澪「いたのか憂ちゃん。……服は?」

憂「お掃除で汚れてしまったので脱ぎました!」

澪「なんかもういいや」

唯『憂いるの?』

憂「あ、お姉ちゃん。憂だよ」

唯『さっき和ちゃんが来てくれたんだけど、急にバグっちゃって』

梓「唯先輩もかなりのバグを起こしてますけど」

唯『むっ、あずにゃん! お尻は気持ちいいんだよ!』

梓「はいはい……今からウォシュレット買ってきますから、そしたら出てくれますか?」

唯『え? ……ううむ』

憂「律さんの家のより気持ちいいの買ってくるから!」

唯『こ、これよりも……』

唯『わかった、買ってきたら……ね?』

澪「よし、じゃあ約束したところで、早速行くか」

 トタトタ

紬「あ、少し待って」

澪「どうしたムギ?」

紬「このまま皆で出ていったら、りっちゃん家は空き家状態になっちゃうわ」

憂「お姉ちゃんがあの状態ですし、鍵もかけられませんし、確かにそうですね」

梓「誰かが留守番しないといけませんね」

憂「私は行きます。お姉ちゃんのお尻の穴のことは、私が一番よく知ってます」

紬「私も、お財布だから行かないと」

澪「梓は?」

梓「残った方がいいと思います。澪先輩も」

梓「最低2人はいないと、何かあったときに対処がしにくいです」

澪「じゃあ、憂ちゃんとムギでホームセンターに行ってくれるか」

憂「わかりました。なるべく急ぎますね」

梓「お願いね、憂」

紬「梓ちゃん、私には?」

梓「お願いね、つむぎ」

紬「……ちょっとキュンってした」

 ガラララッ

憂「じゃあ、行ってくるね」パタンッ

澪「……それにしても」

梓「はい?」

澪「律が遅いな。トイレに行ったにしては」

梓「確かにそうですね。もうどれだけ経ったやら」

梓「大方、今回の問題にかかわるのが嫌で、どこかうろついてるんでしょうけど」

澪「そうだろうな。わるーい寄り道をしてることだろう」

梓「……?」

澪「ここじゃ冷えるな。部屋に戻ろう」

梓「そう、ですね?」

 スタスタ

唯『みっ、澪ちゃん』

澪「ん?」ピタ

澪「唯、どうかしたのか?」

唯『あのー……』

梓「?」

唯『お腹、すきません?』

澪「……ふむ。そろそろ7時になるか」

澪「いいかもしれないな。私がご飯を作ってあげるよ」

唯『助かります!』

梓「澪先輩、お料理できるんですか?」

澪「ふっふ。これでも時々律に振る舞ってやったりしてるんだぞ」

梓「へぇー……あの、私料理はからきしダメなんですが」

澪「いいよ、私がやる。唯、待ってて。すぐ作るから」

唯『ありがとっ、澪ちゃん!』

澪「どういたしまして。梓のぶんも作るからな」スタスタ

梓「あっ、はい。ありがとうございます……」

梓「……」ポツーン

梓「は……」

梓「することない……」

 ガタッ ガラララッ

聡「ただい、まっ……」

梓「ひ」ビクッ

聡「あれ、俺んち……」

聡「だよ、ね?」

梓「し、しらないです」

聡「……あ、前にもあったなこんなこと」

聡「澪さん? います?」

 トストス

梓「……」

澪「ん、なんだ?」ヒョコ

聡「あの子、姉ちゃんの友達ですか?」

澪「ああ。梓だ」

梓「あのっ、澪先輩。その人は」

澪「ん? えっと……誰だっけ? モリスン?」

聡「……聡です」

澪「そうそう、律のいとこの橋本くんだ」

梓「あ、それはそれは……その、こんばんは」

聡「あの、一応おじゃましてますぐらいは」

澪「モリスン。今、夕食を作ってるけど、モリスンも食べるか?」

聡「いや、だから聡……」

澪「わかった、モリスンのぶんも作っておくな」

聡「いっいえ! あのおれ、部活の仲間と食べてきたんで! いいですっ!」ドタタタッ

澪「フ……」

梓「……澪先輩、本当に料理できるんですか?」

澪「律は泣きながら最高だって言ってくれるよ」

梓「……私、コンビニ行ってきます。ご飯はいいですよ」

澪「そうか? まあ手間が省けるからいいけど……」

梓「何か欲しいものがあったら買いますけど」

澪「いや大丈夫。行ってきてくれ」

梓「……はい」

 スタスタ

 トンットン

梓「……」

 ガラララッ …パタン

梓「私……何の役にも立ててない」

梓「澪先輩はド下手なりにお料理してるし、」

