澪「…おい律、今何て言った?」

律「え、だから、風呂上がりはいつもパンツ一丁でいる…って。
  だってそっちの方が爽快だろ?」

唯「おおっ、なるほど!クールビズだね!」

律「特に夏場なんかさぁ、そのまま冷えたジュースをグイッと一杯…
  これがたまんないんだよなぁ!」

澪「し…信じられない…///」

律「え?何、澪は風呂上がりの一杯やらないのか?」

澪「そこじゃなくって!!
  …律、お前まさかそんな格好で居間とか平然と出て行ったりするのか?」

律「あぁ、別に自分ん家の中だったらどこだろうと気兼ねする必要ないだろ。」

澪「か…家族とか部屋にいたらどうするんだよ…////」

律「いたらいたでいいだろ、よその人間じゃないんだから。
  親は帰り遅いこと多いから、大体いたとしても聡くらいなもんだし」

澪「それ一番マズイ相手だろ…」

律「あっ…まぁ、でも冬の間はさすがに寒いからさ、
  ちゃんと上くらいは羽織って洗面所出るぞ。」

唯「真冬にパンツだけで出てきたらカゼひいちゃうからね。」

澪「だったらなぜ上下着て出てこない!?
  …律、お前はもう18にもなる乙女なんだぞ。羞恥心ってものはないのか!?」

唯「ドンマイ ドンマイ ドンマイ ドンマイ♪泣かない~で~♪」

澪「懐かしいなおい!そっちの羞恥心じゃないって。」

律「そんな古いボケマジ勘弁wwww」

澪「それはミツバチ、ヘイ!♪」

澪「って何やらすか!」

律「澪、誰もやってくれだなんて頼んでないぞ…」

唯「あはは… あ、そういえばさぁ、さっき律っちゃん
 『パンツ一丁』って言ってたけど、ブラとかも付けないままなの?」

澪「! そ、そうだ!そこ重要だ!
  まさか言葉通りの意味じゃないよな…?」

律「いや、付けてないよ。だって寝るときブラしないだろ?」

ドンガラガッシャーン!!

澪「な、何ですとぉ~!!」

唯「あれ?もしかして澪ちゃんって寝る時もブラ付ける派?」

律「それちょっと窮屈じゃないか?
  まぁ、澪なら胸に気を使うのは分かる気がするけど」

澪「だからぁ!そこの問題じゃなくてさぁ…///」

律「大丈夫大丈夫。上着てないときはちゃんと手とかタオルで隠してるから!
  さすがにそこまで丸出しにはしてないわい。」

澪「何がどう大丈夫なんだよ!…か、かえってそっちの方が…///」

唯「だいじょうぶだよ。澪ちゃんのならともかく
  律っちゃんの胸なら片腕でもがっちりガード出来るよ!」

律「唯…それはあたしに対するイヤミと捉えていいな?」

澪「というかさぁ…律の羞恥心はともかくとして、
  お前の家には弟、聡がいるんだぞ!聡はもう中学生だぞ!!」

唯「もう中学生… ためになったねぇ~」

澪「唯、もうそういう需要のないボケはいいから!…っていうかさ、
  り…律はそんな格好を聡に見られても、何とも思わないわけ…?///」

律「別にぃ。弟だしなぁ…
  まぁ、あいつがどう思ってるかは分からないけど」

澪「そう考えると、律のみならず聡もスゴイな…」

律「気になるところといえば、そういうときに限って
  顔隠しちゃって目ェ合わせてくれないことかな。」

澪「やっぱめっちゃ気にしとるやんっ!!」

唯「う~ん…聡君もフクザツな年頃なんだね。」

律「思春期ってのは分からないもんだよ。
  しかも聡はあたしと違って男だからねぇ…理解し辛いというか…」

澪「分からないのは律の感覚だよ!!
  あぁもう聞いてるこっちが恥ずかしくなってくる/////」

律「何で澪がそんな真っ赤になるんだよ。
  あっ、真っ赤になるといえばさぁ、もう何か月も前のことなんだけど…」

唯「えっ、なになに?」

律「そう…あれは38度の真夏日、夏祭りの日だった…」

澪「38度は猛暑日だぞ。」

唯「律っちゃん!もっと勉強ガンバンベー!」

律「…で、その日汗だくで外から帰ってきたあたしは、シャワーを浴びて
  例のごとくパンツ一丁で出てきたわけだよ。」

唯「うんうん。っていうかパンツ一丁でも絶対暑いよね~。
  わたしだったらもうスッポンポンでクーラー前に直行だよ!」

澪「アホかお前らは!///」

律「そしたらさぁ…
  なんとそこに、たまたま遊びに来てた聡の友達がいたんだよ!」

唯「え、えぇ~っ!!? り、律っちゃん、だいたんっ!!///」

律「あたしもさすがに…そのときはちょっとハズかった。」

澪「///// …律、お前よく生きてられるよな。
  私だったらきっとその場で自害してるよ。」

律「聡にもハジかかしちゃったからさぁ、あたしも悪いと思って
 『今度からパンツ一丁になるときは気をつける』って約束したんだけど…」

澪「つーかその行為自体をすぐにやめぇぃ!!」 バシッ!!

