――展望室!


ロックオン「誰か顧問になってくれそうな人は……って、どうしたフェルト?」

フェルト「ロックオン……」ぐすっ

ロックオン「なにかあったのか?」

フェルト「今日、掃除をしてたら、これを見つけて……」ぐすぐす

ロックオン「このメモリーチップ……『2292年 CB軽音部』だと?」

ハロ「エイゾウデータサイセイ! エイゾウデータサイセイ!」


軽音部員A『お前らが来るのを待っていたああああああああああああ!!!!!!!』


ロックオン「うわっ! なんだこりゃ!」

フェルト「うぇ~ん!!!」ぐすぐす

ロックオン(そっか、フェルトはこれが怖くて泣いてたんだな……)

フェルト「うぅ……」ひっく

ロックオン「大丈夫、怖いもんじゃない。これはデスメタルって音楽だ」

ロックオン「この赤髪の化け物みたいな兄ちゃんも、金髪の妖怪みたいな姉ちゃん達もただのメイクだから怖がることなんか……」

フェルト「それ……わたしのパパとママ……」ぐすっ

ロックオン「」

フェルト「ロックオンひどいよ……、パパとママの悪口を言うなんて……」ぐすぐす

ハロ「ナカセタ! ナカセタ! ロックオン、フェルトナカセタ!」

ロックオン「違う! 誤解だ!!」


ロックオン(フェルトは自分の両親の暗黒時代にショックを受けてただけだったのかよ……)

ロックオン(……暗黒時代? いや、これは使える……!!)




――

アレルヤ「急に部員を集めてどうしたんだい? 僕はまだ二日酔いが……」オエッ

刹那(ゲロということは……。アレルヤは秋山澪派だったのか……)

