―深夜の部室―

トンテンカン トンテンカン…

梓「……ふぅ、やっと出来た。いつもお茶ばっかりで練習しない唯先輩を懲らしめる最終兵器……」

梓「名付けて飛び出すバイブ椅子!」ジャジャーン

梓「こんな感じで椅子の座面に圧力を掛けると……」グイッ

バイブ椅子「シャキーン!」

梓「バイブが飛び出して唯先輩のアソコを貫く……我ながら天才的な発想だ……」

梓「これさえあれば……」ホワンホワンホワン…

………

梓『唯先輩!早く練習始めますよ!』

唯『えー?先にお茶の一杯くらい飲ませてよー……』ガタッ

ブスッ

唯『ひぎぃ!?』

唯『い、今は……?』グスッ

梓『ニヤニヤ』パシャリ

唯『あ…あずにゃん……?』

梓『今唯先輩がおまたを貫かれた姿を写真に収めました。バラ撒かれたくなかったらまじめに練習してください』

唯『そ、そんな~。え~ん』

梓『はっはっはー』

………

梓「これで唯先輩もまじめに練習をしてくれるようになるはず……明日が楽しみです」



放課後!

日直「きりーつ!れーい!ありがとうございましたー!」

梓「ふぅ…、今日の授業もこれでおしまい。早く部室に行かなきゃ……」ガタッ

純「あっ、ちょっと梓、どこ行くの?」

梓「どこって……部室にだけど?」

純「梓今週は掃除当番でしょ?もしかして忘れちゃったの?」

梓「……完全に忘れてた」

純「やっぱり……」

梓「お願い純!今日だけでも掃除当番代わって!」

純「えー、私も今日はジャズ研の練習があるしなー……」

梓「むむむ、かくなる上は………あっ!?あれは何だ!?」

純「ヘっ?何?」クルッ

梓「くらえ!マッハ突き!」ヒュン

純「ぎゃっ!?」パタリ

梓「ごめんね純、代わりに掃除よろしくね」スタコラサッサ

憂「あれ?梓ちゃん、そんなに急いでどうしたの?」

梓「うん、今から部活に行くところで……」

憂「あ、そうそう梓ちゃん聞いてくれる?昨日のお姉ちゃんってばとっても可愛くってさあ……」ニコニコ

梓「まずい、これはいつものなかなか話が終わらないパターンだ!こうなったら……」

梓「あっ!?あれは何だ!?」

憂「えっ?どうしたの?」クルッ

梓「今だ!紐切り!」ヒュン

憂「なんの!廻し受け!」クルン

梓「そ、そんな……」

憂「話を聞いてくれるよね?」ニッコリ

梓「はい……」

憂「でさ、アイスをおねだりするお姉ちゃんが可愛くって思わず押し倒しちゃったんだけど……」

梓(相変わらず憂の唯先輩話は長い……)

憂「お姉ちゃんのおっぱいて去年より確実に大きくなってるよね?梓ちゃんもそう思うでしょ?そうでしょ?はい確定!やったぁ!わっしょいわっしょい!」

梓(本当なら先輩たちが来る前に先に部室でスタンバイしてる予定だったんだけど……)

憂「お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃんぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!」

梓(これじゃあ今日はもう無理かも……)

