ELELOHIMELOHOELOHIMSEBAOTH
ELIONEIECHADIEREIECHADONAI
JAHSADAITETRAGRAMMATONSADAI
AGIOSOTHEOSISCHIROSATHANATON
AGLAAMEN


……メールが届いています。メールが届いています。

真夜中、私は一通のメールで目を覚ました。不思議な事に件名も、宛名も無い。夜中はバイブレーションにしているハズなのに音が鳴った。
いつもの着信音も流れることも無い。

唯「……メール??」

真っ暗な部屋で携帯を開き、溢れる閃光に顔を歪めた。


『DDS-NET
 このメールを受け取ったすべての人へ。現在、君の街に深刻な危機が迫っている。伝説の悪魔たちが闇から目覚めえたのだ。
 すぐにも悪魔が襲ってくるだろう。悪魔と戦うために悪魔の力を利用することだ。このメールを受けとった携帯には自動的に
 インストールされる。勇気あるものが使ってくれることを祈る。悪魔と戦い、人々を救うために……STEVEN』


唯「迷惑メールかな?もういいやまた明日、またあし……ZZZ...」


その日、私は夢を見た。その夢で私は大きな白い犬の背中に乗り、崩壊した街を見ていた。

??「主人、これは貴方の未来と決まったわけではない。これは決められたことではないのだ。主人よ。我を呼べ。我が名は……」



“永遠なる主、ツァバトの神”
“栄光に満ちたるアドナイの神の名において”
“さらに口にできぬ名、四文字の神の名において”
“オ・テオス、イクトロス、アタナトスにおいて”
“秘密の名アグラにおいて、アーメン”


