――翌日

憂「お姉ちゃーん。朝だよ起きてー」

唯「むにゃむにゃ、あと10分…」

憂「もー、遅刻しちゃうよー」

憂(とりあえずは、よく眠れてるみたい)

憂(それにしても…)

憂「あんな可愛い寝顔のお姉ちゃんが、人を殺めたなんて…」



――昼休み・唯の教室

唯「りっちゃんも、澪ちゃんも、ムギちゃんもいない…」

唯「ムギちゃん、やっぱり何かあったのかな」

姫子「唯ー。いつもの4人…じゃなくて3人いないなら一緒にご飯食べない?」

唯「…いいや。食欲無いから寝てる」

姫子「そう…」

「ギャァァァァァァッァァァッァァッァァアアアアアアアアア!!!!!!」

姫子「!?」

唯「廊下から悲鳴!?…しかもこの声まさか…」

唯「ま、まさかあずにゃん!?」ダッ


こんにちは、平沢唯です。
廊下はひどいパニックでした。青ざめて立ち尽くしている人、必死に逃げ惑う人。
まるでゴジラの映画みたい!あははは、なんか楽しくなってきたよ!!!

…そんな楽しい時間も、いつかは終わるのです。
そう、けいおん部の3年間のように……。


梓「」

純「」

憂「……」

唯「……憂?」



目の前には血の海と、あずにゃんと純ちゃんの生首。
そして、まるで生きているかのように2本の足でしっかりと廊下に立っている、顔の無い胴体が2つ。

さすが憂。最小限のダメージしか与えずに殺るとは……

唯「う、ううう憂!?なんで!?なんでなんで!?!?」

憂「ごめんねお姉ちゃん」

唯「な、なに謝ってるの!?」

憂「実は…」



憂「和ちゃんを殺したのは私なの」



唯「…え?う、う嘘だよね?」

憂「ホントだよ。私がお姉ちゃんに嘘つくと思う?」

唯「え、え、え…」

憂「そしてもちろん純ちゃんと梓ちゃんを手にかけたのも私。あと…」

憂「澪さんと律さんも昨日殺したんだ」

唯「み、澪ちゃんを…?」

憂「うん、昨夜お姉ちゃんと帰るときにお姉ちゃんが見てない隙に」

唯「そ、そんな…」

唯「で、でもりっちゃんは!りっちゃんは私がころs」

憂「お姉ちゃんはしゃべらないで!!」

唯「!?ぁぅぁぅ……」

憂「澪さんと同じく、昨日帰る前に確認したら生きてたから、殺したんだ」

唯「な、なんでっ!?なんでみんな殺しちゃったの!?!?」

憂「それはえっと…」

唯「…」

憂「えーっと、なんでかっていうと…」

唯「…憂?」

憂「…!?そう!和ちゃんを殺したのが私だって気付いていたから!!ばらされないために殺したんだ!!」

唯「そ、そんなぁ……」

憂(ほっ…)

唯「…和ちゃんは?」

憂「え?」

唯「和ちゃんはなんで殺したの!?」

憂「そ、それは…」

唯「…」

憂「お、お姉ちゃんのストーカーだからだよ!!!」

唯「っえ?」

憂「だって考えてみてよ?幼稚園からずっと一緒なんておかしいよ!!」

唯「いや、同じ学区だからそこまで珍しくは…」

憂「いやおかしいの!!そもそもあのメガネ!なんで下ブチのみなの!!下心がメガネにも表れてるよ!!!」

唯「憂…」

唯「憂…見損なったよ!」

憂「…ぅっ」

唯「そんな勘違いで和ちゃんを殺すなんてっ!」

唯「そんな妹だったなんて…」

唯「もう、もう、もう…」

唯「憂は私の妹じゃないよ!!!!!!」

憂「…!?」



唯 「 憂 の 喉 ウ イ ィ ィ ィ イ ン ! ! ! ! ! 」



こんばんわ、平沢憂です。

正直、お姉ちゃんの技はよけようと思えば避けれました。
でも、その時の私には避けようなんて考えは一切浮かびませんでした。

この軌道……私の技じゃない!!
これはお姉ちゃんのオリジナル技!!!!

一体どんな技なんだろう?
そう思って私は攻撃を受けてみました。

お姉ちゃんは私の喉に両手を突き刺し、まるでふすまを開けるかのように…そう

ウィィィィィィイインっと!!

私の喉を引き開いたのです!!!!

