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―――

澪「夕飯とお風呂ありがとうございます」

律母「いいんだよお礼なんて、私達に気使わなくてもいいからね?」

聡「そうだよ、澪さん!」

澪「あ、ありがとうございます」ペコリ

律「じゃあ・・部屋に戻ろっか?」

澪「あぁ」

ガチャ パタン

律「はい、澪の分のアイス」

澪「あ、ありがとう」

律「・・・」ガサガサ・・

澪「・・・ガリ○リ君か・・レモン味なんてあったんだな」ガサガサ・・

律「らしいね」ペロペロ

澪「・・・」ペロペロ

澪「なぁ・・律・・前髪下ろしたままでいいのか?」

律「ん、できるだけ澪の前ではこうしてようと思って」
 「まだ人前に出るのは恥ずかしいけどね・・」

澪「そっか、なんか嬉しいな」

律「なんで?」

澪「なんでって私の前なら平気になったって事だろ?」

澪「嬉しいよ」

律「そんな事で・・?ははっ、変なの」ポトッ

澪「アイス落ちたぞっ!」

律「わわっ、やっちゃった・・」

澪「もう、しょうがないな・・ただでさえ汚い部屋なのに・・」ふきふき

律「う、うるさいな~」ふきふき

澪「ぷっ、あはは」

律「ふふっ・・ははは」

笑う事ができた
今の私がようやく澪の前で笑う事ができた
これから話さなければならない事
不安でしょうがなかった私の胸の内が少しほぐれた

律「・・・」ふきふき

澪「・・・」ふきふき

律「ねぇ・・澪」

澪「ん~?」

律「さっきのさ・・涙」

澪「・・・」

律「なんでなのか聞かせてくれないかな?」

澪「・・・ん~・・」

律「嫌だ?」

澪「ううん・・」

澪「長くなるかもだけど・・いい?」

律「いいよ、聞く」

澪「ん~とね・・」

澪「なんか、不安になっちゃったっていうのが一番かな」

律「・・不安?」

澪「・・うん」ふきふき

澪「床に跡、残らなければいいな、はい、ぞうきん」

律「ありがと、きれいになった」パサ

律「・・・」

律「不安って・・どういう不安なの?」

澪「それはな~・・」

澪「な、なんか律が最近少し冷たく感じたから・・」

律「そ、そうかな・・?」

澪「うん・・だからホントに私の事・・」

澪「す、好きなのかなあぁって・・」かぁ

律「・・・」

(ここだよ)
(言うんだ、本当の私の気持ちを)
(澪に伝えるんだ)
(でなきゃいつまでも私達は・・・)
(聞いてる?)

律「好きだよ!勿論!」

(おいっ!)

澪「信じて・・いいのかな・・?」

律「信じて・・いいよ」

律「だけどね・・澪」

(おっ?)

澪「?」

律「私・・あれからずっと考えてみたんだ」

律「澪の事・・私の事・・私達の今の関係の事・・」

律「私達はさぁ・・多分好きの感情が・・違うと思うんだ」

(がんばったな)
(それで・・良いんだ)

澪「・・・うん」

律「私は澪の事が大好きだよ?」

律「だけどね、澪の思ってる好きじゃないんだ」

澪「・・・」

律「私は・・私は・・」

律「私は・・親友としてこれから澪とつきあっていきたい」

胸が痛かった
痛くて・・切なくて・・苦しくて・・やるせなかった
澪が傷つく事は分かりきっている
それでも私は伝えなければならなかった
非情に澪を突き放さなければならなかった

澪「・・・」

律「・・・」

澪「・・・」ぶわっ

律「み、澪??」

澪「だって!・・つきあうって・・言ってくれたもん・・」ぽろぽろ・・

律「・・・」

律「・・・ごめんね・・みお」

澪「・・グスッ・・い、いやだよぉ・・!・・ひぐ・・いやだぁ・・」

酷い罪悪感が私を襲った
澪からすればこんなの・・
裏切り以外の何物でもない
私は自分に嘘をついて、澪に嘘をついて
結果として澪を傷つけ涙を流させている
それなのに私の言い分はなに?
全て無かった事にして、またもう一度親友の顔をして
私と付き合っていって欲しい?
なにをしているんだろう・・私は・・

澪「・・いやだぁ・・律・・ひっぐ・・私を一人にしないで・・」どさっ

律「澪?・・や、やめて!・・やだっ!」

澪「私を・・愛して・・」ちゅう・・

澪の手によって部屋の照明が消された
同時に澪は私に覆いかぶさってきた
有無を言わさず強引に澪の唇が私の唇と重なる
あの時の記憶が忌まわしい記憶となって私の頭を遮る
澪の匂いや、上半身にのしかかる澪の重みが
その忌まわしい記憶の時の私の感情を鮮明に思い出させる

律「やだっ!やめてよう・・みお!・・んっ!」

澪「りちゅ・・ちゅぱ・・一緒がいい・・・ちゅるる・・」

ぞくっと私の背筋が凍った
澪は変わってしまった
いや、私が変えてしまったのかもしれない
澪の舌は私を求め、乱暴に私の中で暴れまわる
澪の激しい息遣いが私の恐怖心を煽る
私に抵抗は許されないとばかりに
澪は力強く私の両手を抑えつける

