梓「唯先輩もムギ先輩も馬鹿で良かった」

唯「え、なんか言った?」

梓「いえー何もー」

澪「ありがとう、梓……お前は恩人だ」

梓「私は常に自分より弱い者の味方ですから」キリッ

唯「うーん、次の拷問はどうしようか。
澪ちゃんへの拷問がおしゃかになったし、
それを挽回する意味でも
より激しい拷問にすべきだよね」

紬「そうねえ、どうしよう……」チラッ

律「え、なんだよ?
もしかして次のターゲットは私なのか?」

唯「まあ順番的に」

律「あ、そう……まあいいわ、
お前らの拷問なんてたかが知れてるからな。
どんとこいだわ」

唯「強気だなー。
その強い心を叩き折るのも拷問の醍醐味だよね」

紬「じゃあ次は精神的なほうかしら?」

唯「そうだね。
なんかいい案ある? 澪ちゃん」

澪「えっ、私……?
律が精神的に苦しむことなんて……」

律「へっへー、そんなもんあるわけねーだろ」

澪「あっ」

紬「?」

唯「澪ちゃん、今の『あっ』は何?
なにか心当たりがあったんじゃないの?」

澪「えっ!? あ、いや、そんなもんあるわけないだろ、はっはは……」

唯「ああ、そう。
じゃあもう1回澪ちゃんに拷問しようかな……」

澪「あ! やめて! それだけは!
言うから、ちゃんと話すから」

律「え、な、なんだよ」

澪「律のカバンに入ってる青いメモ帳……」

唯「メモ帳?」

律「あっ!?
おい澪、なんでそのこと知ってんだ!」

澪「ごめん、この前ちょっと見ちゃった……」

律「駄目だそのメモ帳だけは……!」

唯「ムギちゃん、りっちゃんを押さえといて!」

紬「ラジャ!」がしっ

律「くそ、離せ!
おい梓、助けてくれ!!」じたばた

梓「そのメモ帳に興味あるんでイヤです!!」

律「畜生!!」

唯「青いメモ帳、青いメモ帳……
もしかしてこれかな?」

律「ああああああああああああああっ!!」

唯「ん、歌詞ノート……?」

澪「律は私の真似して歌詞を書いてたんだ……
どこにも発表することなく、
そのメモ帳に書き溜めるばかりで……」

律「おいやめろ!
読むな!! やめろ!
頼むから!」

梓「読んでください唯先輩!
大声での朗読をお願いします!!」

紬「ぜひ聞いてみたいわ!!」

律「うおわあああ!!」

唯「よーし読むよー」


鳥のさえずり 春のそよ風
今日も明るい朝日におはよう
でも寝ぼけてる私の目には
まだちょっと眩しいかな

新しい白いワンピース
履きなれた赤い靴
カチューシャさして出かけよう
大好きな友達のもとへ

青空のもとに駈け出して
光を連れて飛び立とう
一人なら不安でも
君と一緒なら怖くない

さあ二人手をつないで
輝く明日へ歩き出そう

希望を手にして 涙を拭いて
羽ばたけばほら翼になるから
(以下省略)


唯「……」

澪「……」

梓「……」

紬「……」

律「おい何とか言えよ」

唯「……」

澪「……」

梓「……」

紬「……」

律「なんで黙ってるんだよ……」

唯「次の拷問考えよっかぁー」

紬「そうねぇー」

律「おい! 笑うなりバカにするなりしろよぉー!
スルーが一番こたえるんだよ! おい!!」



澪「次は誰にやるんだよ?」

梓「順番から考えれば……ここは」

唯「ムギちゃんだね!」

紬「えっ!?」

唯「既存の拷問SSに足りなかったもの。
それは何だか分かる? ムギちゃん」

紬「えー……分からないわ」

唯「復讐だよ、復讐!
ムギちゃんは私たちに好き放題拷問するだけで
なんの罰もお咎めも受けてないんだよ!
そんなんじゃ読後感が悪すぎるよぉー」

紬「そうなの?」

唯「だからこの拷問SSではムギちゃんに対する復讐を実行します!
そうすれば今までの拷問SSになかった
読後のカタルシスを得ることが出来る!!
それによりこの拷問SSが既存のあらゆる拷問SSを超越し、
いつまでもカルアスレで語り継がれる
究極にして至高の名作へとなっていくのです!」

