唯「あれ…これ誰の?」

律「野球の…ボール?」

澪「……そうか! 梓がいた時にそれが飛んできてそこのガラスを割って更にそれが梓に当たって……」

唯「つまり犯人はソフトボール部の人!?」

律「待て待て。じゃあ誰が黒い紙を割れた窓に被せたんだ?」

澪「あっ…そっか」

紬「それを見た誰かが誰かのせいだと思って黙認して隠した…としたら?」

律「どういう意味だよ、ムギ」

紬「みんな唯ちゃんが好きなのは明白…ならもしかして唯ちゃんが起こしたことだと思って愛がそれを隠させた…」

澪「そんなこと…」

紬「それなら密室を作り出すことも可能になって来るんじゃない?」

律「問題は二人が意図的に協力してたのか別々の思惑で動いたのかってことか…」

紬「推測を出ない話をここで永遠としても仕方ないわ。一つずつ確証を得て行きましょう」

律「だな。ならまず何から埋めていく?」

澪「まず梓がいつぐらいに部室に来たか…じゃないか? 犯行が行われた時間がわからないと動きようがないと思うんだ」

唯「(それにしてもこの澪ちゃんノリノリである。完璧にみんなの中であずにゃんは死んでるよね…。りっちゃんは練習より面白そうだからわざとやってそうだけど)」

律「なら梓と仲のいい憂ちゃんと純ちゃんに話を聞きに行こう」

紬「ええ」

澪「そうだな」

唯「れ、練習は?」

律「唯…練習も大事だけど今は梓の為に動くのが人情ってもんだろう?」

紬「私達で犯人を見つけなきゃ…」

澪「悲劇は二度と繰り返させない…!」

唯「あ、うん…」



二年の教室

純「あっ、憂~! ごめんね~ジャズ研の用事でどうしても行かなきゃいけなかったんだ~。掃除もう終わっちゃった?」

憂「気にしないで純ちゃん。掃除はもう終わったよ~」

純「ほんとにごめんね! 今度なんか奢るからさっ!」

憂「ほんと? 何にしようかな~」

純「あ、あんま高いのは勘弁してよね」

憂「ふふ、わかってるよ」



律「ここが二年の教室か、ワトソン君」

澪「は、はいホームズ先生!」

唯「(いつもはそこ私の役なのに…)」

憂「あ、お姉ちゃん!!」

唯「う~い~! 純ちゃんも!!!」

純「澪先輩…! あわわ」髪の毛整え整え

純「み、澪先輩こんにちわっ!」

澪「あ、うん…こんにちわ。純ちゃん」

唯「今日は二人とも終わるの早かったんでしょ?」

憂「うんっ!」

律「じゃあなんで今もいるの?」

純「実は私が掃除当番だったんですけどジャズ研に用事があって憂に変わってもらってたんです」

澪「なるほど…」

律「通りで教室ピカピカなわけだ…」

憂「どうせなら徹底的にやろうって思って」

純「憂はいい子だねぇ~」

澪「うんうん、憂ちゃんはほんといい子だよ」

純「」フキフキフキフキ

憂「純ちゃん…?」

純「私今から掃除するねっ!」

憂「そこ…私やったよ?」

純「」ガーン



憂「お姉ちゃん達はどうしてここに?」

律「実はな…」

澪「うん…」

唯「あずにゃんが部室で倒れてて…」

憂純「えぇっ?!」

紬「その犯人を探す手がかりを追い求めてたの」

純「犯人って……まさか誰かにやられたんですか!?」

唯「う~うん、そうじゃなくて…」

律「その可能性は高い…。」

澪「部室は密室だったし…」

純「密室…」ゴクリ

憂「(お姉ちゃん、密室なら普通…)」

唯「(うん…密室って言葉に弱いんだぁみんな…)」

紬「それで、梓ちゃんはいつ頃部室へ?」

純「えっと、ホームルームが終わってからすぐだったと思います。トンちゃんに餌あげるんだって」

唯「あずにゃん…」

律「二年生は五分短だから…」

澪「私達が終わる30分前だな」

紬「その間梓ちゃんは部室に行き…トンちゃんに餌をあげてる最中に何かあった…って考えるのが自然ね」

澪「ゴムが入ってたからな…」

律「(今まで何となく面白いから犯人がいるって言ってけど……本当にそうかもしれないな)」

澪「(梓がゴムを水槽に入れたのを気づかないまま放置するわけがない……餌をあげてる時に何かの拍子で…)」

紬「(犯人は…この中にいる…!)」

