…翌日

唯(ふぅ、今日は休校なんだっけ)

ピンポーン

憂「はーい」ガチャ

刑事「すいません、平沢さんのお宅ですね?真鍋和さんの事件についてお伺いさせていただきたいのですが…」

憂「は、はい。どうぞおあがり下さい…」

唯「うーいー、お客さーん?」

憂「うん、刑事さん」

唯「おーおー、わんちゃんかー」

刑事「わんちゃん?(この平沢唯という子はたしか、被害者の幼馴染だったよな?全然落ち込んでる様子が無いが…)」


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刑事「では、真鍋和さんが誰かに恨まれているような事は無いと?」

憂「はい、和さんのことは幼稚園くらいのころから知っていますけど、誰かに恨まれるような人ではないと思います」

唯「私もそう思うよー」

刑事「そうですか……」

刑事「では、和さんが事件に合った日のことを何か知りませんか?その日の和さんの様子ですとか、誰かと一緒に下校するという話を聞いたですとか」

憂「…その日は和さんとは会っていません。すいません……」

唯(和ちゃんとは一緒に下校したけど…)

唯(あの喧嘩の事は誰にも知られたくないなぁ。和ちゃんが普段からすぐ寝るような人だと誤解されちゃあ可哀そうだし)

唯(そりゃ、幼馴染に失礼なことしたのに謝らずに死んじゃうような人ではあるけど…)

唯(…別に私は事件のこと何も知らないし、言う必要無いよね?)

唯「えへへへ、私も和ちゃんとは教室で会っただけで、帰りの事は知らないよー」

刑事「…わかりました。また何か思い出したらこちらまで連絡お願いします」



――数日後

唯「いやー久しぶりの部活だね!」

律「あの日以降、学校にマスコミが殺到して休校が続いていたしな」

梓「じゃあ、とりあえず練習でもしましょうか」

唯「その前にすることがあるよ!あずにゃん!!」

紬「お茶にしましょうか♪」

梓「で、でも久しぶりに集まったんですし」

澪「いいじゃないか梓。みんな疲れてるんだしさ…」

梓「…ま、まあ澪先輩が言うなら(澪先輩が一番疲れてそうだなぁ)」

律「まかせたぜ、ムギ!!」

紬「はいはい、ちょっと待ってね~」

唯「ねーみんなの所には刑事わん来た?」

澪「私の所には来たぞ。まあ特に話すことはなかったんだが…」

律「うちもだ。同じく何も大した話は出来なかったけど」

紬「うちは家のものが拒否したみたいで来なかったわ」

律澪(でた、琴吹家チート…)

梓「私のところには来ませんでした。まあ正直唯先輩経由でしか接点もありませんでしたし」

唯「そうなんだー」

梓「でも…和さんはなんで殺されたのでしょうか?誰かに恨まれるような人には思えませんけど」

律「やっぱり、通り魔の無差別犯行なんじゃねーか…」

梓「…ゆ、唯先輩は何か知らないんですか?あの日、和先輩と一緒に帰ってましたよね?」

澪律紬「…え?」

澪「唯!それ本当なのか!?あの日和と一緒に帰ったのか?」

律「おかしいな。警察の人は唯の家にも行ったけど、唯と一緒に帰宅したってことはしらなかったぽいぞ」

梓「ゆ、唯先輩!?」

唯「…えへへへ、実はねー」

それから私は話した。
あの日自分は和と一緒に帰ったこと。
途中で『和ちゃんの喉ガチャーン』をした後、急に和が寝始めたこと。
それに怒って、半ばけんか別れのような形で和を置いていったことを。

梓「…なんで、それを警察に言わなかったんですか?」

唯「いやぁー、喧嘩の話なんてする必要な無いと思ってー」

ガタッ

唯「!?」

律「ふざけんな!!」

唯「り、りっちゃん…!?」

律「たしかに唯は何も知らないんだろうけど、その情報を教えれば警察が新たな手掛かりを、もしかしたら犯人を見つけられるかもしれないんだぞ!?」

紬「まぁまぁ、りっちゃん落ちついて」

唯「ぅう、で、でも!和ちゃんが友達との帰宅途中で寝るような変人だなんて思われるのはよろしくないよー」

梓「いや、それでも警察の方にはちゃんとお話するべきです!」

唯「あ、あずにゃん…」

紬「私もそう思うわよ、唯ちゃん。ちゃんと知ってること話そう?」

唯「ムギちゃん……わ、わかったよぅ」オロオロ

澪「……ちょっと待ってくれ」

唯「?」

律「…なんだ、澪?」

澪(みんな疑問に思ってないのか?)

