・・・・・・
・・・・


紬「えっ」

ウーウーウー
ピーポーピーポー
ヒュヒュヒュンヒュンヒュンヒュ

シューシュー

消防隊員1「救出急げー!」

消防隊員2「こちら側は鎮火」

警察官1「現在も無線が回復していない!」

警察官2「携帯も固定も警電も全部ダメだ!」

機動隊員A「自衛隊はまだか!?」

消防隊員C「さっきから出てるこの煙ヤバいんじゃないか!?」

機動隊員B「ガス検知器が来てないんだ!有毒ガスかもわからん」

救急隊員「構内の状況はまだわからないか!」

レスキュー隊員「救急車をもっと回してくれ!誰か!」

ファンファンファンファンファン

「えーこちらは薄野交番です!現在大変危険です!危険です!ここから退避して下さい!」


紬(これは…地獄…?…悪夢なの?)

警察官2「おい君!危険だから早く向かい側の規制線に避難して!」

紬(崩れたデパート…潰れた車…路面電車……そして…巨大な植物…)



同時刻― すすきの(南3条西4側)

澪「これ…なんだ?」

律「は、花…だよな?」

澪「ゆ、唯達って…ぶ、無事だよね?」

律「た…多分無事じゃねぇかな?」

澪律「」

……



……

紬「律ちゃん!澪ちゃん!」

律「ムギ!」

澪「無事!?」

紬「ええ。私は無事!」

律「唯は!憂や梓は!」

紬「唯ちゃん達も無事みたい!ただ事故に遭った電車に乗ってたみたいよ!