律「(・・これじゃ・・)」

律「(この前と・・同じ・・)」うるっ

涙が溢れる
体の震えが止まらない
澪が怖い
澪が怖い
澪が怖い
澪が怖い
澪が怖い



澪「・・りつ・・?怖いの・・?震えてるよ・・」

律「・・うぅ・・・」カタカタ・・

澪「大丈夫だから・・ね?」れろっ

律「・・うぁっ!・・っっあぁ・・」

澪の舌が私の首をなぞった
くすぐったい感じに近いけれど少し違う
体の隅々が澪の舌が動くにつれてぞくっと反応してしまう

澪「ちゅ・・ちゅるる・・れろれろ・・」

律「・・やっ!・・あぁ・・だ・・め・・っあ」ぽろぽろ

澪「気持ちいいの・・?りちゅ・・れろぉ」

律「・・ああぁぁ・・くうぅ・・ぐすっ」

澪「りちゅは首が性感帯なのかなぁ・・ちゅぱ」

澪「キスマーク作ってあげるね・・?ちゅうううぅぅ」

律「やぁ・・だめぇ・・だ・・め・・・あぁ・・」

こんなの・・
そういう関係の男女がする事じゃないか
こんなの女の子同士で・・
おかしいよ・・
絶対におかしい・・

澪「・・っぱぁ、できたよ律・・私のキスマーク・・」

律「・・ぐすっ・・みお・・こんなの・・おかしいよ・・」

澪「おかしくないよ・・これが直に・・普通になってくから」もみ

律「・・だ、だめだって!・・胸は・・」

澪は私のTシャツを脱がし始めた
必死に抵抗するが、澪の力強い腕力で押さえつけられる
無理やりはぎ取られるような形で
私の胸は澪の前で晒されてしまう

澪「りちゅの胸・・きれいだね・・」もみもみ

律「・・ひっぐ・・・んっ・・///」プイッ

澪は私が涙を流しているのに何とも思わないんだろうか
私は澪が涙を流した時はあんなに自分も哀しくなるのに・・
あんなに動揺するのに・・
澪は・・私の事なんて・・
なんとも思っていないのかな・・?
私が哀しくなっても・・
関係ないのかな・・
私達ずっと昔から仲良しで・・・・
・・・・親友だったんだよ?

律「・・・ぐすっ」ぽろぽろ・・

澪「舐めちゃおう・・ぺろぺろ・・」

律「・・・あっ!・・やぁ・・あぁぁ・・」

澪「ちゅう・・ちゅぱ・・チロチロ・・」

律「・・だっ・・め・・聡に聞こえちゃう・・」

澪「りちゅがえっちな声出すからだよ、我慢してみて?」

律「・・そ・・そんな・・」

澪「ちゅううぅぅ・・ぺろぺろ・・ちゅっぱぁ・・」

律「・・・んっ!・・んん~・・はぁ・・ぁ・・」

涙ばかり出てくる
澪への恐怖を上回る哀しさ・・
私達はこんな関係じゃない・・
あの・・優しい・・澪は・・?
こんなの・・私が知ってる・・
澪じゃない・・
私が大好きな・・
澪じゃない・・

律「んん~~~!!っっ・・・はぁはぁ・・」びくびく

澪「律・・イっちゃったの?・・気持ちよかった?」

律「・・…はぁ・・はぁ!・・はぁ・・」

澪「じゃあ、もっとだ?」

律「・・・・・・・・・・」




――
―――


(もう見てられないんだ)
(おまえが苦しむところを・・・)
(お前の辛いその姿を・・・)

・・・・・

(これでもうわかっただろ?)

・・・うん
・・・わかった・・
そうだよね・・・
でも私の悪いところも確かにあったし・・・

(自分の気持ちに正直なろうよ)
(それにこんな関係・・澪にだって良くないと思うぞ)
(澪だって相思相愛を望んでるはずだ・・・)

・・・・うん

(お前は誰なんだ)
(田井中律だろ?)
(田井中律の人生なんだ)
(お前の思った通りにすればいい)

・・・・うん
・・・・わかった


ごめんね
私嘘ついてたんだ

私はね・・・

人を傷つけるのが嫌だし

自分が傷つくのも嫌だった

逃げてたんだ

両方から

でもね澪

これからは自分に正直にいようと思う

1歩踏み出せたのは澪のおかげだよ?
ありがとう



澪・・・もう澪とは・・・

わかりあえない



律とのこの川辺は今日で何回目かな
いつもは学校が終わった放課後だけど、今日は土曜日
お互い私服で来ているのが何か違和感を感じるね
そういえば今日は夏祭りがあるんだっけ?
夏の終わりに毎年この川辺で開かれるんだよな
いつもより人通りが多いね
ベンチも人がいっぱいで今日は座れないな
わかってるよ律
今日は夏祭りを楽しみにきた訳じゃないんだろ?

律「夕日がきれいだな、もう秋だ、川辺もきれいにオレンジに染まってる・・・」

澪「あぁ・・・そうだな」

律「澪」ぱさっ

律が自分からカチューシャをとるなんて初めてだね
相変わらず整った顔してるよな律は

律「澪」

後悔ばかりが残るよ
後悔ばかりが残ってる
でもね、律
私が唯一良かったって思える事があるんだよ
聞いてくれるかな?
ほら律の顔
カチューシャとっても物怖じてないその表情
夏祭りで周りが人でいっぱいなのに
いつもの元気な律の姿だね
律は覚えてるかな
昔、私に男言葉の授業をしてくれた
自身に満ち溢れてる律の目に戻っているよ
私は律の悩みを解決できたんだね
誇りに思ってるよ

本当に良かったって思ってる
律を好きになって
少しでも幸せな時間を私に授けてくれて

私がした事は間違っていたんだよね
律をいっぱい傷つけちゃったし
謝っても謝りきれないと思うよ
本当にごめんね


一つだけお願いを聞いてもらってもいいかな?
最後にもう一回だけ言わせて?



律「澪、話があるんだ」





「愛してる」







目が開かないでござる・・
3スレ目でようやく完走することができました
皆様の支援のおかげです

ありがとうございました

最終更新:2011年05月05日 17:48