みーなさーん!
こーんばーんわー!
才色兼備の美少女!けいおん部のアイドル、いや桜高のアイドル!
田井中律でーす♪てへっ☆

唯が「りっちゃんの喉ガチャーン」を叫んだとき、私は何が起きるのか理解できなかった。
理解した時、すでに私の首は胴体の遥か上にあった。「あぁ、これ死んだな」って思った時は、もう声も出なかった。

唯にまだまだ罵倒し足りないし、澪にも梓にもムギにも…言いたいことはたくさんあった。
でも、それを叫ぼうとした私の口から出るのは、ぜぇぜぇという音だけだった。

あちゃー、ちょっくら遅かったな!

まぁでも、澪とは天国で会えるかな。その時なんか言ってやろう。

あ、いつの間にか私の下に梓がいる。こりゃこのまま落下したら頭と頭がカッチンコだ。
でも、もう間に合わなーい!!

わりぃ梓!!

ゴッチンコ!!



唯「ごめんねりっちゃん…ぅぅぅう」シクシク

梓「ぁ、あ、あ゛あ゛あ゛あ゛」ガクガク ブルブル

唯「…あ、あずにゃん大丈夫?」

梓「ひゃ、ひゃいっ!?(ひぃぃぃいいいい!こっち見てるぅぅぅぅうううう!?)」

唯「早業すぎてあずにゃんには見えなかったかもしれないけど……りっちゃんはもう…」

梓「そ、そそそそそうなんですか!!いやー、律先輩残念ですね!!はははははは!!」

唯「笑うなんてひどいよ、あずにゃん!!」

梓「ひぃぃぃぃいいいいい!?!?!?!?!?」

唯「ぅう、りっちゃんのせいだよ!りっちゃんのバカ!!」

梓「そそそそそうです!悪いのはこのデコです!!このデコビッチ!!」

唯「りっちゃんにそんな悪口言っちゃダメだよ!」

梓「ひぃぃいいすいません律先輩唯先輩!!!」ガクブルッ

唯「…それはそうと、この状況どうすればいいんだろぉ」オロオロ

梓「と、とりあえず!ムギ先輩と先生が来るのを待ったらどうでしょうか!!」

唯「そ、そうだねあずにゃん!私待つよ!!」

梓(た、助かった!!多分ムギ先輩や先生で唯先輩に敵う筈は無いけど、他のひとが襲われてる隙に逃げることなら可能なはず!!)



………………………………
………………………
………………
………
……

唯「…」

梓「…」

唯「…」

梓「…む、ムギ先輩遅いですねっ!!」

唯「うん、なにしてるんだろーねー」えへへへ

梓(ふぅ、とりあえずいつものマヌケな唯先輩に戻った)

梓(それにしても、ムギ先輩に早く来てもらわないとっ!!)

梓「わ、私ムギ先輩に電話してみますねっ!!」

唯「うん、お願いあずにゃーん!」だきっ

梓「ひぃっ!?だ、抱きつかないでください!!」ガクガク

唯「そーんなぁ、いいじゃーんあずにゃーん」スリスリ

梓「わわわわ私電話しなきゃいけないんで、とりあえず離れてももももらえませんか!?」

唯「もーしょーがないなー」ぶーぶー

梓「ふぅ、じゃあムギ先輩に電話っと」

ピポパポ

ガチャッ

梓「むむむむムギ先輩!?」

『おかけになった電話は、電波の届かない所にあるか、電源が入っていません』

梓「…え?」

唯「ムギちゃんなんだってー?」

梓「で、電源が入っていないみたいです……」

唯「電池切れかなぁー」

梓「そ、そうですよね!きっとそうです!!」

梓(ムギ先輩まさか……いや、ムギ先輩はそんな人じゃない!!!!)






紬「ごめんね律ちゃん梓ちゃん。…斎藤、早く車を出しなさい!」

斎藤「かしこまりました。お嬢様」



みなさんこんばんわ、琴吹紬です。

澪ちゃんのことは残念だったわ。出来ることなら助けてあげたいけど、お父様の教えで救急看護の知識が多少あった私から見て、もう澪ちゃんの助かる見込みはなかった…
出来るならりっちゃんと梓ちゃんも助けだしてあげたかったけど、
りっちゃんは唯ちゃんと取っ組みあっていて助けることは出来なかった。もしかしたらあの後りっちゃんも…
いやいや、唯ちゃんはそんなことする子じゃないはず!

梓ちゃんも唯ちゃんのお気に入りだし、助け出す危険を冒す必要もないくらい安全だわ。

私のことは「急に半年間留学することになった」と聞かされるでしょうけど、安心してね。
いつもの唯ちゃんになったら、私はまたけいおん部に戻るから。
あ、でも半年も留学してたら梓ちゃん以外卒業しちゃうわね。
うふふふ、私ったらうっかりミスしちゃったー♪

とにかくみんな、また唯ちゃんが元に戻ったら会いましょうね。



梓(や、やややややっぱり逃げただろあの沢庵!!!!)

