律「ん~、なんだ~?」

唯「りっちゃんコチョコチョ~♪」

律「ひゃあ!?」

唯「コチョコチョ~♪」

律「あはははは、やっ、やめ、いひひひひ」

唯「それそれ~♪」



紬『ふむ』


律「あーははは! こ、この~」バッ

唯「わぁっ! り、りっちゃん!?」

律「へへ~ん、仕返しだぁ。コチョコチョ~♪」

唯「あははは、ちょとま、あっはははは」

律「ホレホレ~!」

唯「あはははは! きゃははは」

律「まだまだ~♪」


紬『部室で子犬が二匹じゃれ合ってるわ』


唯「ふひゃぁん、あーはははは。り、りっちゃん、やりすぎだよ~」ダッ

律「あっ! コラ唯、逃げるなぁ」

唯「ハッハッハ、捕まえてみたまえ」

律「むっ、ソファーを盾にするように逃げるとは」

唯「ふふふ、これでりっちゃんは私を捕まえられない」

律「ほほう、ならばこうだっ!」バッ

唯「!! ソファーわ飛び越えた!?」

律「とらえたぜ! 唯っ!」ガシ

唯「ひい、りっちゃんおやめになって~」


紬『そこだ! 犯れ!』


律「問答無用! コチョコチョコチョコチョ」

唯「キャハハハ、こ、こっちだって~」コチョコチョ

律「きゃぅん////」ビクン

唯「ふお!?」


紬『ふお!?』


律「へ、へんなトコ、触るなよ……////」カァァ

唯「きゃぅん! だって~、かわい~。もう一回いって~」ワキワキ

律「言うわけ無いだろ////」

唯「りっちゃんもそんな声が出せるんだね」

律「うるさいやい! ソファーわ飛び越えた!? とか言ってたくせに!」

唯「ちょっと噛んだだけだよ~」

律「ふんだ」プイ

唯「ジーーー」

律「な、なんだよ?」

唯「りっちゃんかわいい~」ダキ

律「うわっ!」グラ

 ドサ


紬「唯ちゃんがりっちゃんをソファーに押し倒した!?」


唯「りっちゃんすごく可愛かったよぉ!」ギュウ

律「わ、わかったから、私の上か下りろ////」

紬『フリーだ小暮 うてっ!』クワ

唯「……」

律「お~い、唯……?」

唯「ねぇ、りっちゃん」

律「な、なんだ?」

唯「私たちって、もう来年には卒業しちゃうんだよね?」

律「……そうだな」

紬『なぜそこでパスをする!?』

唯「それからどうなるの?」

律「どうなるって、皆で同じ大学に行くんだろ?」


紬『ゴール前フリーなのに!』


唯「でも、でも、もし皆行けなかったら? 誰かが落ちたら?」

律「……」


紬『なぜベストを尽くさない!』


唯「きっと皆バラバラになっちゃう。そんなヤダよぉ……怖いんだよ、りっちゃん。卒業なんてしたくないよ。時間なんて止まっちゃえばいいのに……」

律「唯……」

唯「ずっと高校生でいれると思ってた」

律「私はいつだって皆一緒だと思うよ」

唯「でも……」

律「例え皆バラバラになっても、バンドが、放課後ティータイムが私たちをつなぎ止めてくれるから」

唯「………」

律「だから何も怖がることないよ。一緒に笑って卒業しようぜ」

唯「……うん」


紬「………」ホジホジ


唯「えへへへ」

律「なんだよ?」

唯「こんなのりっちゃんのキャラじゃないよ」

律「なっ!」

唯「でも、すごく嬉しいよ」ギュウ

律「そ、そっか////」

唯「ときにりっちゃん!」

律「今度はなんだ?」

唯「チューしてもいいですか!?」

律「なんでだよ!?////」


紬『おれの 時代だァ!!!!』ドン!


