律「『関西琴吹会本部』…」

澪「あ、あぅあぅ…」

梓「…」

唯「うわぁ~立派な門構えだねー!」

紬「ささっ、入って入って♪」

澪(お、おい律…これはどうみても…)

律(ああ、893だ…)

唯「ムギちゃんちってヤクザ屋さんだったんだね~!」

律・澪「「おいぃ!!はっきり言うな!!」」

紬「まあまあ、とにかく入って頂戴な♪」

若い衆A「!」

若い衆A「紬お嬢さん!お帰りなさいやし!」

若い衆's「「「お帰りなさいやし!!!」」」

紬「ただいま~♪」

唯「ムギちゃんカックいぃ~!極妻みたい!」

律「ガクガクブルブル…」

澪「 」←気絶

梓「 」←放心

斎藤「これはお嬢さん!お帰りなさいやし!」

紬「ただいま、斎藤。」

斎藤「御友人方も道中お疲れでしたでしょうっ!!」

律「ひいっ…」

紬「うちの若頭の斎藤よ。顔は少し怖いけど、優しい人だから安心して。」

斎藤「ささっお上り下さい!」

紬「さ、立ち話もなんだから…」

唯「お控えなすってぇ!!」

律「!?」

澪「!」

梓「!」

唯「あっし、宇治川のほとりで産湯をもらい、比叡山の空っ風を親代わりに育ちやした…」

唯「姓は平沢、名は唯と申しやす…」

律「ゆ、い…」

紬「あらあら♪」

唯「まだまだ足りぬところもございますけれど、
  根性肝っ玉だけは日の本一と自惚れておる若輩ではございます…」

唯「兄(あに)さん方、この上お知りあいになりやした限りには、どうか」

唯「どうか侠道界のいろは、この足りぬあっしにご教授頂けると幸いでさぁ…」

唯「お控えなすってぇ!!」
律澪梓「…」

斎藤「こりゃ今時のお嬢さんにしては随分と折り目正しいお人だ。
   こちらこそ宜しゅう申しあげやす。」ぺこり

斎藤「野郎ども!!」

若い衆s「「「宜しゅう申しあげやす!!」」」



~紬の部屋~

律「唯、お前なぁ…」

唯「えへへ~お父さんが仁侠物大好きでさあ、ずっと憧れてたんだよね~♪」

澪「や、やっぱり落ち着かない…」

梓「ふぅ。それにしても、紬先輩の部屋、ずいぶんファンシーですね。」

唯「掛軸とか日本刀とか飾ってあるのを期待しちゃったよ~」

紬「ごめんなさいね、ぬいぐるみばっかりで。
  お父さんの部屋はそういう感じなんだけれど…」

律(まあそうだろうな…)

梓「本当に驚きました。紬先輩のお家がヤクザさんだったなんて…」

律「こら梓っ!」

梓「あ、すいません…」

紬「いいのよ、事実だから。」

紬「今日みんなに来てもらったのも、それを知ってもらうつもりだったから。」

唯「ムギちゃん…」

紬「お父さんがこういう仕事をしてるから、今までできたお友達は、何歩も引いて接してくるか、離れていくかで…」

紬「本当のお友達なんてぜんぜんいなかったの。」

紬「でも桜高に入ってみんなと出会って…」

紬「私はみんなのことが大好きになった。だから…」

紬「私のこと、私のお家のことを知ってもらって…」

紬「それでも、それ…でもお友達でいてくれたら…」ポロ…ポロ…

律「ムギ!んなこと言うな!どんなことあってもあたしらの中は変わんないから!」

紬「りっちゃん…」

唯「そぉだよ~!嫌うどころか尊敬し始めてるよあたしゃ!」

梓「そういうことですよ、紬先輩。」

紬「みんな…」

澪「わ…わたし…だって…」ガクガク

律「澪、生まれたての小鹿みたいだぞ…」

紬「澪ちゃんも有り難う」

澪「ムギ…」

若い衆B「失礼いたしやすっ!!」

澪「ヒッ…」ガクブル…

若い衆B「お嬢さんっ!!夕餉の支度が調いやしたっ!!」

紬「あらありがとう。では居間に行きましょうか。」

律(澪大丈夫か~?)

澪(うぅ…)



若い衆B「こちらでごぜえやす。」

若い衆B「おやっさんっ!!お嬢さんとお客人方、お連れいたしやした!!」

男性「おお。入ってくれ。」

若い衆B「ささっどうぞ!!」

律「GOKURI…」

唯「わくわく…」

梓「スゥハァ…スゥハァ…」

澪「  」



紬父「お嬢さん方、はじめまして。紬の父です。」

律(沢庵!!まごうことなき沢庵!!)

