鵺野「そうだ…幽霊に関して何か聞いてないか?」

澪「幽霊…………」

律「あ、あぁ…確かギターの音が聞こえるらしいですよ」

鵺野「ギターの音?」

唯「ジャラァーンって聞こえるらしいです!」

梓「それから…したいよって声が聞こえるみたいです」

鵺野「なるほど…」

唯「何かわかったんですか?」

鵺野「少しだけ…とりあえず今日は霊と話してみるよ」

律「霊と話す?」

鵺野「いや…正確には霊の心を読むんだけどな」

紬「霊の心を……」

鵺野「そうだもし俺が考えてる事が当たってたら君達の助けを借りる事になるかもしれない」

律「私達の助けを?」

鵺野「あぁ…」

律「そ、そうですか…」

唯「あ…もうこんな時間だよ!」

澪「ほ、本当だ……」

さわ子「もう遅いし早く帰りなさい」

唯「はぁーい」



一同「さようなら~」

さわ子「さようなら」

鵺野「さようならー」

さわ子「じゃあ私も職員室に戻るから」

鵺野「はい…さようなら」

さわ子「さようなら」

鵺野「ふぅ…霊が現れるまでここにいるか…」

鵺野「だか…何か変だこの学校」

鵺野「まったく浮遊霊を見掛け無い…普通は何処にでも浮遊霊はいるはずだが全然見掛け無い…」

鵺野「何かあるのか…?」




鵺野「…………来たか」

ジャラァーンジャラァーン

「したいよ……」

鵺野「やぁ…君か音楽室に現れる幽霊は」

「したいよ…したいよ」

鵺野「聞こえていない…か」

鵺野「南無大慈大悲救苦救難…」

鵺野「……俺の声が聞こえ無いなら鬼の手を通せば俺の声が聞こえるはずだ」

鵺野「話してごらん…何がしたいのか…」

鵺野「……………そうかそれが心残りで成仏が出来ない」

鵺野「わかった…必ず成仏させて見せるよ」




鵺野「はぁ……寝てた」

唯「あ!目が覚めたみたいだよ!」

律「音楽室で寝てるからびっくりしましたよ」

鵺野「す、すまん…つい」

紬「いいんですよ」

鵺野「それよりみんなに手伝って欲しい事があるんだ」

梓「手伝って欲しい事?」

鵺野「ちょっと驚くかも知れないが見ててくれ」

唯「はぁ~い」

鵺野「南無大慈大悲救苦救難…ここにいる霊よ姿を現らわせ」

幽霊「したいよ…したいよ…」

澪「ひぃっ!」

唯「お、お化けだ!」

梓「本当にいたんだ………」

律「……でもなんか怖くないな想像と違うって言うか」

鵺野「悪霊じゃないからな…この子と一緒に演奏出来るか?」

唯「……え?」

鵺野「この子は生前に軽音部でバンドをやっていたらしくてな…学祭で演奏する事を楽しみにしていたんだが前日に交通事故で死んでしまったんだ」

唯「そうなんだ…」

鵺野「学祭で演奏出来なかった…それが心残りとなって成仏出来ないでいる…だから、この子と一緒にバンドをしてほしい」

律「………私達と一緒に演奏すれば成仏出来るんですか?」

鵺野「あぁ…」

唯「勿論!やるよ」

紬「えぇ同じ軽音部だし私もやるわ」

梓「私もやります」

律「私も賛成だけど…澪が」

澪「だ、大丈夫…私もやるよ」

鵺野「そうか…みんなありがとう」

鵺野「じゃあ…なるべく人を集めてくれないか?」

唯「うん!」

律「澪のファンクラブのメンバーを呼ぶか!」

鵺野「よかったな…」

幽霊「ありがとう…」

鵺野「ん…何かが近付いてくる…これは妖気!」

唯「よ…妖気?」

鵺野「あ、あぁ…」

紬「一体…何が近付いてくるの?」

鵺野「妖怪だ…しかし何故このタイミングで」

律「アハハ…この世には妖怪もいるのかー…」



火車「ギィシャアアアアアア」

鵺野「現れたぞ…あれは、火車!」

唯「かしゃ?」

鵺野「あぁ…浮遊霊を見境無しに食べる妖怪だ…今まで浮遊霊を見掛け無かった理由は奴が全て食べていたのか…そしてこの霊も狙ってる分けか…」

律「で、でも姿が見えないぞ」

鵺野「見ない方がいい…それより下がっててくれ」

唯「う、うん…」



火車「ギィシャアアアアアアアア」

鵺野「ぐっ……」

紬「た、大変…鵺野さん腕から血が!」

