唯「17時30分。まだりっちゃん発見には至っていません」

唯「最悪の場合翌日に持ち越しの場合も……」

唯「あれ? 和ちゃんだ~!」

和「あら、唯。今日は学校休んでたんじゃ……」

唯「う、うん……」

和「風邪か何かだと思ってたけど……大丈夫?」

唯「うん……大丈夫……」

和「……で?」

唯「何?」

和「その大荷物は何?」

唯「……」

和「唯? 危ないことしてないでしょうね?」

唯「う、うん……」

和「……唯?」

唯「……ご、ごめんなさい……」

和「何を謝ってるの? 風邪じゃないのね?」

唯「う、うん……」

和「それで? 何やってるの?」

唯「じ、実は……その……」

和「実は?」

唯「澪ちゃんを……捕獲しようと……」

和「……」

唯「……」

和「……はぁ……」

唯「……」

和「そうなんだ……じゃあ私生徒会……じゃない。帰るね?」

唯「うん……」

和「明日は学校来なさいよ?」

唯「はい……」



唯「……」

唯「市街地ですからこういうこともあります……」

唯「この大荷物を隠せるように車で移動することをお勧めします」

唯「私は未成年なので無理ですが……」


 キャ~~~~~~~~~~~~!!?


唯「!」

唯「今の悲鳴を聞きましたか?」

唯「間違いなく澪ちゃんです」

唯「たしか西の方角……」

唯「発見しました! りっちゃんの発光です!」

唯「天に向かって真っ直ぐと伸びる光の帯が想像以上の美しさです!」

唯「時刻は17時35分!」

唯「……おそらく部活が終了して家に帰る途中なのでしょう」

唯「先回りして罠を仕掛けます」

唯「檻は、時間帯に合わせ色の暗いものを用意しています」

唯「公道を使うことになるので、交通の妨げにならないよう注意します」

唯「その中に甘いものを置き、少しはなれたところで観察します」

唯「ちなみに今回の餌はシュークリームです」

唯「イチゴ味などのファンシーな味を好みます」

唯「逆に和菓子などの渋いものは控えましょう」



 ………………

澪「結局今日は唯来なかったな。どうしたんだろう?」

律「さぁ? 憂ちゃんも知らないって言ってたし……」

澪「それも妙な話だろ?」

律「でも心配いらないって言ってたしさー」

澪「まぁ……」

律「それよりこのたんこぶの心配を……」

澪「それは自業自得だ!!」

律「全力で殴るんだもんな~……」

澪「うるさい馬鹿律!」

律「そこまで言わなくてもいいじゃん……」

澪「な、何だよ……」

律「うぅ~……」

澪「……そんなに痛むのか?」

律「ちょっと……」

澪「見せてみろよ」

 スッ……

律「痛っ!?」

澪「ご、ごめん!」

律「つば」

澪「は?」

律「つばつけとけば治るって……」

澪「……たんこぶだぞ?」

律「それでも」

澪「……汚いし」

律「澪なら汚くないよ」

澪「!?」

澪「……しょうが……ないな……」

律「なんつって!」

澪「」

律「あはははははは! 何本気にしてんだよ澪~!」

澪「」

律「そんな……あはは! たんこぶにつけるわけないじゃん!!」

澪「」

律「あははははははははははh……は?」

 ゴツン



澪「まったく……」

澪(何ドキドキしてんだか……私も……)

律「ちょっと~。待ってよ澪~。ジョ~ダンじゃんか~」

澪「」

律「どしたー? 澪ー?」

澪「あれ……」

律「んー?」

律「」

律「檻?」

澪「檻……だな」

澪「何でこんな所に檻が……」

律「おい。澪アレ」

澪「うん?」

澪「……」


―――――――――――――――
            檻  澪 律
――――――― 唯 ――――――
          | |
           | |



 ………………

唯「どうやら餌を見つけたようです」

唯「じっと餌の方を見ていますね」

唯「怪しんでいるようです」

唯「ですが慌ててはいけません。ここは澪ちゃんとの持久戦です」

唯「こうして陰に隠れている限り、澪ちゃんはこちらには気付きません」

唯「そこまで高い知能は持っていませんから安心です」

唯「横にいるりっちゃんも、できればまとめて捕獲してしまいましょう」



澪「唯……何してるんだ……?」

律「私が知るかよ」

澪「何かさっきからあの塀のところでチラッチラ見えてるんだけど」

律「隠れてるんだろ」

澪「……」



唯「」チラッチラッ



澪「あれってさ」

律「うん」

澪「捕まえようとしてるんじゃないのか?」

律「こんな街中で何をだよ」

澪「私達を」

律「……」

澪「餌? かな? シュークリームは」

律「よく見たら歯形ついてるぞアレ」

澪「我慢できなかったんだな……」

律「ひょっとして唯ってさ」

澪「うん」

律「前から馬鹿じゃないかと思ってたんだけどさ」

澪「うん」

律「馬鹿なんじゃないのか?」

澪「だろうな」



唯「わくわく」チラッチラッ



澪「どうする? 憂ちゃん呼んだ方がいいかな?」

律「いや待て待て待て! まだ私達を捕まえようとしてると決まったワケじゃないだろ!」

澪「いやどっちしろ呼ぼうよ! 異常事態だろこれ!」

律「いや……憂ちゃんだとこれ唯に協力しだすかも……」

澪「じゃあ和だ」

律「和はもう諦めっていうか知ってて放置してる気がする……」

澪「……」

律「……」



唯「」チラッチラッ



澪「もう私たちで行こう」

律「だな」



唯「あ! 澪ちゃんが近づいてきました!」

唯「どうやら警戒心が解けたようです」

唯「あの捕獲用の檻は、こちらで縄を放すと入り口が閉まるようになっています」

唯「十分に引き付けて、檻の内部に入ったのを確認してから放しましょう」

唯「さあ、今ゆっくりと檻の中に……」

澪「おい」

唯「」

律「何やってんだ唯」

唯「」

律「どうしたんだよこの檻……」

唯「ムギちゃんがお家に余ってるのがあるからって貸してくれた……」

律(何のためにこんなもんが家ン中にあるんだよ!?)

澪「……なんだこの不愉快極まりないレポートは」

唯「な、夏休みの宿題を……休みに入る前にやっとこうと……」

律「唯~高校には自由研究の宿題ないぞ~」

唯「え!? そうだっけ!?」

澪「ていうかこんなもんが提出できるか! っていうかさせるか!!」

唯「うわ~ん! ごめんなさ~い!!!」



 完



メモ漁ってたら出てきた
夏休み終わってた
支援とROMありがとう

以下ご自由にどうぞ