澪「ああああああああああ」

梓「うええええええ」

紬「……う~ん」



律「よーし、そうと決まれば善はいそげだっ」

唯「しばらくするとお店も閉まっちゃうしね。急いでギー太持ってくるよ」

律「待ってるぞー!」


紬「……」

澪「……いいのかな?」

梓「いや、よくないと思います。いろんな意味で」




梓「あ、そういえば律せんぱい?」

律「?」

梓「手持ちのギター売るんなら、私のでもよかったと思うんですが、なんで唯先輩だけに言ったんですか?」

律「だって梓は賢いけど、唯はアホの子じゃん」

梓「あ、はい。分かりました」

澪「『はい』じゃないが」


律「フフフ。やはり勝つのは知略走り、他人をd」

澪「それはもういい」


律(計画通り! だがまだスタート地点にさえいない。明日さわちゃんに会った時、それが本当のスタートっ!)


 ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・


澪(……律がおかしい。なんか鼻が長く伸びて尖ってきてるし、明らかに変だ!)


梓(……唯先輩。本当にギター売っちゃうのかなぁ)


紬(……ど、どうなっちゃうのかしらっ!?)


<20分後>

梓「あ、唯せんぱい来ましたね。ギターケース抱えて」

律「遅いぞ~ゆーい」

 タッタッタッタ

唯「おーい。みんなぁ」ノシノシ


 ガッ!


唯「はぅぁΣ」

紬「あぁっ! 唯ちゃんがコケた!!」


 ┣¨ン!

 ボキィ!!!










梓(あれ、なんか首の骨が折れるような、そんな音が……)

澪「も、もしかして……」

律「うわああああああああああああああああああああああ」

紬「ギ、ギターケースが……変な方向に曲がっ」


唯「イタタタ、タタ……タ?」



唯「……」


 唯はギターケースを開けた


 が、中にあったギターは、ネックが真っ二つに折れていた!


 唯は”ネックの折れたギター”を手に取った


唯「……」



梓「唯先輩のレスポールのネックが、折れちゃった……」


唯「ふぁ、あっ。あっあっ、あ」

澪「こっ、これは……」

律「や、やっちった!」


――唯の脳裏には、ギー太との思い出が走馬灯のように駆け巡りはじめた



  初めて出会った時の事。一緒に眠った夜。初めて弾いたチャルメラ……


  必死にコードを覚えて練習したこと。合宿で初めて合わせたバンド練に、初ライブ……


  洋服を着せたり、ギー太との毎日毎日の思い出が、グルグルグルグルと駆け巡っていく……



  ボロ… ボロ… ボロ……

  ボロ… ボロ… ボロ……


――唯の瞳からは、大粒の涙が。そして……



唯「アバっ」

紬「ABBA?」

澪「…スウェーデンのバンドの?」


唯「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばっ!?」

梓「ゆ、唯せんぱい?」

唯「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」


――悲劇降臨!

  平沢唯のギターが、壊れてしまった。ネックが、完全に折れて!

  原因はそう、一瞬の気の緩み。そのせいで、折れた! 折れた!! 折れたっ!!!

  欲を出し、50万金を、手に入れようとしたときに、

  唯が初めて買った大切なギターが、壊れてしまったのだ!!


唯「あうあうあうあうあうあ~」


――そして、平沢唯も、壊れたっ!

  彼女の顔がっ、空気がっ、脊髄がっ、

    ぐにゃあ~

  と曲がり、

  中身が抜けて、イってしまった!


唯「あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうああああああああああ」


――これほどショックを受けたのは、平沢唯にとって、彼女のギターが

  血と汗と思い出の染みついたあのギターが、

  まさしく”命”の一部っ。”魂”に他ならないからだろう。


  それを、つまらぬ謀のせいで、壊してしまったのだっ!


  例えるなら、暴落! もう取り返しはつかないっ!!


唯「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」


 唯はこんらんしている


澪「うわぁ、唯が壊れた!」

唯「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」

梓「しっかりしてください。唯せんぱい!」


律「ご、ごめ。唯……」

律「こんなっ、こんなハズじゃ…!」


唯「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」


律「ああああっ」


唯「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」


律「ああああああああああっ!」










                                     .
律「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」


 律もこんらんした


澪「うぉい! お前もかいっ!!」


紬「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばw」


梓「ム、ムギ先輩まで……」


唯・律・紬「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば……」


澪・梓「……」


5人「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」


 軽音部は全員こんらんしている


5人「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」





子供「ねーママ~」

母親「しっ、見ちゃいけません」




5人「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」



澪「って何やってんだわたしらはっ///」



<よくじつのがっこう!>


唯「……ぶーたがーみーちをゆーくよー。うへへへへ」


さわ子「……」

さわ子「はい、状況は理解しました」


唯「うへへ。うへへへへへ」


さわ子「唯ちゃんから魂がなくなってるのはそういう訳なのね……」

律「うぅ、ごめんなさいっ」

唯「……ぶーたはしーぬのがこわいからー、くるまーをよーけてゆーくよ~♪」

唯「うへっ。うへへへへへ」

澪「ゆ、唯……」


さわ子「はぁ、じゃぁ50万円は全額没収。部費計上は無し。いいわね」

律「は、はい。結構です。すみませんっ」

さわ子「……反省してる?田井中さん」

律「はい。もうずるはしません。反省してますっ…誠意見せます。焼き土下座でも、なんでも来いです……」

さわ子「……」

さわ子「ふぅ……」


さわ子「……分かりました。反省してるようなので、唯ちゃんのギター修理代”だけ”は、先生が出してあげます」

律「えっ!」

唯「えっ?」

澪(おっ。唯が復活した)



律「さ、さわちゃんマジで!?」

唯「ほ、ほんとに出して、直してくれるの!!!?」

さわ子「ええ。なんかもう、魂の抜けた唯ちゃん見てられないもの……」


唯「うぅっ……」

唯「うわーん。さわちゃん先生ありがとっー!」

ギュゥ

さわ子「ちょ、ちょっと抱きつかないっ(涙や鼻水が服に……)」

唯「わ゛た゛し゛っ、わだじのギダーっ。一生大事にずる~」

唯「ぜっだいでばなさない゛~」

唯「うわあああああああああああああああああああああああああああああああん」

さわ子「ええ、大事にしなゃダメよっ!」

唯「うわあああああああああああああああああああああああああああああああん」



澪「……とりあえず、一件落着だな」

律「まぁ、よかったよかった……」





律「これを見てる読者のみんな~いいかな~」

律「自分が扱う楽器は、大切にしないといけないぞ~」

律「あと、領収書とかもごまかしちゃいけないぞ~」

律「かわいいかわいい軽音部部長、田井中律ちゃんとの約束だぞっv」


澪「……調子に乗るなっ」

 ドスッ

律「うおおおお……」

END



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