唯「59.8キロ・・・」

体重計に乗ったのなんて何ヶ月ぶりだろうか。
最近律に指摘されて気になって恐る恐る乗ってみるとこの有様だ。
挙句の果てに憂にまでダイエットを勧められる始末。

『食べても太らない体質』

自分の体質をそう信じ込んでいた唯だったがこれで現実を目の当たりにした。

唯「あわわわわわ・・・どうしよう・・・」


憂「お姉ちゃんご飯できたよー!」

唯「ん?この匂い!ハンバーグ!?わーい!!」

唯「今行くー!」ドスドス

唯「いっただっきまーす!」


ガツガツムシャムシャ

唯「ごちそうさまでしたー!」

憂「お姉ちゃん今日もご飯4杯食べたの!?ダイエットするって言ってたじゃん!」

唯「また今度~・・・うーいー、あーいーすー」

憂「だーめ!」

唯「憂のケチ」プー



その夜

唯「お腹空いて寝れないよぉ・・・」

唯「何か食べよう」

唯「憂に見つからないように・・・」

唯「憂がこの戸棚にポテチ隠してるの知ってるんだから!」


パリパリ

唯「おいしいなぁ///」

唯「あれ?チョコパイ発見!」

ムシャムシャ

唯「んまい!」

唯「あ!いけない、アイス忘れるところだったよ」

パクパク

唯「ん~、おいし~///」

唯「他に何かないかなぁ・・・」

唯「あ!夕食のハンバーグ・・・」

ガツガツ

唯「冷たいけどおいしいや♪」



翌日

律「おいおい唯、見るたびに大きくなってるなw」

唯「りっちゃんひどーい!」

律「ハハ、わりぃわりぃ」

唯「」ブスッ

律「ゆいー、ごめん!」

唯「・・・帰りにチョコレートパフェ奢ってくれたら許してあげる」

律「」

唯「じゃあいいよ!」プスッ

律「わかったわかった!」

唯「わーい!りっちゃんありがとー!」

律「やれやれ・・・」



平沢宅

唯「ただいまー」

憂「むむむ・・・お姉ちゃん、チョコパフェ食べてきたでしょ?」

唯「え!?な、何いってんの憂~、そんなわけないじゃん!」

憂「口にチョコ付いてるよ・・・」

唯「えっ」

唯「へへ///」

唯「それよりお腹減ったなー、憂!」

憂「今日からお姉ちゃんのご飯はこれです!」デデーン


唯「なん・・・だと・・・?」

憂「ご飯1杯に梅干1つ!」

唯「これじゃ元気でないよー!せめてトンカツとかハンバーグが食べたい!」

憂「ダメ!」

唯「い、いいもん!我慢するもん!」

唯「いただきます!」


1分後

唯「ごちそうさまでした・・・」

唯「食べた気がしない・・・」

唯「お腹空くから寝よう・・・」



真夜中

唯「し、死ぬ・・・」

唯「だ、駄目だ!何か食料を調達してこよう」

唯「憂に見つからないように・・・」

唯「!?」

唯「何もない・・・」

唯「こうなったら買いに行くしかないよね!」



数分後

唯「フヒヒwコンビニで買ってきちゃった♪」

唯「んまい!このポテチんまい!」

唯「この唐揚げ弁当もおいしいなぁ」

唯「チーズバーガーもおいしいよぉ」

唯「アイス3箱買ってきちゃったけど今日中に食べれば憂にもバレないよね」



こんな生活を繰り返して3週間・・・

憂「お姉ちゃん・・・何で食事制限してるのに前より太ってるの・・・」

唯「さ、さあ?体質なんじゃないかなぁ?」

憂「と、とにかく体重を量ってきて!」

唯「憂も大げさだなあ」

ドスン


唯「」

体重計「70.0㎏」


唯「う、嘘でしょ・・・」

唯「嘘と言ってよ体重計ちゅわあああん!!!」

ドスドス


憂「お姉ちゃん、どうだった?」

唯「あ、え~と・・・59キロ!」

憂「え?痩せてる・・・?」

憂「ホントに・・・?」

唯「も、もちろんだよ!あれだけ頑張ったんだもん!」

憂「そ、そうだよね!お姉ちゃん頑張ったもんね!」

唯「へへ///」

憂「でもやっぱり前の体重に戻すためにはこの食生活続けた方がいいよ?」

唯「う、うん。頑張る!」



翌日

律「唯、ギター弾きづらそうだな・・・」

唯「そんなことないよ!ほらこの通り!」

ジャッカジャッカ

律「キレがないし音もなんだか・・・」

澪「唯、お前もう音楽室でのティータイム無しだ・・・」

紬「残念だけど軽音部のためよ!唯ちゃん!」

梓「そうですよ!唯先輩ならできますよ!」

唯「そんなぁ・・・」


澪「唯はそういうことな!さて練習再開だ!」

律「ワンツースリーフォー!」

澪「君を見てると~♪」ジャコジャコ

澪「いつもハートDOKI☆DOKI♪」ズジャズジャ

澪「揺れる想いはマシュマロみたいにふーわふわ♪」ジャギジャギ

澪「いーつもがんばーるー・・・」ガジャンガジャン


澪「・・・おい」

唯「ん?澪ちゃんどうしたの?」

澪「明らかにヘタになってるだろ、ギター・・・」

唯「い、いきなりどうしたの!?そ、そんなことないよ!ねえ、りっちゃん?」

律「・・・」

唯「ムギちゃん?あずにゃん?」

紬梓「・・・」

唯「うぅ・・・」

唯「いいもんいいもん!軽音部やめるもん!」

一同「えっ」


唯「そんなに私が邪魔ならやめるもん!痩せてまでギターなんてやりたくないよ!」

律「カチン」

律「あーそうですか。そんな軽い気持ちだったのか。だったらさっさと出てけよデブ」

