ーー
次の日から、唯は本当に頑張るようになりました。
一心不乱に練習に打ち込むようになり、自主レンもしているようでした。
ムギも選手としてかなり成長して、唯と一緒にスパーリングするようになりました。

さわこ「2人ともだいぶサマになってきたわね……これなら大丈夫そう」

律「大丈夫そうって…まさか!!」

さわこ「ええ、エントリーしましょう」

唯「えんとりー?」

澪「先生、ムギと唯には早すぎませんか!?」

さわこ「まぁ、これも経験だと思って、やってみた方がいいんじゃない?」

紬「エントリーって…なにか大会でもあるんですか?」

さわこ「なっ、ここK-1部よ!?」

律「なら大会って言うのは…」

澪「ひとつしかない……」ゴクッ

唯「?」

さわこ「そう…、
日本で一番強い女子高生を決める大会、その名をJK-1グランプリ(優勝賞金1000万円)!!」

澪「(カッコいらねぇ…)じゃなくて、二人はまだ初めて三か月しかたってないんですよ!?」

さわこ「でもスパー出来てるじゃない、試合にはなるわ」

律「っでもでも、二人の気持ちってもんも…」

さわこ「…ふたりともやる気みたいだけど?」

律澪「!!?」

唯「りっちゃん、私やるよ!二人に教えられてきた自分が、今どれ程のものなのか知りたいの!」

紬「なんだって先生がいいんですもの、大丈夫よ。ねっ、りっちゃん!澪ちゃん!」

さわこ「キマリね」ニマッ



ーー
大会当日

唯「うわあすごい人~」

律「と言っても選手は50人もいないらしいぜ~」

唯「そうなの!?」

律「まだ地区予選だしな…それに」

澪「JK-1はオーディエンスが多いことで有名なんだ……ウッ」

紬「澪ちゃん!?」

澪「大丈夫…ちょっと緊張してきただけ」ドキドキ

律「…試合前の澪はいつもそうなんだ、
じゃああたしエントリー確認に行ってくるから澪ヨロシクゥ~☆」タタッ

唯「(試合前か…そうか、わたしこれから試合するんだ……見たこともない人と……)…ウッ」

紬「唯ちゃんまで~!?」



ーー
律「たっだいま~!私たちの控え室はあっちだって!あとさわちゃん見っけ!」

さわこ「あとって何よ!あら、3人とも大丈夫?顔色良くないわよ!?」

紬「とりあえず、部屋へ行った方がいいかと……」

澪唯「」ガクブル



ーー
さわこ「それにしても豪気ね。学校ごとに専用の控え室があるなんて」

律「ま、それが観客が多い利点ですかね」

澪「観客……」ブルブル

律「、ったく、いつまでそうやってんだ澪!」バシンッ

澪「っひゃ!!?」

律「お前がそうやってビビってたら、唯まで緊張しちゃうじゃないか…!」

澪「!!(そうだ…私が頑張らなきゃ…、みんなに心配かけちゃあいけないっ…!!)

澪「よおうし律!!じゅんびたいそうだっ!」ダッ

律「おおーう!ついてこいムギ!唯!」パヒューン

紬「ハイッ!行こう唯ちゃん!」

唯「ま、まってえ~」

さわこ「ふっ、みんな、若いわね……」



ーー
アナウンス「それでは以上で開会式を終了します。選手の皆さんは各自試合に向けて待機してください」

律「いよいよだな!」

澪「この中ではトップバッターは…唯じゃないか!」

唯「ええ、あたし!?」

紬「このプログラムなら応援できそうですね~」

律「おっしゃあ、一発決めてこい唯!」

唯「う、うん!」



ーー
アナウンス「第三リング、桜高校K-1部所属、平沢唯選手対・・・」

律「始まるみたいだぞ!」

憂「おねえちゃーーーん!!!」

唯「あ、憂!それにのどかちゃんも!来てくれたんだ~」

憂「応援するよ。でも気をつけてね、お姉ちゃんが怪我でもしたら私……」オロオロ

和「無理しないでね、落ち着いてやればいいのよ…」ハラハラ

唯「…へへっ、大丈夫だよ!見てて、私強くなったから!」

憂「お姉ちゃん…!」

和「唯……!」

澪「!……」



ーー
カアーン!

