谷村部長「富井君!ノックもせず無礼ではないかね!!」

小泉「谷村君!君は、山岡といい…富井君といい…」

谷村「ハッ…私の指導が至らぬものでして…」

京極「まあまあ…富井はんもまあ、ついでやからそこに座って…」

大原「富井君!!」

富井「ハッ…はい!!」

京極「で、どこまで話したか…
   その桜ヶ丘高校の女性徒のために山岡はんの力をな…」

富井「!」

山岡「ふぁーあ…」

栗田「あなた!…じゃない…山岡さん!!」

大原「山岡貴様…」

京極「お父上の海原さんと仲直りした今なら、それもたやすいやろ?」

富井「!」

山岡「…ふぅ」

小泉「や、やややっやや山岡ぁぁぁぁ!!!」

山岡「やーですよ。親父は親父、俺は俺。」

栗田(クスッ…「親父」ですって…)

大原「き、きさま…」

山岡「大体今は、全県味めぐりという課題で、時間も…『金銭的余裕』もないのにねえ…」

小泉「ぐぬぬぬぬ…」

山岡「共働きとはいえ食べ盛りの双子を抱える我が家の家計は…」

小泉「やはり、こいつはリストラして栗田君を…」

富井「山岡ァ!!」

山岡「はい?」

富井「そんなに金がほしいか!?よしくれてやる!!」

山岡「はい!?」

谷村「富井くん!?」

富井「社主、局長、部長!
   どうか山岡および栗田君のボーナス評定を
   加味していただけませんでしょうか!?」

「「「!!!」」」

富井「彼ら夫婦は、日本全権味めぐりの名のもとに、
   まだ、幼い子供達を置いて…日本全国…」

富井「その際かかる保育料、交際費etcはどれ程か…」

栗田「副部長…」

山岡(まあ、ウチの子達はおチヨに預けるんだけど…)

谷村「富井君…」

大原「わかった!山岡君および栗田君の
   ボーナス評定を来期まで二期、Sとする!」

山岡「本当ですか!?」

栗田「あらまあ…」

大原「そのかわり、わかってるな…」

山岡「はい!もう存分に!親父の最高傑作すら命あれば盗ってくる所存で!!」

大原「富井君!私は君のね、業務と部下を思う心に打たれたよ…」

副部長「社主…」

京極「あ、え、ええかいな?では山岡はんが協力してくれるということで?」

山岡「そりゃー…もぉ!」



京極「で、どうやって海原はんを説得するんか?」

山岡「親父は、ロック嫌いとはいえ、いわゆる生粋の芸術家です。」

山岡「良いものにはなんであれ心を動かされる、
  『癖』のようなものがあります。」

山岡「なので今回は…」



数日後 美食倶楽部

中川「先生!」

雄山「どうした、中川?」

中川「若から小包が…」

雄山「なにぃいいい!?」

雄山「これは…シーデーか!?」

中川「DVDではないかと…」

雄山「でーぶでー?なんだそれは!?シーデーではないのか!?」

中川「私も詳しくは存じないのですが、
   ビデオの内容がCDに入ったもののようで…」

雄山「ビデオだと!?」

雄山「よし!シーデープレーヤーをすぐここにもってこい!」

中川「あ、先生…」

雄山「なんだ中川っ!!??」

中川「ヒッ…DVDを見るにはCDと別の機会が必要になるらしいんです…」

雄山「なにぃ!!??」

中川「良三がもってい…」

雄山「すぐここにもってこい!!」

中川「は、はい…!」



そして…

雄山(楊士、遊美、遊璃…)

雄山(気を張ってはいても、所詮はお祖父ちゃんも人なのだ…)

雄山(お前達を愛してやまぬ孫煩悩な爺なのだ…)

雄山(母さんにも見せてやりたかったな…孫達の姿を…)

雄山(士郎、ゆう子ちゃん…ありがとう…)

雄山(再生は…良三の話だと…このすいっちか…)

ぽちっ…

雄山(陽士たちの無邪気に遊ぶ姿が……!!!)



ぎゅいーーーんぎゅいいいいんぎぃいいんぎぃいん!!!!!

雄山「!!!!?????」

雄山「なんだこれはぁぁぁぁ!!!!!」

雄山「なぜ我が孫達でなく、弦楽器を弾く
   外国人男性どもが映っているのだぁぁぁぁ!?」

雄山「楊士たちの成長記録ではなかったのか!?」

雄山「れっどてっぺりん!?」

雄山「なんだこれは!!??」

雄山「なん…」

雄山「な…」


雄山「…」



雄山「!!!!!!!!!!」



ゆう子「あなた、大丈夫だったの?
    ああいったものをお義父さんに送って…」

山岡「なあに、親父の性格をよくわかった上でさ。」

山岡「親父は、哀しいぐらいに芸術家だからな。」

ゆう子「…」

山岡「もう七月末か…。今度の対決は
   例の女子高生達にも手伝ってもらうかなぁ。」

ゆう子(まさか、そのお膳立てのために…)

ゆう子(クスッ…馬鹿な親子…)



団社長「ということで、主催側としては、今回、
    帝都新聞側び東西新聞の要求を折半して…」

団社長「『ロックと美食』という題のもとに、
    競って頂きたいと考えています。」

大原「ロックと美食…」

嶺山社長(帝都新聞)「おや、大原さん、今回は干戈を交えもせずに
           引き揚げられるのですかな!?」

大原「なんですと!?」

嶺山「東西新聞は確かに、伝統文化に関する
   報道に関しては一日の長があるが…」

嶺山「現代文化を取り上げるとなると…はて、と、もっぱらの…まあ…フフッツ」

大原「何をおっしゃられるか!わが社に異存など…あるはずもない!」

嶺山「その威勢がいつまで続けばいいか…」

ゆう子(京極さんが内密に団社長にも働きかけてくれたのよね…)

ゆう子(ちょっとズルかもしれないけれど…)

団「すいません、まだ今回の説明が…」

嶺山「これは失礼を…」

大原「…」

団「今回は先述のような題材です。加えて、両新聞社とも、
  文化・芸術面にかけては広い支持層を持っておられる。」

団「ということで、美食対決と重ねて演奏という面での
  対決も試みたいのですがどうでしょう?」

大原「なんですと!?」

嶺山「依存ありません。なにより、海原先生がロックに目覚められ、
   ロックバンドをお始めになりましたからな。」

山岡「!!!!!」

栗田「えっ…」


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