さっき救出されたみたいだけど。とにかく大通に行きましょう!」

澪「ああ!行こう!」



―札幌市中央区 大通公園 地下鉄6番出口

ピーポーピーポーピーポー
ウーウーウー
機動隊員A「無線が通じない状況で救出は無理だ!」

機動隊員B「しかし乗客が!」

対銃器隊員「クソ!マルサンも乗客も…!」


憂「…」

梓「…」

唯「お腹すいたー」



紬「みんな!」

澪「梓!憂!」

律「おお!無事だったか!よかったぁ!」

唯「うわぁぁぁぁぁムギちゃーん!」

ドドドド キキッ

梓「…自衛隊!」



小隊長「!」

自衛官「ご苦労様です」

小隊長「あなた達は?」

自衛官「連絡来てませんか?」

小隊長「いや…出動要請は出てるんですか?」

自衛官「通信が大分混乱してるようですからね。地下鉄構内を調査するように言われまして」

小隊長「調査?」



梓「本当に先輩達も無事でよかったです」

紬「とにかくみんな無事で良かった」

唯「いやぁー死ぬかと思ったよ!」

律「ハハッ」

澪「もうとにかくここからは離れようよ」

自衛官「すみません。ちょっと待って下さい」

「?」

律「お?何だ何だ?」

自衛官「自分は陸上自衛隊大宮化学学校に所属する渡良瀬といいます」

自衛官A「花谷です。どうも」

渡良瀬「あなた方は地下鉄での事態を知っている重要な証人です。お話、お聞かせ願えませんか?」

梓「あの生物ですね」

紬「えっ?」

渡良瀬「やはり生物ですか。我々も追ってはいましたが後手後手に回りまして。…花谷頼んだ」

花谷「了解。佐竹一佐!構内の方に入ります」

自衛官「了解!」

唯「おおーっ」

梓「あれは一体なんなんですか?普通の動物ではありませんね?」

渡良瀬「ええ。数日前の恵庭岳への隕石落下はご存じですか?アレと関わりが深いようです」

梓「宇宙生物、なんて言いませんよね」

渡良瀬「そのまさかです」

梓「バカにしてるんですか?」

渡良瀬「至って真剣ですよ。地下鉄の事故にすすきののビルに生えた植物。もはやこれは非常事態です」

梓「植物?」

渡良瀬「ええ。地下鉄事故の直後にすすきのにあるデパートに常識では考えられないような巨大な植物が」

梓「そんな…」

渡良瀬「たった数日間で我々は今生態系、危機管理、いや、最早ありとあらゆる常識を覆す事態に直面しています。どうかご協力を」

梓「…わかりました」



澪「なぁ。梓は…何を話してるんだ?」

律「さ、さぁ?」

唯「お腹すいたー」

紬「あっ、とりあえずお茶に」

憂「…」



花谷「渡良瀬二佐!構内の計測結果が出ました!」

渡良瀬
「ああ。見せてくれ」

花谷「…酸素濃度が通常の5倍に。更に生物を地下鉄構内で確認。駅から200メートル程の所まで」

渡良瀬「上に報告して交通局にトンネルの閉鎖をするよう要請を」

花谷「はい!」

渡良瀬「時間がなくなってきているようです」

梓「…」



―13:35 札幌市南区真駒内 陸上自衛隊北部方面隊真駒内駐屯地

梓「確かあの時は地下鉄に乗っていたら電車が急停車して」

憂「案内放送のあとしばらくして電気が消えたんですよね」

唯「自衛隊さんのカレー美味しいねー♪」

渡良瀬「…お口に合うようで何よりです。それで」

梓「非常灯が点かないうちに前の車両から悲鳴が聞こえて」

憂「他に乗っていた人がこっちに走って逃げてきました」

唯「あっ、すいませーんお代わりってないんですか?」

食堂職員「ごめんなさい。そこで食券買ってもらえる?」

渡良瀬「電車が襲撃されたんですね」

梓「そのうち電車の上の方を何かが迫ってくるような音がして」

憂「前の車両とこちらの車両の連結部分の通路に怪物が現れました」

ガタッ
唯「カレー♪カレー♪」

憂「怪物はガラスの仕切り扉を吸い取ってこちらに迫ってきて…」

唯「あっ、そうそう!憂が危ないと思って私が携帯投げつけたんだよね♪」

渡良瀬「!?」

梓「!?」

唯「カレー♪」

食堂職員「はい大盛り」

唯「ありがとうございまーす!」

渡良瀬「…」

梓「直後に後ろの車両に走ったんですが、最後尾車両で一緒に救助された老人が」

憂「ドアを開けてくれて、こちらへ来るようにと叫んで教えてくれました」

梓「その後、しばらく走って警察の方と合流しました」

渡良瀬「その救助に向かった機動隊なんですが」

憂「はい」

渡良瀬「あなた達を駅まで誘導した隊員2名を除き全員が殉職されました」

ガシャーン!

憂「お姉ちゃん!?」

梓「!?」

唯「…お巡りさん達が!?うぅっ…」

渡良瀬「お姉さんに申し訳ないことをしましたね…」

唯「うっうぅ…」

渡良瀬「生存した隊員が証言していたんですが、襲撃されたのは無線を使用した直後だったと」

梓「確かに警察官の方が持っていた無線機から凄い雑音がしていました」

憂「あー確かに。ガリガリって激しく鳴ってましたね」

渡良瀬「そこが妙に直感というか第六感で気になっているんですよ」

渡良瀬「通信障害は現在例の草体…植物を中心に発生しているようで…

この通り真駒内でも携帯電話は圏外です。おかげで札幌圏の無線通信関係はほとんど全滅です」

憂「…ジャミングみたいなものですか?」

渡良瀬「一応現在のところそう考えています。それに加えてあの草体も高濃度の酸素を放出していまして」

梓「酸素ですか」

憂「光合成みたいなものでしょうか…?あの生物と植物って関係あるんですよね?」

渡良瀬「ええ。恐らくは関係しているとは思いますが」

梓「そもそもなんで私たちは助かったんでしょうか」

渡良瀬「それも謎です。外見的な差異、病歴、携帯品、なぜ生き残れたのか、何か共通項があるはずです」

梓「…外見…病歴…持ち物…声」

憂「あの老人からも話は聞いているんですか?」

渡良瀬「それが、全力で走ったせいで体力を消耗されたらしく心臓発作を起こされまして。

入院してまして話が聞ける状況ではなく…」

梓「…携帯電話も無線も電波ですよね」

渡良瀬「ええ。電波を使用しています」

ガラッ
自衛隊員「知事より自衛隊に出動要請です!」

渡良瀬「!」


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