憂「ハァ…ハァ……ところで今何時だっけ?」

梓「今?今は4時半を回ったところだけど……」

憂「えっ!本当!?私家に帰ってお姉ちゃんの為にごはん作らなきゃ!」

憂「ごめんね梓ちゃん、この続きは明日必ず話すから」

梓「いや、私はいいからその続きは純にでも聞かせてあげなよ」

憂「わかったそうするね。それじゃあ梓ちゃん、また明日ね!」ピューン

梓「ばいばい…………よしっ!」タタタッ

梓「はあはあはあ……!」タタタッ

梓(まずい……!憂の話は思ったより短く済んだけど、それでももう4時半……!)タタタッ

梓(いつもなら全員集まってお茶を始めてる時間だ……!)タタタッ

梓(先輩たちに先に椅子に座られたら全てが台無し……お願い、間に合って!)タタタッ

ガチャ

梓「はあ…はあ……」ゼエゼエ

澪「どうしたんだ梓?そんなに息切らして?」

梓「あ、あの!ティータイムは……?」ゼエゼエ

紬「まだ始めてないけど……」

梓「よかったー……」ヘナヘナ…

律「なんだ、そんなにムギのお茶が恋しかったのか」

唯「ムギちゃんのお茶は美味しいもんねー」

律「それじゃあ梓も来たことだし、続きを始めるとするかー」

唯紬「おー!」

梓「あの……続きって……?」キョトン

澪「ああ、部室が汚くなってきたからみんなで大掃除をしてたんだ」

梓「……へ?」

律「いやー自分ではきれいに使ってるつもりなんだけど、意外にゴチャゴチャしちゃうんだよなーこれが」

梓「あの……大掃除ってことは……もしかして椅子も……?」

紬「掃除をするときは邪魔のなるから、今は机と一緒に音楽室に移動させてあるわ」

梓「……ちなみにどれが誰の椅子だったかとかってわかります?」

唯「さあ?どれがどれだかわかんないや」

律「まあどれも同じ椅子なんだし好きなのに座ればいいじゃん」

澪「それじゃあ梓は机と椅子を拭くのを頼むな」

梓「……はい」

梓(やられた!まさかこんなことになっちゃうなんて……)ゴシゴシ

梓(唯先輩にばれないように他の椅子とそっくりに作ったんだけど……完全に裏目に出た……。自分でも見分けがつかないよ……)キュッキュッ

梓(ていうか何もこんな時に大掃除なんかしなくてもいいのに!馬鹿なの?死ぬの?)ゴシゴシ

紬「梓ちゃん、一人で大丈夫?」ヒョコ

梓「ひゃわ!?だ、大丈夫です!?」

紬「そう?ならよかったわ」

澪「それで梓にもうひとつお願いがあるんだけど……」

梓「はい?なんですか?」

澪「その椅子って私たちが入学する前からずっと部室に置いてあるものなんだ」

澪「だからネジの緩みとかガタつきとかがあるかもしれないし……そういうのもちょっと確認しといてもらいたいんだ」

梓「はあ、そういうことならお安いご用で……!?」

紬「?どうかしたの?」

梓「……あー!たいへんですー!この椅子ネジがゆるんで背もたれが取れそうになってますー!それにこっちもー!あー!この椅子もー!」

澪「えっ!?本当!?」

梓「はい、どうやら全部駄目みたいですねー」

紬「あらら…どうしましょう……」

梓「今は代わりに音楽室の椅子を使いましょうー。ネジがゆるんでる方の椅子は私が後で直しておきますよー」

澪「でも梓一人で大丈夫?直すの手伝おうか?」

梓「いえいえ大丈夫ですー!先輩たちは椅子を運ぶのをお願いしますー!」

澪「そ、そうか……」

紬「それじゃあ梓ちゃん、後はお願いね」ガチャ バタン

梓「はいー!……」

梓「……やっべ、私超天才だわ」


休憩中!

紬「はい唯ちゃん、ケーキをどうぞ~」コトッ

唯「ありがとうムギちゃん!」ニコッ

律「ほら、梓もお茶入ったぞ」コトッ

梓「は…はい、ありがとうございます……」ズズッ

梓(さて、どうしたものか……)モグモグ

梓(椅子は『後で直すから』ってとりあえず倉庫に入れて置いたけど、いまだにどれがどれだかわからないままだし……)ムシャムシャ

梓(……今日はもう諦めるしかないか。今晩また部室に忍び込んで確認しよう)


コンコン

唯「あ、お客さんだ。はーい!」

純「失礼しまーす……。あのー、梓いますかー…?」ガチャ

梓「あれ?純じゃん。いったいどうしたの?」

純「それはこっちが聞きたいよ!梓と話してはずなのに気付いたら倒れてたし、その上梓の代わりに掃除までやらされるし!」

梓「あはは…ごめんごめん……(やば、純のこと完全に忘れてた……)」

唯「そうだ!純ちゃんも一緒にお茶してかない?」

律「おっ、それはいいな!ムギ!お茶の準備だ!」

紬「らじゃー!」ビシッ

純「いいんですか?でも悪いですよ……席もないみたいですし……」

唯「あっ、そういえば……」

律「……そうだ!さっき片づけた椅子を使うってのはどうだ?」

梓「げっ」

澪「なるほど、少しぐらついてるらしいけど、使えないこともなさそうだしな」

唯「それじゃあ私倉庫から取ってくるね!」パタパタ

梓「マジで!?」

紬「はいどうぞ、お茶が入りましたよ~」コトッ

唯「椅子も持ってきたよー!」ガタッ

純「あ、ありがとうございます!実は私軽音部のティータイムにずっと興味があったんですよー」エヘヘ

梓(やばいやばいやばい!このままじゃ純が飛び出すバイブの餌食に……こうなったら……!)

梓「あっ!UFO!」

純「えっ!?本当!?」クルッ

唯「どこどこどこ!?」キョロキョロ

梓「今だ!転蓮華!」ゴキャッ

純「ぎゃっ!?」パタリ

律「なんだよー、どこにもいないじゃん……ってあれ?なんで鈴木さん倒れてるの?」

梓「あー、そのー……純ってばいつもこんな感じで突然倒れるんですよ。突発性のなんとかかんとか病で……」

澪「へぇー、鈴木さんも大変なんだなー」

梓「えっと……、このままにしとくのもかわいそうですし、ちょっと保健室に連れて行きますね」

紬「その方がいいわね」

唯「お大事にー」


保健室!

梓「……ありがとうございましたー」ガチャ バタン

梓「ふう、もう少しで純の処女が奪われちゃうところだったよ。あぶないあぶない」

梓「……倉庫に置いとけば安全と思ったけどそうでもなかったね。さっきみたいに急に椅子が必要になることもあるし」テクテク

梓「……帰ったら用務員さんに見て貰うとか適当なこと言ってどこかに隔離しておこう。あそこに置いておくのは危険すぎる」テクテク


部室!

