~2010年 4月 ~


律「それにしてもみんな同じクラスなんてな~」

澪「誰かが仕組んだみたいに揃ったな」

紬「すごい偶然ね~」

律「もしかして生徒会長パワーを使ったとか?」

和「ないない。そんなことできる人いるわけ…」

さわ子「みんなー、席についてくださーい」

一同「いたー!!」

さわ子「教師になってはじめて担任になったので、至らぬところがあると思いますので、
副担任として、神威先生にサポートしてもらうことになりました」

ガク「よろしくね」

一同「絶対こいつらだー!!」






律「せんせー! ちょっとちょっと」

律「このクラス分け、もしかして先生たちが何かしたの?」

さわ子「そうよ、みんな一緒にしてあげたの」

律「いいのかよ?職権乱用じゃん?」

ガク「乱用して何が悪い?」

律「ダメだこいつ」




~すうじつご!~


梓「新入部員、来ませんね~」

澪「まだまだ時間あるし…」

律「がくちゃ~ん、何とかしてよ~」

ガク「…それはやっぱり自分たちで頑張ってみないと」

ガク「それにほら、衣装は貸しただろ?」

律「あの着ぐるみをか!? 逆効果だったわ!!」

梓「……」

唯「あずにゃん…」

紬「とりあえず今日はもう遅いし…帰ろっか?」

梓「あ…あのっ、私今日は用事あるんで、先に帰っててください」

律「そっか。 じゃあ先に帰ってるな」

澪「また明日な」

バタン!



梓「あのっ…」

ガク「何か相談事か?」

梓「はい…。」

梓「私、自分がどうしたいのか分からなくなって…」

梓「確かに部の存続のためには新入部員が必要ですし、私にだって後輩がほしいという気持ちはあります。」

梓「でも、それよりも私っ、今のメンバーと…先輩たちとずっとバンドをしてたくて…」

ガク「…それだけ自分の気持ちがわかってたら、もう答えは出てるんじゃないか?」

ガク「別に部活だけが一緒にバンドをやっていく方法ではないしさ。
もちろん、部を存続させたいのなら、新入部員を入れても全然いいと思う」

ガク「でも、あの子たちが卒業するまで、まだ一年あるんだし、無理に新入部員を入れて今の形をつぶす必要もないんじゃないかな?」

ガク「もう一度、自分でよく考えてごらん?
きっと、自分の中で答えはもうでてるから」

ガク「大丈夫。 あの子たちはみんな、卒業しても梓のことを見捨てたりなんてしないから」

梓「…そうですよね。 もう一度、よく考えてみます…」




~翌日~


梓(先生はああ言ってくれたけど…ホントに先輩たちはみんな、ずっと一緒にいてくれるのかな…)

梓(やっぱり不安だよ…)ガチャ…

「私、しばらくこのままでもいいな」

梓(…?)



唯「今はこのままでいいよ」

唯「こうやって、みんなと部室に集まって、 …今あずにゃんはいないけど、」

唯「お茶飲んで、練習して、演奏して」

唯『ずっと5人で』

梓(唯先輩…)

律「…そうだな。 あと一年でなんとかしようぜ」



ガチャッ!

梓「こんにちは」

唯「ああああずにゃん! ごめんね! 今ビラ配りに行くから!」

梓「ムギ先輩、私ミルクティーください」

唯「えっ?」

梓「私、今年まではこの5人だけでやりたくなりました」

唯「あずにゃん…」

紬「実は、私たちから梓ちゃんにプレゼントがあるの」

律「昨日、先に帰ってから、さわちゃんが買ってくれたんだぜ」




ガチャ!

澪「来たみたいだな」

ガク「おまたせ~」

唯「新入部員のトンちゃんです!」

紬「梓ちゃんの後輩よ~」

トンちゃん(やあっ!)

ガク「いいカメだね。 僕のトンちゃんには敵わないけど」

律「お前は黙ってろ」

梓「クスッ…へんな顔」

この先輩たちとなら…ずっとやっていけそうな気がする。




~2010年 夏休み!~


早いもので、僕がこっちの世界に来てから2回目の夏休みがやってきました。

今日は5人と1匹の軽音部員のうち、受験生の4人は、みんな部室に集まって勉強しているようです。

律「全っ然わかんね~」

唯「あずにゃん分が足りない…」

2人は既に集中力が切れてるけど。

澪「仕方ないだろ。家の用事なんだから」

紬「まあまあ、もうちょっと勉強したら、休憩にしましょ?
今日はカキ氷機をもってきたの~」

唯「フンス!」カキカキ!!

相変わらずだな、唯は。




一見、いつもと変わらない部室。

だが、そこにどこかもの悲しさを感じるのは、いつかの梓と同じ理由からだろうか?

そんな空気を読み取ったかのように、律がぽつんと呟いた。

律「私たち、ホントにずっと一緒にいられるのかなぁ?」

律「なあがくちゃん? 私、今まではさ…
みんな同じ大学に進んで、バンドも続けていって…

一年たったらまた梓が同じ大学に入ってきて…

ずっと…ずっと今のようにみんなで笑いあえると思ってたんだ。」

律「根拠もないのにさ」

律「でも、本当にそんなことってできるのかなぁ…?」

ガク「お前たち次第だな。 僕には何も言えないよ」

ガク「まずはお前たち4人が同じ大学に進学できないとどうしようもない」

ガク「特に律と唯は合格できるか分からないんだから、勉強をがんばれ」

律「なんだよ、それ…。 ちょっとくらい『大丈夫』とか言ってくれても…」

ガク(大丈夫さ…お前たちにその気持ちがあるなら)



唯「も~勉強つかれたぁ~」

唯「ねえがくちん、何か歌ってよ!! 私たちの為に応援ソングを!!」

期待していた励ましの言葉を貰えなくて落ち込んでいる律を見かねてか、唯がそう口にした。

…さっきの言葉は訂正。 この子も成長したな。

こんなに周りへ気配りができるようになるなんて。

ガク「そうだな… お前たちが全員無事に、同じ大学に進学できたら、曲を作って歌ってやるよ」

ガク「最高の応援歌をな」

唯「えぇ~。 合格してからじゃ応援歌なんて意味ないよ~」プクー

この子たちにはまだ分からないか。

ガク「ほら、唯に…律も! いつまでもすねてないで、頑張れ!」

唯・律「は~い…」


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