―――律と聡は、事のすべてを澪に説明した…

律「…ということなんだ…。スマン!!」

澪「な…何てことなの… そんなことのために… 私…」 ヘナヘナ…

聡「わっ!澪さーん!!」

律「澪ぉ…あたしが悪かったよぉ!だから真っ白に燃え尽きないでー!!」

聡「どうしよう!澪さんの呼吸がないよぉ!!」

聡「姉ちゃんがあんなことしてなければ、こんなことにならなかったのに!!」

律「なっ!まだ言うかこいつ!!」

ガバッ!!

澪「やめろーっ!! …はぁ、はぁ…いい加減にするんだ。二人とも…」

聡「!! …。」

澪「まったく…あのとき駆けつけたのが私だったから良かったけど、もしお前たちの親や
  近所の人が目撃してたら…それこそ取り返しのつかない事態になってたぞ!!」

律「…ごめん。」

澪「律…まさか本当に家でそんな格好してたとはな…
  でももう、これで懲りただろ。これからは…」

律「分かってるよ…もうこんな恥ずかしい思いはこりごりだ。
  聡も嫌がってたし、ひどい迷惑かけちゃったもんな…」

聡「…。」

律「さっきも聡に言われちゃってさぁ。あたしの身体なんてみっともないだけだし、見せられても
  ちっとも嬉しくないって。…そりゃそうだよな。チビで胸小さくて、前髪下ろすとおかしーしな…」

聡「… そんなこと…本当に思ってねーし。」

律「えっ…?」

聡「姉ちゃんの身体、別にぜんぜんみっともなくなんかねーし…
  胸ないけど、まぁ細いし…少なくとも『ブサイクではねー方』だし?」

律「さ、聡…」

聡「前髪だって…全然おかしくねーし?
  まぁその…正直そんな身体見せられたらムラムラするし?///」

澪「聡… って!それさすがにぶっちゃけすぎだろおい!!」

律「なんで…全部疑問形なんだよ!この~っ!!///」 ギュッ

聡「ちょ、抱きつくなよ!!今言ったこと全部取り消すぞ!!///」

澪「…まぁ、何はともあれこれで一件落着か…
  さ、律。いつまでもそんな格好してないで、服を着てこい。」

律「え?…あ///あぁ…そうだな。
  …あれ?聡、あたしの着替えは?」

聡「えっ!?姉ちゃんに渡さなかったっけ?さっき」

律「もらってないぞ!…おい、お前まさかあたしに
  まだこのままパンツ一丁でいてもらおうとか思ってんじゃないだろうなぁ?」

聡「さっきまで平然とその格好で歩いてたくせに!それより腹減ったぁ。」

澪「服なんてどれでもいいだろ!はよ着んかい!!」

律「あ、そうだった。夕飯まだなんだよな。
  聡、お腹空いただろ?今から急いで作るからな」

澪「えっ、夕飯まだだったの?ゴメンね、じゃあ私はそろそろ失礼すr…」

聡「せっかくだから、澪さんも一緒にどうですか?」

澪「!!// こ、こら聡!年上の女性をからかうな!」

律「あらら澪ちゅわん、そういう割にはずいぶん嬉しそうじゃないの。」

澪「ちっがーうっ!もうイヤだこの姉弟///」



律「えーっとエプロンは…あ、あったあった。」

澪「…あっ忘れてた!エプロンの前に服を着んかーい!!」

律「あ、そっか。…んー、でもこれさえ着てしまえばもう身体隠せるよな…」

澪「あーもう!さっきのこと全っ然反省してないじゃないか!!」

聡「あーっ…さっきまですげー白熱してたから、暑っ…」 ヌギヌギ

澪「!! さ、聡まで何やってんのよ!!」

聡「いや、オレは別に、男だからいいじゃないですか。」

澪「暑かったらまずエアコンを調節しろ!!」

ピピッ

律「…おい誰だ?エアコンの温度30℃に設定したのは」

聡「あっ、オレだ。25℃設定にするより
  30℃設定にして室温25℃で切れば早く部屋があったまると思って」

律「お前みたいなやつがいるから地球の温暖化が早く進むんだよ。
  ごめんな澪、しばらくこの部屋暑いけど…」

澪「どおりで妙にこの部屋、さっきからムシムシしてたわけだ…」 ダラダラ

聡(汗だくの澪さん…色っぽいなぁ///)

律「ほら聡、澪に冷たい飲み物注いでやりなよ!
  …そうだ。暑かったら澪も服脱いでみたらどうだ?涼しくなるぞ」

ガツンッ!!

律「…冗談です。すびばぜんっ;;」



―――その頃、唯の家では…

唯「憂~、私のパジャマどこ~?」

憂「ひゃあああっ!!/// お姉ちゃん何でタオル巻かないの!!」

唯「あっ! …まぁいいや。今日あったかいしこのままでも…」

憂「やっやめて!お願いだからパンツだけでも穿いて!!」



―――紬はというと…

紬(…今日この時間はこの部屋に誰もいない…やるなら今のうち!)

