―思えば、中学の頃からか…



私は人付き合いが苦手だった

周りに合わせてふざけた振りしても、笑った振りしても
心の中はいつも退屈だった…
気付けばグループの後ろを付いて歩くだけ

皆変に私に気を使うだけ
冗談言っても、私顔が笑ってないし…

ただ寂しかっただけかもしれない
誰かに構って欲しかっただけで…

そんな中律だけは本当に楽しそうに笑ってた……


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― 中3、春

律『おーい澪、帰ろうぜ』

澪『あ、うん』

『律ー!帰ろうよー』

律『おーう!今行くって!』

律『ほら、早く行くぞ!』

澪『いや…私いいよ、あの人達あんまりよく知らないし……』

律『何言ってんだよ、紹介してやるから、さ!』

澪『え……でもな…』


「何やってんのー、はやく~!」

律「ほら早く行くぞ!」グイ

澪「ちょっと!…」

律「こいつ、二組の澪!一緒に帰ろうってさ、ほら」バン

澪「あ…よ、よろしくね…ハハ」

「澪ね、じゃ一緒に帰ろ!」

澪「うんっ」

律「なぁこれからどこ行く?」

「え~、あ!駅前にサー○ィワン出来たの知ってる!?」

律「マジで!?よっしゃ行こう行こう!」

澪「……………」


律は他クラスにも友達が多かった…
当然だ。元気で明るくて、私とはまるで正反対なのだから…

学校帰りに皆でどこか行こう、とか、私はそういうノリは苦手だった……


律「澪も来るだろ!?」

澪「あぁ、うん…」

律「ノリ悪いなー…あ、もしかしてダイエット中か?」ニヤニヤ

澪「ち、違うよ!行くよっ」

律「じゃ、皆行こうぜ」



― サーティ○ン

律「おぉー…これがテレビでよく見る……!」

「律、その言い方オバサンくさいよw」

律「うるせぇ!それより何にする?さすが種類が多いな~」


ダメだ……こういう会話が私にはできない…
出来るのは、こうやって最後尾からその光景をみて微笑むだけ…

律の場合、本当に微笑ましいのだけど…


律「澪は何にする?」

澪「えっ?……そうだな…」

澪「そうだな……」

澪「じゃあチョコカレーと、マシュマロ豆乳のダブルで…」

「わ~…凄いの選ぶね澪…」

「じゃあ私は…」


期待していた反応とは違った…

ただ一人を除いて


律「ギャーー馬鹿だ馬鹿!!wwww絶対それ全部食えよー!?」ケラケラ

澪「あ…あったり前だろ!」ポン



「おいしかったねー」

「また来よっか!」

澪「………うぷ…」

律「おい大丈夫かよ…あんなゲテモノ食うから……」

「じゃあ律、私達行くね」

律「おー、じゃあな!おい、澪」

澪「……うっ、じゃあ…」

「………うん、じゃあね」


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―帰り道


澪「うぅ…お腹痛…」

律「ホント大丈夫かよ……」

澪「律……帰ったらメールしてよ?」

律「するから…もう今日は早く帰って休めよ」

澪「うん…」

律「くくっ……けど澪、ホントにあれ全部食うんだもんなぁ」

澪「全部食べるって…言ったからな……」

律「…………」



―翌日、学校、廊下

スタスタ

「―あ」ピタ

澪「あ…」

「き、昨日は楽しかったね……澪…」

澪「う、うん…」

「ま、また行こうね!」

澪「そうだね…ハハ」

「えっと…じゃあね」

澪「………うん」

なんだよ……あの感じ…



―放課後

澪(トイレトイレ……)

「あー、あの子ね…澪っていう」

澪 !! ピタ

「なんか暗いんだよねー…ノリ悪いし」

「でも律と仲良さそうだったよ」

「あー幼馴染みらしいよ…あれ」

澪「ッ……………」




律「あっ、お前ら何してんの?なんの話?」

澪(律……!)




「あのさ……澪はもう遊びに誘わなくてよくない?」

律「は?何で?」

「だって暗いじゃん…」

「そうそう、一緒にいてもなんかさ…向こうも無理してんじゃない?…」

澪(…………)

律「じゃあいいよ、お前らが嫌ならそれで」

「え…」

律「それだけの事じゃん」

律「お前らはもう澪と関わらない、それでいいんだろ?ならそうすれば」

「律…」

澪(…………)

律「とにかく私からうまく言っておく。だからこの話はもう終わりっ」

「…………」

律「じゃあ今日は私もう帰るから、じゃあな」

「うん…じゃあね…」


律(今日は澪と二人で帰るんだ)シタシタ

律「あ……」

澪「……………」

律「…………聞いてた…?」

澪「別に…」ダッ

律「おっ、おい待てよ!」ズギャオッ




―廊下

律「………なあ」

澪「帰れよ……あの人達と」

律「…私は澪と帰るよ」

澪「フ…同情……」

律「違えよ」

澪「違うもんか!!」

澪「いつも独りで可哀想とか、構ってあげようとか!」

澪「昔から、ずっとそう思ってるんだろ!!」



シュッ ←足払い



澪「いたっ」ドサッ

律「馬鹿やろう!!!!!」

澪 !!

律「そんな気持ちで!!……そんな気持ちで…!」

律「そんな気持ちで今まで私と友達やってたのかッッ!!!」

澪「………!!」

律「私は悲しいぞ……」

律「友達っていうのは……いや…親友っていうのは……!!」

律「…そんなんじゃないだろ………」ポロポロ

澪「………律…」

澪「ごめん……私間違ってた…」

律「そうだよ…」

律「可哀想とか…そんなんで付き合う訳ないじゃんか……」

律「私はただ、好きだから一緒居るだけだよっ」ニコ

澪「……うん…」

律「さっ…一緒に帰ろ!」

澪「…うん!」

ありがとう律……
好きって言ってくれて
友達の意味が少しだけ解ったような気がするよ…






「どうですか?」

「一瞬乱れた部分もあるけど……」

「精神的にはまた安定してきたわ」

「これがこの子の今後に活かせればいいんですけど…」

「そうねえ……今年から高校生だっけ?」

「そうみたいです」

「多感な時期よね~…若いって羨ましいわ……」

「何言ってるんですかw」


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