梓(沢庵の遺伝子だぁ…)

唯「どうか!!どうかお控えなすってぇぇ!!」

律「またかよ!?」

このあと唯の「名乗り」が10分ほど続きます



紬父「斎藤から聞いてはいたが、昨今には珍しく肝の座ったお嬢さんだ。」

紬母「ええ、見ほれてしまいましたよ。」

唯「えへへ~///」

律(お母さんは沢庵じゃないんだな。)ヒソヒソ

梓(でも和服に昔の人の髪型で…まさに極妻ですね…)ヒソヒソ

紬母「さあさあ、みなさん、召し上がって頂戴な。」

律「すっげぇ豪華…」モグモグ…

唯「こんなのお誕生日でも食べられないよ~」パクパク…

梓「そういえば紬先輩。よく行くあの楽器店も紬先輩のお家の会社なんですよね?」

紬「ええそうよ。」

紬父「あの店か…」

紬父「暴対法が厳しくなってから、資金繰りに苦労するようになってね。
   こんな渡世をしていると、カタギの方は勘違いなさるかもしれないが、
   うちの組のシノギの半分は法律に触れない稼ぎでね。」

紬母「あなた!」

紬父「おっとすまない。お嬢さん方にする話じゃなかったね。」

梓「あはは…(もう半分は法律に触れるんだ…)」

澪「 」

律「おい澪!」

澪「ハッ…」

律「箸が進んでないぞ!紬のお母さんに失礼だろ!」

澪「ア、アア…」

紬父「こちらの黒髪のお嬢さん…」ズイッ!

澪「ヒッ…」

紬父「よく見りゃ母さんの若いころにそっくりだ!器量といい…」

紬母「あらまあ…」

紬父「若いころのうちの母さんのドス裁きといったらもう、なあ斎藤?」

斎藤「へい!姐さんの太刀筋は関西一体に轟いたもんでさあ…」

紬母「嫌ですよ恥ずかしい…」

澪(うう…おうち帰りたい…)

若い衆「かしらっ!!おやっさんっっ!!!!」

斎藤「馬鹿野郎!!お客人が見えてんだ!!静かにしねぇか!!」

若い衆C「それが…山中会の奴等が…」

斎藤「なんでぃ!!弱虫の山中なんぞは、お前ら下のもんがうまくやれや!
   一々おやっさんに報告すなっ!!」 

若い衆D「そ、それがですよ、山中の兵隊動かしてるのが…夜叉サワなんですよ!!」

紬父「なにっ!?」

律(ムギ…山中会とか夜叉サワってなんだ?)

紬(山中会っていうのは、うちのライバル組織なんだけれど…)

紬父「夜叉サワが出張ったならワシが行かんとあかんめぇ!」

紬母「あんた!?」

紬父「チャカ持ってこい!!斎藤、兵隊集めろ!」

斎藤「へい!!」

唯「うわ~カチコミだ~!!」キラキラ…

律梓「ガクガク…」

澪「  」

紬「お父さん…」

その後すぐに、唯たちは組の若いもんに送られて各自帰宅した。
そして、次の日…



唯「zzz…むふふ…伊勢海老もー食べられないよぉ~」

♪~(携帯着信)

唯「zzz…でも~食べちゃう…」

♪~(携帯着信)

唯「…ん?け、たい?」

カチ

唯「ふぁ~い」

律『やっと出た!唯!いますぐテレビ見ろ!○チャンネル!』

唯「へぇ~?」

律『いいから早くしろ!!』



憂「あっお姉ちゃん!日曜なのに早いねぇ。」

唯「リモコンリモコン…ういー、テレビのリモコンはぁ?」

憂「そこにあるよ~」

唯「えっと○チャンネル…」
Pi!

キャスター『襲撃された琴吹組組長○○氏は意識不明の状態であり、
      府警は同氏の夫人と幹部を中心に取り調べを…』

唯「え!?ムギちゃんのお父さん…」

律『病院は調べてある!すぐ行くぞ!』

唯「あ…う、うん!」



~京都府内某病院~

紬「…」

律「ムギー!」

唯「ムギちゃん!」

紬「みんな…」

唯「お父さんの具合はどうなの!?」

紬「命に別状は…ないらしいけど…」ポロ…

澪「ムギ…」ギュ…

紬「みおちゃん…う、うぅ…」

律「昨日言ってた山中会って奴等が…」

斎藤「お嬢さん…皆さん…」

紬「斎藤!!あなたは大丈夫なの!?」

斎藤「へい。掠り傷だけでさぁ…替わりにオヤジさんをこんな目に…」チャキッ

澪「ヒィィィィ!!」

斎藤「あっしの右腕でこの責めを…!」

紬「斎藤止めて!今はあなたがしっかりしなきゃ!」

斎藤「お嬢さん…」

紬「お母さんはまだ取り調べ?」

斎藤「へい、あっしと入れ違いになったんでもうしばらくは…」

紬「そう…」

紬「斎藤、話してくれる?お父さんをこんな風にしたのは、山中会って人たちなのね?」

斎藤「…」

紬「斎藤!」

斎藤「へ、へい…といっても、相手は一人だけだったんでさあ…」

紬「一人の人間に!?琴吹組からは20人以上走ったじゃない!?」※走る=抗争に出向く

斎藤「うちの下の組織の事務所に山中組のカチコミがありやして…」

斎藤「そこに向かう途中に襲われたんでさあ…」

唯「…」

紬「そうだったの…」

唯「多分陽動だね~」

律「は?唯お前何を…」

唯「つまり、最初からムギちゃんのお父さんを襲う目的で抗争を仕掛けたんだよきっと。」


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