ロックオン「お前ら喜べ。顧問が見つかったぞ!」

刹那「本当か?」

ロックオン「ああ……、俺たちCB軽音部の顧問は……」







ロックオン「おやっさんだ!!!!!」



イアン「ちょ、待て! なんでいきなりワシが!! 今までひとっつも出番がなかったんだぞ!」

アレルヤ「どういうことなのロックオン!?」

刹那「イアンはメカニックだ。楽器を演奏しているところなんて見たことがない」

イアン「そ、そうだ! 刹那の言うとおりだ!! ワシは楽器なんて……」

ロックオン「ああ、“今は”な……。だが、15年前ならどうだろうな……?」

イアン「15年前……だと……?」

ハロ「エイゾウデータサイセイ! エイゾウデータサイセイ!」


軽音部員A『お前らが来るのを待っていたああああああああああああ!!!!!!!』


刹那「これは……」

ロックオン「フェルトから借りた15年前の軽音部のライブ映像だ」

アレルヤ「でも、これが一体……………あっ!?」

ロックオン「気付いたかアレルヤ……。前で歌っているのはフェルトの両親らしいが、後ろにいるのが……」

イアン「ワシとモレノだ……」

刹那・アレルヤ「なっ、なんだってー!?」

ロックオン「どぎついメイクで危うく気付かないとこだったぜ」

ロックオン「おやっさんが全然登場しないのも、ドクターがつかまらないのも……」

ロックオン「軽音部という暗黒時代の象徴から逃げてたせいだったってわけだ」

イアン「そうか……全部処分したと思っとったが、あいつらの娘の手に渡っとったのか……」

イアン「しかも、まさかの外伝ネタとはな……。ワシもすっかり油断しとった……」

イアン「そいつを渡せええええ!!! そいつを壊せば!!!!!!!!」


パリン


刹那・アレルヤ「あっ」

イアン「ふはははははははははははははははははは!!!!」


ティエリア「壊しても無駄だ」

イアン「なんだと!?」

ティエリア「こんなことになるだろうと思って、事前にコピーをとっておいた。そのチップもダミーだ」

アレルヤ「いつの間にそんなこと……」

ティエリア「君が酔いつぶれて眠っている間にだが」

刹那(アレルヤのゲロがいつの間にか治まっている……)ガーン


イアン「……クッ!」

ロックオン「観念しろよ。おやっさん……」

ロックオン「あんたには奥さんと娘がいるんだってなあ。たしか、娘はフェルトより4つ下……」

ロックオン「親の暗黒時代を知ってフェルトは泣いてたぜ……」

ロックオン「フェルトより幼いあんたの娘がこれを知ったら、どう思うだろうなあ……」

イアン「わかった! わかったから! 顧問でもなんでもやってやる! だから、嫁さんと娘にだけは……」

ロックオン「わかってくれたらいいんだよ。俺たちも鬼じゃないさ」

アレルヤ「恐喝じゃないか……」

刹那「俺たちは歪んでいる……」

ティエリア「何を言っているんだ君たちは。僕たちは稀代の殺人者だが」



顧問も見つかり、CB軽音部がやっと本格始動した。
ミッションの合間に練習というハードスケジュールだが、マイスター達は充実していた。

そして、いよいよHTT(紛争後ティータイム)の初ライブ。
トレミーのクルーへ練習の成果をお披露目する日がやって来た。


イアン「あいつら、立派になりおって……」

モレノ「若い頃を思い出すな……。シャル、ルイード、マレーネ、874……」

イアン(その数年後にヒクサーやグラーベと歌った『ぼいんぼいん時間』だけは嫁と娘にバレないようにしないと……)

ハロ「ロックオン! ガンバレ! ウンタン! ウンタン!」

クリス「フェルト、機嫌直して今日は楽しも! ね?」

フェルト「……うん」

リヒティ「でも、けいおん!って、ガールズバンドのアニメっすよね。部員から顧問まで男なんて暑苦しいっすよ」

ラッセ「ばかやろう。そこがいいんじゃねえか」ウホ!

スメラギ「さあみんな、そろそろはじまるわよ!!」


ロックオン「いよいよだな……」

アレルヤ「もう本番か……、僕は憂鬱だよ……」

刹那「問題ない。俺たちはこの日のために練習をしてきたんだ」

ティエリア「刹那の言うとおりだ。僕は軽音部で良かったと思う。こうしてみんなと演奏できるのだから」

アレルヤ「そうだね……」

ロックオン「さーて、そろそろ行くとすっか」

刹那「ああ! 俺が! 俺たちが軽音b」



『敵機接近! 敵機接近! ガンダムマイスターは直ちに出撃してください!』



刹那「」

ロックオン「」

アレルヤ「」

ティエリア「」




その後、何度もライブをしようと試みたが、敵の出現により全て中止になった。
軽音部といっても、刹那達の本業はガンダムマイスターなので、仕方のないことだった。


刹那「俺たちはいつライブができるんだ……。これでは武道館なんて夢のまた夢……」

イアン「そのことだがな、ガンダムに新装備をつけてみたぞ」

刹那「こ、これは……! ただでさえガンダムのエクシアがギターを持ってますますガンダムに!!」

ロックオン「デュナメスはベースと、ハロ専用カスタネットまであるぞ!」

アレルヤ「キュリオスにはキーボードだ!」

ティエリア「ヴァーチェにはドラムか……」

ロックオン「ただでさえピザのヴァーチェがますますピザガンダムになってねえか……」

刹那「イアンは顧問だ! ガンダムだ!!」

イアン「ははっ、これで世界にお前さん達の音楽をどーんと轟かせてやれ」


ロックオン「行くぜハロ! ロックオン・ストラトスとハロ2号の初陣だ!」

ハロ「ウンタン! ウンタン!」

アレルヤ「マリー(※キーボード)……」

ティエリア「ヴェー太……」

刹那「がんだむったん……」


ここに。世界初のGN楽器搭載型MSが誕生した。
そして、この異色すぎる装備に世界中が混乱の渦に巻き込まれることになる。




ユニオン兵A「なんだあれは!?」

ユニオン兵B「新装備か! ガンダムめ!」



刹那・ロックオン・アレルヤ・ティエリア「俺(僕・私)達の歌を聞けええええ!!!!」



ユニオン軍「「「「「「なにいいいいいっ!!!!?」」」」」」

アレルヤ「いくよみんな!」

ロックオン「一曲目は、『Cagayake! GUNDAM!』!」

ティエリア「1,2,1,2,3,4……」

刹那「Fighting Now♪」


ガチでガンダムNever Ending GUNDAM Talk♪ ミッション開始まで待てない♪
介入はしても紛争はNon Non Non♪ 精一杯Innovation World♪


ユニオン兵C「やつら歌い出したぞ!!」

ユニオン兵D「耳を押さえろ! 歌に見せかけた超音波兵器かもしれん!」

グラハム「……」

ハワード「隊長! 耳を押さえてください!!」


ドキドキがとまんない♪ フルソウビな機体♪
領土・宗教・エネルギー♪ セブンソードで戦闘♪


グラハム「……」

ダリル「隊長!!」

グラハム「…………この歌、まさしく愛だ!!!」




――こうして、世界はひとつの変革をむかえた




――ユニオン!