律「あの後、聡の友達から何故かもらえたお菓子はウマかったけどな」

澪(わざわざお詫びしに行ったんだ、その友達…)

紬「あら、なになに?おいしいお菓子の話?」

唯「あっムギちゃん!いままでどこ行ってたの~?」

紬「ごめんなさい、ちょっと掃除で遅くなってしまって。」
  あれ…でも梓ちゃんがまだ来てないのね」

律「あぁ、梓はクラスの用事で少し遅れるって聞いてるよ」

澪「それより聞いてよ~。律ったら信じられないんだよ…」



紬「…なるほど。お風呂から上がったあと
  下着姿のまま家中を歩き回るのは是か、非か、ね…」

唯「さぁ、ムギちゃんのジャッジは!?」

紬「… 想像したら興奮しちゃった/////」 ドボドボ…

律「わわっ!ムギ、鼻血鼻血!!」

紬「確かに、家族とはいえ人に自分の裸を見せるのは抵抗あるけど。
  でも…いけないことと知っててやるからこそ、きっとやみつきに…///」

澪「あぁぁ…ムギに相談を持ちかけるんじゃなかった…;;;」

唯「でもでも、私もたまに着替え部屋に忘れて
  スッポンポンのまま部屋まで走ってくこととかあるよ!」

律「唯、さすがにそういうときはバスタオルくらいは巻いてけよ」

澪「いやお前もだよっ!」

律「あたしは別に大丈夫だろ。だいいちさぁ、ウチの父親とか聡だって
  風呂上がりに限らず夏場はしょっちゅう上半身ハダカで歩いてるぞ」

澪「いっしょの感覚で考えるな!」

紬「私は小さいころから、人前で肌を見せる事に関しては結構注意されてきたけど…
  ウチってやっぱり変わってるのかなぁ。」

澪「いや、ムギの家庭は至って正常だ。」



梓「すみません遅くなりました!!
  …って、ムギ先輩!どうしたんですかその鼻血!?」

紬「あっ、梓ちゃん。…大丈夫、心配しないで。
  ただの気の迷いから生じたものだから」

梓「えっ…??」

澪「梓…よ、よかったぁ~!!もうお前だけが最後の良心だよぉ~」 ガバッ

梓「ちょ、いきなり抱きつかないで下さいよ唯先…
  じゃなくて今日は澪先輩…?? い、一体何があったんですか!!」

律「いや、騒動の発端はどうやらあたしみたいなんだけど…
  何だかなぁ、何でこんなに騒がれるのかがあたしには分からないんだ」



澪「…ということなんだ。もう私もツッコむのに疲れたよ」

唯「さぁ、あずにゃんの判決やいかに!?」

梓「/////… そんなの、ありえません!!信じられませんよ!絶対に///」

澪「梓…そうだよね。それが本来あるべき答えだよね!」

梓「家族とはいえ、男の子の前で素っ裸で歩くなんて!
  そんなこと許されるのはお風呂の中だけですよ!!」

律「素っ裸じゃないやい!下着はつけてるし!!」

澪「…え?あれ…??ちょ、ちょっと待った!!梓、今の返しなんかおかしいぞ!」

梓「ハッ…ちちち違いますよ!おお女の子が浴室でもない所を
  裸で歩き回るなんておおおかしいってことですよ!!
  べべべ別にお風呂でなら男の前でハダカでもいいとかそそそういう意味じゃ…」

澪「え、あ…そ、そうだよね。何か変なふうに聞こえちゃった、ゴメン…」

梓(し、しまったぁ~!!!つい言葉が…)

紬「どうしたの梓ちゃん?言葉がテクノリミックス調になってるわよ」

唯「というより、今の説明わざわざする必要なかったよね」

梓「あっ、い、いえ!何でもないです!」 フルフル
 (今でもたま~にお父さんとお風呂に入ってるからかなぁ、つい…////)