律「ゆいふぁいとーーーー!」

紬「ふぁいとーーーーー!」

澪「…」

唯「(みんな見てる…失敗はできないッ)」ババババッ

律「すげえ!唯が押してるぞ!」

澪「………いや、相手には効いてない…」

紬「様子見されてる…ってこと?」

律「!…だぁいじょぶだってぇ、効かなくってもこのまま手数で勝負すれば判定勝ちだ!」

さわこ「(そううまくいくかしら…)」ドキドキ



ーー
ジャッジ「第一ラウンド終了!」

さわこ「お疲れ唯ちゃん!」

律「よくやったよ唯!!」

唯「えへへ…みんなのお陰だよぉ………」

澪「これ、飲む?水?」

唯「あ、ありがとう澪ちゃん…」

澪「(かなり疲れてる…!)どこか痛むところあるか!?」

唯「大丈夫、心配しないで…」

紬「みなさん、そろそろ…」

澪「時間か…唯、最後に1つ。次は自分から攻めるな」

唯「へっ!?み、澪ちゃんどうしt!?」

カアーン!!



ーー
律「澪!!お前どうしてあんなことを!?」

澪「…あれ以上やってたら唯が自滅してしまう…、それに、唯には攻撃以上に防御をよく教えといた」

律「だからって…」

さわこ「澪ちゃんの言う通りよりっちゃん、
…でもね澪ちゃん、正しい行動が、正しい結果を導くとは限らないわ」

澪「、?それはどういう…」

律「お、おい!なんか唯、フラフラしてないか!?」

紬「唯ちゃんしっかりーー!!」

澪「!!?(唯…集中しろ……!)」



ーー
バシバンッ

唯、最後に1つ。

パンパアンッ

次は自分から攻めるな

唯「(澪ちゃん…どうしてあんなことを……?)」

唯「(…きっとまた私がいけないんだ、澪ちゃんが間違うわけないもんね)」

唯「(そっか、わたしがいけなかったんだ。教えられた通りに出来てなかったんだ)」

唯「(なら、ちゃんとやればいい!)」

唯「(ちゃんとできるよってところを、澪ちゃんに!!)」

オオォッ

律「唯が攻めはじめたぞ!」

澪「!?そんな、まだはやいよ!」

さわこ「澪ちゃん、唯ちゃんはね、あなたの言う通りに守ってたんじゃないわ。」

さわこ「唯ちゃんは自分が疲れているのに気づいてないのよ!」

澪「!」

さわこ「つまり、なんで澪ちゃんにああ言われたかわからなくって、攻めあぐねていただけなのよ」

紬「じゃあ、今攻めに行ってるのは…?」

さわこ「それはわからないわ!!」ドーン

さわこ「ただ、唯ちゃんの中でふんぎりがついたんじゃないかしら」

澪「だからって…だからってダメだ!今は守らなきゃ…」

律「それは違うぞ澪!このまま守ったってジリ貧だ、
唯が勝つには、はじめから攻撃あるのみだったんだよ!」

澪「!!」



ーー
唯「(、もっと速く、もっと強く!!)」パンパアン

いいぞ唯、もっとリズムにのって!ワンツー!ワンツー!!

唯「(澪ちゃんが褒めてくれたワンツーパンチ…)」

唯「(ただのワンツーだけど、これが今の私の必殺技〈せいいっぱい〉…)」

さわこ「今よッ!」

唯「うんっ!」バンッ

紬「もうひとこえっ!」

唯「タァあン!!」ドォンッ!!

律「きまったァ!」

澪「!!!」

澪「!(相手はまだこらえてる…!)」

唯「(まだだ、まだ効いてない…もう一発、ここできめる!!)」

紬「ゆいっちゃ・・・」

澪「だめだ唯!!!」

唯「!!?………みお、ちゃ…………?」ダアァアン!!

バタンッ………!!