鵺野「大丈夫かすり傷みたいな物だよ」

澪「ひぃぃぃ」バタッ

梓「み、澪先輩!」

鵺野「南無大慈大悲救苦し救遭…鬼の手よ今こそその力を示せ!」

唯「ひ、左手が……」

鵺野「無に帰れ!」

火車「ギィシャアアアアアア……」シュウウウウ

鵺野「ふぅ……もう大丈夫だよ」

紬「あ、あの…その手は?」

鵺野「鬼の手だよ色々分けあって左手に封じてあるんだ」

唯「かっ…かっこいー!」

律「澪起きろー!」

澪「う……うぅ」

澪「よ、妖怪!」

唯「鵺野先生の鬼の手だよ~」

鵺野「あ…そろそろ授業が始まるみたいだし戻った方がいいんじゃないか?」

唯「そうだね~」

鵺野(姿が見えて無いにしろ目の前に妖怪が現れたんだぞ?何でこんなに落ち着いてられるんだ?)

紬「あの…傷の手当を……」

鵺野「大丈夫ツバを付けときゃ直るから」

紬「いえ!それじゃダメです!」

紬「唯ちゃん達は先に教室に行ってて…私は鵺野さんの傷の手当するから」

鵺野「え?え?」

唯「うんわかった!先生に言って置くから!」

律「じゃあなムギ」

梓「それじゃあまた…」

澪「……………うぅ」



鵺野「授業は大丈夫なのか?」

紬「はい、あ…傷口見せて下さい」

鵺野「あ、あぁ……」

紬「あの…幽霊とか妖怪とかって本当にいるんですね」

鵺野「あぁ人魚や化け狐や雪女もいるぞ」

紬「凄いですね~あ、ちょっと染みますよ」

鵺野(しっかりした子だなぁ…何処かのコギャルとは大違いだ)

紬「あの…素敵でした」

鵺野「…………へ?」

紬「姿は見えなかったけど妖怪と戦っている鵺野さん素敵でした」

鵺野「そ、そっかありがとう」

紬「いえ…………」

紬「あの……」

鵺野「なんだ?」

紬「……結婚とかはしてるんですか?」

鵺野「してないよ…雪女の彼女はいるけど」

紬「そうですか…ごめんなさい」

鵺野「なんで謝るんだ?」

紬「いえ…傷の手当て終わりました」

鵺野「ありがとな」



紬「じゃあ私教室に戻りますね」

鵺野「うん、ありがとう紬ちゃん」

紬「いえ…それじゃあさようなら」

鵺野「あ、あぁ…」

紬「…………………」



放課後 音楽室

鵺野「いっぱい人が集まったな」

唯「うん!」

鵺野「他の人達には見えないようしておくから存分に演奏してくれ」

律「わかりました!」

鵺野「じゃあ俺も見ようかな」

唯「今日は集まって貰ってありがとうございます」

「キャー澪ちゃん!」「カッコイイー」「大丈夫だよー」

唯「実は…今日はある人の為に演奏します…姿は見えないけど私達と一緒に演奏します」

幽霊「………………」

唯「それでは聞いて下さいふわふわ時間」



ジャカジャカジャーン

唯「……………ふぅ」

唯「ありがとうございました」

幽霊「みんなありがとう」シュウウ

鵺野「成仏…したか」




鵺野「素晴らしい演奏だったぞ、あの子が成仏出来たのは君達のおかげだありがとう」

澪「い、いえ……」

紬「あの!本当に今日帰るんですか?」

鵺野「あぁ、名残惜しいが仕方ないよな」

律「さようなら鵺野先生」

唯「バイバイ!鵺野先生」

梓「色々とありがとうございました」

鵺野「じゃあまた…何か困った事があったら呼んでくれ童守小学生にいるから」

唯「うん!」

鵺野「じゃあ…さようなら」

紬「ま、待って下さい!」

鵺野「ん…?どうしたんだ?」

紬「また…来てくれますよね?」

鵺野「あ、あぁ…また来るよ」

紬「よかった…」

唯「あ!ムギちゃんもしかし…ぐむっ」

律「し、静かにしてような」

梓「そ、そうですよ!」

鵺野「それじゃあ…電車の時間が迫って来てるしバイバイみんな」

一同「さようならー」



澪「いい人だったな」

唯「うん…何だか温かい人だったね~」

紬「……………ぐすっ」

律「ど、どうしたんだムギ?」

紬「ううん…ただ別れたく無かったから」

梓「ムギ先輩……」

紬「……何だか羨ましいわ鵺野さんの生徒達が…本当に」




END