唯は泣きながらパンツとストッキングを履き直した。
唯の顔に浮かんでいるのは、紛れもない恐怖の表情だった。

律「違うんだ、違うんだよお、唯……
  話を、話を聞いてくれえ」

唯「いやっ……いやああ、
  こっち来ないで……来ないでよっ……!」

詰めよる律。
あとずさる唯。
やがて唯は、音楽室の隅にまで
追い詰められてしまった。

律「な、何をそんなに怖がってんだよお……
  なあ、正気に戻れって……」

唯「いやっ……いや……」

律「なあっ、唯!!」がっ

唯「い……いやああああああああっ!!!!」


ガチャ
澪「ど、どした、唯!!」


律「み、澪……」

唯「澪ぢゃんだすげでえええ!!
  りっぢゃんが、りっぢゃんがあああぁぁぁ!!!」

澪「だ、大丈夫か、唯!」

唯は澪に抱きついた。
そして澪は唯の体が尋常じゃないくらいに
震えていることを感じた。

澪「おい律、唯に何をしたんだ!!」

律「ち、違うんだってば!
  私は別に、そんな、何も……」

澪「何もせずに唯がこんなに泣くわけないだろ!!
  おい、何をしたんだよ、律!!」

律「わ、私はっ……私は……!」

澪「律っ!!」

唯「うわああああああん!
  うああああん!」

澪「よ、よしよし唯……
  もう大丈夫だから」

泣きじゃくる唯の背中を優しく撫でる澪。
何があったか知らないが、
唯をこんなに泣かせるほど恐ろしい目に合わせたとすれば
親友として律を許すことはできない……
澪はそう思った。

