―午前11時

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唯「ねえ……私達どうなっちゃうの…?」

律「さぁな……」

憂「皆……私達の事、忘れちゃったんですかね…」

唯律紬「……………」

律「忘れる………か…」

律「なあ、この状態が幽霊ってやつかな?」サッサッ

唯紬憂「……………」

律「ごめん……」



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―12時半、学校

律「とりあえず―」

唯「昼休みの時間だね……これから秋山さんの後付けるの?」

律「……そう、まずは私達の身に何が起きたのか調べないと…」

律「憂ちゃん、梓の方よろしくね」

憂「あの……ちょっと分からないです…」

律「えっ?」

憂「何だが分からなくなっちゃって……」

律「お、落ち着いて…」

唯「うい、大丈夫?」

憂「……お姉ちゃん…」

律「……!」

律「……ねえ、梓は…?梓って子…」

憂「あずさ…?すみません、ちょっと…」

律(おい…マジかよ………)

紬「ねえ…」

律「な、なに?」

紬「その子がどうかしたの?…」

律「ムギ……おい唯!?」

唯「なに?」

律「何じゃないだろ!梓だよ!お前は覚えてるだろ……?」

唯「えっ…覚えてるも何も知らないよ」

律「ウソだろ……」


どうすればいいんだ…どうすれば……
…何故私だけ記憶がはっきりしてる……?

梓…澪…和……
無くなっていく記憶

とにかく……澪の周辺だけでも調べないと
理由を……早く何とかしないと皆が………!


憂「あの、律さん」





「後何分?」

「えっと、4分と15秒です」

「残り時間3分になったら、予定通りアレお願いね」

「分かりました」

「この子も心の準備、しておかないとだからね…」

「ちょっとびっくりするでしょうね……」

「問題ないわよ、直ぐにこっちに戻るんだから」

「あのー…」ガチャ

「ん?梓ちゃん、どうしたの?」

梓「少し姉の様子が気になって……」

「大丈夫よ、少しイメージが乱れる部分もあるけどね。今は安定してるわ」

梓「どんなの見てるんだろ…」

「気になる?けど規約で見せられないの、ごめんね」

「あ!梓ちゃんも今度試してみる?今ならサービスしちゃうわよ~ん」

梓「い、いや…私は………」

「先生、困ってるじゃないですか…!」ボソ

梓「じ、じゃあ私はこれで……」

バタン

「やっぱり似てますね。姉妹だと」

「そうねえ……って、そろそろよ。アレ準備して」

「あ、はい」

(……やっぱり、プログラムのイメージにノイズが入り始めてるわね…)

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律「どうしたの……?憂ちゃん……」

憂「私……今全部知っちゃいました…」

律「え……?」

唯「ねえ憂、どういう事…?知ったってなにを……」

紬「教えて、憂ちゃん」

憂「紬さん……」

憂「紬さん、いつも姉に楽しいティータイムを提供してくれてありがとうございます」

紬「え…?」

憂「お姉ちゃんはいつも『明日のお菓子は何かなー♪』とか…」

憂「…『今日はムギちゃん美味しい紅茶を淹れてくれたんだよー!』とか……」

憂「嬉しそうに…とっても嬉しそうに……」

律「憂ちゃん……?」

憂「たくさんの笑顔を作って下さって、本当に妹として感謝してるんです」

紬「憂ちゃん…」

憂「お姉ちゃん……ありがとね」

唯「憂……何言って…?」

憂「ねえ、小さい頃のクリスマスの日、覚えてる?」

唯「クリスマス…」

憂「ふふ…クション破って中身出しちゃったんだよね」

唯「あ…あの時…」

律(…………)

憂「その後お父さんとお母さんに凄く怒られて…」

唯「えへへ……憂に喜んでほしくてさ…」

憂「……今までの思い出が全部なくなっちゃうなんて事…絶対ないよね……」

唯「……憂、なんで泣いて…」

律(…!…)

憂「私のお姉ちゃんでいてくれてありがとう……」

憂「じゃあね……お姉ちゃん」

大好きでした…

律「憂ちゃん!!」



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唯「…………」

律「憂ちゃん…?まさか消え……」

律「…おい唯!!」

唯「へ?……」

律「なにボーッとしてんだよ!!憂ちゃんが…!」

唯「ウイ…チャン…?」

唯「何のこと言ってんの?りっちゃん…」

紬「さぁ…」

律「おい!!今見ただろ!!!」ガッ

唯 「なに!?」

律「憂ちゃんが消えちゃったの!!お前見ただろ!!!」

唯「もうさっきから何言ってんの!?痛いよ……」

律「ふざけんな!!お前憂ちゃんの姉だろ!!?今まで一緒に暮らしてきたんだろ!!!?」

唯「ねえ……なんなの…」ビクビク

律「お前妹のことまでッ……!!」

紬「…………」

律(けど憂ちゃんはなんで……)

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「じゃあ始めて」

「はい…」





―学校

澪(皆大丈夫かな…)

澪(唯もムギも律も……)


グニャアア・・・


澪(うっ……!?頭イタ……)

澪(歪んでる……?物が全部…!)



アタマ痛たぁぁぁぁ…




唯「ねえりっちゃん…澪ちゃんの教室行くの…?」

律「そーだよ…当たり前だろ…」スタスタ

唯「ねえ…何で怒ってるの…?」

律「怒ってねえよ……」スタスタ

律(とにかく…今はこの状況をなんとかするんだ……)

律(急がないと、にかくヤバい……)

律(憂ちゃん………)



―教室

紬「ここね…秋山さん」

律「…………」

唯「居るかな……」


紬「いないみたい……」

唯「どうするの…?」

律「……他急いで探すぞ」

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梓「どうしたんですか?先輩」

澪「梓、私全部解ったんだ……」



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最終更新:2011年05月09日 20:00