。

ギブソンのいななきが白煙の中から轟く。

唯「仮面ライダー…Toyosa鬼!」


律「ゆ、唯も鬼だったのかよ!?」

唯「うん♪」

紬「みんなも、だったのね」

二人が振り向くと、

アコーディオンを抱えた鬼がそこにいた。

紬「仮面ライダー…Kotobu鬼!」


澪「う、ううぅ~ん。…ヒッ、お、鬼ぃッ! きゅう…」

律「あ、また気絶した」

紬「無理もないわね」

唯「それよりみんな

  あいつ、やっちゃおうよ!」

怪人「げぇ!」

超展開にあぜんとしていたこうもり男だったが

目前の危機にようやく気が付いたのか

あの大空へ翼を広げとんでいこうとした。

唯「逃がさないよぉ!」

雷のような速さで回り込み、レスポールで切り裂く唯。

紬「お仕置きが必要ね」

風のような軽やかな動きで蹴りを叩き込む紬。

律「往生せいやああああああッッッ!!」

そして律は火のごとき激しさでドラムを叩く。

律「音撃打! Don't say "lazy"の型!!」

怪人「ぐぎゃあああああああああ!!!」

哀れ怪人は演奏の終了とともに、爆裂四散する。


唯「ふぅ、おわった」

律「しかし、まだ信じられねー。

  みんなも鬼だったなんて」

紬「公にはできませんものね、この仕事は」

律「部活と鬼の両立は辛かったゼ」

唯「でも、これからはみんなで力をあわせて戦えるね!」

勝利を喜び、笑いあう3人。


律「ところでさ、鬼から戻ったら裸になるよな。

  みんな、どうするの。

  私はいつも弟が持ってくるんだけど」

唯「だいじょうぶ。憂がくる」

紬「私も執事が」

律「そっか。じゃあ、その辺で隠れて待つか…」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


唯「ん?なあにこの音」

謎の地響きとともに、

先ほど四散したこうもり男の残骸が

一か所に集まっていく。

律「な、なんだ?!」

唯「今までこんなことなかったよ!」

紬「! みんな、あれを見て!」


紬が指差す方向を見るまでもなく

異常さは伝わった。

こうもり男が再生し、

しかも数十メートルの大きさにまで

巨大化したのだ。

唯「うああああ~ おっきいいい!」

律「うそだろ…」

怪人「キサマラァ、よくもやってくれたなぁ!」

紬「逃げましょう!

  猛士にあの怪物のことを報告しなければ!」

唯「そうだね!」

律「ああ、とてもじゃないけどかないそうにねえ!

  あ、あれ?」

唯「どうしたの!?りっちゃん!」

律「澪が…いないんだ!!」



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