律「だいたいさぁ、澪だってちっちゃい頃は
  よくあたしと風呂にも入ってさぁ、そのあとハダカのまま走り回ってたじゃん」

澪「いつごろの話してるんだよ!
  しかもハダカで走り回ってたのは律、お前だけだろ!!」

律「まぁ、そんなあたしももう走り回るほど子供じゃなくなったけど」

梓「むしろ走り回っててもいいから、ハダカからやめるべきです…」

紬「澪ちゃんはお風呂上がりにパジャマ着てから部屋行くの?」

澪「あっ当たり前でしょう!!」

律「んー…まぁ、そういう奥ゆかしいところが
  澪の良さでもあるから、それも一概には否定できないけど…」

澪「これが世間一般では普通だ!
  律みたいに恥も自制心もなくおっぴろげてる奴の方がおかしーし…」

律「だーかーら!ちゃんと大事な部分は隠してるから!
  あとあたしの言い回しをパクるなぁ!」

梓「何なんですかその『それなら大丈夫だろう』っていう基準は!!」

紬「じゃあ今日はもう遅いからこれで解散ね。」

梓「ってまだ私達ここ来て何もしてませんよ!?」

唯「そうだよ、ケーキくらい食べて帰ろうよ~!」



―――数時間後、律の家

ザッブーン

律「ぅ…んあああっ!ちくしょい!
  …ふぃーっ。やっぱ湯の温度はちょっと熱めくらいがいいねぇ…」

聡(姉ちゃんまた風呂ん中であんなジジイみたいな唸り声あげてるよ…)

律「…今日は母さんも父さんも9時過ぎまで帰ってこれないって言ってたな…。
  よーし、かわいい弟のために久しぶりに夕食、腕をふるってやるか!!」

聡(姉ちゃん…そういうセリフは実声じゃなくてカッコの中で言えよ。
  こっちの部屋まで一言残らず聞こえてるよ…)



律「んひー、暑っち…風呂上がったとたんに汗だくだ…。
  レシピ考えてたらのぼせちゃったな。 水、水と…」

ドタドタ…

聡「あっ姉ちゃん、やっと上がったの…かっ…」
 (まただよ…/// 何でいつも服着てこねぇんだよ!!)

律「あと氷、と… あ…おっとっとっと!
  あぁもう!胸押えてると片手しか使えないんだよなぁ…
  ちょっと聡、これ持っててくんない?」

聡「え…えぇぇ!!いやだよ、自分でやれよぉ!」

律「聡、それ。そうそう、それここに置いて。」

聡(台所で何てカッコしてるんだよぉ…)
 「何やってるんだよ。りょ、両手使えばいいだろ!」

律「えっ///ちょ、バカッ!!無理に決まってるでしょこの状況で!!///」

聡(何でここに来て急に恥じるんだよ…)
 「じゃあ何で上着てこないんだよ!!」

律「だって着替えこっちの部屋だしー。着てくるものないしー。」

聡「うわーうぜぇ。風呂入る前に脱衣所に置いておけばいいだろ」

律「そう思うなら脱衣所に持ってきてくれればいいのに。気の利かない弟だな」

聡「うわーますますうぜぇ。じゃあ明日から姉ちゃん出てきたとき持ってってやろうかぁ?」

律「お前は姉が裸の状態のとき洗面所に入ってくるつもりなのか。どうしようもない変態だな」

聡「うわーうぜぇうぜぇ!」

律「しかもお前にあたしの服なんて渡したら何しだすか分かったものじゃない」

聡「いい加減に俺をからかうのやめろよ!!」



聡「ってゆーかいつまでそんなみっともない格好してんだよ!」

律「み…みっともないって何だよ!
  あんたにはこの、うら若き乙女の肌の美しさが分からないの?」

聡「うっ…/// な、何だいそんなの!!
  色気もオッパイもねぇくせに!!まるで妹の身体みたいだぜ!」

律「い… 妹の身体だと…?」

聡「そ、そうだ!だいたい高校生にもなってさぁ、は、恥ずかしいとかもなく
  平気で弟の前で、そ…そんな格好でさぁ!
  そんなの、み、見苦しいだけだから、やめてもらいたいんですけどっ!///」

律「顔真っ赤にしながら何言っているんだかこの子は。それに、あんたみたいな
  お子ちゃまに見られたからって、何とも思いませんよーだ!」

聡「な、何だと!?オ…オレだってもう中学生なんだし
  男とか女とかの…そういうことぐらい知ってるし!」

律「へー、お子様聡君が? …あーっ!もしかしてあたしの、自分の姉の身体見て
  コーフンしてるの?触りたいの?うわぁ、このへんたーい!スケベ!」

聡「ぃ…///やめろよ!くっついてくんじゃねーよ!!/////」

律「バーカ、なに喜んでんだよ!家族に欲情するなんてとんだ変態少年だな!」

聡「うぅ…ふ、ふざけるなこのバカ姉貴!!」

聡「変態はそっちだろ!さっきからやめろって言ってんのに
  パンツ一丁でウロウロしやがって!!…恥ずかしくないのかこの変態ブス女が!!」

律「何だと…おい、もう一ぺん言ってみろ!!」

聡「ふざけやがって!…この前のことでも、オレがどれだけ
  学校でハジかいたか…友達が皆にもからかわれてるか知ってんのかよ!」

律「えっ…」

聡「あのときのことウワサで広がっちゃってさぁ、俺らはクラスの女子から
  変な目で見られるし、他のやつらから姉ちゃんのその…変なこといろいろ聞かれるしさぁ…
  恥ずかしくて…みっともなくて…もう嫌なんだよ!姉ちゃんのせいで!!」



