唯「うわぁあああ!?」

ざわ ざわ ざわ ざわ

唯「あれ?生きてる?」

梓「――」ヘナヘナ

律「トラックが……トラックが……あと数cmで……」

澪「見えない……見えない……見えない……」ブツブツブツブツ

紬「……」ブルブル


「お、おい、怪我人はいないか?」「なぁ、さっきの……」「お、おかしい!さっきのトラックは確かに……」「どういうことだ?」


「トラックが歩道に乗り込むギリギリで……止まってる」


「奇跡だ!」「いや、おかしいぞブレーキさえかかってなかったのに!」

ガヤガヤ ガヤガヤ


ハルヒ「ねぇ!キョンさっきの見た?凄いわよ、ねぇ!
トラックが歩道ギリギリでとまったわ!」

長門「……」ハァハァ

ハルヒ「でもなんかおかしくない?
まるで誰かがあのトラックを無理矢理止めたみたいだったわ」

ハルヒ「有希……トラック止まる前呪文みたいなの唱えなかった?」

キョン「!」古泉「!」

キョン「き、きのせいだろ?」

ハルヒ「私は確かに聞いたわよ?まるで有希がトラックを止めたみたいに……」

古泉「悲鳴ではないでしょうか?」

ハルヒ「ねぇねぇ?有希!さっきの――」

長門「……」ハァハァ

ハルヒ「有希…?あんた顔色悪いわよ?」

長門「……帰る」

ハルヒ「えっ?」

長門「スマナイ」タッタッタ

キョン「……」



―――長門家!

長門「……わかっている」

長門「私の任務は涼宮ハルヒの監察」

長門「関係のない有機生命体への干渉はあまり好ましくない……ましてや本来死ぬべきであった生命を情報操作によって助けるのは……」

長門「それに……禁止されていた情報操作を許可なしに使った」

長門「ルール違反を犯した罰はうける」

長門「……」

長門「!!!」

長門「違う!彼女は彼女は関係ない!」

長門「……」

長門「……了解した……」

長門「大丈夫……私がやる」

長門「情報操作は……得意」ポロポロ



―――平沢家!

唯「でね!すごかったんだよ?右むくとトラックが突っ込んできてたんだから!」

憂「本当にどこにも怪我はない!?大丈夫?」

唯「大丈夫だよ~♪怪我人もね誰もいなかったんだって!
みんな 奇跡だ~ って」

憂「それならいいけど……」

フワッフワ~タイ~ム♪ フワッフワタ~ム♪

唯「あっ!有希ちゃんからメールだ」

唯「えっと『いつものバス停』…?
こいってことかな?」

唯「憂~、有希ちゃんに今から会ってくるよ~」

憂「はーい、車には気をつけてね?」

唯「うん!あ、招待券もっていかなくっちゃ!」



―――バス停

唯「有希ちゃん!こんばんはー」

長門「……」

唯「あのね、あの後すごかったんだよー?あのねトr―――」

長門「喋らないで!」

唯「ん?どしたの……?有希ちゃん…顔が怖いよ?」

長門「あなたに会うまでは対有機生命対ヒューマノイド・インターフェースである私という個体の中に感情なんてものは存在しなかった」

長門「しかし、あなたに会い、交流を深めることによって私にも感情というものが産まれた」

長門「情報総合思念体はこれをバグと判断したがそれでも私はこれをバグではなく感情だと信じたい」

唯「えっと……何いってるのかわからないよ……」

長門「この短期間で私はあなたから多くのものを学び、貰った
私という個体はその恩を返すことを望んでいるのだけれど今日、私のエゴによってそれも叶えることのできない望みとなってしまった」

長門「情報総合思念体はあなたをバグのもと、つまりウィルスだと判断したが大丈夫、安心して
私はあなたに危害を加えない」

長門「ただ……ただあなたの、あなた達の意識から私という個体の存在を消すだけ」

長門「本当にありがとう、そして
ごめんなさい」ポロポロ

唯「分かんないよ!でもこれじゃまるで別れのあいs――」

長門「大丈夫、あなたにはあなたを支えてくれる多くの仲間がいる
私がいなくても……大丈夫」



―――ピカッ



長門「これで……これで良かった」ポロポロ

唯「」

ヒラッ……ポトッ


長門「……これは……」

長門「……」ギュッ



唯『有希ちゃん!』

長門『……』タッタッタ

唯『だめ!いかないで!有希ちゃん』

唯『まだまだ、私は有希ちゃんとお喋りしたいのに……もっともっと仲良くなりたかったのに……』ポロポロ

長門『……』タッタッタ

唯『いきなり行っちゃうなんて卑怯だよ、有希ちゃん!』

長門『ごめんなさい……』タッタッタ


――――――ぇちゃん?

―――――お姉ちゃん?

――朝…よ!起きて!


