唯「ちがうよーおしっこガンマン大会だよー」

梓「え? だから我慢でしょ? 私トイレ近いのでそういうのは……」

唯「もうー、わからないかなー」

唯「つまりはね、こういうことだよ!」

チャキ

梓「み、水鉄砲……はっ、まさか!?」

唯「ばーん!」

ピョロロロロロ ジョボジョボ

梓「……つめたっ!」

唯「はい! あずにゃんは死にました!」

梓「……なに……これ」

唯「私はおしっこガンマンだよ!」

梓「ふ、ふああああああああ!!!」

ガチャ

律「お、やってるなー」

澪「梓もやろうよ! おしっこシューター」

梓「え、おしっこシューター?」

紬「おしっこシューターもってないの?」

唯「えー、しらないの~?」

梓「はっ、まさか! それって!」

唯「おしっこシューターはおしっこシューターだよねーりっちゃん」

律「そりゃ知ってるよなー」

梓「はいです! 全国で女子高生を中心とした一大ブームを巻き起こして

るというあのおしっこシューターですか!」

澪「あぁ、タカラ◯ミーから好評発売中だ」

梓「へぇ……実は初めて見るんですよね。わぁ、おもしろそうです」

紬「楽しいわよ~?」

唯「あずにゃんもやろうよ!」

梓「で、どうやって使うんですかコレ?」

唯「ほら、上についた給水口あるでしょ? ここから自分のおしっこを補

充するんだよ」ヌギヌギ

唯「みてて……んっ、こうやってアソコをあてがって…………ふあ……」

チョロロロロロ ジョボボボボ……

律「お、今日の唯のおしっこは綺麗だなー」

澪「まさに黄金銃だな。強そうだ」

唯「へっへー、これで負けなしだよー」シャキン

紬「唯ちゃんかっこいい!」

唯「ばーん!」

紬「きゃー、つめたーい♪」


梓「なるほど……構造はふつうの水鉄砲と同じなんですね、ふむふむ」


唯「興味でた?」

梓「はい。やってみたいです」

紬「でも梓ちゃんの分のシューターがないわ……」

澪「うーん、どうしようか」

唯「あ、じゃあ私帰りにあずにゃんと買いにいくよ。私のシューターのメ

ンテも兼ねてね」

律「そうだな。梓お金あるか?」

梓「あ、はい。どれくらいあれば買えますか?」

律「一番安いので1000円ちょっとだから大丈夫大丈夫」

唯「シューター選びは先輩にまかせなさい! ふんす」

梓「それじゃあお願いします!」


澪「でも売ってるかなぁ。いまとくに人気絶頂だし」

律「確かになー」

紬「私の家からも余ってるのもってきてもいいけど」

唯「大丈夫大丈夫。私の知り合いのお店には置いてあるから」

澪「そうか、よかった」

梓「楽しみです♪」


澪「……」ニヤッ

律「……クク」

紬「……フフ」

唯「えへへ~♪」


梓「~♪」



【ホビーショップ一文字】


とみ「あら唯ちゃん、またきたの?」

唯「あ、おばあちゃーん!」

梓「どもです。ご無沙汰してます」

とみ「おやおや、あずにゃんさんも一緒なのかい」

唯「今日はあずにゃんのシューターを買いに来たんだー。あと私のシュー

太のメンテも!」

とみ「それじゃあ預かるからねぇ」

唯「うん」

とみ「シューター選びはあずにゃんさんがするのかい?」

梓「あー……でもよくわからないので」

唯「私があずにゃんに合ったシューターを選んであげるよ」

とみ「なら心配ないねぇ」

唯「あずにゃん! おしっこシューターのコーナーはこっちだよ! きて

きて!」

梓「へー、いろんなのが置いてあるんですねー」キョロキョロ

唯「これがスタンダードモデルだよ。安くて使いやすいから人気!」

梓「唯先輩がもってるのとおんなじですね」

唯「私のはこっから少しだけカスタムしてるけどね」

唯「でもね。本気でやるならこういったすでに出来上がったフルスペック

シューターを買うよりも」

唯「自分でパーツごとに選んで組み立てたほうがいいんだよ」

梓「え?」

唯「ほら、パーツがならんでるでしょ?」

唯「フレーム、グリップ、マガジン、サプレッサー、リアサイト、フロン

トサイト、セイフティー、トリガー、バレル」

唯「それにチャージシリンダー等の周辺パーツも充実してるからね」

梓「……?」

唯「まぁ、おいおいわかるようになるよ」

梓「……なんか、難しそうです」

唯「澪ちゃんなんてオタクだからパーツごとにオーダーメイドしちゃうん

だって!」

梓「お金かかりそうですね」

唯「あずにゃんは手もちっこいし力もないから、やっぱりスタンダードモ

デルかなぁ」

梓「とりあえず普通のでいいです」

唯「決まりだね。おばあちゃーん! これ試射していいー!!?」

とみ「はいはい、そんなおっきな声ださなくても聞こえてるよ唯ちゃん」

唯「じゃああずにゃん行こ!」

梓「試し撃ちできるんですか?」

唯「うん! 地下にあるんだよ」

梓「へぇ」


【試射室】

梓「なんか本格的なんですね……こういう部屋テレビでみたことあります


唯「向こう30M先の的を狙うんだよ」

梓「遠くないですか? まずこんな水鉄砲じゃそこまで……」

唯「のんのん」

唯「まずはおしっこを補給するよ」


 再び唯先輩がパンツをおろして試射用シューターの給水口に秘部をあて

がう。