唯「え~~、だめ?」

律「当たり前だろ////」

唯「チューしたい気分なんだよぉ。りっちゃん」ウルウル

律「そんなコト言われても……」

唯「りっちゃんおねがぁい」スリスリ

律「う、う~~」

唯「りっちゃぁん。りっちゃぁん」スリスリスリスリ

律「わ、わかったよ。チョットだけだぞ////」


紬『いいぞォ! 作戦通りだ!』


唯「わーい、ありがとりっちゃん!」

律「でも、口はダメなんだからな!」

唯「わかってるよぉ。じゃあチュー、するよ?」

律「お、おう////」
 チュッ
唯「えへへ、りっちゃんのおデコにチューしちゃった////」

律「う、ん////」

唯「ん~! りっちゃ~ん! チュッチュッチュッチュッ」

律「あっ、あっ、コラ! チョットだけって言っただろ!?////」

唯「りっちゃん、りっちゃん」チュッチュッ


紬『ぶるぁあああぁああぁあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』

澪「ひぃ! む、ムギ?」

梓「……部室の前で何やってるんですか?」

紬「静かにしろろぉぉぉおぉぉおぉ!! 気づかれるだろぉおがぁ!!」



おわり




おまけ

梓「もう、なに言ってるんですか。入りますよ」スッ

紬「邪!」ドリュッ

梓「もどっ!」ドサ

澪「梓ぁぁぁぁぁああ」

梓「」ピクピク

澪「ムギ! どう言うつもりだ!」

紬「澪ちゃん、今日の部活は中止よ。梓ちゃんを連れて帰りなさい」

澪「そうは行くか! 唯も律も中にいるんだろ!? そこをどけ!」

紬「嫌よ。どうしてもというなら私を倒しなさい」

澪「本気で言ってるのか?」

紬「もちろんよ。ただ澪ちゃんみたいなヘタレには無理だろうけど」

澪「上等だ。なら付いて来い。後悔させてやる」

紬「ふふふ、いいわ。そんな強いこと言っても私の勝ち戦に花を添えるだけだけど」

澪「ほざけ」



 校庭

澪「ここならいいだろう?」

紬「えぇ」

澪「行くぞ ムギ」

紬「いらっしゃい、澪ちゃん」

 夕暮れの校庭に対峙する二人の少女。彼女たちは動かないまま互いを静かに
見据える。二人から発せられた気と気がぶつかり合い、主導権を取ろうとせめ
ぎあう。
 その時、風に舞う葉が二人間を横切ろうし、パンっと弾けた。

澪紬「うおおおおおおおおおおお!!」

 示し合わせたように澪と紬は咆哮を上げ、獣のような速さで互いに肉薄する。

澪「らぁっ!」
紬「ふっ!」

 短い気合と共に打ち出された拳と拳ががぶつかり合い、爆音が鳴り響いた。

梓「なっ!」

 意識を取り戻し、応援に駆けつけた梓に戦慄が走った。爆音と共に発生した
衝撃波が地面を砕き、吹き飛ばし、桜高の校庭にクレーターを創りだした。

梓「じ、次元が違いすぎる……!」

 梓は悟った。自分はこの戦いについて行けない。無理に加勢しようとるれば
澪の足を確実に引っ張ってしまう。巻き込まれないようにするのが精一杯だった。


 砂埃が舞うクレーターの中心で澪と紬は拳を付き合わせた状態で静止したいた。

紬「ふふふ」

澪「何が可笑しい?」

紬「ゴメンなさい。私の一撃に耐えた人に合うのは久々だったから、つい」

澪「随分余裕だな、次はこうはいかないからな」

紬「ええ、楽しみにしてるわ。私も今度は半分くらいの力で行くわ」

澪「ナメるなよっ!」

 瞬間―――澪が消え、紬の真横に足を振り上げた状態で突如現れた。

澪「せいっ!」

 首を刈り取るような上段回し蹴り。しかし、紬はそれをスウェーバックで
避ける。


澪「まだだ!」

 初撃の回転力を活かした後ろ回し蹴りを皮切りに、澪はありとあらゆる足技
を高速かつ変則的に繰り出す。暴風のような蹴撃。しかし紬はそれをまるで夏
のそよ風を浴びるような面持ちでかわしていく。

澪「ちっ、これなどうだ!」

紬「っ!?」

 澪は地面を蹴り上げ砂埃で紬の視界を奪い、そのまま振り上げた足をめいい
っぱい打ち下ろす。強烈な踵落とし。しかし、それが紬を捉えた感触は無く、
澪の踵は地面を踏み砕いただけだった。

紬「ふふ、残念ね」

澪「!?」

 紬の声が聞こえた。澪が振り向こうとした時、彼女の側頭部を物凄い衝撃
が襲った。紬が突き刺すようなヒジ打ちを見舞ったのだ。
 そのあまりの衝撃に、澪の体はまるで水切りの石ように地面を跳ね回った。

梓「澪先輩ーーーーー!!」

 致命的な攻撃を受けた澪を助けようとし、梓はたまらず駆けつける。しかし
その行為が紬の逆鱗に触れてしまった。

紬「力のないものが!  ウロウロするなーーーっ!!!!」

 突如目の前に現れた紬が梓の顔面を乱暴に殴り付けた。

梓「ーーーーーーーー!?」

澪「あずさーーーーーーーー!!」

 悲鳴を置き去りにするように、梓の体は地面を抉りながら数百メートル突き進み
、銅像を破壊して停止した。


紬「マナー違反よ梓ちゃん。弱者は後ろで解説でもしてなさい」

澪「おまえーーーーー!!」

 侮蔑に満ちた言葉を吐き捨てる紬に向い、澪は地面を踏み砕き、怒りの絶叫
と共に紬に迫る。

紬(はやいっ!?)

