数ヶ月後

ライブハウス トイレ

唯「ふーふー…」

トントントン

プスッ ジワ… トンッ!

唯「あっ…あああ…んんーーーっ!」

唯「はぁ…んん…ふ、ふぅ…」


ドンドン

梓「唯先輩!そろそろ出番ですよ!」

唯「うん!今、今行くから!」


ガチャッ

梓「早く準備してくださいね」

唯「ごめんね~ちょっと便秘気味で…」テクテク

梓「もう…ん?」



ジャーンジャーンジャーン!

唯「みんなありがとう~次の曲は…次の…曲は…」

ギョロギョロ

澪「唯…どうしたんだ…?」

唯「次はあ…あ、そおう…チャックベリーのお、お、おお…」

フーッフーッ

紬「唯ちゃん…?」

唯「トゥーマッチジャンキー…ビ、ビジネス!」

律「ワン、ツー、スリー、フォー!」

チャーララララ チャーララララ

唯「トゥーマッチ!ジャンキビージネース!」

梓「……」

ジャカジャカ



ライブ終了後

唯「今日はごめんね…なんかフラフラしちゃってさ…」

澪「風邪でもひいたのか?今日は早く帰って休めよ」

唯「うん…そうするよ。バイバイ」

カチャ ブロロロロロ

律「唯のやつはしょうがないなー…んじゃあ私も帰るわ」

テクテク



梓「…澪先輩、ムギ先輩。話したいことが…」

澪「どうした?」

梓「明日昼休み音楽室に来てもらえませんか?」

紬「別にいいけど…」

梓「それじゃあまた明日」

テクテク



唯宅

唯(…さすがに今日のライブはまずかったかな…)

唯(でも…クスリをきめてギター弾くのはすごい快感!
  音楽がありえないくらい身体に染みこんでいく)

唯(大丈夫…私はうまくクスリと共存できてる…何も心配いらない)

唯(ダメな薬物中毒者とは違うんだ…大丈夫大丈夫…もう寝よう…)



翌日 昼休み
音楽室

ガチャッ

澪「おーう。あれ憂ちゃん?」

憂「あ、こんにちわ。梓ちゃんに呼ばれて…」

澪「憂ちゃんも?」

紬「こんにちわー」

梓「みんな揃いましたね?…今から大事な話をします…よく聞いてください」

澪「なんだ…?」

シーン…


梓「唯先輩と律先輩は…おそらく薬物中毒です…」


澪「えっ!梓…何言ってるんだよ!?」

憂「…っ!」

紬「…詳しく話してもらえる?」

梓「はい…恥ずかしい話なんですけど…
  ウチの親ジャズバンドやってるって言いましたよね?」

梓「それで…父親が一時期薬物中毒だったんです…」

澪「そんな…」

梓「ショックでした…泣いてやめてくれって頼んだら、
  リハビリを受けてなんとかクリーンになったんです…」

紬「そう…つらかったね…」

梓「…二人はその時の父親によく似てます…やたらと喉が乾いたり、
  目がせわしなくギョロギョロしたり、呂律がまわってなかったり…」


澪「う、うう…ど、どうしよう…唯が…律が…うわああああん!」

紬「澪ちゃん!落ち着いて!」

澪「む、ムギ…二人が死んじゃう!どうしよう…どうしたら…ムギー!」

憂「澪さん…」

梓「今からちゃんとリハビリを受ければ間に合うはずです…
  私達がしっかりして二人を助けるんです…」

澪「ぐすっ…りつ…ゆい…」

憂「お姉ちゃんは…私から話ししてどうにかします…」

紬「私と澪ちゃんは律さんを…頑張れるよね?」

澪「うん…頑張る」

梓「とりあえず今日の部活は中止にしましょう…みんなで頑張りましょう!」

コクっ!



唯宅

憂「こんなところにも…」

ベリベリ

憂「家のいろんなところにクスリが隠してある…注射器も全部見つけなきゃ…」

ガサゴソ


ガチャッ

唯「ただいま~」

憂「あ、おかえりなさい!」

唯「ん~…疲れたなあ…今日はもう寝るよ」

憂「大丈夫?ゆっくり休んでね?」

唯「おやすみ~」



夜中

憂(お姉ちゃん…ごめん…)

ガチャガチャ



翌日

唯「んー…あれ?もうこんな時間!どうして起こしてくれなかったんだろう…」ガチャガチャッ

唯「あれれ?ドアが開かない…おーい」

ドンッドンッ

憂「お姉ちゃん起きた?」

唯「憂?ドアが開かないんだけど…」

憂「ごめん…お姉ちゃん…クスリがぬけるまで出してあげられないの…」

唯「っ!どうしてそれを…」

憂「私がそばにいるから…一緒に頑張ろう?」

唯「…ふざけるな!開けろ!開けろよーっ!」

ドンッドンッドンッドンッ!

憂「…トイレに行きたくなったら教えて…」

タタタ

唯「おいっ!ちくしょう!開けろ!」



──……ああ……私は今どこにいるんだろう……

ベッド……ベッドに寝てるのか……

唯「憂…?憂、いるんでしょ?」

……返事がない……でも私にはわかる。憂がいつもみたいに側にいるって。


澪「いま~私の~願い事が~♪」

澪ちゃんが膝枕をしながら頭を撫でている。
やめて…ききたくない。そんな歌なんてききたくない!

