トンちゃん(……なんだよお。いっつも一人でプカプカ浮いてる俺の身にもなれよな……死にたいわ)

紬「……なんてね。ふふ、つまんない話だった?」

トンちゃん(ああ!泣きそうな顔で言うなよ、もう!)バチャバチャ

紬「あら、反応してくれるの?嬉しい……」

トンちゃん(がんばれがんばれ金髪!負けるな負けるな金髪!)バチャバチャ

紬「あらあら、ありがとう」ニコニコ

トンちゃん(ファイトだファイトだ俺!そのうち出会いもあるだろさ!)バチャバチャ!

紬「……」ニコニコ

トンちゃん(おっきい頭!亀の頭!たくましいたくましい俺!)バチャバチャ

紬「……床がびしょ濡れだわ……」シュン

トンちゃん(あ……はい、すんません)ピタ

紬「でも、ありがとね」フキフキ

紬「ふふ、トンちゃんが励ましてくれるなんて思ってなかったから……あ、ごめんね?」キュッキュッ

紬「よしっ……と。はい、じゃあ、もう一回餌あげるわ」パラパラ

トンちゃん(やった!バチャバチャして良かった!)パクパク

紬「……美味しいのかしら、これ。百円だったんだけど」

トンちゃん(……おい。おいマジか)

紬「まあ、トンちゃんが好きなら良いわよね。じゃあね」

トンちゃん(プラシーボかよ!ざけんな!くそが、ムチムチ眼鏡だけかよお!旨い飯が食いたいよお)バチャバチャ

紬「え、ちょ、トンちゃん!?」

トンちゃん(もうやだ!誰かもっと手間かけて世話してくれよお。市販の餌落とすだけで世話した気になってんじゃねえぞコラ!)バチャバチャ

紬「あ、あ、床が……」アタフタ

トンちゃん(ムチムチ眼鏡来い!手作り餌ください!)

紬「駄目よトンちゃん!めっ!」

和「やっほー、トンちゃん。チェケラッチョイ!」ガチャ

トンちゃん(お前じゃねえんだよ!ムチムチ眼鏡のほうに来て欲しいんだよお!)

紬「えっ……」

和「あっ……チェ……チェ・ゲバラ。男の生きざま……」

紬「……うん」

和「……はい。じゃ、じゃあ、私生徒会行ってくるわ!」

トンちゃん(気まずいよお!空気ぐらいなんとかしてけよ!)バチャバチャ

紬「ああ、また!」

和「……え、なにそいつ。滅茶苦茶暴れてるじゃないの、ガメラ?」

紬「ガメラは良い怪獣よ!」

和「あ、はい、ごめんなさい」

紬「うん……」

和「はい……」


トンちゃん(……駄目だあ。やっぱり真面目眼鏡は駄目な奴だな)


和(死にたい……これは死にたいわ。)

和(駄目よ、真鍋和!ここは一発空気を変えなさい!そんなだから唯に嫌われるの!)

トンちゃん(こいつまた変なこと考えてんだろうな)

紬「あ、あの……」

和「アタイスッポンモドキのトンチャン!チェケラッチョイ!」

紬「えっ」

和「……」

トンちゃん(……マジかよ)

紬「……ふふ」

和(やった!ウケた!)

トンちゃん(マジかよ!?)

紬「ねえ、トンちゃん?さっきは励ましてくれてありがとうね。もう少し、お話聞いてくれる?」

和「イイワ!アタイに任せて!」キラキラ

トンちゃん(お、おおう……俺のほうが恥ずかしいんだけど)

紬「あのね、私、寂しいの……だって唯ちゃんと梓ちゃん、澪ちゃんとりっちゃんばかり仲良しなんだもの」

和(……う、わあ……しくじった。シリアスな話だった)

トンちゃん(お前の考えてること分かるよ。よおく分かる。いつも俺がお前に大して思ってたことだ)

紬「それでねえ、そんなこと考えちゃう自分が嫌いだわ……み、みん、な……仲良しで、」ジワ

和「……」

紬「み、んな、や、優しいのに……私は……」ポロポロ

トンちゃん(おいおいおいおい……駄目眼鏡じゃ対処しきれねえよお……天然ジゴロじゃないと無理だあ)オロオロ

和「ムギ」

紬「ふぇ?」

和「いい娘ね、あなたは」ギュウッ

紬「あう……」

和「みんな仲良しで優しいから、気になるのよね。十分なはずなのに、他の人より量が少ないのが、嫌なのね?」ナデナデ

紬「……うん……でも、それは私の我侭なの」

和「そうね。でも、しょうがないわよねえ」ナデナデ


トンちゃん(……マジかよ。なんでお前らは他に人がいると俺をハブるんだ……)

トンちゃん(暇だー。暇だよー……やった!空中四回転だ……いや、水中だった)クルクル

和「しょうがないわよ。私も、寂しいもの」

紬「……唯ちゃん?」

和「うん……」

紬「撫でるのやめちゃいや」

和「あ、ごめんね。あのね、でも、思うの。私は唯と十年間仲良しだったわ」ナデナデ

紬「うん、知ってる」

和「だからね、それと同じくらい、本当は仲良しを他の人に分けてあげなきゃいけなかったの」ナデナデ

和「今から、そうしなきゃいけないのよ、きっと」ナデナデ

紬「……和ちゃん」

和「だからね、きっとムギには、凄く仲良しな人が現れるわ。だって、あなたはみんなに優しいんだもの……」ジワッ

トンちゃん(……おいおい。そういう顔で言う台詞じゃねえだろ……相変わらず締まんねえな、コイツは)

紬「和ちゃん、泣いてる……」

和「うぁ……」ポロポロ


トンちゃん(オラ!がんばれがんばれ駄目眼鏡!もう少しでジゴロになれるぞ!)バチャバチャ

和「うっぷ……な、なにすんのよ爬虫類!」ベチャッ

トンちゃん(フォローしてんだよハゲ!男の言いたい台詞ベストワン※俺集計が言えるぞ!)