唯「憂~今日のご飯は~?」

憂「ハンバーグだよ♪ お姉ちゃん!」

唯「やっほ~い」



憂「じゃあ私達は梓ちゃんのお見舞いに行ってきます」

純「起きたらメールします…だからアドレス教えてくださいっ! 澪先輩っ!」

澪「えっ? 憂ちゃんが唯にメールすれば…」

純「うぅ……」

澪「……いいよ。交換しよう」

純「本当ですか!?」

澪「うん」

純「生きてて良かったぁぁっ」

澪「(アドレスぐらいでこんなに喜んでもらえるなんて…何だか恥ずかしいな)」

憂「良かったね! 純ちゃん!」

純「私澪先輩の為ならなんでもするよぉ!」

律「(なんでも…?)」

紬「(する…)」

律「純ちゃんはジャズ研に何の用事があったの?」

純「え? え~と先輩達に頼まれてたことがあって。それをちょっと…」

律「ふ~ん、一人?」

純「はい…」

澪「……」

紬「(りっちゃんも私と同じで澪ちゃんを疑ってるのね。確かに妙だわ。澪ちゃんがあんなあっさりアドレスを交換するかしら? 確かに女の子同士って言っても今まではそんな感じになっても避けてた記憶があるわ)」

律「(つまりムギの共犯説は生きていて、梓と同じで早く行動出来る純ちゃんが梓を……主犯は澪か? どっちにしろ怪しい……アドレスも元々交換してるのをわざとらしくここで交換した可能性もある)」

唯「あずにゃんによろしくね~憂」

憂「うんっ」



澪「これからどうする? 私達も梓のとこに行く?」

唯「それがいいかも!」

律「悪い、私はちょっと行くとこが出来て」

紬「奇遇ねりっちゃん。私もよ」

澪「……そっか。ならそれが終わったら保健室に」

律「わかった」

紬「えぇ」

澪「……」

律「……」

紬「……」

唯「……?」



唯、澪組

澪「なぁ唯。梓、なんでああなったんだと思う?」

唯「う~ん…ソフトボールがあったからあれにつまずいて~みたいな」

澪「普通に考えたらそうなるか…けどそうなるとあのソフトボールはどこから来たんだろう? それに何で鍵がかかってたか……」

唯「う~ん、わかんないねぇ」

澪「もう、いいだろう? 唯」

唯「……なにが?」

澪「惚けるのはやめて……さ。私には本当のこと言ってくれよ」

唯「……」

澪「だってそれが出来るのは唯だ…」

唯「あ、憂」

澪「」びくっ…

憂「お姉ちゃん達も保健室に?」

唯「うん。純ちゃんは?」

憂「寝てるよ~」

澪「(遅かった…ごめん、純ちゃん…。私がもう少し早く気づけていれば…。やっぱり私の予想通り二人は共犯で……唯は梓をっ……)」

唯「ふふ、澪ちゃんも眠そう。おやすみしよっか…?」



律、紬組

律「やっぱりここか」

紬「りっちゃんもここに来ると思ったわ」

律「で、あったか?」

紬「ないわね」

律「ってことはやっぱり中からじゃないってことか?」

紬「いえ、ガムテープを貼ってから割れば下に破片を落とすことなく割ることも可能よ」

律「あのソフトボールはどこから来たのか…犯人が残したのか梓が持って来たのか。それがわからないとな」

紬「やっぱりソフト部の練習中に割っちゃったのかもしれないわね。二年生は先に練習してたから」

律「となると関係者から事情を聞いた方がいいな…」

姫子「あれ? あんた達そんなとこで何やってるの?」

律「あ、姫」

姫子「ソフトボール部が軽音部室のガラスを?」

律「そうそう、何か知らない?」

姫子「う~んどうかしら。でも何で?」

紬「部室にソフトボールが転がってて…」

姫子「あ~……わかった。ちょっと聞いてみるわね」

姫子「あんた達集合」

部員「はいッ!」

姫子「私の大事なクラスメートがいる軽音部、その部室のガラスを割ったやつ……いたら正直に挙手しなさい」

部員「」シーン…

姫子「ほんとに?」

部員「……」

姫子「てめぇら一人づつ締め上げて吐かせるぞ?」

部員「」ガクガクブルブル

姫子「いないみたいね…」

律「姫こえぇ…」


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