律「ほんとは唯が帰ってくる前に憂ちゃんに打ち明けたかったけどさ…」

律「唯がいる前じゃ言えないもんなー」


律「つーか、結局何のためにあたしは出てきたんだよ…」

律「それより早く帰って聡にメシ作んないとな」


澪「こんにちわ。今、律いるかな?」

聡「ちわっす。姉ちゃんなら二時間ぐらいまえに出てったけど…?」

澪「そうか。今日律が気分悪いって言ってたから心配になってな」

律「ただいマンボー」ガチャ

律「あ」

澪「あっ」

聡「おかえり姉ちゃん。それと俺の制服汚してないよな?」

澪「ねぇ…ちゃん?」

律「…家間違えたな」クルッ

澪「おい」ガシッ

――

澪「なんでお前はいつもそんなバカなことばっかやるんだ!」

律「ごめんなしゃい…」

澪「…どう責任取るんだ、唯の件については」

律「あっ、その辺は心配するな。スッパリと『お前気持ち悪いよ』って言って」

澪「唯の気持ちを考えろ!」ガンッ

律「ぎゃひんっ!」

澪「こうなった以上、素直に話して許してもらうんだ」

律「それだけは勘弁してくれい!これから唯のあたしを見る目が…」

澪「自業自得だ」

律「うぅ…澪のケチ」

澪「…」

澪「(なんだか律って分かった途端、ちょっと格好いいかなと思ってしまう)」

律「あたしに唯と付き合えってのかよっ!」

澪「いや…だから素直に話せばいいだけだろ」

律「このまま消えたってことにすれば手っ取り早いんじゃ…」

澪「お前は唯をあのままにしておくつもりか」

律「どーせ唯のことだからすぐに忘れるって!」


甘かった…。

あれから唯はどんどん成績が急降下し部活にも来なくなった。
原因は恋の病だそうだ。

それにこのままじゃ大学を受かる所か留年するらしい。


澪「…で、律。お前に任せた結果が今の唯なワケだけど。どうするつもりなんだ?」

律「責任取って唯と付き合います」

紬「最初りっちゃんがあの男の人って言うのは驚いたけど…やっぱり素直に話して謝るべきだよ」

澪「それが一番だ。きっと誠意を込めて謝れば唯も許してくれるはずさ」

梓「憧れの人が実は同級生…しかも女って分かった瞬間、自殺するかもしれないですけどね」

澪「…」

律「…」

紬「梓ちゃん!」

梓「だ、だって今の唯先輩は男律先輩のために生きてるようなものですよ?」

梓「あれだけ大切にしてたギー太もほっぽりだして」

律「…性転換ってどうやるんだっけ?」

澪「待て早まるな」

律「とりあえず、とるべきケジメは取ってくるよ」

澪「律…」

律「じゃあなみんな。女としてのあたしと話すのはこれが最後かもな」ザッ

紬「待ってりっちゃん!まだ何か方法が…」

律「ここ女子校だから、もう来れないけどあたし達はずっと友達だぞ!」

梓「(本当に性転換する気なんですか)」

―――

唯「(もう一度だけでいいから会いたいな…何とか君)」

唯「あれっ、靴に何か入ってる?」ガサッ

唯「…!」

今日の5時に○×公園の杉の木の下に来てくだサイ。

唯「これが噂に聞く果たし状かな?一体誰だろう」

唯「…もしかして!」

~~~

キモデブ「ハァハァ…唯たん、ずっと好きでした…」

唯「(そうだよね、現実ってこんなもんだよね)」

キモデブ「うっ…ふぅ…!僕と付き合ってください!」

唯「ごめんね。それはちょっと無理…かな」

キモデブ「…う、嘘だ!嘘だと言ってくれ唯たん!」ガシッ

唯「わっ!?」

キモデブ「唯たんが僕を裏切るはずが無い!」

唯「(な、なに、この人?おかしいよ…!)」