紬「和ちゃん、はい、ハンカチ」

和「ん、ありがとう」フキフキ

紬「……ねえ、和ちゃんは……」

和「……泣いてないわよ」

トンちゃん(言え!やべっちょっとこれ楽しくなってきた!)クルクル

和「水槽の水が、かかっただけ」

トンちゃん(イヤッホウ!俺も言ってみてえ!あ、でも無理だ!いつも水の中だから無理だ!羨ましいいいい!!)

紬「……そっか」クスッ

和「うん……ってトンちゃんが言ってたわ!」アタフタ

トンちゃん(駄目眼鏡だな。そういうところ駄目だわ)

紬「ふふ……じゃあ、トンちゃん。どうすれば和ちゃんと仲良くなれるかしら?」

和「……アタイが思うに……」

トンちゃん(知らねえよ。ってかお前が答えんのかよ!)

和「……たまに、傍にいて欲しいんだと思うわ。唯から離れなきゃいけないけど、すぐに独りになるのは、寂しいから……」

紬「うん」ナデナデ

和「あ……ん。ありがと」ギュッ

紬「ふふ、ありがとう、トンちゃん。和ちゃんと、きっと仲良くなれるわ……」

トンちゃん(俺に振るなよ……)ヒラヒラ

紬「うん、じゃあね、バイバイ」ヒラヒラ

和「……じゃあ、ムギ、一緒に帰りましょう?」

紬「……うん!」


トンちゃん(……独りになってしまった……)

トンちゃん(寂しいなあ。ムチムチ眼鏡……確かさわちゃんだ。さわちゃん来ないのな、今日は……)

トンちゃん(なんつうか、皆面倒くさいけど……良い奴らだな。いや、可愛い?まあいいや……寝よ)zzz


……

トンちゃん(三千世界の 鴉を殺し ぬしと添い寝が してみたい~)パクパク

さわちゃん「おっはよう、トンちゃん!……あれ、息苦しいの?大丈夫?」

トンちゃん(都々逸歌ってんだよ!セックスしたいんだよ!百歩譲って友達が欲しいです)

さわちゃん「……わかったわ!鳴かぬ蛍が身を焦がすってやつね、これは!」ピーン

トンちゃん(!すげえ!あんたすげえよ!さわさん最高だ!)

さわちゃん「そうだと思って……じゃん!スッポンモドキをもう一匹買ってみました!」

トンちゃん(うおおおおおおおおおおおお!!)

さわちゃん「いやね、ペットショップのイケメンとお茶したいとかそういう訳じゃないわ。トンちゃんのためを思ってね?」ポチャ

トンちゃん(すげえ……この人女神だわ……)

スッポンモドキ(……どうも)

さわちゃん「あらあら、早速仲良くなりそうね。じゃあ、また放課後ね!」ヒラヒラ

トンちゃん(さらば英雄!あなたは偉大な人でした!)ヒラヒラ

スッポンモドキ(なんであの人爬虫類に話しかけてんだろう……大丈夫なのかな)

トンちゃん(な、なあ……しゅ、趣味は……)モジモジ

スッポンモドキ(ねえ、そんなことよりさっきの人、なんで私たちに話しかけてたの?)スイー

トンちゃん(ああ、あの人いい人だからな)プカプカ

スッポンモドキ(そんなにいい加減で大丈夫か?)

トンちゃん(大丈夫だ、問題ない)

スッポンモドキ(そう……ところでさ、キミ)

トンちゃん(ああ……趣味は都々逸さ。知ってるかい?)

スッポンモドキ(いや、そうじゃなくてさ……)


スッポンモドキ(いいケツしてるね)

トンちゃん()

スッポンモドキ(どうしたんだい……ほら、力抜きなよ)

トンちゃん(こ……)

トンちゃん(こにゃにゃにゃアッーーーーーン!)


梓「やっほートンちゃん!」

唯「ちわっすトン先輩!」

トンちゃん(……うぉお……ケツが裂けそうだ)プカプカ

スッポンモドキ(ごめんね、私の頭大きいから///)

トンちゃん(死ね)

梓「また死んだふりしてる……あ、餌あげなきゃ」

唯「おお、私もお世話したい!」

梓「じゃあ、一緒にあげましょう」

唯「うん!新婚夫婦みたいだね!」

梓「な……ばか///」

トンちゃん(元気の出るものをくれ……さわさんの手作り料理が食いたい)

梓「お、こんなところにいつもと違う餌が。ムギ先輩のかな?」

唯「ほら、先輩ご飯っすよー」

トンちゃん(……だから……)


トンちゃん(だからいつも市販の餌はやめろ糞が!)



終わりです。