テレビの前
山岡「ポカーン」
ゆう子「ポカーン」
澪「い、いや…これは…」
唯「あっ!U斬は 〈ユウザン〉じゃなくて
<ユウキル>って読むんだって♪」
憂「へぇ~!さっすがお姉ちゃん!!物知りなんだぁぁ!!」
唯「えへへへ…////」
律「えっと…これ…一応録画放送…だよな?」
ゆう子「あなた、いったい何を送って差し上げたの…?」
山岡「いや…Led Zeppelinを…の…はず…なんだが…」
ゆう子「私は故忌野氏やGAKHT氏の音楽性も理解したいわ…」
ゆう子「けれど…」
ゆう子「同じことお義父さんがやったら、
どうにかなっちゃった老年オヤジじゃないの!?」
梓「え、えっと、ゆう子さん…それはちょっと違うと思います…」
ゆう子「なんですって!?」
梓「ひっ!?(泣)」
紬「あ、あの ゆう子さん、ここは穏便に…」
ゆう子「はっ!?私ったら…」
ゆう子「梓ちゃん、ごめんなさい…私、ちょっと頭に血が上って…
お話を続けて頂戴…」
律(そりゃ舅がとち狂っちゃなあ…)
梓「は、はい…」
梓「ね、年齢のお話をされているのなら、
海原さんはメタルバンドのKISSのメンバーと、か、変わらないわけですし…」
梓「ローリング・ストーンズのキースは還暦を過ぎても…」
梓「いわゆる、その不良哲学に誇りをもっています…」
梓「海原さんぐらいの方なら、
そのお年で音楽の路を追及するようになって…」
梓「一気にロックやメタルの真髄を理解されたのでは…ないかと…」
澪(梓…わかったようなこといって…ぜんぜんわかってないよな…)
澪「!」
澪「海原氏のバンド…明日のMステに出演するぞ!!」
律「えッ…」
山岡「なんだって!!!」
ゆう子「きょ…共演者の方は…」
澪「えっと…坂本教授、ダ○ンタウンの浜○さん、エ○ファントカシマシ、
倖○來未、m○sono…」
律「やばいな…それは…」
紬「朝日は今度の衆院選、現野党の圧勝だと確信して
調子に乗ってるのかしら…」
山岡(やべ…いつもどおりみたいに、伝説的なロッカーにまつわる食い物探して
ついでに良い話みつけてうまくまとめようと思ったんだが…)
ゆう子「あなた…」
山岡「とりあえず、今日はいったん帰ることにするよ…」
律「…」
澪「ふぅ…どうなっちゃうんだろうな…」
律「まあ、ここまで漕ぎつけただけでもさあ~
音楽ってことなら、わたしらも山岡さんに協力できるわけだし…」
唯「…」そぉ~っ…
澪「って唯!?こんな時間にどこ行く気だよ!?」
唯「え…えと…よっすぃーのパパの慎ちゃんに…会いに…」
澪「会えるわけないだろ!?」
紬「会いたいの?ちょっと待っててね…」
澪「会えるのかよぉっ…!」
こうして副都心の夜は更けていく…
翌日
律「ぐーぐー…」
唯「すいーーっ…くぅおっ…すぅう…」
澪「ZZZ…」
紬「うふう…みんなの寝顔かわいいわぁ…」●REC
梓「ふにゅ…う…」
憂「オ…ネエ…チャン…」
紬「こっちの二人なんて…もはや犯罪の域…」●REC
さわ子「ムギちゃん、何やってるのかなあ?」
紬「ヒッ…」
荒井「あらあら~これはいわゆる百合かしらねぇ!」
三谷「高校時代が懐かしいわぁ…」
荒井「そうそう!私もそういう思い出がさぁ…」
山岡「オエエ…」
荒井「聞こえてんのよ!ボンクラがっ!!」ドゴッ!