梓「憂は全裸でだって唯先輩のためにウォシュレットを買いに行ってくれてる」

梓「ムギ先輩はお金を出したし、律先輩はきっとどこかでおしっこしてる! ……なのに」

梓「それなのに私、こんなんじゃだめだよ」

梓「……すぅー」

梓「私にできること、それは……」

 グッググ…

梓「ふ……ぐぐぐっ……カイリキーッ!!」ガゴッ

梓「はあ、はぁっ……このマンホールから下水道に入ること」

梓「パイプを通って唯先輩のいるトイレまで行って、中から鍵を開けちゃえばいいんだ」

梓「私のちっちゃい体なら行ける!」

梓「よし、行くよ私!」

 ピョン

 ヒュー…


――――

澪「……さっきから、なにうろちょろしてるんだ」

聡「っと、あの……トイレがあかなくて」

澪「ああ、トイレはあかないぞ。唯がこもってるからな」

聡「ゆい?」

澪「私の友達だよ。ウォシュレットがお気に召したらしくて、ずっとこもってる」

聡「はい? っ……え、ウォシュレットで遊んでるんですか?」

澪「かれこれ2時間ほど」

聡「……高、3、ですよね?」

澪「言ってもまだ17なんだ。許してやれ」

聡「いやあのでも、俺わりと限界な」

澪「うるっさいな! もらせよ!」バン

聡「ひいっ!」じょわっ

聡「ううっ、ぐくぅ……おれ、その唯って人に話つけてきます!」

聡「人ん家のトイレにこもるなんて!」

澪「おいっ、モリスン!」

聡「なんですかァ水縞モロ! PANCHIRA!」

澪「っ……く」

聡「フンッ」

 ドスドス

澪「……立場上、止められなかった」

澪「くそっ、くそ……」

澪「パンツの話題は反則だろう……」

 ポタッ…ポタッ

澪「ぐすっ」

 コンコンッ

唯『なあに、澪ちゃん?』

聡「いや俺、その……」

聡「田井中さんのいとこの、橋本モリスン……ですけど」

唯『……』

唯『なにか用?』

聡「単刀直入に言います。今すぐウォシュレット遊びをやめてトイレを出てください」

唯『なんで』

聡「あのですね、ここ僕ん家の……いやそもそもそこトイレなんですよ」

聡「用を足したいに決まってるじゃないですか」

唯『……へー』

聡「へーじゃなくて。ぅく……あの、唯さん、もう本当に出ちゃいますって」

唯『じゃあ出せばいいじゃん』

聡「いや、出せばいいじゃんって言いましても」

唯『出したいんでしょ?』

唯『私もこうして好き放題してるんだし、キミも出したいなら出せばいいじゃん』

聡「ちょっと理屈がわかんないです。俺が損するだけじゃないですか」

聡「ほんとに、いいから早く……」

唯『……』

 チョロロッ チョロ…

聡「ちょ、唯さんまたそれ」

唯『ん、ふぁ……』シャァァァ…

唯『なんと言われても、どかないからね。ん……』

聡「っ……唯さん、マジで限界なんスけど……!」

聡「ぅあ……だめだっ、でるうっ!!」

 ジョオオオオオオォォ…

聡「オ……オ、オ、オ」

 ガクッ

聡「……中、3、だよな……オレ」

 バシャン

――――

澪『さてと、掃除終了』

唯「ごめんね澪ちゃん、何から何まで」

澪『いいよ。じゃ、ご飯ここに置いとくな』

澪『私は部屋にいるし、梓たちは出てるから』

唯「ありがとー、澪ちゃん」

澪『どーも』

 トッ トッ トッ

唯「……」ソロッ

 カチャ ガチャ

唯「おお……」

 ススッ

 パタン カチャ

唯「スープパスタ。コンソメの匂いがする……」

 ギシ

唯「よっと……」ポチ

 ウィーン… プシィィィッ

唯「はっ、はふ……」カチャカチャ

唯「ん、もぐ……じゅじゅう」

唯「ふふぅ……ウォシュレットしながらご飯なんて最高だよぅ」プルッ

唯「はふ、ふーっ。じゅるるじゅちゅ……ごくっ」

唯「でも、ちょっとしょっぱい……涙の味?」

唯「……私、何してるんだろう」

――――

唯「ふー、ごちそうさま」

 カチャン

唯「……」

唯「……う、ん」

唯「なんかお腹がゴロゴロする」

唯「……うぎゅう」ブルブル

唯「はあっ、はっ……」

 ガラララッ

紬『澪ちゃん梓ちゃん、ただいま!』

憂『お姉ちゃーん! 買ってきたよー!』

唯「げっ!」

憂『約束だよ、トイレから出てきて!』

唯「っ……」グギュギュ…

憂『お姉ちゃん?』

唯「……今は、出れない」


12