唯「ん、んー有希ちゃん……ムニャ」

憂「お姉ちゃん?起きて!朝だよ!遅刻しちゃうよ?」


唯「はっ!有希ちゃんは?憂、有希ちゃんは?」バッ

憂「何いってるの?有希ちゃん?」

唯「えっ?有希ちゃんだよ!ほら―えーっと――――あれ?有希ちゃんってだれだっけ?」

憂「まだ寝惚けてるのお姉ちゃん?それより早く着替えて支度しなきゃ!」

唯「う、うん……なんだったんだろ……」

唯(夢みたような……どんなだっけ?
何か忘れちゃいけないもののような気がするけど……」

唯「うーん、思い出せない……」



―――数日後SOS団

ハルヒ「ちっがーう!違うわよ!有希!」

みくる「ふ、ふぇぇ」ビクビク

ハルヒ「そこはもっとこう感情を剥き出しにするの!
この前は出来たじゃない!」

長門「……すまない」

キョン「な、なぁハルヒ
長門も疲れてるんだよ、すこし休憩にしないか?」

古泉「僕もそのほうがよろしいかと」

ハルヒ「……はぁ……しょうがないわね
有希?次はしっかり頼むわよ?」

長門「……」コクリ

ハルヒ「じゃあ10分休憩ー!」


長門「……」サッ

オラウータン人形

長門「……」ジー

みくる「さ、最近の長門さんすこし様子がおかしくないですか?」ヒソ

キョン「……」

古泉「前までなら暇な時は本を読んでいたのに最近はずっとぬいぐるみを見つめてますね」


キョン「よぉ、長門」スタスタ

長門「……」ジー

キョン「どうしたんだ?最近元気ないじゃないか」

長門「……」ジー

キョン「……平沢と何かあったのか?」

長門「……」ジー

キョン「……この前の情報操作が原因か?」

長門「!」

長門「あなたには関係ない!」バッ

キョン「!」

長門「……すまない……少しそっとしておいて欲しい…」

キョン「……あぁ分かった
ただ……何か困ったことがあったら遠慮せず俺に言えよ
俺だってお前のしんy―――」


ハルヒ「休憩終了ー!!!
ほらっ、みんなさっさと役割について!」

長門「……」スタ

長門「……」トテトテ

ハルヒ「こら!バカキョン!あんたも突っ立ってないでさっさと仕事しなさい!休憩は終了よ!」

キョン「……へいへい」



―――桜ヶ丘文化祭5日前

唯「すごくよかったね!さっきの」

梓「息もばっちりですし、後は文化祭の日を待つだけですね!」

律「今年は去年みたいにバタバタしてなくていいな!」

澪「去年がひどかっただけでこれが普通なんだけどな」

紬「文化祭が楽しみだわー」

律「演奏がこんなにうまくいってるのも全部――――あれ?誰のおかげだ?」

澪「そりゃ私達だろ?あ、でも確かに誰か私に……」

紬「私もなんだかもやもやするわ  さわ子先生かしら?」

唯「……」

律「あ、そうだそうだ、さわちゃんだっ!ってあの人菓子しかくってねーよ!」

律「んー誰だっけ……」



―――帰り道!

紬律澪「ばいば~い」

唯「ばいば~い」

唯「帰ろっか、あずにゃん!」

梓「はい」



―――――――

唯「あっ!」

梓「……またですか?」

唯「うん、えへへ
ゴメンね」

梓「最近ずっとあそこにいってますね、唯先輩」

唯「なんだか分からないけどあそこにいくと落ち着くから……」

梓「……はぁ、風邪引かないでくださいよ?外は寒いんですから」

唯「分かってるよー!じゃあまたね!」

梓「さようなら」ペコリ



―――バス停!

唯「ふー、ここのベンチなんだか落ち着くなぁ」

唯「うまくいってるのに……何が物足りないんだろう」


ヒュ~ ヒュ~

唯「ヘブシッ」

唯「うぅ、寒い!今日はもう帰ろう」



――――文化祭まであと3日!桜ヶ丘高校

律「えぇ!?唯が熱だした?」

澪「あぁ、風邪引いてたのに無理してこじらしたらしい」

梓「……そんな!」

紬「こまったわ……」



――――その頃SOS団!部室

長門「……」ジー

キョン「あと3日で桜ヶ丘の文化祭だな」

長門「……」ジー

キョン「……お前はいかないのか?」

長門「……」ジー

キョン「……」

キョン「俺も帰るから鍵、頼むな?」

長門「……」ジー

キョン「……」

ガチャ バタン


長門「……」ガサゴソ

 【招待券】

長門「……」ギュッ



―――文化祭!1日前

長門(明日は……彼女達の文化祭)

長門(しかし……私には……彼女達の演奏を聞く資格は……ない)

ハルヒ「明日はいよいよクライマックスを撮るわよ!有希とみくるちゃんの最終決戦のシーンだからね?気合いいれなさいよー!勿論、遅刻なんかしたら死刑なんだから!」

みくる「わ、わかりました!」

古泉「了解です」

キョン「……」

長門「……」コクリ

キョン「……」

キョン「あれ?長門、お前明日は用事があるんじゃなかったか?」チラッ

長門「……」

ハルヒ「そうなの?有希」

長門(私は……)




長門「特に ない 」

キョン「……そうか」


ハルヒ「何よ、キョンびっくりしたじゃない!明日は大事な日なんだから用事なんかで休んじゃダメなんだからね!
わかってる?キョン」

キョン「……」

長門「……」


6