律「肝試しをやろう!」
あの後、駆け付けた警察と琴吹家の執事たちを総動員して、なんとか僕のマグナムの動きを止めることに成功した。
そして、軽く練習を見てあげて、夕食を取り、花火をしている最中にりっちゃんがそう高らかに宣言した。
相変わらずよく分かってるじゃないか。
唯「おー!」
澪「次から次へと…」
律「いいじゃーん!」プクー
律「やっぱり夏で合宿といえば」
律・ガク「肝試しだよね!」キュピーン
澪「私はやらないぞ!」
律「アハー!そっかぁー! 澪は怖いの苦手だもんねー」
澪「!?全っ然余裕だよ! やってやろうじゃないか!!」
律・ガク「…フッ」
私の名前は山中さわ子。
その類まれな美貌と、品性あふれる立ち振る舞い、
そしてその超一流の演奏技術と歌声から生徒からの人気は高く、さながら桜ヶ丘高校のヴィーナスのような存在…
のはずなんだけど…
唯・律『失礼しまーす』
律『夏休みなのに大変ですねー』
さわ子『研修とかいろいろあってね…なにか用?』
律『軽音部で合宿するんだけどー』
唯『先生もくるかなぁ?って思って』
さわ子『合宿ねぇ…』
律『うわぁ…めんどくさそうな顔』
唯『じゃあいいよ。がくちん先生に来てもらうから』
律『声かけなかったら怒るのに、声かけたらこれだ』
唯『泳いだり、BBQしたりできるのにねー』
さわ子『えっ!?』
どうしてこんなことになってるのよ…グスッ
…ん? あの後ろ姿は…
澪「こっ、高校生にもなって肝試しも無いよなー」ギュー
梓「あの…手が痛いんですけど」
『ヴア゛ァ・・・』
『ア゛ァ゛…』
梓「な、何でしょうか?」
澪「き…きき、きっと律のしわざだよぉ」プルプル
???『ミオ゛ヂァーアン』
澪「いやーーーあぁぁ!!」
澪「」プクプク
梓「先生!? どうしたんですか?」
さわ子「うぅ…やっと会えた…」
唯「あれぇ~? さわちゃん先生!?」
唯「どうしたの? …っていうか何でいるの?」
さわ子「…あとから合流して、みんなを驚かせようと思ったんだけど…」
さわ子「道に迷っちゃって…」
梓「驚かせようって目標は達成できたみたいですけど…」
澪「」プクプク
律・ガク「誰もこねー」
~就寝後!!~
Zzzz…
ガチャ… ジャー!!
梓「んー…」
梓「……」トテトテ
梓「あれ?」
唯「ごめんね。 私の練習に付き合わせて」
梓「全然気にしないでください。 私も唯先輩と、もっと練習したかったんです」
唯「ありがとう」
梓「えっと…」
チャン チャン チャッチャ チャラチャラチャ~ チャチャー チャラッチャチャー!!
唯「わぁ~。あずにゃんうまいね~」
唯「じゃあ次、私ね」
梓「最初はスローテンポで弾いてみるといいですよ」
唯「むぅ…」
チャン… チャン… チャッチャ チャラチャラチャ~ チャチャー… チャラッチャチャー!
唯「で…できたー!」
唯「私、あずにゃんに出会えてよかったよ~!」
唯「ありがと~あずにゃーん!!」ギュッ
ガク「うわー!! びっくりした!!!」
梓「先生!? ここで寝てたんですか!?」ビクッ
こんにちは。平沢憂です。
今日は、梓ちゃんとお出かけです。
憂「そっかぁ~。 あんまり練習できなかったんだ」
梓「うん…。 でもね、やっぱり行ってよかった」
梓「先輩たちのいろんなことが分かったもん」
憂「へぇ~。 どんな風に?」
梓「澪先輩は、意外と怖がりだった」
憂「そうなんだ~。律さんは?」
梓「やっぱ大ざっぱだったけど…澪先輩とは、いい感じだった」
憂「へぇ~。 紬さんは?」
梓「ムギ先輩はね~」
梓「みんなのことを思いやってて優しいけど、案外子供っぽいところもあって、可愛い人だったよ」
憂「ふ~ん。 で、お姉ちゃんは?」
梓「唯先輩はね…」
梓「ちゃんと練習してた!」
憂「でしょ~?」
憂「あっ、そうそう。神威先生は? あの人、なんか謎の多い人だから…」
梓「ガクト先生は…」
(ガク「」プルプル…)
梓「……」
憂「?」
梓「」パタン
憂「あ、梓ちゃん!?」
梓ちゃん、いったい合宿でナニがあったんでしょう…?
最終更新:2011年05月20日 22:53