梓「も、もしかして澪先輩も何か隠してるんですか?」

澪「い、いや!隠してるわけじゃないんだ…」

澪(え?もしかして常識なの!?知らないの私だけ!?)

澪(…これ聞いちゃったら『情弱乙wwww』とか言われるのかな?うぅ……)

澪「い、いや!なんでもない!!」

唯「澪ちゃん?」

澪「なんでもないって!そうだ、そろそろ練習しよう!!」

梓「そうですね!せっかく集まったんですし、久しぶりにみんなで合わせましょう!!」

澪(『喉ガチャーン』って何なんだぁぁぁっぁぁっぁああああああああああああああ)



その後、私たちは久しぶりにバンドで練習をしました。
辛い悲しい日々でしたけど、やっぱり放課後ティータイムのみんなと音楽してるときはホントに楽しいなぁ。

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……

律「私と澪は向こうの道だから!じゃあなみんなー」

澪「また明日」

紬「私も向こうだから、じゃあね~」

唯「じゃあねー」

梓「お疲れ様です」



――澪の家

澪「うぅ、『喉がちゃーん』ってなんなんだ一体…」

澪「PCも起動したし、ググるか」

澪「……」

澪「……」

澪「……」

澪「出てこねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええ!!!!!」

澪「なんなんだよ!『喉ガチャーン』ってなんなんだよ!!教えてくれよグーグル先生!!」

澪「『和ちゃんの喉ガチャーン』したって……どういうことなんだよぉぉぉぉおおお!」

澪「……」

澪「……」

澪「はっ!?そうか!『喉ガチャーン』じゃなくて『和ちゃんの喉ガチャーン』って名前なのか!?」

澪「じゃあさっそく『和ちゃんの喉ガチャーン』で検索っと…」

澪「……」

澪「……」

澪「やっぱり出てこねぇぇぇぇぇぇぇええええええええええ!!!!!!!!!」



――翌日・部室

澪「遅れてごめん。掃除当番だったからさ」

唯「待ってたよー」

紬「すぐお茶とケーキ用意するわね」

澪「ありがとう…」

律「…澪どうした?なんか元気ねーぞー?」

澪「え?いやいやちょっとな…(昨夜ずっと調べてたけど結局わかんなかった…)」



唯「――でね」

律「――だろ!」

紬「あらあらぁ」

澪(みんな当たり前のように『和ちゃんの喉ガチャーン』に対して疑問を持ってない。やっぱり常識なのか…)

唯「あずにゃーん」

紬「ぶって!」

律「ほいほい」

澪(でも、やっぱり知りたい!常識ならば、今後のためにも今知るべきだ!!)

澪(……律なら、律なら『ググれカス』とか言わず教えてくれるかも!!)

律「はははははh!」

澪「り、律!!」

律「なんだ澪?」

澪「実は昨日の話のことなんだけど……」

律「?」

澪「……『和ちゃんの喉ガチャーン』って一体なんなんだ?」

律「…」

澪「…」

律「…」

澪(や、やっぱり律でも『一生ROMってろ』とか言っちゃうのか!?)

律「…なんだろうな?」

澪「っへ?」

律「私もわかんねーわ」はっはっは

澪「」

律「…澪?あれ?おーいどうしたー?」

澪「」ウルウル

律「え!?何があった??」

唯「あれ、澪ちゃーん?」

紬「どうしたの、澪ちゃん」

澪「律は、律は……やっぱり私の友達だよな!!!」うわぁぁぁぁーーーーん

律「……は?」

唯「み、澪ちゃん!?」

律「な、何急に泣き出してんだ?それに変な事叫ぶな////」

澪「うわぁぁぁぁぁっぁああああん!!!」

梓「もしかして…和さんの死の件で、律先輩までいなくなっちゃうんじゃないかって不安になってしまったんでは?」

律「み、澪……」

澪「ぅぅううう」シクシク

紬「澪ちゃん、紅茶のんで落ちついて!?」


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