ガチャッ

紬「…ふ、ふぁぁぁっ…。」
 (き…気持ちいいっ!お風呂上がりにパンツだけで
  部屋に出ることがこんなに爽快だっただなんて…)

ガチャッ

紬父「ただいま!いやぁ、久しぶりに早く帰って来…   」 ドサッ

紬「えっ…お父…さん… きょ、今日はなんだか暑くて…いえ、
  さ、最近体型が気になって、か、鏡で…その…あ、あははは…////;;;」 ポロポロ…



―――さらに梓は…

梓(…やっぱり、高校生にもなって
  父親と一緒にお風呂に入るだなんて…おかしいよね…)

ゴシゴシ…

梓父「んあぁ…。じゃ、次は梓の背中洗ってやるからな。」

梓「え…あ、うん…」

ゴシゴシ…

梓(…まぁ、あくまでよそはよそ。ウチはウチだよね。うん…)



―――その一方で、こんな人もいました。

さわ子「ゴクゴク… あ"ーっ!!
    やっぱ湯上りはパンツ一丁でこれに限るなぁ!」

ピュー…

さわ子「ぅぅ寒っ!…さすがに冷えすぎるか…。
    あー早くも酔いが回ってきた!もう寝よっと。」 ゴロン…

…シーン

さわ子「…さみしいよぉ。」 グズッ



―――まぁそんな人はさておき、律の家…

律「お待たせ!じゃじゃ~ん!!
  名付けて『律っちゃん特製オムライス律っちゃんスペシャル』!!」

澪「律っちゃん二回出た!
  …でもおいしそう。ご馳走になります」

律「食べるラー油はお好みでどうぞ~」

澪「明らかにオムライスに組み合わせるものじゃないよね。」

律「あっ… 今度の新曲さぁ、『ラー油 Love you』なんてタイトルどう?」

澪「それも絶対に、ないっ!」

聡(『カレーのちライス』とかと大差ねーと思うけどなぁ…)

澪「新曲といえば、律。今回出来た新曲『ごはんはおかず』の
  歌詞と楽譜、学校に忘れていったろ。」

律「あっ、いっけねぇっ!」

聡(姉ちゃんのバンドは食い物系の曲しかないのかよ…)

澪「今日はそれを届けにきたんだ。
  明日から連休に入っちゃうからな…ちゃんと練習しろよ。」

律「ういーっす。恩にきりまーす。」



澪「フゥ…ごちそうさまでした。」 パタパタ…

聡「澪さん、ものすごく暑そうなんだけど…」

律「そういうときは澪ちゅわん、我々のように思い切って…」

澪「絶っ対に!脱がないからな!!」

聡「そ…そんなぁ…」 ガックリ

澪「ちょ、聡!お前まで何だよその反応は!
  お前人として今からそんなんでいいのかよっ!!」

律「澪、あたし達は何も澪を貶めたいわけじゃないんだよ。
  わざわざ来てもらったのに暑い思いさせるのは申し訳ないと思って…」

澪「それが何で服を脱ぐことにつながるんだよ!
  な…何なのその感覚…分からないよ。」

律「恥ずかしがることもないだろ。ましてや澪がここで脱いだって
  誰も嫌がる人なんていないんだから。…聡だって、嬉しいよな?」

聡「… うん/////」

澪「聡まで何てことを…」

律「今日だけだよ、今日だけ。あたし達だけの秘密だ。」

律「…なぁんてな!ごめん澪、冗d…」

澪「あぁもう分かったよぅ!!どうせ断ってもムダなんだろ?
  やりますよやればいいんでしょっ!!もうヤケクソだっ!!」

聡「えっ!?」

律「ぇ…お、おい澪、いや、ちょ!!」

ヌギヌギ… バッ!!

律「…!!」



澪「えぇいどうだ!!これで文句な… !!ハッ」

聡「…  」 ポカーン

律「… 正気に戻ったか?み…お?」

澪「…あ…ぁぁ…///// いやあああああっ!!/////」 プルプルプル…

聡「あ、ぁ… み…澪さんの…身体…/////」 ブシュウウウ… バッタン!

