― 16:44 陸上自衛隊北部方面隊総監部
花谷「―地下鉄構内で観測されている高圧高濃度の酸素環境では、
地球上の多くの生物は寿命を全うすることが困難であります。以上」
「渡良瀬二佐からは何かないか?」
「今回の敵は全くの異生物です。共存の可能性はゼロです。敵の生存を許せば我々に未来はなく、我々が生き残るために
は、殲滅戦の覚悟を持って臨む以外無いと考えます」
幕僚「…」
― 17:55 札幌市南区定山渓 Dホテル
唯「ねーうい。この2番の有料って何ー?」
憂「それはお金を出してまで見る必要の無いものだよお姉ちゃん」
澪「…ハハハ」
紬「唯ちゃん、私とちょっとお散歩に行かない?」
律「そういえば札幌ってスギがないんだもんなぁー。さっき知ったよ。花粉症無くていいなぁ」
紬「あ、その代わり北海道じゃシラカバ花粉で花粉症になるの」
梓「花粉…あれ?あの植物ってどうやって増えるんだろ?」
ジリリリリリリリリリ
律「はい。もしもし…ああ…ありがとうございます。梓、渡良瀬さん来てるって」
………
……
…
渡良瀬「お寛ぎのところ申し訳ありません。実は草体の爆破が決定しまして」
梓「爆破、ですか」
渡良瀬「ええ。あの草体は一応植物と考え、その根を切断、焼却し養分補給を絶つという方針です。
生物と草体は共生していて、どちらか一方を排除すれば解決すると考えました」
梓「…ところであの植物ってどうやって増えるんでしょうか」
渡良瀬「どうやってって…種ですかね?」
梓「その種はどうやって運ばれるんでしょうか」
渡良瀬「あの生物ですかね?」
梓「あれって…そもそも落下物として来たんですよね?」
渡良瀬「正確には流星群らしいですが」
梓「どうやって地球外に出るんでしょうか」
渡良瀬「ロケットでも…ロケット!?」
梓「…もしそのロケットの役割が爆発だとしたら」
渡良瀬「!」
― 5/5 01:44 札幌市中央区すすきの
シュー シュー シュー
自衛隊員A「おい。なんか湯気出てないか」
自衛隊員B「確かに。どうなってるんだ?」
自衛隊員C「おい…あれ…開いてきてるぞ!」
自衛隊員D「報告だ!急げ」
― 5/5 05:22 札幌市南区真駒内 陸上自衛隊北部方面隊真駒内駐屯地
コンコン
自衛隊員「失礼します!」
渡良瀬「!どうした?」
自衛隊員「草体に花が咲きました」
渡良瀬「花?何色の?」
自衛隊員「いえ、聞いておりません!また、草体の爆破は時間を繰り上げるとのことです!」
― 5/5 06:59 札幌市中央区すすきの
シュコーシュコー
渡良瀬「赤い花だな」
自衛隊員「ええ。赤いですね」
自衛隊員「渡良瀬二佐!酸素濃度が危険値を超え、地上部分の爆破は中止との事です!」
― 5/5 07:59 札幌市中央区北1西13 札幌市広報車 車内
スピーカー『こちらは札幌市役所です。地下鉄すすきの駅に出現した物体に対し、自衛隊の攻撃が決定しました。
この決定に伴いすすきの駅を中心とする半径4キロの地区に避難指示が発令されました。
該当区域にお住まいの皆さんは、係員の指示に従って速やかに退避してください』
運転席の職員『…鈴井さん。これこの後どうなるんですかねー?絶対避難しない奴いますよ』
助手席の職員『大泉お前いい加減黙って運転しろよ…。まぁなるようになるんじゃないの。』
― 5/5 08:49 札幌市営地下鉄南北線 構内
自衛隊員A「タイガー!こちらニイマル。爆薬設置は予定通り進行中!」
バリバリ バチッバチッ
自衛隊員B「吸盤の無いタコ足みたいだなこれ」
自衛隊員C「早く吹き飛ばしてやろうぜこれ。キモいし」
レギオン「ギギョ!」
自衛隊員D「生物発見!」
自衛隊員E「射撃用意!」
ダダン!ダダダダダダダ!
― 5/5 09:49 札幌市中央区大通公園 大通DCP
自衛隊員K「すすきの地区の避難、予定通り進行中!」
自衛隊員M「幌平橋、豊平橋、封鎖完了!」
戦闘指揮「通信は」
自衛隊員L「依然回復せず!」
戦闘指揮「構内班との連絡は?」
自衛隊員J「現在は手旗、夜間は照明で実施します!」
― 5/5 10:09 札幌市南区定山渓 ホテルD ロビー
紬「ええ。ええ。わかったわ。ありがとう斉藤」
澪「どした?ムギ」
紬「例の草体の影響で新千歳が全便欠航らしいわ」
憂「あれ?じゃあ帰れないってことですか?」
紬「そうなるかもしれないわね…。とりあえず函館空港で手配してくれるみたいだけど」
律「よっしゃ!」
唯「やった!北海道もう一泊!」
澪「さわちゃんが文句言えない合法的欠席かぁ」
紬「ゴールデンウイークに一日おまけが付くみたいね」
憂「そういえば札幌のアレはどうなったんでしょうか」
梓「…」
……
― ホテル前 タクシープール
ガチャ!
運転手「!」
梓「大通公園まで!」
運転手「えっ、ダメだよあっちは避難指示でてんだから」
梓「お願いします!」
運転手「…わかったよ。大通公園だね」
梓「ありがとうございます!」
バタン! ブオーンブロロロロロ
ブロロロロロロロロ
運転手「…お姉ちゃん。なんでこんな時に大通行くの?」
梓「大通公園に私の…私の」
運転手「…まぁとりあえず野次馬じゃなさそうだね。
ただ送ってけるのも行けるとこまでだよ」
梓「本当にありがとうございます」
……
澪「大変だ!梓ホントにタクシーで行っちゃったぞ!」
紬「梓ちゃんをそうさせるのは一体何かしら!」
唯「ムギちゃん!私たちも行こう!」
律「ああ!頼むムギ!」
憂「お願いします!」
紬「もちろんそのつもりよ!」
―とりあえず一部 完
次回予告
最終防衛ライン
札幌消滅
防衛出動命令
爆破は地下鉄構内だけに
頚が痛い>>1
我が名はレギオン
大型レギオン出現
大勢であるが故に
とにかく本日中には何がなんでも完結!
最終更新:2011年05月05日 18:22