…気付いた時には、もう私は動くことができませんでした。しゃべることも。

別にお姉ちゃんに反撃しようとは思いませんでした。
ただ、言い残したことがあった。

お姉ちゃん、今までありがとう……

そして
もうちょっと、もうちょっとだけ……

お姉ちゃんと一緒に生きたかったなぁ……………





――――――――――――

この日、一つの残虐かつ凶悪な事件に終止符がうたれた。

犯人は、平沢唯と、その妹平沢憂。

平沢憂は「お姉ちゃんをとられる」という理由で真鍋和を殺害。
そしてその真相を知った秋山澪、田井中律、中野梓、鈴木純を口封じのため殺害。
そして、その真相を知った平沢唯は、真鍋和やその仲間の復讐のため、平沢憂を殺害。

この事件は世間に大きなショックを与えた。
女子高生による連続殺人といういまだかつてない残虐性。
そして、被害者と犯人がそれぞれ部活仲間、クラスメイト、あげくは姉妹という悲劇性。

マスコミは連日ニュースの大部分を使い、この事件を扱った。警察はこれで事件は解決したというが、いまだに謎は多く残る。

最大の謎は、凶器の不在。
事件の関係者で唯一の生き残りである平沢唯は「自分の素手で殺した」と供述しているものの、残された遺体の傷は素手での犯行では不可能なほどの状態であり、
また、平沢唯は軽度の知的障害があると認定されており、供述の信ぴょう性は低いとされている。

「真鍋和と平沢唯が事件当日に一緒に下校していた」という目撃証言もあり、果たして平沢憂は真鍋和にも手をかけたのかどうかも疑問視されているのである。

果たして真相は一体…


―――――――――――完――――――――――――――――




―――後日談――――

桜ケ丘高校卒業式であるこの日、一人の少女が久しぶりに学校に姿を現した。
あの事件の隠されたもう一人の関係者である、琴吹紬だ。

紬は琴吹家の政治力・財力でマスコミや警察を封じ込め、一般人には「血のけいおん部」のもう一人の生き残りであることを知られずに済んでいる。

紬「あらあら」

紬「みんな一緒に卒業しようって言ってたのに…」



ガチャッ

さわ子「琴吹さん、久しぶりね…」

紬「さわ子先生…」

さわ子「…フロリダに留学していたとは言え、事件の事は聴いてるのよね?」

紬「…はい(普通に近所にいたんですけどね)」

さわ子「…あんなにみんな仲良かったのに」

紬「ホントに…その通りです」

さわ子「…くよくよしててもしょうがないわよね」

紬「その通りです。私がここに来たのも、みんなと卒業を祝うためですし!」

さわ子「…そうね!きっと唯ちゃん澪ちゃんりっちゃんも、どっかから私たちを見てるわ!!」

さわ子「盛大に4人の卒業を祝いましょう、琴吹さん!!」

紬「…あの、」

さわ子「ん?なぁに、琴吹さん?」

紬「な、なんで先生は私を愛称で呼んでくれないんですか!?」

さわ子「…え?」

紬「聞いた話だと、これまで先生は私のことを『ムギちゃん』と呼んだことは無いそうです!たったの1度も!!」

さわ子「…え、そんなこと無いんじゃ」

紬「いーえ、無いんです!たしかな筋からの情報です!!」

さわ子「ぅう…そ、それを言うなら琴吹さんだって私のことを『さわちゃん』って呼んでくれないじゃない!?」

紬「そ、それは…///」

さわ子「琴吹さんが呼んでくれないから、私も愛称で呼ばないの。それが大人の意地ってもんよ!!」

紬「…わ…ゃん」

さわ子「ん?」

紬「さ、さわちゃん!!///」

さわ子「こ、琴吹さん……」

紬「私はさわちゃんって呼びました!だから、こ、琴吹さんじゃなくって…」

さわ子「……はぁ、しょうがないわねぇ。ムギちゃん」ナデナデ

紬「さ、さわちゃん//」

さわ子「そんなこと気にしてたの?まったくやっぱり子供ねぇ」

紬「さ、さわちゃん!」

さわ子「今度はなぁに?」

紬「むぎゅぅぅぅううう!ってしていいですか?」

さわ子「よくわからないけど、いいわよ」

紬「い、いいんですか///じゃあ」

むぎゅぅぅぅぅううううううう!!!!!!!!!

さわ子「こらこらムギちゃん、苦しいわよ?」ニコニコ

紬「も、もうちょっとだけ!!」むぎゅぅぅぅうううう

さわ子「しょうがない子ね。…寂しかったの?」

紬「…」

さわ子「…むぎちゃん?」

紬(……今だ!!)



紬 「 さ わ ち ゃ ん さ わ さ わ 」


さわ子「ひゃぃいいいいんっ!?」ビクンッ




こんばんわ、琴吹紬です。

見ててくれたかしら、唯ちゃん。うふふふ♪

私にはやっぱり『さわちゃんの喉ガチャーン』は習得できませんでした。
身体的にも、精神的にもあの技を使うのは無理です。

だから、私は私の一撃必殺を身につけました。

いつか私も唯ちゃんと、みんなと一緒の所に逝った日には、唯ちゃんにも試してあげるから待っててね。

あ、対唯ちゃんにはどんな技名がいいのかしら?

逝くまでに考えとくね♪


―――完―――――