 身の危険を感じ、紬を思わずガード固める。直後、強烈な一撃が紬の腹部
を襲う。完全に防御を無視したボディーアッパー。辛うじて防いだ両腕から
衝撃が突き抜け、紬の体が数十センチ宙に浮く。

紬「か、は」

 体を『く』の字にして完全に隙だらけになった紬に、澪は手の平をかざした。大量
の氣が丹田から腕、肘、手首へと螺旋を描くよう流れ、掌の中にどんどん集まっていく。

澪「消し飛べっ!」

 一気に開放。巨大な象さえも爆砕する発勁。猛烈な氣奔流を受け、紬は超高速で校舎
の壁に激突、砕けた壁と共に地面に落下した。


澪「終わった。早く梓を手当しなきゃ」

―――どこへいくの?―――

澪「!?」

紬「まだ勝負はついてないわ」

澪「う、そだろ」

紬「ちゃんと見てないから」

 そう言うと紬は、瓦礫の方を指差す。澪をそれにつられて見てみると、そこには
一人の少女が倒れている。赤いリボンの桜高の制服を着て、クセののあるセミロング
の髪を二つに分けてまとめた少女。梓の友達だった。

澪「いつのまに?」

紬「私の前でオナニーするなら教えてあげるわよ?」

澪「ふざけるな!」

紬「あらあら、ゴメンなさいね。ただあの攻撃は凄かったわ。これなら私も」

―――本気をだせる―――


澪「!?」

 紬の雰囲気が豹変した。重く纏わり付くような空気がその場を支配する。ほ
どなくして、まるで風が吹いたかのように、校庭にいる鳥などの小動物、昆虫
までもが一斉にその場から逃げ出した。

澪(落ち着け、力むな)

 心のそう言い聞かせ、澪は発狂してしまいそう心を沈める。

紬「さぁ澪ちゃん―――」

 紬が大鷲のように両手を広げ、体勢を低くした。

澪(はやるな)

 恐ろしいまでの前傾姿勢。おおよそ人間の構えとは思えないほどに。

紬「私の乾きを―――」

 それはまるで、獣のよう。四肢に力が漲っていく。

澪(ためらうな)

 必殺の一撃に備え、澪は全神経を紬に集中させる。

紬「癒せぇえぇぇぇぇぇえええぇぇぇぇ!!」

 刹那―――紬の身体が爆発したかのような突進。彼女は炎を纏った隕石と化し
澪に迫る。


澪「見極めろっ!」

 紬の突進力を生かした拳が澪の顔面目がけ襲いかかる。それはまるで音速の砲弾。
当たれば、首から上た跡形もなく吹き飛んでしまう。澪はそれ右斜め前方に踏み込み
、紙一重で躱す。一連の動作で利き腕の拳を紬の鳩尾に叩き込んだ。手首の当たりまで
拳が入り込んだところで、トドメに発勁を放つ。

紬「――――!?」

 紬の体は一瞬大きく痙攣を起し、制服の背中が丸くくり抜いたようにはじけ
飛んだ。苦悶の表情で固まる紬の顔。貫くことをイメージした発勁は人体、お
よび霊的中枢を完璧に破壊した。普通の人間なら二度と動くことはないだろう、
 しかし―――

紬「もう終わり?」

澪「!?」

 紬は表情を一変させ、歯を剥きだしにして嘲う。その狂気に満ちた笑みに
澪は恐怖のあまりその場から動けなくなってしまった。

紬「じゃあ今度はこっち番っ!!」

 恐怖ですくみ上がった澪に、紬は組んだ両手を頭上がら叩きつけた。

澪「―――」

 断末魔の叫びすら無いまま、澪の意識は遥か彼方にまで吹き飛ばされ、体は
地面に付けられ沈黙した。たった一発の攻撃で、あっけなく勝負の幕切れとなっ
てしまった。
 だが彼女はまだ満足しなかった。

紬「ウオォォォオォォオオオオオオォォォオォォン!!!!」

 紬は雄叫びを上げ、拳を天に掲げる。するとそこに周囲か光が集まり始めた。
甲高い音を立てながら収束し、つには彼女の拳が黄金に輝き始めた。

紬「クズがっ!!」

 ありあまるエネルギーを澪に向けすべて解き放つ―――
 閃光、そして大爆発。桜高の校庭に、天を衝く巨大な光の柱を顕現した。

 後に、この光景を見たトミおばあちゃんはこう言ったそうだ。


 ――――ピカドンかと思った――――


 部室前

紬「さぁて、これでゆっくり観察できるわぁ♪ そぉとドアを開けてっと」

 カチャリ

紬「こ、これは!」



紬「なんてコトなの!?」

紬「誰もいない!?」ガーン


紬「はっ、この匂い! まさか!」

 ドギャア! 

 ドアを蹴り破り、紬は中へ駆け込む。


紬「このソファーの液体から」ペロ

紬「やっぱり間違いないわ」

紬「……見逃してしまったというの? 私の乾きを癒す唯一の方法なのに……」

紬「う、うぅ、うあぁぁぁああああぁぁぁ!!」

 紬は泣いた、泣いて、泣いて、泣き叫び。


 また一つ大人の階段を登った。



 翌日

律「よぉし! はりっきって行くぞ~!」

唯「おおう!」

澪「あの二人は元気だな」ボロ

梓「まったくです」ボロ

律「っていうか何でお前ら傷だらけなんだよ?」

澪「んっ? まぁ」

梓「いろいろと」

紬「うふふふ」

唯「あっ! 私りっちゃんと付き合ってます!」

律「なんの脈絡もなくカミングアウトするなぁぁ!////」

唯「だってりっちゃんが大好きだんだもん!」

 チュッ

 完