・・・・・・・・・。



律「唯、唯ったら!!起きろ、ゆーいー!!」

唯「……うへっ、り、りっちゃん!!」

律「あんまり起きないから心配したぞ。お昼食べてからぐっすりだったもんな」

唯「いやぁ、昨日変なメールで熟睡出来なかったんだぁ」

と、私は異常なまでに目覚めが良いことに違和感を覚えながら、んんっ、と背伸びをした。

一体あのメールはなんだったんだろう。今朝、パンを囓りながら携帯を見たがそんなメールは入っていなかった。

律「ほれ、部活行くぞ!」

唯「う、うん!」

けど私は覚えていた。あのメールも、あの不思議な夢も。



~音楽室~

澪「おっ、やっときたな。準備しておいたぞ」

唯「いやー、澪ちゃんごめんね。」

紬「お茶も準備したわぁ」

梓「おでこ赤くなってますけどまた授業中寝てたんですか先輩?」

その通りでござんす、と私は皆が座っているいつもの椅子に座った。
目の前にはアップルパイが綺麗に六等分に分かれている。

唯「あれ、一切れ多いけど」

紬「今日はなんだか多く持って来ちゃったのよ。なんでかしら……」

と、ムギちゃんは不思議な顔をしながら皆にお茶を入れてゆく。

律「そういえば知ってるか、あの公園での殺人事件。あの犯人、人間じゃないらしいぜ」

梓「確か連続バラバラ事件でしたよね……けど証拠があまりにも人間とはかけ離れているんでしたよね」

そうそう、とりっちゃんはアップルパイに口を付ける。

律「なんでもかなり強い力で引きちぎられたらしいぜ。機械かそれともお化けか」

澪「な、なななそんなはずないじゃないか」

カタカタカタ、と澪ちゃんの持っているティーカップが震える。
私も紅茶を一口飲んで、アップルパイを……あれ、さっきの一切れが無くなっている。

唯「りっちゃん、そんなにアップルパイ食べたら太るよー」

律「うへっ、そんなに食べてねー……よ……??」

りっちゃんの表情が固まる。視線はアップルパイではなく、澪ちゃんの横、誰も居ないはずの席を見ていた。


??「むしゃむしゃ……ナイスティだねコレ」

??「あー!ずーるーい!!ショボーも食べる!!」

律「な、なにそれ?」

??「やぁ、今日もグレイトな日だね」

澪ちゃんの横には何か緑の、この前ゲームセンターで見た緑色の人形のようなものがアップルパイを器用にモシャモシャと咀嚼していた。

澪「な、なんだこれ……」

モコイ「やぁ、お嬢さん。ボクチン、モコイさん。君なかなか見所があるね」

カシャン、とムギちゃんの高級らしいティーカップが割れる音が音楽室に響く。

……無言。いや、人形の咀嚼音だけが音楽室に響いていた。

??「ねぇ、ねぇ、そこのお金持ちそうな、そう貴方。その高校生らしからぬ眉毛の貴方!!」

ムギちゃんの横には小さな鳥人間?が立っていた。

??「まだアップルパイ残ってない?あのモコイに全部食べられちゃう!!」

紬「あっ、えと……これどうぞ!!」

とムギちゃんは放心状態で自分のお皿に乗っていたアップルパイを差し出す。

??「ありがとー♪いただきまー」

モコイ「っす!!」

と、緑の人形がお皿に飛びついた。

律「な、なななんだよお前ら!!!」

梓「異星人ですかね。まぁ私は落ち着いていますががが」

唯「あずにゃん、口からお茶漏れてるよ!」

??「コラ、モコイ!!全く……で、アンタたちなんで固まってるのよ。私達を呼び出したのは貴方たちでしょ?」

唯「呼び出した?いやー全く覚えがないんだけど」

??「携帯、その携帯よ!覚えてないの?貴方たちには昨日メールが来てるでしょ?あれ、覚えてない?」

澪「けけけ、携帯のメールって……あれ迷惑メールじゃ無かったのか!?」

律「あー、あの夜中来たメールか」

梓「あれ、そんなの来ましたっけ?受信BOXには残ってませんけど」

紬「私もだわ。あっ、お茶もどう?」

さすがムギちゃん。順応性が高い!と思いながら私は昨日の夢を思い出す。東京が壊れる夢を。

??「その携帯には既に悪魔召喚プログラムがインストールされているの。だから私達ともこうやって話せる。要は翻訳機。昔は筒とか英語とかメンド臭かったんだけど技術はここまで進んだのねぇ」

と、鳥の格好をした女の子は澪ちゃんの隣の椅子によいしょと登る。

??「ちなみに私はこのボインボインのお姉さんの携帯から来たのよ。そこの人形もそう」

澪「私の携帯!?う、嘘だぁ!」

梓「と、いうとこは私達の携帯でもそういったことが起こる可能性があるってことですよね」

??「んー私の見立てでは……まだ貴方たちの携帯から悪魔は出てないみたい」

皆、携帯を覗き込む。んー、至っていつもの携帯だ。変わっているところは見当たらない。

??「けど、貴方の携帯は違う」

と、私は鳥の女の子に指を指された。

??「貴方、なんでそんな悪魔と契約しているのよ。貴方の妹もそうだけど……」

唯「けいやく??」

首を傾げる。いろんな契約は憂にしちゃいけないって言われたからしたことなんてないんだけどなぁ。

律「信じられない話だけど今こう見ちゃうとなぁ……で、どうやってその悪魔とやらを呼び出すんだよ」

??「それは簡単。ただCALLするだけ。その悪魔にね。けど私達みたいに勝手に出てきちゃう子もいるから」

へぇ、とりっちゃんは興味深そうに携帯を眺めた。ムギちゃんもあずにゃんも携帯を眺めている。

??「だから私はお姉さんの悪魔なの。私の名前はモー・ショボー。あっちではガーヂアンって呼ばれてるわ。よ・ろ・し・く・ね、みおちゃん♪」

と、ショボーちゃんは椅子に立ち、澪ちゃんの頬にキスした。
とたんに赤くな……いや、そこには青くなった澪ちゃん。

澪「あ、あわわ」

モコイ「モコイさんも君の仲魔だよ、チミ」

紬「で、なんで貴方達がこんなふうにいるの?」

ショボー「それが問題なの。本来私たちは魔界に住んでいるの。けどここの人間界で殺人事件があったでしょ?あれは悪魔の仕業なの」

律「やっぱり人間じゃなかったんだな」

ショボー「そう。その原因は魔界への扉が開いたこと。誰が開けたかは分からないけどこれは大問題なの。このままじゃこの街、いや、東京が無くなるわ」

梓「街が、無くなる!?」

ショボー「昔、この東京で魔界を開こうとした人はいたけどその比じゃないわ。そしてそれに気がついた人間がその悪魔召喚プログラムをばらまいた。人間が絶滅しないようにね」

律「で、私達に何をしろって言うんだよ」

澪「ま、まさかそれを止めろなんて……」

ショボー「そういうこと。けど無理強いはしないわ。下手すれば殺されるもの。まだ死にたくないでしょ?」

紬「けど私達が止めなきゃ」

ショボー「歴史は繰り返すわ。貴方達は憶えていないだろうけど、これは繰り返してはいけないことなの」

梓「繰り返すということは昔にもそんなことが……」

唯「……止めようよ、みんな」

律「おいっ、唯!」

唯「だって止めたら私達メジャーデビューできるかもしれないんだよ!!」

梓「せ、先輩……」

モコイ「さすがだね、チミ」


ショボー「まぁ、もう遅いんだけど」

澪「えっ!?」


アオオォォォン!!