 その後チョロチョロという水音と共に中のシリンダーが満たされていく

様子が見える。


唯「さっきだしたからあんまりでないや。まぁいっか♪」

唯「じゃあみててね」

唯「チャキン!」

唯「セイフティー解除!」


 セイフティーを外すカチャリという小さな音。そして、とたん唯先輩の

表情が一変した。

 いつものゆるさなどかけらも残っていない。鋭い目付き、すこし歪んだ

口元。

 ライブ演奏のときとはまたなにか違う、ただならぬ気配を彼女は纏う。

 その時私は直感的に理解した。彼女は、平沢唯はただの女子高生ではな

いと。


唯「ばーん!」

 掛け声とともに唯先輩がトリガーをひいた。

 そしてその後の光景に、私は絶句するのだった。


 銃口から放たれた黄金の水の塊は、私が部室で浴びたのとは比べ物にな

らないほどの勢いで宙を駆ける。

 それはほとんど一瞬の出来事だった。

 なにが起きたのかわからない。

 遠くからバスリという紙の破ける音がした。


唯「……あずにゃん、びっくりするのはわかるけどこっちばっか見てない

で、ちゃんと的をみてよ」

梓「へっ? あ、はい……」

 視線をターゲットへと移す。


梓「!」

唯「ね? おもしろいでしょ?」


 そこにあったのは大きな穴があき無残な姿へと変貌したターゲット。

 おしっこの臭いが鼻孔をくすぐる。


唯「おしっこシューターは、パワーをセーブしなかったら鉄砲みたいな威

力になるんだよ~」

梓「す、すごいです!」

唯「でしょ?」

梓「かっこよかったです!」

唯「でしょ?」

梓「私にもできますか?」

唯「うん。はい、次はあずにゃんの番」

梓「わぁ……」

 唯先輩からシューターを渡される。

 中におしっこが入っているため、ズシリとした重さが手に伝わってくる


 いよいよだ。

梓「これ……ほんとに撃っちゃっていいんですか?」

唯「うん、けど的にむかってだよ!」

梓「はいです」

唯「じゃあ両手でしっかり握って~、シューターを目の高さまでもってき

て~」

梓「……」ブルブル

唯「怖くないよ。トリガーを引く瞬間はすっごくきもちいんだから」

梓「でも……」

唯「じゃあ私も一緒に握ってあげる。それなら安心でしょ?」

梓「……はい、お願いします」


 唯先輩の手をが私の手の上に覆いかぶさってくる。

 とてもやわらかくて温かい……


唯「えへー、あずにゃんとの初めての共同作業~」

梓「ち、近いです」

唯「ほら。しっかり前みて! いくよ!」

梓「はい!」



 深呼吸をした後に、トリガーにかけた人差し指におもいっきり力を込め

た。激しい反動が体を揺さぶる。

 それが、私の人生を狂わせた、はじめてのショットだった……



30分後 【店内】

梓「すごいですすごいです!」

唯「もー、あずにゃんはしゃぎすぎー!」

とみ「おやおや、終わったのかい?」

唯「うん! あずにゃんったらすごいよ! はじめてで的のド真ん中ぶち

抜いたんだから!」

とみ「へぇ、それは才能豊かだねぇ……」

梓「いやー、それほどでもないです、えへへへ」

唯「ううん! 謙遜しなくてもいいよ! ほんとにすごいことなんだから


梓「にしても楽しいもんですね! ちょっとおしっこ臭くなっちゃうのが

難点ですけど」

唯「それがいいんじゃん。ショットのあとにあたりにただようアンモニア

臭は生を実感させてくれるよ」

梓「そんなもんですかね」

とみ「どれにするかきめたかい?」

梓「あ、えっと。いま試射室でつかったのとおなじモデルを……」

とみ「はいありがとね。お代は1260円」

梓「んーっと。あったかな……ありました! お釣りください」チャリチャリ


とみ「お買い上げありがとうねぇ」

唯「おばあちゃんはメンテナンスもしてくれるから、なにかあったらここ

に持ってくるといいよ!」

梓「はい!」

唯「あ、それでおばあちゃん私のシュー太は?」

とみ「あーはいはぃ、できてるよ。いつもの調整で良かったんでしょ唯ち

ゃんは」

唯「うんありがと! わーいシュー太ー綺麗になってよかったねー」スリスリ

とみ「バレルの痛みがすごかったんだけど、唯ちゃん無茶なつかいかたし

てないかい?」

唯「そうでもないよ?」

とみ「そうかい、ならいいんだけど……それと……」

唯「?」

とみ「唯ちゃん、よければあずにゃんさんも」

梓「?」

とみ「ほら、このポスターみてちょうだい」


唯「……あぁ、おしっこガンマン大会のエントリー! 今日あずにゃんに

言おうとしてたやつだ!」

梓「大会の日時は来月頭ですか」

唯「場所はウチの高校だよ! ポスターはってあったよ!」

梓「ほんとだ……全然興味なかったんで知りませんでした」

唯「参加しようよ!」

梓「でも……どんな競技があるんでしょう。的当て?」

唯「さぁ」

とみ「参加するかい? エントリー数にも限りがあるみたいなのよ」

梓「うーん……でも私まだはじめたばっかですし……」

唯「記念参加でもいいじゃん!」

梓「そうですね」

唯「はーい、ってことで参加しまーす!」

梓「がんばって練習します」

唯「私と特訓する?」

梓「とりあえず最初は一人で試行錯誤しながらやってみます」

唯「そか」


2