部室

律「あれ?私が一番乗りじゃないのか?」

梓「りつー」

律「どっ、どうしたんだ梓!?折り紙こんなにグシャグシャにして……」

梓「……」

律「元気がないじゃないか、何かあったのか?」

梓「ルツが折れんです」

律「鶴?」

梓「ゆいーは手裏剣も奴さんも嫌いです、鶴なら好きかも知れんです…」

梓「でも何度やっても折れんですっ!何度も何度もやったけど折れんです!」グスグス

律「そんなことなら、私が教えてやるよ」

梓「ダメです!小さいころから、お母さんや先生に何度も教わったです!」

梓「なんども、なんども、なんども、なんどもぉーっ!!!」

律「梓……」

梓「出来ないです、私がバカだからできんのです……」

律「なっ、お前、自分の事バカって言わないって約束しただろ!?」

律「自分の事をバカなんて言っちゃダメだっ!」

梓「ゆいー、も言ってたです」

梓「私はバカです、バカだからゆいーは私が嫌いです」

律「あいつ、そんな事をっ!?」

梓「私は何でバカなんですか?なんで頭のいい子に生まれなかったんですか?」

律「梓、お前……」

梓「頭良くなったらゆいーは私が好きになりますか?」ポロポロ

律「それは……」

梓「バカはイヤですよぉーっ!!!」

律「梓ぁっ!!!」ダキッ

梓「私バカだからわからんです、どうしたらいいか分からんです!!!」

梓「りつーっ、教えてくれです!どうしたら頭良くなりますか?」

梓「どうしたら、ゆいーは私を嫌いじゃなくなりますか!?」

梓「うわーん」ボロボロ

律「梓、ごめん、わたしもわかんないや」ポロポロ

律「ごめんな、ごめんなぁ」ギュッ

梓「りつー、りつーっ!!」ヒシッ




数日後の部室

紬「今度の合宿も、うちの別荘に行かない?」

澪「うん、いいんじゃないか?」

梓「がっしゅくって、何するですか?」

紬「海の近くに行って、みんなでお泊りするのよっ」

梓「海ですか?お泊りですか?楽しみです!!!」ピョンピョン

律「花火したりバーベキューしたり楽しいぞーっ!」

澪「ちゃんと練習もするぞー」

梓「いくです!早く行くです!!!!」ダッ

律「おいおいっ、今から行くんじゃないぞ」

紬「それでね、唯ちゃんはどう思う?」

唯「合宿って、コイツも行くんでしょ?」

梓「ゆいー…」

唯「じゃあ、私パス」


律「唯も一緒にいこうよー」

唯「部活の時間だけでもイヤなのに、何でコイツと一日中いないといけないわけ?」

梓「あ、ううっ」

澪「そう言うなよー、去年は楽しかったって言ってたじゃないか?な?」

唯「去年は……ね」

律(唯と梓がこのままじゃいけないな……お互いの為に)

律「なあ唯、絶対に去年みたいに楽しくするから、頼むから来てくれよ」

唯「はぁ?りっちゃん、あからさまに出来ない約束なんてするもんじゃないよ」

紬「お願いよ唯ちゃん、みんなが一緒じゃないと楽しめないわ」

唯「わかったよ、出来るだけそいつ近づけないようにしてよね」

梓「……」

律(だいじょうぶ、二人は分かり合えるはずだ、きっと……)




合宿当日 海

梓「海すごいです!青いくせにザーザー言ってやがるです!」

律(梓は喜んでるみたいだな)

律(でも肝心の唯との接点がないな……)

澪「唯、泳がないか?」

唯「そうだね、ちょっと泳ごうかな」

律「梓も泳ごうぜ!」

梓「私は……やめとくです」

律「え?何でだ?」

梓「小さい頃、波に飲まれたから、泳ぐの恐いです…」

律「そうか……」

紬「じゃあ、一緒にお城作りましょうか?」

梓「つくるです!私は正義の基地をつくりますから」

梓「ムギはマユゲラーのアジトをつくるです!!!」





唯「」スーイスーイ

澪「唯、泳ぎも得意なんだな、全然ついて行けないよ」

唯「うーん、まあね」

澪「だいぶ沖に出ちゃった、私はそろそろ引き返すけどー」

唯「私はもう少し泳いで戻るよ」


砂浜

紬「悪のアジトってこんな感じかしら?」

梓「違うですっ、もっとあばんぎゃるど銀河っぽく!!!」

紬「ふむふむ」

澪「ふーっ、疲れたぁ」

律「一人で戻ってきたのか、唯は?」

澪「あそこ」

律「あんなとこまで、唯は何させてもスゴイな」


紬「澪ちゃん、何か飲みもの取って来ようか?」

澪「いいよ、自分で行くよ」

紬「場所わかる?一緒に行きましょう」

律「おい、梓は何か飲まないか?梓と唯の分も取ってきてやるぞ」

梓「オロナミンGがいいです!」

律(ジー?)

梓「私は割れて中からロボが発進する山をつくってて忙しいです!早く行くです!」

律(要するに普通の砂山だな)


唯(気持ちいいなー、これであいつがいなければ最高なんだけどなー)

唯(はぁ、そろそろ戻らなきゃ)

唯(!?)

唯「えっ!?ゲポッ!!!」

唯(何これ?足が攣った奴!?)

唯(水飲んじゃった、苦しいっ、えっ?)

唯(なんなのちょっとっ!!?)

バシャバシャ


梓「いい具合に正義の基地が出来たです!」

梓「一見普通の農家ですが、ちゃぶ台を引っ繰り返すと牛小屋がー……」

梓「ん?」

バシャバシャ

梓「ああっ、ゆいーっ!ゆいーがぁっ!!!?」


梓「みんなーっ、みんなぁー!!!!」

梓「みんな来いです!!!ゆいーが大変です!!!」

梓「みんないないです!ゆいーが!私泳げないです!!!」

梓「ああっ、どうすればいいですっ、わからんです」

梓「わーっ、わーっ」

梓「ビーチボールがあるです!?」





唯(苦しい、息がっ、吸わなきゃ、水をっ、はかなきゃっ!!!)

唯(苦しいっ、助けてぇっ!!!)

唯(死ぬのっ?イヤっ!!!)

唯(誰か助けてーーーっ!!!!)


梓「ゆいーっ!!!ゆいーっ!!!」バシャバシャ

梓「ゆいーっ、ボール、つかまるです!!!」バシャバシャ

唯(えっ、梓ちゃん!?)

唯(やった、早く、つかまなきゃ!!!)

唯「ケホッ、ケホッ、はあっ、はあっ」

唯(良かった、これで何とかなる…)

バシャ バシャ 

梓「はあっ、うっぷ」バシャバシャ

唯「えっ?」

唯(この子、ボールつかんでないと立ち泳ぎも出来ないの!?)

梓「がっ、うぶっ」バシャバシャ

唯(ちょっと、こっちに来られても……っ)

唯「あっ!?ゴホッ」

唯(ダメっ、このボール一つじゃ二人は無理だよっ)

梓「はっ、うっぷ、ゆいーっ、ごぼっ」

唯(二人いるけど、ボールは一つなの)

梓(ゆいー、私……)

唯(生き残れるのは一人なの……)



ドッ!




澪「あれ?梓がいないぞ」

紬「ちょっと、二人ともあれ見てっ!!!」

律「えっ!?マジかよっ!!!」

律「浮き輪は無かったか!?じゃあ救命用のはどこだ!?」

紬「あ、あっちっ!」

律「くっそーっ!!!」

律「間に合ってくれーっ!!!!!」

バシャバシャ


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