唯「もうあずにゃん以外みんなボーカルやったよ?」

澪「まあ律はドラムで難しそうだから、梓のボーカルで決まりだな」

紬「わぁー梓ちゃんのボーカル楽しみー!」

律「ふわふわにしとくか?でも梓はふでペンって感じだよな」

梓「」



梓「わ、私ボーカルはちょっと…」

唯「えー、あずにゃんの歌聴きたいよぉー」

梓「ギターだけで精一杯なんです」

澪「まあまあ、試しに一曲歌ってみないか?」

律「ははーん、さては梓自信ないな?」

梓「なっ…やってやるです!」

唯「ほい来た!一曲頼んますぜあずにゃん!」

梓「えー、じゃあ曲はふわふわ時間で」

紬「ファイト、梓ちゃん!」

梓「すぅー…」

ボエーーーーーーー!!!!!!

唯「」

澪「」

律「」

紬「」

梓「…ど、どうでしたか?」

律「いやその、すごく独創的だったというか、なんというかー」

紬「…す、すごく梓ちゃんの個性が出てたわよね、澪ちゃん」

澪「聴こえない聴こえない聴こえない聴こえない聴こえない聴こえない…」

梓「…」

梓「…そ、そうですよね。やっぱり慣れないことってしちゃいけないですよね…」

律「い、いやいや、ちょっと予想外だっただけで…ゆ、唯も何か言ってやってくれ」

唯「…すごくいい…」

律(マジでーーー!?)

唯「私はすごくいいと思ったよ、あずにゃんの声!」ガシッ

梓「ゆ、唯先輩…手握らないで下さい!」

律「…そ、そうだな!そうだよな!すごくよかったよ!」

紬「私もよかったと思うわ…」

唯「あずにゃんすごいよ!これなら全米で1位狙えちゃうよ!ポールもジョンもメじゃないよ!」

澪(でっかく来た)

唯「キリストよりも有名になれちゃうかもよ!」キラキラ

律(唯はビートルズ好きなのかビートルズアンチなのか)

梓「そ、そうですか。じゃあもう少し頑張ってみましょうか…」

唯「そうだよあずにゃん、その意気だよ!」

梓「じゃあ澪先輩、指導していただけますか?」

澪「え?わ、私はムリだよ!」

唯「えー、どうしてー?」

澪「だって…こんな個性的すぎる声の子教えられないよ!」

律「ば、バカ!」

梓「個性的、ですか…」

唯「あずにゃん、これからは個性の時代だよ?澪ちゃんはあずにゃんを誉めてくれてるんだよ?」

梓「…わかりました。私、皆さんのご期待に必ず答えてみせます!」

律(ゆ、唯いいい!)

澪「あ、本格的にボーカルやるならさわちゃんに教わるといいよ?」

梓「ファイト、私!」

唯「おー!」

律(梓が燃えてる…)

紬(取り返しのつかない事態になってきちゃった…)

さわ子「は?梓ちゃんがボーカル」

唯「そう!十年に一度の逸材だよ!」フンス

さわ子「確かに唯ちゃんを指導したことはあるけど…」

梓「私、絶対に投げ出しません!必ず上達してみせますから!」

さわ子「わかったわ。とりあえず一曲歌ってみて」

梓「はい!」

唯「頑張れ、あずにゃん!」

梓「すぅ…」

ボエーーーーーーーー!!!!!!

梓「ど、どうでしたか?」

さわ子「」

唯「すごいよあずにゃん!あのさわちゃん先生が言葉も出ないくらい感動してるよ!」

梓「そ、そんなにすごくなんかないですよ」

唯「いやいや、見てみなよあずにゃん!他の先生もみんな水を打ったように静まり返ってるよ!」

梓「というかここ、職員室だったんですね」

律「さわちゃん、あんたの死はムダにはしないぜ…」

紬「最初のシ者ね…」

澪「聴こえない聴こえない聴こえない聴こえない聴こえない…」ブツブツ

紬「りっちゃんはあれをどう感じた?」

律「鼓膜の上で南極の溶けた氷から出てきた恐竜が玉乗りしてる、みたいな?」

紬「りっちゃんも独創的ね。私感動しちゃった」


【放課後 河原】

唯「懐かしいね。ここでギターの練習したよね」

梓「ついこないだのことじゃないですか」

唯「澪ちゃんもさわちゃん先生もアテにならないし、私が指導してあげるね」

梓「はぁ、どうも」

唯「じゃあ、私の恋はホッチキス!」

梓「すぅー…」

ボエーーーーーー!!!!!

唯「♪なんでなんだろ~」

梓「ボエーーーーーー!!!!!」

唯「♪気になる~」

梓「ボエーーーーーー!!!」

びちっ

唯「♪君、へ~」

梓「ボエーーーーーー!!!!!」

びちっ、びちっ

唯「♪~」

梓「ボエーーーーーーーー!!!!!」

びちびちびちびちびち

律(魚が浮いてる…だと!?)