唯「離してください!」

キモデブ「イヤだ!離さないよ唯たん!」

唯「だ…誰かーっ!」

キモデブ「誰も来ないよ、だからここに呼んだんだよコポコポww」


――

律「やっぱり性転換って痛いのかなぁ…」チャラチャラ

律「昔に見たオヤジのぶら下がってるモンがあたしにもつくのか」

律「何かイヤだな」

ダレカーッ

律「んん」

タスケテーッ

律「…この声は」



キモデブ「ゆ、唯ちゃんが手に入らないのなら…この場でヤッてやる」

唯「やだ、離してよ…っ!」

キモデブ「ふひひっ。それじゃあいただき…」

律「ちょい待ち」ガシッ

キモデブ「ふひっ!?」クルッ

律「唯の初めてを貰うのは俺なんだよ!」バキッ

キモデブ「ふごっ!」

唯「…あっ」

律「おらっおらっ!ドラムスティックアタック!」バキバキ

キモデブ「ひ、ひぇぇっ!何だよお前!」

律「うるせっ!ケツにスティックぶっさすぞ!」

キモデブ「ごめんなさい!か、勘弁してください!」タタッ

律「唯に二度と近づくんじゃねーよバカヤロー!」

唯「…」

律「あ、その…大丈夫だった?」

唯「…何で私の名前知ってるの?」

律「え、それはだな。お前の妹に聞いたんだよ!この前家に行ったろ?」

唯「あーそっか」

律「そーそー」

唯「じゃあ何で『田井中律』って書かれたスティック持ってるの?」

律「(しまった…いつものクセで何スティック持って来ちまってた)」

唯「ひょっとして…りっちゃんなの?」

律「は、はぁ?誰よそれ?俺の名前田中だし?」

唯「じゃあ何でりっちゃんのドラムスティック持ってたの?」

律「……パパの知り合いにりっちゃんが」

唯「やっぱり嘘つくのは下手なんだね」

唯「もう隠さなくてもいいよ、りっちゃん」

律「あ…う」

唯「実はちょっとびっくりしたけどね」

律「…ごめん!マジで悪いと思ってる!」ズザーッ

唯「いいよいいよ。これで逆に遠慮しなくてよくなったわけなんだし」

律「へっ?」

唯「えいっ」ドンッ

律「いてっ!な、なにすんだよ唯!」

唯「相手がりっちゃんなら、もう遠慮することはないよね」

唯「今まで私を悩ませた分のお礼はしてもらうよ」

律「はは…何の話しで?」

唯「さっき『唯の初めてを貰う』って言ってたけど…逆でもいいよね?」

律「!」ゾクッ

律「うわぁぁっ!」バッ

唯「男の子の格好しても、やっぱりりっちゃんは力弱いね~」ガシッ

律「何で助けてやったのにあたしが襲われなきゃならねーんだよっ!」

律「(くそう。流石にスティックで唯を殴るのは無理だし…)」

律「なあっ!離してくれ、あたしが悪かったからさ!」

唯「これからはずっと一緒だよ。私の初恋の人」

――

唯「ねぇねぇりっくん、今日はまずどこに行こうか?」

唯「洋服屋?うん、いいよ。りっくんはオシャレだもんね」

唯「その後は映画行ってご飯食べようよ!」

唯「りっくん男の子だからたくさん食べるもんね」

唯「…あー、それにしても」

唯「私はこんな格好いい人が彼氏で幸せだよ」

律「」

唯「ねぇ、りっくん」

唯「りっくんに近づく女の子は、私がちゃんと始末してあげたからね!」フンスッ

唯「憂も酷いよね。お姉ちゃんの彼氏を取ろうとするなんて」

唯「あずにゃんもムギちゃんも私のいない隙にりっくんに近づこうとするし」

唯「そういえば澪ちゃんは最後までりっくんの名前呼んでたかなぁ」

律「ああ。あたしはどこで間違ったんだろうな」

唯「ダメだよ。ちゃんと『俺』って言わなきゃ…ダメだよ」

happy end