律「そういえば……やけに静かじゃないか」

梓「はい、今まで運動部の掛け声が聞こえていたのに今は全くです」

澪「まさか……!!」

ガタンっ、と勢い良く立ち上がり、私たちは外を見た。

そこは……。




私たちの町では無かった。


律「だ、誰も居ないぞ」

紬「空が紫色に……」

ショボー「遅かったのよ。もうここは完全に魔界と繋がった。人間は消えたわ」

モコイ「消えたと言うか、みえないというか~」

唯「この携帯、あのメールがきた人しかここにはいられないってこと?」

ショボー「そう。これからは貴方達に任せるわ。街を救うも、いかなる手段を使ってこの空間から逃れるも自由」


アォォォン!!


律「でも具体的にはどうしたらいいんだよ。私達の知識じゃ全く歯が立たないぞ」

??「それには心配及ばない、ご主人のご友人」

ショボー「げー、やっぱり来た」

ガシャン!!

紬「ガラスが、割る音?」

唯「……ちょっと見てくるね」

トテトテ

澪「危ないぞ、唯! って人の話聞いていないし。おいそこの変な人形、なんなんだ今のは」

モコイ「あー、あれは犬だよ、おっきい」

律「犬?ゴールデンレトリバーとかか」

ドテドテ

唯「み、見てりっちゃん!おっきいお犬さん!!」

律「…………おい唯なんでそう簡単に背中に乗ってんだよ」

ケルベロス「我が名はケルベロス。平沢唯に契約により彼女を守護するものなり」

澪「た、確かにでっかい犬だけど……」

ショボー「ケルベロス……地獄の番人よあれ。いったいどうやって契約したのよあの子」

唯「うふぅ~もさもさぁ」

ケルベロス「ご主人は昔から変わらなくてなりよりだ。もっとなでなでしてくれ」

唯「なでなで~」

紬「いいな、いいな!!」

梓(私もナデナデしたいなぁ)


律「あ、あの唯さんそろそろ本題に戻ってもよろしかったでしょうか」

唯「あっ、ごめんねぇつい可愛くて」

ショボー「ねぇ、澪ちゃん。私のこともナデナデしていいんだけど」

モコイ「モコイさんもなでなでしてもいいのんだよ、チミ」

澪「えっ、あっ、うん」

なでなで

ショボー「えへへ///」

モコイ「えへ///」

澪(す、少しかわいいかも)

ケルベロス「ゲフン。では話を始めよう。簡潔に言えばこれから皆で情報収集をしようという提案だ。家族や友人の中にもあのメールを貰った人がいるかもしれない。そしてこの状態を一番知っているのは悪魔だ。悪魔のことは悪魔に聞く。まぁ常識だな」

紬「じゃあみんなで街に?」

ケルベロス「いや、別れたほうがいいだろう。君たちにも契約した悪魔がいる。それを使役して情報を集めよう」

律「班分けかぁ。取りあえずその悪魔とやらを呼び出してみるか」

梓「えーと……このアプリかな?デビル……なんやらってやつ」

ネコネコニャンニャンネコニャンニャン♪

梓「携帯が鳴った!」

ネコショウグン「……我を召喚せしはにゃんじか?我はネコショウグン。道教の神なり」

梓「……猫」

ネコショウグン「猫ではない。ネコショウグンだ。あずにゃん」

梓「あ、あずにゃんって……」

唯「なんだかあずにゃんに似て可愛いね!!」

紬「じゃあ私も……えいっ!」

百合ユリユリ~♪

??「……お嬢様、お呼びですか」

律「は、ハイレグビキニ……」

澪「少しキツイよな……」

梓(ムダ毛処理までしてあるし……)

紬「あなたお名前は??」

トール「我が名は魔人、トール。貴方にお仕えするものです。今度とも宜しく……では用がないのであれば選択が残っているので」

シュルン

紬「あっ、戻っちゃった」

律「なんだか変な悪魔だな、あれ」

ショボー「あれでも魔界では有名な悪魔なのよ、実際」

モコイ「カミナリさんだね、怖いね」

律「よーし、じゃあ次は私のば」


ガチャ!!