唯「うあああああん!」

澪「おい、律……
  何があったんだよ、正直に言えよ」

律「違うんだ、違うんだよ」

澪「何が違うんだよ!?
  それをはっきりと言えよ!!」

律「……違っ……違うんだあああああああああ!!!」

澪「律っ……!」

律は叫びながら音楽室を飛び出していった。




――

――――

――――――

田井中家。

律「はあ、はあ、はあ」

音楽室を飛び出した律は、
そのまま全力疾走で家まで帰っていた。

汗だくでフラフラの体を、ベッドに横たえる。

律「なんで、なんでこんなことになってしまったんだ……
  なんで、なんで、なんで……」

律「私のせいじゃない……
  私はただ唯の陰毛を欲しくて、それで……
  音楽室で寝てる唯のパンツを……」

律「そしたら唯が起きたんだ……
  いや違う……ああ、そうだ……
  唯の陰毛が……そうだ……」

律「唯の陰毛……柔らかくて、気持ちよくて……」

律「そうだ……唯が泣き出したんだ……
  なんで……」

律「ああ、そうか……
  いきなりパンツ脱がせて……
  股間をまさぐってたら誰だって泣くよな……
  はは……」

律「何やってんだろう、私は……」

律「はははは、はは……」

律「はは……」

律「……」

律「……」

律「……」

律「……」

律「……」




律「くかー」

澪「オイこら律」ボカッ

律「いだっ……
  な、なんで澪がここに……?」

澪「カバンを持ってきてやったんだ。
  音楽室に置きっぱなしだったろ」

律「え、ああ……ありがとう」

澪「昼寝して落ち着いたか?」

律「ん……まあ」

澪「で?」

律「で、って?」

澪「……唯に何をしたのか、ってことだよ」

律「え、ああ……」

澪「唯に聞こうとも思ったけど……
  あんな怯えてたのに、また思い出させるのもよくないと思って」

律「……」

澪「……早く言えよ。
  言ってくれないと、私はお前のこと許さないぞ。
  まあ、言っても許さないけど」

律「…………」

澪「…………」

律「……真面目に聞いてくれよ」

澪「うん」

律「私な……私……」

澪「なんだよ……」

律「陰毛が……好きなんだ」

澪「インモ?」

律「陰毛だよ。俗にチン毛やマン毛とも言う、あれだよ」

澪「っ…………ふ、ふざけてんのか!?」

律「ふざけてないよ、真面目に聞けって言ったろ!」


澪「ああ、すまん……
  で? それが唯となんの関係が……」

律「唯が、音楽室で寝てたんだ……」

澪「……ああ」

律「だ、だいたい分かった?」

澪「なんとなくは……
  陰毛見たさに唯の寝込みを襲った、とか?」

律「そうなんだ」

澪「お前……最低だな」

律「分かってるよ……」

澪「お前のシュミについては
  好きにすればいいと思うけどさあ……
  人を傷つけるようなことしちゃダメだろ」

律「うん……」

澪「特に唯みたいなのは、そういうのに耐性ないだろうし」

律「…………」

澪「見ただろ?
  あの唯の怯えかた……
  本気で泣きじゃくってたぞ。
  あんな唯は初めて見た」

律「うん……」

澪「ああいうのは、本当に一生モノのトラウマになっちゃうから」

律「うん……
  唯に悪いことしちゃったな」

澪「ほんとだよ」

律「……」

澪「唯に謝りに行こう」

律「うん」

澪「許してもらえるか分からないけど……
  もとの楽しい軽音部に戻るために、さ」

律「それは無理だ……」

澪「は? 無理? ……なんで?」

律「私にはもう軽音部は苦しすぎる。
  あんな空間にいたら……
  私はみんなの陰毛のことで
  頭が一杯になっちゃうんだよ……」

澪「り、律……」

律「唯には許してもらえるかも知れない……
  でも私のこの内から沸き上がる欲望はどうなる?
  消えるのか? なくなるのか?
  いや、これからもどんどん膨らんでいく……」

澪「……」

律「そうさ……今だって頭は陰毛のことばかりさ……
  さっき触れた唯の陰毛……
  そして、澪、お前の陰毛……」

澪「……」

律「またいつ爆発してしまうか分からない。
  また誰かを傷つけてしまうかも知れない……
  そんなことになったら……」

澪「律……」

律「…………」

澪「……陰毛に触れられれば……いいんだな」

律「えっ」

そういうと澪は立ち上がった。
そして、パンツを脱ぐ体勢になった。

律「な、何してんだ、澪……!」

澪「律……これからは、
  私が陰毛をお前に提供する……だから」

律「何いってんだ、そんなこと……」

澪「でも、これで律の欲求は収まるんだろ?」

律「それは……そうだけど」

澪「なら、ためらう理由なんてない」

律「澪っ……!」

澪「なんだよ……
  こっちだって恥ずかしいんだから、
  止めないでくれ」

律「でも……」

澪「困ったときはお互い様だ……
  今までだってそうだっただろ?
  だから、これからも」

律「澪……」

澪はパンツを脱いだ。

澪「ほら……律」

律「あ……ああ……」

律は澪のスカートをめくった。
そこにはあった。陰毛が。
それは唯のものよりもずっと濃かった。
陰毛パラダイス……いや、
それはまさに陰毛ヘヴン。

律は澪の股間に顔をうずめた。



挿入歌 陰毛時間
作詞・田井中律


キミを見てるといつも陰毛MOJA☆MOJA
揺れる思いは陰毛みたいにちり☆ちり


いつも抜けてる君の陰毛
ずっと見てても気づかないよね
夢の中なら二人の陰毛ちぢれさせるのにな


あぁ カミサマお願い
二人だけのInmou Timeください☆
お気に入りの陰毛抱いて今夜ももじゃもじゃ♪

陰毛時間 陰毛時間 陰毛時間



――

――――

――――――

律「はあ……」

澪「もう、満足か」

律「ああ……
  ありがとう、澪」

澪「いや、いいんだ……
  じゃあ、行こうか」

律「え、どこに?」

澪「唯のところだよ。
  謝りにいかないと……」

律「ああ……そうだな」

澪「今度は襲ったりしちゃだめだぞ」

律「うん、今のでスッキリしたから大丈夫だよ」



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