グラハム「バンドを組むぞフラッグファイター!!」

ジョシュア「ねーよww」

ダリル「さすが隊長!」

ハワード「グラハム△!!」

ジョシュア「えっ」


カタギリ「まったく、グラハムは突然なにを言い出すかと思えば……」

カタギリ「それにしても、音楽か……。懐かしいな……」

カタギリ「といっても、僕は演奏する側じゃなくて、追いかけてばかりだったけど……」

カタギリ「伝説の女子大生ユニットか……」



――人類革新連盟!

グラサンA「各国の軍隊がこぞってバンドを組んでいるが……」

グラサンB「うちは我々のようなグラサンのおっさんばかりでどうしたものか……」

グラサンC「いや、うちには彼女がいる!!」



――

ソーマ「お呼びですか中佐」

セルゲイ「よく来た。ピーリス少尉。君はこれがなんだかわかるか?」

ソーマ「クマ耳ですか? それが一体……」

セルゲイ「少尉にはこれをつけて、バンドデビューしてほしい」

ソーマ「な、なぜ超兵の私がそんなことを!!!?」

セルゲイ「上からの命令でな……。君が嫌だというならいいんだ。かわりに私がこのクマ耳を……」

ソーマ「……ッ!! その任務、お引き受けいたします!」



――AEU!


カティ「意外だな……」

コーラ「大佐ーどうしたんですかー?」

カティ「目立ちたがりのお前のことだ。真っ先にバンドデビューし、玉砕して戻ってくるのだと思ったのだが……」

コーラ「いやだなあ、大佐! 音楽は聞く方が楽しいんですよー!」

コーラ「最近、中古屋で見つけたんですけど、このガールズユニットの曲がかなりスペシャルで~」

コーラ「ユニオンの伝説の女子大生先輩後輩ユニット『かてぃりさ』って言うんですけど……」

カティ「…………このキック力増強シューズで、少尉を眠らせて……」



バリーーーーーーーーン!!!!



コーラ「大佐ああああああ!! なんでCD壊すんですかあああ!!! ひどいですよー!!!」

カティ(やはり、少尉本体は無事だったか……。しかし、CDは壊すことができた……)

カティ(それにしても、私の黒歴史CDがなぜこやつの手に……!!)

カティ(カティとリーサ……略して『かてぃりさ』か……)

カティ(リーサ・クジョウ……)


コーラ「大佐―! 聞いてます?」

カティ「少尉は弾ける楽器はあるか?」

コーラ「はい! ないです!」

カティ「……全く、仕方がない、ギターを教えてやる。ついて来い」

コーラ「はい! 大佐―!」




――西暦2307年、世界は大きく3つの国家群に分かれていた。


ひとつは、グラハム・エーカーがリーダーを務め、
熱狂的ファンが多いバンド「フラッグファイターズ」を有するユニオン

ひとつは、クマ耳少女ソーマー・ピーリスを中心とするアイドルグループ「マリー工房」を擁する人類革新連盟

そして最後のひとつは、高い歌唱力とライブの合間に挟まれる夫婦漫才が人気の「TWO-MIX」のAEU


三者が対立し、ゼロサムゲームが続くこの世界に楔を打ち込む者達がいた……

彼らの名はHTT――紛争後ティータイム

そして……



~♪

シーリン「あら、懐かしいわね。ギターなんて」

マリナ「シーリン、私ね……もう一度、音楽をやってみようと思うの」


後に、『ごろごろ時間』『ごはんはおかず』をはじめとする数々のヒット曲を生み出す
アザディスタン王女マリナ・イスマイール


――

アレハンドロ・コーナー デビュー曲『ぎらぎら時間』 総売上470枚



リボンズ「……アレハンドロ・コーナー、あなたはいい道化でしたよ」



リボンズ「これからはCBでもイオリアでもない、僕の音楽がはじまる……」

リボンズ「そう、CB軽音学部初代部長――リボンズ・アルマークのね……」





刹那「俺が! 俺たちが軽音部だ!」 Mission complete...?




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