唯「うう…う…」

嫌になって布団をかぶると横にムギちゃんがいた。

紬「うふふ…もっと近くに来て…もっと触って…もっともっともっともっと」

唯「さわるなーっ!」

ベッドからころがり落ちると天井にいるりっちゃんと目があった。

律「クスクス…すごくいいだろ?もっと気持ち良くなれるやつあるぜ」

唯「ああああああああああああ!」

部屋中をごろごろ駆け回る。壁が迫ってくる。天井が落ちてくる!

助けて助けて!
コンポからギターの音が繰り返し繰り返し
あずにゃんが弾いてた ツエッペリンみたいなやつ
ダメだ!頭が壊れる 身体が崩れる



澪「…っ!ゆい!唯!」

唯「ああっ!はあ…はあ…はっ…」

澪「大丈夫か…?」

唯「澪ちゃん…本物?」

澪「何言ってるんだ…ああ、本物の秋山澪だよ」

ギュッ

唯「うん…」

梓「調子は…あまりよくなさそうですね…」

唯「ん…まあ、たぶん、ね」

澪「どうしてこんな事になったんだ…ぐすっ…」

梓「何でクスリに手を出したんですか?」

唯「…なんだか、ね…ギター弾くことに…バンドやることに物足りなくなってたの…」

唯「最初の頃に感じてた…幸せな感覚が薄れてきて…」

澪「唯…」

唯「取り戻したかった…クスリをきめたら…いつだって最高の気分になれた…だから…」


澪「バカな事言うなよ…律も唯も…クスリなんかに頼らなくたって…私達がいるじゃないか…」

澪「忘れてしまったなら何回でも思い出させてやるよ!ぐすっ…」

唯「ごめん…ううっ…ごめんね…」

梓「…律先輩もリハビリを始めたそうです…大丈夫ですよ。二人ともちゃんと乗り越えれます」

唯「りっちゃんも…私…頑張るよ…」

澪「ああ、疲れただろ?ゆっくり眠りな」

梓「眠るまでそばにいますから」

唯「ありがと…おやすみ…」



──……コンッコンッ

憂「お姉ちゃん、ムギさんが来てくれたよ」

紬「唯ちゃん…」

唯「ムギちゃん…ありがと…」

憂「お姉ちゃんのことよろしくお願いします」

紬「うん…まかせて」

バタン


唯「さっきまで…澪ちゃんとあずにゃんがいたみたい…」

紬「そう、よかったね。ほら、唯ちゃんの好きなケーキ…食べる?」

唯「わあ…ありがと…」

紬「食べさせてあげる。はい、あ~ん」

唯「あ~ん」

パクッ

唯「おいしーい…」

紬「ふふふ、可愛い」

唯「ケーキおいしい…ケーキ大好き…」

紬「喜んでもらえてよかった」

唯「ふふ…迷惑かけてごめんね?」

紬「迷惑だなんて…気にしないで?」

唯「みんな…優しいね…ぐすっ…嬉しい…」

紬「泣かないで…」


紬「そうだ、いいものあげる。これな~んだ?」

唯「…っ!それは…」プルプル

紬「唯ちゃんがケーキより大好きなもの…そう、ク ス リ」

唯「なんで…なんでムギちゃんが…」

紬「あらー、だってりっちゃんにクスリ流してたの私だから。
  内緒だけどウチの会社麻薬の取引もしてるのよ」

唯「あ、ああ…」

紬「りっちゃんに少しあげたらすごく気に入っちゃってね?
  ま、それは唯ちゃんも知ってるか」

唯「く…くださいっ!それを…あ、ああ!」


紬「欲しい?」

唯「欲しい…欲しいですっ!」

紬「いいわよ~その代わり…私の言うこと何でも聞いてくれる?」

唯「聞きます!聞きますから!早く!」

紬「本当?奴隷になってくれる?」

唯「なります!奴隷でも…犬でも…」

紬「犬、ね…じゃあ犬らしく私の足を舐めながらおねだりしなさい?」

唯「クスリをください…ワン…」ペロペロ

紬「よくできました~!りっちゃんも私の奴隷になってくれるし…これから楽しみ!」

唯「はっ…はっ…」

紬「はい、ご褒美よ?」


唯「ふーっ…ふーっ…」

トントントン トンッ!

唯「ああああっ!あー…気持ちいい…気持ちいいよう…あ゛あ゛あ゛…」

紬「ふふ、すごく素敵な顔…あはははは!」

唯「んーっ!んんっ!気持ちいい!あうあああ!」

唯「ああああああああっ!」



私は…やり直せると思った。優しい仲間に囲まれて…いちからやり直せると。
でも…どんなものでも、この瞬間には勝てない。絶対に。
抜け出せない…永遠に…間違えたのかな?
私の人生


おしまい






さらば青春、ニルバーナと続いて今回はドラッグです。
バンドやってた頃憧れたけどライブでヘロヘロになってるジョニサン見てマジで怖くなりました。
夜遅く、最後までつきあってくれた人達本当にありがうございました!