律「なあムギ、梓の歌唱力…」

紬「明らかにパワーアップしてるわね。…あら、澪ちゃんは?」

律「帰したよ、うるさいから」

紬「唯ちゃんは強いわね。あれだけのエネルギーを前にこの余裕…」

律「いやいやいや、どう考えても耳がイカレてるだろ」

とみ「おや、唯ちゃんじゃないか」

唯「あ~、おば~ちゃ~ん」

梓「こんにちは」

とみ「そちらはあずにゃんさんだったねぇ。クラブの練習かい?」

唯「あずにゃんの歌の練習だよ!」

律「まずい!」

梓「唯先輩、人前で歌うのはまだ少し…その…」

唯「大丈夫だよ~。あずにゃん歌うまいから。さあ!」

梓「えー、じゃあ、お聴き苦しいかもしれませんが…すぅー」

律「民間人に手を出すな!止めろおおおぉぉ!」

梓「ボエーーーーーーーー!!!!!」

律「ガハァ!」

紬「血を吐いた!」

梓「ボエーーーーーー!!!!!」

律「ウゴハァ!」

紬「りっちゃん、りっちゃん!」

梓「ボエーーーーーー!!!!!」

びちびちびち

梓「ボエーーーー!!!!!」

唯「……」

とみ「……」

梓「…ど、どうでしたか?」

パチパチパチ

唯「すごいよあずにゃん!上手いねぇ~」

梓「そ、そうですか?」

とみ「これからも焦らず怠らず、頑張るんだよ」

梓「は、はい!」


紬「下草が…一本残らず枯れてるわ…」

紬「あっ!」

紬「りっちゃん、りっちゃん!」

律「」

紬「息をしてない!人口呼吸しなきゃ!」

律「」

紬「…りっちゃん、ごめんね…んっ」

紬「ふっ……んっ……」

律「んっ……」

紬「んっ……ぷはぁ」

律「んー……」

紬「心臓マッサージも…必要よね」

律「あっ…」

紬「りっちゃんのお胸、ちっちゃい…」

律「あっ…ムギ…」

紬「…気づいてたの?」

律「途中から、な…」

紬「…ひどいわ」

律「ごめん…続けて」

紬「…いいの?」

律「…ムギなら構わないよ」

紬「嬉しい…んっ」

律「ふぅっ…」



【その夜 平沢家】

憂「えーっ!?梓ちゃんがボーカルを?」

唯「そ~。あずにゃんすごく頑張って練習したんだよ」

憂「お姉ちゃん、大丈夫だったの!?」

唯「大丈夫って、何が?」

憂「だから、お耳とか、その…」

唯「あ、おばーちゃんにも聴いてもらったんだよ!」

憂「えええぇぇー!」

唯「明日も二人で練習するんだ~。楽しみだなぁ~」

憂(…大変だ、こうしちゃいられない!)

prrrr prrrr

純「もしもし、憂?…なぬ!?」

純「ついに…Gが動き出しただと!?」



【翌日 第1回対G対策会議】

純「えーそれでは、再び活動を開始した中野梓、通称Gの今後の対策を検討してむにゃむにゃ」

律「なあ、ここまで大げさにすることないんじゃないか?」

憂「律さんはご存知ないんです!奴がどれだけ日本にとって恐るべき存在か!」

澪「というと?」

憂「あれは私たちが入学して間もない頃でした…」

憂「私たちはクラスの友達といっしょにカラオケに行ったんです……」


純『次は梓の番だよ』

梓『えぇ?わ、私!?』

モブ『イケイケー!』

憂『梓ちゃん、頑張ってー!』

梓『じ、じゃあ一曲行きまーす!…すぅっ』

ボエーーーーーーーー!!!!!

モブ『うぎゃあああああおおおああおおぇえええあああ』


憂「というわけだったんです」

律「絵が容易に想像できる」

純「生き延びたのは私と憂だけ。あとは入学早々病院送りにされました…」

憂「以来、梓ちゃんを遊びに誘う時は、絶対にカラオケにだけは行かないようにしています…」

澪「そうか、大変だったな…」

純「みおせんぱい~、ぐすん」

紬「ところで今、梓ちゃんは?」

憂「奴は現在、お姉ちゃんと市街部を移動中です」

律「あ、今日は日曜だったのか」

『♪んでんでんで~』

唯「あずにゃんあずにゃん、この曲すっごく可愛いよ~」

梓「すごく下手くそじゃないですか」

唯「えーっ?可愛いじゃ~ん」

梓「はいはい。じゃあ買うもの買ったし、そろそろ帰りますよ」

『明日からボーカルを始めるあなたに』
『猿でもできるボーカル術』
『ヨーデルとメーテルの違い』

唯「うん、完璧だね!これであずにゃんも立派なボカロだよ!」

梓「それだけは勘弁してください」

唯「なんで~?ミク可愛いよミク」

梓「はいはい」

純「とにかく皆さんは、梓に絶対マイクを持たせないでください!」

律「ああ、わかってる…」

紬「あの声が拡声されたら、間違いなく…」

憂「…チャイナシンドロームがおこります!」

澪「聴こえない聴こえない聴こえない聴こえない…」

律「…くそっ!梓を止める方法はないのか!」

憂「今は活動を抑えるだけで精一杯でしょうね…」


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