和「誰かいる!?」

唯「あっ、和ちゃん!みてー可愛いでしょ?ケロちゃん」

和「ゆ、唯……やっぱりもうこの世界は私達の世界じゃないのね」

澪「和っ、お前もメールを受け取ったのか」

和「メール?生徒会室で仕事をして、気がついたらこの有様よ」

??「だから言ったでしょうに和さん。もうここは貴方の世界では少し違うと」

和「……ガブリエル」

ふぁさ

ガブリエル「みなさん、はじめまして。わたくしは大天使ガブリエル。和さんの守護するのもです」

梓「ガブリエルってあの有名な!?」

ガブリエル「ええ、有名な。歌って踊れるアイドルです」

律(それは違う漫画じゃ……)

ケルベロス「ふむ、なかなかこころ強い仲魔だな。四大天使を使役するとは」

唯「ケロちゃんもこころ強いよ~」

ケルベロス「任せてくれ、ご主人」

澪「これで6人か。じゃあ私と和。律と紬、あとは……唯と梓でいいか?」

さわ子「ちょっと待ちなさい!私が梓ちゃんと行くわ!」

律「うわっ、さわちゃんいつの間に」

さわ子「ちょっと職員室で睡魔に負けていたらこの様よ!ねぇ、クー・フーリン!」

クー・フーリン「そうだとも、俺が起こしていなかったら今頃餓鬼の腹の中だぞ!」

紬「おおー、先生の悪魔はなんだか強そうね」

律「しかもイケメンか」

さわ子「ええ、婿に欲しいわ」

クー・フーリン「はっはっは、またまたご冗談を」

梓「私と先生が組んだとしても唯先輩はどうするんですか?」

さわ子「憂ちゃんを迎えにいってもらうわ。もしかしたらあのメールを受け取ってるかもしれないでしょ」

律「さすがさわちゃん冴えてるな」

さわ子「えへん!伊達に先生やってるわけじゃないのよ」

唯「憂、大丈夫かなぁ」

ケルベロス「ご主人、では早速出発しよう。妹さんの顔も久しぶりに見たいからな」

唯「久しぶり??」

ケルベロス「……では行くぞ。アオーン!!」

パリーン!!

律「あーあ、音楽室の窓……修理費学校出してくれるかな」

梓「律先輩……そこですか」

澪「じゃあ私達も行くか。何か情報がわかったら携帯で連絡すること!」

ショボー「……携帯いいなぁ」

モコイ「モコイさんも欲しいです」



――――――――――――――澪、和ルート。
街中!!

澪「しかし、本当に誰もいないな」

和「ええ。たまに変な茄子みたいな悪魔がこっちに来るくらいね」

ショボー「まぁ、私にかかればイチコロよ!」

モコイ「えへん、えらいね僕。かっこいいね、ブーメラン」

ガブリエル「しかしまともな悪魔はここにはいないのかしらね。しかしウリエルもラファエルも全く情報をもってこないなんて」

和「ウリエル、ラファエル……あとはミカエルでしたっけ、四大天使って」

ガブリエル「ええ、そうよ和。みんな手のかかる幼なじみで困ったものよ。よくラッパ吹こうとするし」

澪「ラッパ?何か楽器やってるんですか?」

ガブリエル「そうなのよ。けどそれ吹くと世界、終わっちゃうのよねぇ。困ったことにアハハ」

澪(笑い事じゃないぞそれ……)

和「幼なじみで苦労する点は私と一緒ですね」

ガブリエル「ええ、そうね。そして最大の理解者でもあるのよね。貴方と唯ちゃんみたいに」

和「そうですね。お互いなくてはならない関係ですから」

澪(私と律みたいなものだな)

ショボー「幼なじみかぁ、ショボーも欲しいなぁ」

モコイ「モコイさんは故郷にたくさんいるっす。よく人間の街に行ったっす」

澪「へぇー、お前はいったいどんな神様だったんだ?」

モコイ「モコイさんはあっちでは『悪霊』と呼ばれていたんだよ、ボク。よく病気や事故のせいにされていたよボク」

澪「じゃあお前悪霊なのか」

モコイ「そうだね。ボクけっこう現地では強い悪霊なのよ」

澪「へぇ……案外かわいい顔しているのにな」

ショボー(まぁ、実際は子供攫って食べたり、人間孕ませたりもうやりたい放題なんだけどね)

澪「で、ショボーはどんな悪魔何だ?」

なでなで

ショボー「ん///、えっとねー。まだ恋をしないで亡くなった女の子が私達モー・ショボーになるんだよ」

澪「恋かぁ。恋したかったか?」

ショボー「そうだねぇ。カッコいい王子様とかと恋愛したかったなぁ」

タム・リン「どうだい、お嬢さん俺とアバンチュールなんて」

ショボー「啜るぞ、バカヤロウ」

澪(啜る??何を、何をだ!?)

しくしくしく。

和「あら、何か泣き声が聞こえない?」

しくしく、しくしくしく。

澪「ん、ほんとだ。泣き声が聞こえる」

モコイ「あっちだね、チミ」


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