澪「きゃぁっ!さ、聡!!?」

律「あちゃー…やっぱ聡には刺激があまりにも強すぎたか…」



律「…澪。大丈夫か?」

澪「…うぅ…ひぐっ;;えっぐ;;;///」 シクシク…

律「ほら聡、お前も起きろよ!」

聡「…ハッ! 姉ちゃん…み、澪さんっ!!
  あ、あの…その…////」

澪「… 別にいいよ。だから何も言わないで…」

聡「…ありがとう、澪さんっ。」

澪「だ、だからそういうのをやめろぉっ!思い出すから!!/////」カァァァッ

律「いやぁ、しかし潔い脱ぎっぷりだったなぁ…澪には負けたよ」

澪「知らないっ!!覚えてないっ!!」

律「…本当にありがとうな、澪。
  こんなあたし達の言うこと、真に受けてくれて。ごめんな。」

澪「…何で私って、こうなんだろう。
  すぐ頭に血がのぼっちゃって、何も出来なかったり、逆に突拍子もないことしちゃったり…」

律「でも、だからこそさっき
  あたしを助けに駆け込んできてくれたんだろ?」

聡「…ごめん澪さん。姉ちゃんの忘れものわざわざ届けに来てくれたのに。
  それだけなのにいろいろ嫌な思いさせちゃって…」

澪「…律は…大切な友達だから。
  確かにすっごく怖かったけど…もし強盗とかだったりしたら、って…」

律「…。」

澪「でも、律が酷い目に遭わされることの方がもっと怖かったから。
  だから、何も考えないで駆け込んで…」

律「…。澪はさぁ、いざとなれば誰よりも強くて、何でも出来て、頼りになる。
  あたしはずっとそう思ってたぜ。昔からな… な?聡。」

聡「えっ… うん。綺麗で、強くて…俺ずっと澪さんのそういうとこ、憧れてた。」

澪「…ふ、二人とも…ずるいぞぉ。こんな時にまで、
  そんな調子いいことよくまぁベラベラと…;;;」

澪「;;…グスッ。
  あぁ、もう何か今までのことどうでもよくなった!お前らのせいだからな!」ニコッ

聡「!!////」 ドキッ

モワワ~ン

聡「… 白… 胸… パンツ… /////」 クラッ… ドサッ!!

律「あらら、こいつフラッシュバックしやがった。…はっ、澪!」

澪「覚えてない覚えてない覚えてない覚えてない覚えてない覚えてない覚えてない…!!」 ブルブル…

律「こりゃしばらくトラウマになりそうだな…」



律「…澪、落ち着いたか?」

澪「…なんとか。でも…やっぱり信じられない///
  お前達普段から…あ、あんな格好で平然と人前歩けるだなんて…」

律「まぁ、慣れみたいなものもあるし。
  決してこれが普通だとは思ってないけどな…」

澪「それと…何度も言うけど、もういい加減ちゃんと服を着たらどうだ。」

律「…そうだな。さすがに親しき仲にも礼儀ありだよな」

ハラリ

澪「っておい!ここでエプロンを取るなよ!」

律「んじゃ、ちゃちゃっと服を着てくるよ。」 スタスタ…



澪「まったく…本当に反省してるのかあいつは。」

聡「…。あ、あの…澪さん?」

澪「ん?」

聡「さ…さっきはほんとに…ごめんなさい。
  澪さんにすっげぇ恥かかしちゃって…傷つけちゃって…」

澪「…もういいよ。過ぎたことなんだから。
  それに…傷ついてなんかはないから。死ぬほど恥ずかしかったけど!」

聡「えっ…」

澪「律とも聡とも、ずいぶん長いこともう気の知れた仲じゃないか。
  時にはそんな奴の前で恥ずかしい姿だって晒してしまうこともある、
  今回もそのうちの一回、ってことにしておくからさ。なんとかね。」

聡「澪さん…」

澪「そうだ!このままじゃ悔しいから私の知ってる律の恥ずかしいエピソードをひとつ…」

律「こ~らぁ!!どさくさまぎれて何を話そうとしてるぅ!!」

聡「ちぇ、何だよ!せっかくいい話が聞けそうだったのによ~。ね、澪さん!」

澪「ね~っ。」

律「くぅ~っ、聡のくせにぃ!!澪のくせにぃ!!」



律父「ただいま~。あーっ、遅くなっちまった!」

律「あっ、父さん…母さんも!」

律母「…あら、澪ちゃん。こんな遅くにどうしたの…?」

澪「あっ!!…す、すみませんっ!長居しすぎました!!
  …し、失礼します!!お邪魔しましたっ///」 ダダダッ

聡「あ、澪さん!! …。」

律母「どうしたのかしら。相変わらずシャイな子ね…。」



澪「はぁ…まいったな。すっかり遅くなっちゃった。」

ワイワイ ガヤガヤ…

澪「…ははっ。家族が揃ったとたんにぎやかだな。律の家らしいや…」

律「ちょっと、父さん!こんなところに服脱ぎっぱなしにしないでよ!」

澪「!!?」

聡「母さぁん!いい年して姉ちゃんみたいな格好でうろつくなよ!」

澪「え…えぇぇぇっ!!?」

律父「あれ?そういえば律、今日はめずらしく服ちゃんと着てるなぁ」

律母「具合でも悪いの?」

律「ち、違うったら!『オトシゴロ』なのよ、あたしは!!」

聡「うそつけよ。あぁ…オレ生まれてくる家間違えたかも…」

律父「何を言っているんだ聡、田井中家の長男なら裸でも堂々と構えることだ」

ワイワイ ガヤガヤ…

澪「…だめだ。やっぱりこの家…おかしすぎる!!もう知らないっ。」


                                    ~完~



半日にもおよぶ長丁場、
最後までありがとうございました。
やはり乙女はうら若きうちに、魅せられるうちに
自分の肌を見せておくべきだと思います。