唯「で、でぶ!?」

唯「ひどいよ!もう絶対音楽室に来ないもん!」ダッ

紬「唯ちゃん!追いかけなきゃ!」

律「ほっとけ!」

紬「で、でも・・・」

澪「仕方ないよ」

紬「・・・」



帰り道

唯「ぐすん・・・みんなひどいよ・・・」


クスクス

唯「?」

女子高生A「見てよあれw」

女子高生B「うわwデブwww」

女子高生A「しかも見てよ、ウチの高校の制服w」

女子高生B「きめぇw同じ高校だと思われたくないwwあっち行こうよw」ダッ

唯「」ワナワナ



平沢宅

唯「ぐすん・・・」

唯(絶対痩せてやる・・・!)



その夜

憂「お姉ちゃーん、ご飯だよー!」

唯「いや~何か下痢気味だから今日はいいや。ごめんね」

憂「そう・・・無理しないでね」

唯「うん。ありがとー」

唯「よし!ひとっ走りしてくるか!」


ザッザッザッザッザッ

唯「疲れた・・・喉が渇いたよお・・・」

唯「あ!自販機だ。ジュース買おう!」

ガコン

唯「コーラおいし~♪」


唯「やっぱりお腹も空いてきちゃった・・・何も食べずに運動は無茶だったかな?」

唯「・・・目の前にコンビニが・・・」

唯「うーん!ダメダメ!ここで諦めるからダメなんだ!」ペチペチ


店員「ありがとうございましたー」

唯「う~ん・・・この肉まんおいしいなあ」

唯「チョコアイスもうまい!」

唯「ふう・・・充電完了!疲れたし歩いて帰るか・・・」ドシドシ



~このまま3週間が経過~

音楽室

律「最近唯学校に来ないな・・・」

紬「心配だわ・・・」

律「やっぱりあの時言い過ぎちゃったのかな」

紬「そうかも・・・」

律「謝りに行こう」

澪「じ、じゃあ私も・・・」

律「梓はどうする?」

梓「私も行きます」

律「よし、じゃあ今日は唯の家に行くか!」



平沢宅

律「おじゃましまーす・・・」

憂「律さん!いっらしゃい」

律「最近唯どうしたんだ?」

憂「何か引きこもっちゃって・・・」

律「唯が・・・」

律「とりあえず会わせてくれないか?」

憂「どうぞ。お姉ちゃんたら、すっかりぶくぶくになっちゃって・・・」

律「前より太っちゃったのか?」

憂「」コクリ

律「・・・」ゴクリ



ゆいのへや

律「入りまーす」ガチャ

律「唯、いいかな」

唯「・・・うん」

律「!?」

唯「りっちゃんも焼きソバ食べる?」ズルズル

澪「唯・・・ずいぶんと大きくなったな・・・」

唯「そうかな?」

紬「体重は・・・どのくらい・・・?」

唯「昨日量ったら90キロあったんだよ。ははは」

一同「」


律「澪、軽音部に戻ってきてもらおうと思ってたけど・・・どうする?」ゴショゴショ

澪「どうするって言われても・・・」ゴショゴショ

紬「と、とりあえず戻ってきてもらいましょう」ゴショゴショ

律「仕方ない・・・そうしよう」ゴショゴショ

唯「皆でこそこそしてどうしたのー?」

律「い、いや!何でもない!」

律「それよりさ・・・軽音部に戻ってこない?」

唯「・・・」

律「あの時から私も反省してたんだ・・・ごめん!」

唯「気にしないで」

唯「私、もう一回ギターやりたい!」

律「唯・・・」

唯「あ!でもティータイムはちゃんとアリだよ?」

律「まあ、仕方ないか・・・」

唯「わーい!またムギちゃんのおいしいお菓子が食べられるー!」

紬「うふふ・・・」

澪「そういえばギターはどこにあるんだ?」キョロキョロ

唯「・・・あ!」

律「どうしたんだ?」

唯「いや、実はね・・・」





~1週間前~

唯「お腹減ったけどお金が無いよ~・・・」

唯「家の食料は憂に制限されてるし・・・」

唯「死んじゃうよー!」

唯「・・・ぐす」

唯「!」

唯「そうだ!どうせ軽音部やめたんだしこのギター売ればいいんだ!私って頭いい~」



楽器店

店員「ありがとうございましたー」

唯「高かったギターのわりにはずいぶん安いなあ・・・もっとちゃんとメンテナンスしておけば良かった」

唯「まあいいや!これだけあればコンビニ弁当がいくつ買えるかな~♪」



平沢宅

唯「う~んおいひ~」モグモグ

唯「食べ物に囲まれて暮らすって幸せ~」






唯「というわけなんだ」



律「バカヤロー!何してんだ!」

唯「ひいい!許してください!」ペコペコ

澪「これは弱ったな・・・」

紬(私が貸したお金で買ったものなのに・・・)

唯「ムギちゃーん、もう1回値切って同じギター買って!お願い!」

紬「え・・・でも・・・」

唯「お願い!軽音部に戻ってあげるから!」

律「唯!いい加減にしろ!自分でバイトして買え!」

唯「で、でもこの体じゃ無理だよぉ・・・」

律「甘ったれるな!」

唯「カチン」

唯「何さ!前は人を部から追い出したくせに偉そうに!りっちゃんのバカ!もう帰って」

律「く・・・」

梓「か、帰りましょう」

澪「そうだな・・・律、行くぞ・・・」

律「おう・・・」

唯「ふん!」

バタン


唯「みんな嫌い」ボソ



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