山岡「ギャッ!!!」
紬「皆さんこんな朝早くから…」
山岡「ぐえええ…」
ゆう子「みんなを案内してあげたいところがあるのよ。」
山岡「と、とにかく、この子達を起こして…」
-築地-
唯「すっごーーい!!」
澪「でもなんか、もうお終いみたいだな…」
山岡「競りを見たけりゃ、もっと早く起きないとね。」
山岡「今日用があるのは…あそこさ。」
梓「食堂ですか?」
唯「ごはんーーーーーー!!」
主人「いらっしゃい!あっこりゃ、山岡さん!」
山岡「お邪魔しますよ!」
唯「マグロにアナゴに…いっぱいあるなぁ…」
山岡「ここはマグロの山掛け丼が旨くてね」
律「しかも安っす!」
紬「え?安いの?」
律「ムギ…」
紬「ごめんなさい…私、一般的な金銭感覚がよくわからなくて…」
山岡「金持ちはこれだから…」
ゆう子「あなたっ!!」
富井「はぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐ」
さわ子「がつがつがつがつがつがつがつがつがつ」
梓(うわぁ…この二人血は繋がってないのに…やっぱり…)
唯「おっおっおおぃすぃーー!!」
澪「京都ではこういうのは食べれないよな、舞鶴や大阪出れば別だけど…」
三谷「難波に安くておいしいマグロ料理を出すお店があったわねえ」
主人「お嬢さん!これもかけてみてよ!あっほんのちょっとだけだよ!」
つ小さいすり鉢
唯「へ?…つーんとする…けどさわやか~」
憂「山椒だね!」
律「ウナギにかけるのだろ?くんくん…」
律「ウチで食べたときは…ただツンとしたやつだったけど…」
山岡「辛味調味料はすべからく…
採りたてをすぐ仕立てないと風味がおちる。」
山岡「その最もが山椒なんだ。」
律「へ~」
憂「それに結構、すり具合をうまく調節するのが大変で…」
山岡「…」
憂「えっ私なんか変なこと言いましたっ!?」
山岡「いやいやなんでもない、なんでもない…
(憂ちゃん、これはひょっとすると…)」
唯「ぱらばら~」
唯「ばくっ…」
唯「これはっ!?」
澪「複雑で深みがあって…しっかりした…けれど優しい辛さ…」
山岡「おっ澪ちゃん謳うねぇ…」
律「こいつの詩作ノート読んでみます?
下手なお笑い番組よりも面白いですよ!ニヤニヤ」
澪「こ…こら!!////」
憂「あっ…その瓶に活けてあるのが…」
主人「今日使う分を今朝一番でとってね、活けておくんだ」
憂「すごーい!いいなぁ…」
主人「お嬢さん欲しいのかい?」
憂「えっ…いいんですか!?」
このあと、出社する富井や荒川と分かれた唯たち一行は、
取材という山岡の口実のもと、都内を案内してもらった。
しかし…
唯「平日だけど…この辺は弾き語りの人がおおいねぇ~」
律「あたしらも今度やってみようぜ!」
澪(イヤだ人の視線怖い人ごみ怖い…)
梓「…」
ゆう子「どうしたの梓ちゃん」
梓「あの人の…ギターなんですけど…」
澪「あのアコースティック?」
梓「はい、多分マーティン社のそれも年代モノです。」
律「いくらぐらいすんの~?」
梓「多分なん百万円も…」
山岡「そりゃすごい…あの人、金もってるように…」
山岡「!!」
山岡「おっおいあれ…あれは…」
ゆう子「どうしたの?」
ゆう子「あっ…!」
「「金上!!(さん!!)」」
さわ子「金上というのはコミックス50巻代に登場したいわゆる悪役よ。
極亜テレビという会社の社長で、まあ、やりたい限りの非道を行って
結局は失脚→退場になったのよね。」
律「さわちゃん、誰に話してんの?」
金上「♪~ ♪~」
山岡「…」
ゆう子「あ、あなた…」
金上「?」
金上「お前達はっ!?」
金上「いや、もうどうでもいいことか…」
金上「一曲聴くか?」
山岡「ああ。ついでに、あんたがなぜここでこうしてるのかも…」
金上「…」
金上「わかった…」
金上「極亜を追われたあと、個人的にやっていた事業を潰し、
俺も自己破産。くだらない転落者の末路だ。」
ゆう子(あの悪魔みたいだった人がすっかり毒気を抜かれて…)
金上「でも、このギターだけは手放せなくてな。」
金上「お前は思ってるんだろう?悪逆の限りを尽くした俺が音楽だなんて…
しかしな、すべてを失った今こそ、やりたいことをしたくなったんだ。」
さわ子(ふふぁーあ…何この三文昼どら…)
金上「♪~♪~」
山岡「…」
ゆう子「…」
金上「家が近くなんだが、よかったら寄っていかないか?
これも何かの縁だろう、罪滅ぼしにもならないが、茶でも出す。」
ゆう子「あなた…」
山岡「ああ、お言葉に甘えるよ。」
さわ子(なんか美味しんぼによくあるパターンね…)
最終更新:2011年05月05日 19:47