律「唯!?」

紬「!!」

さわこ「!」バッ

和「ゆい…!」

憂「おねえちゃ…」

澪「唯イいいいいいいいいい!!1!!!!」



ーーーーーーーーーーー
唯「!……ここは、?」

憂「お姉ちゃん!」

さわこ「病院よ、具合はどう?」

唯「病院…そっか、私試合で」

さわこ「……一回戦、KO負けよ。」

唯「み、みんなは!?」

憂「今会場からこっちに来てるって。和さんも。それよりお姉ちゃんだよ!本当に大丈夫なの!?」

唯「平気平気!元気元気だよ!」

さわこ「大丈夫そうだけど、一応頭を打ってるから、検査してね」

憂「今日は入院だって…私、このままおねえちゃんが目覚めなかったらって思って…」ダキッ

唯「う、うい~////」

憂「……ねえお姉ちゃん」

唯「ん~?」

憂「K‐1部、やめよう?」

さわこ「……………」

唯「憂………」

憂「イジワルなこと言ってるってわかってる…。」

憂「でも、あたし、もう今日みたいなこと、あたしたえらえあいよお~」ボロボロ

唯「…………憂……」



ーー
律「起きたのか唯!?」

唯「おうりっちゃん!みんな!!」

和「ごめんね唯、先生の代わりにセコンドすることになって…。それと律、トーン下げて。ここ病院」

律「ゴメンごめん…けど、かたきはとったぞ唯!」

唯「?」

紬「唯ちゃんの相手と勝ち上がったりっちゃんが戦うことになって、りっちゃんが勝ったの!」

唯「本当!すごぉい!!」

律「まあねー!きっと唯との戦いが、相当ダメージあったんだよお~」

澪「…判定のギリギリ勝ちだったじゃないか」ボソッ

律「なにおう!?」

唯「澪ちゃん…」

澪「」ドキィッ

唯「ごめんね、私、澪ちゃんに言われた通りにできなかったよ…」

澪「」

唯「澪ちゃんに教えてもらったこと、全然できてなかった…負けて当然だよね」

澪「…ガウ」

澪「違うよ唯!私が、私が唯をミスリードした!私が唯を混乱させてしまったんだ!」

澪「あのまま私が黙ってたら…唯が勝ってたのに…」

澪「唯が負けたのは、わたしのせいなんだ!!」

紬「澪ちゃん……!?りっちゃ…」

律「澪、お前…ずっとそう思ってたのか?試合中も、……だから負けたってのか!?」

唯「!!……澪ちゃんの試合って…」

律「一回戦判定負けだよ。それも格下の相手に、どうにも消極的なつまらねえ試合だと思ったら…」

澪「………」

紬「りっちゃん…怒らないで、澪ちゃんはただ…」

律「怒りたくもなるね、試合に集中できなかったことじゃない。負けたのを唯のせいにしたことをだ!」

澪「!!?なっ違っ…私は…!!!」

律「違うもんか!現にいま、この話を聞かされた唯はどう思う!?」

律「自分のせいで、澪が負けたって思うんじゃないのか!?」ウルッ

澪「!!」

律「あの時、試合のとき、澪がすべきことは、精一杯戦うことだったのに!」

律「おまえはそれをしなかったんだ!!」ボロボロ

澪「!!!」

唯「やめてよりっちゃん………!」ウルッ

律「!……ごめん唯、…澪も」

澪「ううん、全部律の言う通りだ…。初めっから……」グズッ

澪「ごめんね唯……ホント、どう謝ったらいいか……」

唯「ううん、謝らないで…だって誰も悪くないもん」

律「唯…」

唯「澪ちゃんのしてくれたこと、全部私のとこを思ってやってくてたんでしょ?」

唯「それは、いじわるじゃなくって優しさだよ」

唯「澪ちゃん負けちゃったのは残念だけど…わたし、とってもうれしいよ!!なんてw」

唯「私、澪ちゃんのそういうやさしいところ、大好き!!!」ダキッ

澪「唯……。ありがとう、アリガトウ………」ギュッ

紬「(よかったですう~)」ホワホワ



桜高校K-1部戦績

田井中律 JKライト級第三位
秋山澪 JKミドル級一回戦判定負け
琴吹紬 JKミドル級一回戦判定負け
平沢唯 JKライト級一回戦KO負け



私たちの夏が、終わった。



平沢唯です。
検査の結果、幸い私の体に異常はありませんでした。
退院してから憂は、「つらくっても応援するのがやさしさだよね!」と言ってくれました。いい妹です。
あの大会から私たちはさらに稽古を重ねて、以前より強くなりました。
なんと他校との練習試合では、私もムギちゃんも、見事初勝利することができました!
そして春、憂もめでたく桜高校に合格しました。いい妹です。
けいわん部に誘ってみましたが、
「お姉ちゃんが殴られるのをみるのは、まだちょっとツラいかも…」と言われてしまいました。
私が心配ばかりかけていても、憂はおいしいスタミナ弁当を毎日作ってくれます。いい妹です。
さらに!けいわん部に新入生が入部しました!
中野梓ちゃんは、ご両親の影響でムエタイをやってたそうです。
ときどき、練習中に肘打ちが飛んでくるときもありますが、みんな梓ちゃんが大好きです。
これからも、私たちけいわん部は新たな戦いn

さわこ「ビックニュースよみんな!」バタンッ

梓「なんですか騒々しい!体育教師なら何やってもいいと思ってるんですか!せっかく唯先輩が(ry」

さわこ「おだまりナレスワンガール…このビックニュースを聞いてもまだそんな口が叩けるかしら…?」ピラッ

梓「なんですもったいぶって…だいたい正確にはビッグニュースでしょう、ビッグ!」

さわこ「キイイィィ生意気子猫!こうなったら私の真の実力をみs(ry」

律「とっととよこせその紙!」

さわこ「ああんっ」

律「どれどれ……ってええええええ!!!!」

澪「な…なに!?見せて!!」するんぱしっ

紬「」ゴクッ

澪「JK-1グランプリ、第一回団体戦開催決定~!!?」

これからも、私たちけいわん部は新たな戦いに挑戦します!



唯「けいわん!」~おわり~