梓「ただ今戻りましたー……って今度はいったい何をやってるんですか?」ガチャ

律「ああ、倉庫から椅子を全部出して並べてるんだ」

梓「いや、だからなんで……」

紬「あのね、梓ちゃんが出て行った後にみんなで椅子取りゲームをしようって話になってね」

梓「いやいやいやいや」

唯「あずにゃんも一緒にやろうよ!きっと楽しいよー!」

澪「楽しみだなあ、椅子取りゲーム!」ヒャッホー

梓「意味がわからないよ」

紬「もしかして梓ちゃんは椅子取りゲームしたくないの?」

梓「したくないっていうか、どうしてこうなったっていうか……」

唯「よし!じゃあ最後まで残った人にはご褒美として私がちゅーをしてあげよう!」フンス

梓「いやいらないですし。それご褒美じゃないですし」

和「これは負けられない戦いになりそうね」

憂「友達だからって手加減はしないよ、梓ちゃん!」

梓「あんたらどこから湧いて出た」

澪「ほらほら早く始めようよ。準備はもう出来たよ?」ウズウズ

梓「椅子取りゲームの何がこんなにも澪先輩を突き動かすのか」

律「めんどくさいからもう音楽かけるぞー」

梓「ああもう!!」

キミヲミテルトーイツモハートドキドキー

梓(つい流れで参加してしまった……)

ユレルオモイハマユマロミタイニフーワーフワー

梓(椅子は倉庫のも合わせて全部使っちゃってるし、このままじゃ確実に一人は犠牲になる……)

イーツモガンーバールーキーミノヨコーガーオー

梓(せめて私が犠牲に……いや、やっぱり律先輩なら……いやそうじゃなくって!)

ズーットミテーテ

唯「はいストップー!」

梓「ええいままよ!」ガタッ

梓「……あれ?」

紬「それじゃあ最初の脱落者はりっちゃんね」

律「まさか和に吹き飛ばされるだなんて……」イテテ…

和「ぼさっとしてるからよ」

梓「あの……みなさん大丈夫ですか?」

唯「え?何が?」

梓「その……具体的にはおまたがヒリヒリするとか?」

律「なんだそれ?タバスコでもこぼしたの?」

梓「あとは椅子の様子がおかしいとか……」

澪「……もしかして梓はあの椅子のことを言ってるんじゃないか?」

律「ああ、あの椅子ねー」

梓「や、やっぱり変なのありました……?」ビクビク

唯「変なのっていうかね、一つだけすごいグラグラしてた椅子があったの」

紬「危ないと思って捨てて置いたんだけど……もしかしてあの椅子に何かあったの?」

梓「い、いえ!?全然何もないです!全然!」

澪「そ、そうか……それならいいけど……」

唯「……もしかしてあずにゃん、何か隠してる?」

梓「そ、そんなことより早く続きをしましょうよ!まだ始まったばっかりじゃないですか!楽しみだなー!」

紬「……それもそうね」クスッ

律「だな。それじゃあ早速続き行くかー!」

みんな「おー!」


翌日!

梓「……って昨日も結局練習してないし!?大掃除と椅子取りゲームだけで終わっちゃったし!?」ガビーン

憂「どうしたの梓ちゃん?朝からそんなに大きな声出して?」

梓「い、いやなんでもない!ちょっと気合を入れ直しただけ!」

憂「そう?変な梓ちゃん」クスクス

梓「……と、ところで憂、昨日は優勝おめでとう」

憂「ありがとう梓ちゃん♪」

梓「まさか目の前で姉妹のディープキスを見せつけられるとは思ってもみなかったよ」

憂「そう?実はね、昨日はあの後家に帰ってからもずっとお姉ちゃんと一緒でね、っていうか私が離さなかったんだけど……」

梓(昨日は失敗しちゃったけど、また今度頑張ればいっか……)


教室

梓「みんなおはようー…」フワァア…

クラスメイト「あっ、梓ちゃんおはようー。寝不足?」

憂「実は最近他人がお姉ちゃんのことをどう思ってるのかがわかるようになってきたの。お姉ちゃんのことが好きな人は赤色のオーラがぼんやりと……」

梓「うん、ちょっとね……あれ?今日って純は休みなの?」

クラスメイト「うん、なんでも首が痛くて動けないんだって」

憂「この間家にお姉ちゃんの中学生の時の同級生が遊びに来てたんだけど、見事に真っ赤だったから思わず一人づつ浴室に呼び出して……」

梓「へぇー、後でメールでも送ってあげようかな」

憂「それ以外にもいろいろわかるんだよ?あっ、この人お姉ちゃんにひどいことしようとしているな、とか……」ピッピッピ

梓「あれ?憂も純にメール?」

憂「ううん、これは違う用事。すぐにわかるよ」ピッピッ

梓「ふーん……でもほどほどにしときなよ?もうすぐ先生が来ちゃうから」ガタッ

ブスッ!

梓「ひぎぃ!」

憂「ほらね」パシャリ



おしまいです