梓「拷問系はしつこい粘着アンチがいるんで
カルアスレで名作扱いされるのは絶対無理だと思いますよ」



唯「よーし、じゃあ早速ムギちゃんへの復讐を開始しよう!」

紬「お、お手柔らかにね……」

澪「いきなり復讐と言われてもな」

律「思いつかないよな」

梓「じゃあ明日はムギ先輩がケーキ抜きとかで……」

唯「ダメダメそんなの!
あまりにもぬるすぎるよぉー!
今まで受けた恨み憎しみを全てぶちまけるくらいじゃないと!」

紬「ひいいい!」

唯「じゃあもう私からやるよ!
みんなはそこで見ててねっ」

澪「おいちょっと待てよ、
なんで唯が復讐するんだ?」

唯「え? さっきも言ったでしょ、
読後のカタルシスを演出するためにだね……」

澪「そうじゃなくて、唯はムギに何もされてないだろ。
復讐する必要がないじゃないか」

唯「……」

律「復讐したいんなら
お前もムギからの拷問をうけろよな」

梓「そうですよ、
自分は何もされずにしたいことだけするなんて
虫が良すぎますよ」

唯「えー……」

紬「なに?
唯ちゃんにも拷問すればいいのかしら?」

唯「……」

澪「……」

律「……」

梓「……」

紬「……」

唯「やっぱり拷問なんて駄目だよ!
けいおんキャラを苦しめて面白がるなんて、
人として腐ってるね! ふんす!」

澪「オイ」

唯「だってそうじゃない?
人を傷つけるんだよ? そして殺すんだよ?
そんなお話を読み書きして楽しんでるんだよ?
犯罪者予備軍以外の何ものでもないよぉー」

律「自分に不都合になったらそうやって……
ゲンキンなやつだな」

唯「拷問SSには愛がないんだよ愛が!
けいおんへの愛がない人間はSSなんて書いちゃいけないと思うね!
読む方としても不愉快だし!」

梓「ああ唯先輩が痛々しい拷問アンチに……」

唯「今まで拷問を繰り返してきて分かったよ。
拷問なんてSSであっても絶対やっちゃいけないってね。
みんなもそれを心得ておくよーに!」

澪「お前は何もやってないしされてもいないだろ」

紬「じゃあもう拷問はこれで終わりなの?」

唯「終わり終わり!
そもそもグロさえあれば飛びついてくる中高生レベルのアホたちに
支援とか保守とかされて喜んでるようじゃ駄目だよ!」

梓「拷問スレ読んでる人すみません」



澪「でもどうするんだ?
このままじゃ名作扱いされるどころか
完結後すぐにDAT落ちだぞ」

唯「別にそれでも構わないよ。
こんな拷問SSは人目に付くべきじゃないんだよ。
というわけでこのSSもそろそろ終わりたいと思います」

梓「飽きてきただけでしょ」

紬「えっ、もう終わりなの?
私もっとみんなに拷問したいわー」

律「えっ!?」

紬「なんだか拷問するの楽しくなっちゃったの!
私、家に帰って拷問のこともっと調べてみるわね!」

澪「えっ!?」

紬「みんなバイバイ!
明日はもっと激しく拷問してあげるからー!」

梓「あっ、ムギ先輩……」

唯「……」

澪「どうすんだ、これ」



唯「まあいいや、とにかく終わろう……
スレが終われば話も終わるんだから」

梓「そうですね。
二度と明日が来ないことを祈りながら」

澪「夜も遅いし」

律「もう寝よう」

唯「おやすみなさい」

お わ り



おやすみ
明日はりょこうでえす