唯「ムギちゃん遅いね…何かあったのかな?」

梓「いやー大丈夫じゃないでしょうかねきっと。あははははは」

唯「もう日が暮れちゃうよー。澪ちゃんも気持ち良さそうに寝てるし帰ろっか?」

梓「そそそそそそうですね!(でも唯先輩と帰るのは怖いよぉぉぉぉぉおおお!!!!)」



ガチャ

梓「!?」

唯「ムギちゃん!?」

純「失礼しまーす。梓部活終わったら一緒に帰らn……え?」

梓「純!?」

唯「おー憂のお友達の純ちゃん!」

純「こんばんわ……てかこの部室の状況なんですか?」

純「澪先輩が床で寝てるし、なんかペンキこぼれてるし…(それに臭し)」

梓(純の目線からはソファーが邪魔で律先輩が見えてない!?もしやこれはチャンス!!)

梓「じゅじゅじゅじゅん!私も部活終わったよー!一緒に帰ろっか!!」

純「え?でも澪先輩寝てるよ?」

梓「だだだだだだ大丈夫!!そうだ、唯先輩もう少し澪先輩が起きるの待っててもらえますか?私先に純と帰るので!!」

純「え?でもそれは先輩に失礼じゃあ」

唯「いーよー」

梓「いいいいいいんですか唯先輩!じゃあお言葉に甘えてお先に失礼しまーす!」

純「ちょっと梓待ってよ…あ、じゃあお先に失礼しまーす」

ガチャッ

梓「帰ろうよ!もう帰ろうよー!!!!!!!」ダッダッダッダッ

純「待ってよあずさー」たったった



―――校外

梓「ふぅ、ふぅ、ふぅ」

純「はぁはぁはぁ、やっと走るのやめたか」

梓「……」はぁはぁ

純「なにそんなに急いでるの?てか、梓あんな足速かったっけ?」

梓「…純」

純「何?」

梓「いや、純先輩!純師匠!!純女王様!!!」

純「え?なに頭おかしくなった?」

梓「ありがとう!おかげで助かったよー!!!!」だきっ

純「うわっ、なに急に!?」

梓「ありがとう地球!!!!!!!!!!!!!」



みなさんこんばんわ。中野梓です。

まずは一言。
助かったーーーーーー!!!!

これもひとえに純のおかげ!いつも部室に来ることなんて無いのに、まさに起死回生の登場!!
私もう一生純についていくです!

純からは「どうしたの?」「なにかあったの?」と聞かれましたけど、何も答えなかったです。
もしこれまでのことを喋ったら、純の命だけじゃなくて私の命も危ないからです。

唯先輩に言いたいことは沢山あるけど、一言だけ言わせていただくと。
いろんな意味で憂から独立した方がいいと思います。
憂から離れて普通の女子高生、いや女子大生になったらまた会いましょう!

そして……おい沢庵!なに真っ先に逃げとんのや!?ただの財布のくせして…
あなたとはもう会いたくありません。もし今度会ったら梓チョップ決めてやります。

あと律先輩と澪先輩RIP




唯「……」

唯「……」

唯「ムギちゃんも帰ってこないし、澪ちゃんも起きない」

唯「りっちゃんは…ぅぅうう」

唯「う゛えええええええええええん゛」

唯「おぎてよみおぢゃーん!!ムギヂゃーん!!」



がちゃっ

憂「お姉ちゃん!?」

唯「う、憂!!」

憂「お姉ちゃん!帰ってこないから心配したんだよ!?」

唯「う、憂ー!!澪ちゃんがさっきから起きなくて…」

憂「(この首の痣は)…詳しく話して」

唯「そ、それがね!」

…………………………
……………………
………………
…………
……

憂「そ、そうなんだ…」

唯「うん、澪ちゃん起きないけどどうしたのかな?ムギちゃんも帰ってこないし」

憂「み、澪さんは寝てるだけだよ!起こすのも悪いから今日は寝かしておいてあげよ?」

憂「ムギ先輩もきっと荷物忘れてもう帰っちゃったんだよ。こんな時間だし!」

唯「そ、そうかな」

憂「そうだよ!さ、お姉ちゃん!私たちももう帰ろ?」

唯「…そうだね!夜道も危ないし!!」

憂「うん!だから早めに帰ろうお姉ちゃん♪」



こんばんわ、平沢憂です。

まさかお姉ちゃんがこんな事件に巻き込まれるとは、本当にショックです。

澪さんはもうおそらく死亡しているでしょう。律先輩は言わずもがな…
和ちゃんの死因もお姉ちゃんの『和ちゃんの喉ガチャーン』であることが、お姉ちゃんとの話の中で判明しました。

3人とも私の技のせいで…ごめんなさい!本当にごめんなさい!!

気になるのが、今回の件を知っているのが他にもいること。
梓ちゃんと紬さん。そして純ちゃんもおそらく知っているだろう。

紬さんは世渡りがうまそうだから、きっと今回の件は警察はもちろん、誰にも口外しないだろう。なんとなく、そんな気がする。
梓ちゃんと純ちゃんはどうだろうか。

もし今回の件がばれてしまったら、お姉ちゃんは警察に必ず捕まる。
和ちゃんの事件はわからないけど、律さんと澪さんの事件は目撃者もいるし…

あぁ、お姉ちゃん…なんでこんなひどいことを……


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