平沢唯の密かな挑戦



こんにちは、平沢唯です!

桜高3年、軽音部所属。
放課後ティータイムというバンドを組んで、楽しくお茶してます!
愉快な仲間たちと、ギターのギー太。わたしの宝物です。
無事大学受験も、晴れて合格!春から女子大生であります!
同じ大学へ進むりっちゃん、澪ちゃん、ムギちゃん。
そして可愛い我が後輩、あずにゃんの5人で楽しい毎日です。

こんなに楽しくて大好きな部活。
本当はもう引退したんだけど…
受験勉強の時間が必要なくなったので、今もお茶の合間に練習しています。

でも、今日はお休みしなければなりません。

だって今日は、年に1度のスペシャルな日なのです!



唯「りっちゃーーーーん!」

律「そんな慌ててどした~?」

唯「わたし!今日!部活!お休む!」

律「お休むのか。ていうか今朝も聞いたぞ?」

唯「ああ!大事な時間を無駄にしてしまった!」

律「無駄とは何だ…って何か用事でもあんのか?」

唯「今は!話してる!暇などない!じゃ!」

律「あ~行っちゃったよ…」

澪「おい律?置いてくぞ!」

紬「今日は唯ちゃん来れないの?」

律「何か用事みたいだ。朝も聞いたのにまた聞かされた」

澪「朝から部活に来れないって決まってたのに…」

紬「…ギー太背負ってたね?」

律「唯にはただのギターじゃないからな」

澪「彼氏…のつもりかな?」

紬「唯ちゃんらしいよね~」

梓「あれ…今日は唯先輩、また追試ですか?」

律「おい、一応あれでも先輩だぞ?」

澪「今日は用事があるんだって」

紬「唯ちゃん、急いで帰っちゃったの」

律「しかし用事ってなんだろうな?」

澪「あんなに急いでたし、何か大事な用なんだろうな」

紬(唯ちゃんの分のケーキ、誰か食べてくれるかしら)

梓「あっ…」

律「何か言ったか?」

澪「梓、どうした?」

梓「…憂だ」

紬「憂ちゃんがどうかしたの?」

梓「憂です。今日、憂の誕生日なんです」


律澪紬
「あ~~~!」


律「謎はすべて解けた!」

澪「だから急いでたんだな」

紬「憂ちゃんをお祝いするのね!」

梓「…先輩らしいですね」



今日は可愛い可愛い妹、平沢憂のお誕生日なのです!
もう小さい頃からの付き合いで、多分10年以上!
…今日憂は17歳になるので、確実に17年の付き合いでした。

憂はいつも留守がちな両親に代わって、わたしの身の回りの世話をしてくれます。
周りからは「憂ちゃんがお姉ちゃんみたいだね」って言われます。

それを一切否定は出来ません。
しかし、わたしは憂の姉なのです!
今日くらいは、ちゃんとした「憂のお姉ちゃん」に挑戦したいのです!



澪「お昼、和に色々と聞いてたよな」

律「ああ、そういえば」

紬「料理の話だったよね~?」

梓「唯先輩の手料理…」

澪「ちょっと…」

紬「…心配ね?」

律「ああ…作れるのかな」



唯「ねえねえ和ちゃん」

和「どうしたの?」

唯「スペシャルな料理の作り方を教えていただきたい!」

和「スペシャル?」

唯「いえーす!」

和「何をもってスペシャルと言うの?」

唯「おいしくて手が込んだもの!そして洋風!」

和「…ボルシチかしら?」

唯「ぼるひち…?」

和「ボルシチ。『ひ』じゃなくて『し』よ」

唯「おいしい?」

和「食べたことないわ」

唯「ダメだよそんなの!」

和「もしかして唯が作るの?」

唯「そだよ~」

和「カレーにしなさい」

唯「全然スペシャルじゃない…」

和「でも唯が作るんでしょ?」

唯「潜水艦部隊が曜日感覚なくさないために毎週決まって食べる料理だよ…」

和「あなたには、本来カレーだってハードルが高いくらいなのよ」

唯「ひ~ど~い~」

和「いい?唯、よく聞きなさい」

唯「何でございましょう…」

和「カレーは比較的簡単に作れる。
  そしてアレンジが多数、失敗したとしても立て直しやすい。」

唯「ほうほう」

和「スペシャルな料理ではなく、カレーをスペシャルに仕立てればいいと思うわ」

唯「なんと…!」

和「レシピを書いてあげるわ。
  隠し味になるものもいくつか書いておくから、自分で選びなさい」

唯「せんせい!」

和「そして・・・」

唯「何でしょう!」

和「素敵な誕生日にしてあげなさい」

唯「憂の誕生日、覚えててくれたの!?」

和「当たり前じゃない、じゃあわたし生徒会行くわね」



~和のカレーレシピ 12皿分~

  • 用意するもの
カレールー 1箱
肉(お好み) 500g
玉ねぎ 3~4個
じゃがいも 4個
にんじん 1本
固形コンソメ 3つ
バター 大さじ3
水 1400cc(野菜ジュース2缶と水1Lにすると深みが出る)

  • 隠し味
トマト缶(1缶)、インスタントコーヒー(大さじ1)、チョコレート(板チョコ半分)、蜂蜜(大さじ1)
セロリ(スライス1本) 、砂糖(大さじ1)、醤油(大さじ1)、りんご(すりおろし1/2個)...などお好みで。



唯(蜂蜜に醤油…和ちゃんは難しい字もどんとこいだね…!)



  • 作り方
1.材料を切る(玉ねぎ1個は一口サイズ、他はスライス。その他具材は一口サイズ)
2.スライスした玉ねぎをバター大さじ1杯であめ色になるまで炒める
3.炒めたスライス玉ねぎを取り出し、他具材をバターで炒める
4.具材が炒めたら鍋に水をはり、固形コンソメを入れ中火で30分ほど煮込む
5.火を止めルーを入れる
6.ルーがとけたら、弱火で30分ほど煮込む
7.盛り付ければ完成



唯(あめ色ってお手本にするあめによって違うと思うんだ~…)



わたしはスーパーに走りました。
今日はギー太と買出しデートです。
学校でギー太を弾かない日が増えました。
でも、わたしたちはいつも一緒です。
…今日は部室にも顔出さないのに、ちょっと重いです。
しかし、これも幸せの重みなのです。


そんなことを思いながらスーパーにつきました。


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