―――数か月前、聡の周りでは…

男子A「おい、鈴木のやつこの前田井中のところに謝りに行ったんだってよ。」

男子B「えっ!?あいつ何かやらかしたのか?」

男子C「あいつ、田井中のねぇちゃんのハダカ見たんだってよ!」

女子A「うっそーっ!やだぁ、信じられなーい!!」

女子B「っていうか、ありえないでしょ普通じゃ。」

男子A「マジ覗きとかやっちまったんじゃね?」

男子B「ちょ、やべぇぜそれ!ヘタすりゃ犯罪じゃん」

女子C「田井中君も何で止めなかったのかしら。もしかして一緒に…」 ザワザワ…

男子A「おい鈴木、どうだったんだよ。」

鈴木「えっ…な、何がだよ!?」

男子C「決まってんだろ、田井中のねぇちゃんの乳首、何色だったんだよ!」

男子B「自分だけ見てて言わないつもりか?いいのか?他の学年にも言いふらすぞ」

鈴木「や、やめろふざけんな!第一乳首なんて見えてねぇし!」

男子A「見えてないってことは、他はバッチリ見たんだな!?
   おい、じゃあパンツの色教えろよ!覚えてんだろおい?言えよ!」

聡「いい加減にしろよお前ら!」

男子C「おっ、弟くんのお出ましだ!さっそくですが、お姉さんのおっぱいはどうでしたか?」

女子達「…ヒソヒソヒソ」

聡「…/////;;」



律「!… そんな事にまでなってただなんて…」

聡「もうオレ…嫌だよ。自分が姉ちゃんの弟であることがさぁ!
  はっきり言って、ハダカになるよりもよっぽど恥ずかしいよ!!」

律「…えっ…さ、聡?」

聡「そんなにハダカになりたけりゃ、そのカッコで外出てみるかぁ!?
  そのカッコのまま鈴木に謝ってこいよ!さぁ!!」

律「わ…悪かった、悪かったよ!…謝るから。…だから、ね?」

聡「ほらどうした!恥ずかしくないんだろ、ほら!!
  街中で言ってこいよ!!『わたしは変態さんでーす』ってさぁ!」 グイッ

律「い…いやだ!!やめろ!!///」

聡「なにいつまでも手ェ胸に当ててんだよ!
  今更んなトコだけ恥ずかしがりやがって!誰もそんなペチャパイ興味ないんだよ!!」

律「お願い…やめて!!離して!!///;;」



―――その頃、律の家の外…

澪「はぁ…律のヤツ、大事な新作の歌詞と楽譜忘れていって。
  …もう律の家、夕食終わってるよな…」

律「いやだぁぁ!!;;離して!離せよぉ!!;;」

澪「…え!?こ、この声は… まさかっ!!」 ダッ



律「離せって言ってんだろ!!」 バチンッ!!

聡「! …いってーなぁ!!ふざけんなよ…この変態!!」 ドンッ!

律「痛ぅ… や、やりやがったなぁ!!」

バタンッ!!!

澪「ハァ、ハァ… 律!何があっt… いやあぁぁぁっ!!///」

律「!! あ… ぁぁ…/////」

聡「み…澪さんっ!!?
  ハッ…いや、ち、違う!違うんです!!これは!!;;」

澪「聡…お…お前まさかっ!!
  おいっ!律に何をしたんだ!!言え!!」 グッ

聡「ち…違うんです澪さん…オ…オレは…;;;」 ブルブル

律「違うんだ澪…き、聞いて…聡を放して…」

澪「律は服を着て早く逃げるんだ!! …おい聡っ!!いくら姉弟とはいえ
  していい事と悪い事があるぞ…!!答えろ!何をした!!言わなきゃ警察を呼ぶよ!!」 グイッ

聡「う…ぅぅっ;;;」 グズッ

澪「泣いても許さないからな!!
  たとえあんたでも、律にこんなことしたら私…絶対に許さない…;;」

律「お願いだ澪!聡を放してやってくれ!!」 ガシッ

澪「放せ!…私なら大丈夫だから。だから、今のうちに何とか逃げて…」

律「そうじゃなくて…。ぜ、全部…あたしが悪いんだ…;;;」 ポロポロ…

澪「…えっ…?」

聡「澪さん… ごめんなさぃ…;;;」

澪「えっ…な、何…どうなってるの…何なのよ…
  い、意味が分からない…どういうことなの???」


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