U斬「さて、私は、寄生虫の存在しないマブナやライギョ
を手にいれるにあたり…」
U斬「マブナやライギョより、食物連鎖的にですが
いわゆる下位にある、貝や小魚に目を向けました。」
U斬「これらが、なぜ、寄生虫を有しているかというと、
それを根源的にさかのぼれば外部との接触が原因です。」
大原「そ、それも常識以前のような…」
U斬 「なので、東北のある沼なのですが…ライギョやフナが泳ぐ場所があるため、
そこにある、ライギョやフナより下位にある連鎖の食物から」
U斬 「寄生虫を取り除くことにしました。」
U斬「非常に手間のかかる作業ですが、不可能ではありません。」
U斬「多くは、小型の貝類が最初的な宿主でした。」
U斬「外部と遮断された、清涼な湖沼でしたので、数年を用しましたが、
寄生虫を絶滅させました。」
U斬「卵(らん)で繁殖する魚類には母子感染などありませんからな。」
U斬「ただし、この方法は、回遊魚に対しては応用不可能です。」
海と河川を行き来する回遊魚には…」
U斬「養殖的形態をとれば別ですが…」
U斬「もっとも、湖沼にある魚を天然といいますが、
国内の多くの湖沼に魚が存在するのは、人間がそこに持ち込んだという因も多い。」
U斬「結局のところ小型の湖沼を作ればよいのですが、
それですと、先ほどの団社長のような考えを差し挟む方もおられるので。」
U斬「それに、寄生虫のいない環境をつくり維持するのが目的なため、
結果的には既存の小型の湖沼から寄生虫を取り除くほうが
時間的にも費用的にも軽くすむ。」
京極「し、しかし寄生虫がない状態をつくり維持するんためには
小型の湖沼だとしてんも莫大な費用と労力が…」
U斬「この<ユウキル>、食のためなら、なんでもするっ!!!!」
「「「「や、やはり美食ビースト!!!!!」」」」
U斬「しかしですな、アユ刺しに応用できないのが残念。
あれもうまい…」
U斬「…さて、私がこのようなことを考え実行したのは、
一言で言うと、奇を衒う…のではなく、奇を思うためです。」
陶人「奇か…正と奇…」
U斬「先生のおっしゃるとおりです。
孫子はその著の中で、奇つまり策略と、正、通常的な攻勢の使い方を説いています」
U斬「ただし、正>奇ですが。奇は正のためにのみ存在します。
それ自体のためではない。そして正は何のために…
いや、これ以上はあとに残しておきましょう。」
U斬「この観点を食にあてはめれば…」
U斬「食は何のためにあるのか…」
U斬「私が今しているメイクは、見ての通り、歌舞伎の隈取を参考にしました。」
U斬「安易な類推ですが、皆さんご存知の通り、
歌舞伎は、もとをただすと傾奇くです、そして江戸期以前より遡ると…」
唯「えどぉ?」
梓「江戸時代知らないとかないですよね?まさか…」
U斬「江戸期以前よりさかのぼると、『かぶく』は『ばさら』です。」
大原「婆娑羅か…」
U斬「『ばさら』は『太平記』の時代、室町初期に現れましたが、
その体現者たちは同書のなかで非常に暴虐無人な様が描かれています。」
U斬「そう、『ばさら』を簡単に言えば、破天荒な振る舞い、生き方なのです。」
唯「む、むろまちぃ…?」
梓「せんぱい…」
U斬「しかし注意しなくてはなりません、これには…
公家的な、そして北朝よりの武士の見方があります。」
U斬「加えて、庶民の思いを同時代の資料から伺うことははっきり言えば難しい。
庶民よりに書いてあっても記述者は支配層、主に武士です。」
澪「(気持ち悪いのおさまった…)ムギのご先祖様は室町時代何やってたんだ?
偉かったんだろ?」
紬「諸大臣や関白が多かったかしら~」
澪「えっ…」
U斬「我々は彼らを誤解をしてきたのではないでしょうか?」
U斬「歴史の流れを分枝のようなものでみると…
研究者はそのようなものを当然ひどく批判しますが…」
U斬「西洋的な歴史観は、キリスト教的救済にのっとり、直線です。
それに対して、日本は仏教的なものを受けて円環だ。」
U斬「発展しやがて至福にいたると希求するのと、
結局は巡り巡るとする…」
U斬「そう…」
U斬「そのような世、ことに乱れていた世を受けて
彼ら『ばさら』は自らの身をもって、それを逸らせようとしたのでは?」
U斬「世に対することを身をもって」
U斬「幕府よりの『ばさら』が多かったのも事実ですが…」
U斬「世は正、彼らの生き方が奇、です。」
U斬「として、この前半を締めくくりたい。」
京極「うーむ…こりゃ…」
団社長「生死観ですね…」
陶人「ははっ!ははははっ!!そういうことか!」
さわ子「若いうちは美貌に磨きかけて
イイオトコとつきあってればいいのよ♪」
唯「…プスプス…」
澪「唯しっかりしろっ!!」
憂「おねえちゃんーーーー!(泣)」
そして、対決(バトル)がはじまる…
最終更新:2011年05月05日 19:53