ここ桜が丘高校には、軽音部と呼ばれる部活がある。
少数精鋭の活気ある部活動だ
バンド活動が部活動になるのだが
脇道に逸れるケースが多い
そうそう部員は1人増えて5人になった
私達にも後輩ができたんだ

梓「律先輩、お疲れ様です」

この子が新入部員の中野梓
幼い外観と異なり、しっかりした性格の真面目な子だ
特に幼少から習っていたらしく、ギターの腕前は相当のものだ

律「お~梓、おつかれ~」

梓「あれ、まだ律先輩だけですか?珍しいですね」

律「みんなもそろそろ来ると思うぞ~」

がちゃ

唯「あ~ずにゃん!」ダダダッ

律「ほらな」

梓「唯先輩・・やめて下さい!暑苦しいです!」

紬「まぁまぁまぁ・・」///

唯「あずにゃん~~」スリスリ

澪「まぁ、みんな揃った事だし早速・・」

律・唯・紬「お茶にしましよう!」

澪「(・・・まぁ、わかってたけどね)」




――
―――

梓「あ、みなさんすみません。今日早めに上がらせてもらってもいいですか?」

律「いいぞ~」

梓「(返事早っ)」

唯「え~今日あずにゃんと一緒に帰れないのかぁ・・」パクパク

澪「何か用事でもあるのか?」

梓「えっと、ちょっとした用事なんですけど・・」

律「まさか彼氏じゃないのか?」ヒューヒュー

唯「そ、そんな・・あずにゃんに限ってそんな事は・・」

紬「信じてたのに・・」シュン・・

梓「そんなムギ先輩まで・・違いますよ!家の用事です!」

律「ホントかぁ?顔赤くなってるぞ~?」

梓「・・赤くなってないです!デタラメ言わないで下さい!」

澪「やめろよ律、梓だって困ってるだろ」

律「冗談だって~」

律「・・で、あの二人は何であんな落ち込んでるんだ?」

唯・紬「シュン・・」

澪「お~い・・・」

唯「生きる希望を失った・・」ヨロリ・・

紬「同じく・・」バタッ

梓「えぇ~!」

律「大げさだな、おい」

梓「わ、私に恋人なんていません!」

唯・紬「・・・」パァ

唯・紬「信じてたよ!ありがとう!」ガシッ

梓「ど、どういたしまして・・」

律「そういえばさぁ~大分前にみんなで彼氏いるかっていう話になったよな~」

律「あれからみんなできたりとかして無いのかぁ?」

唯「ううん、全然」

紬「ないです、ありえないです」

澪「・・・お前はどうなんだ?」

律「」

律「なんて哀しいJKの集まりなんだ・・」フルフル・・

澪「はいはい・・梓が帰る前に練習だ、やるぞー」

梓「さすが澪先輩!」

別に彼氏が欲しい訳じゃない
思春期なんだ、こういう事に興味があるのは当たり前なんだと思う
ただ、周りの人の事もやっぱり気になる訳で
聞いてみただけなんだ
特に幼馴染の澪の事はね・・やっぱり気になる
いつか私も澪も彼氏ができてそれぞれの彼氏を紹介しあって・・
でもなんかこんなんじゃ、まだまだ先の話になりそうだ



律・澪「それじゃあまた明日な」

唯・紬「また明日ね~」

夕暮れの帰宅路
この時間になってもまだ明るさを残した夕暮れの街並みに夏の訪れを実感させる

律「なぁ~澪」テクテク・・

澪「ん~?」

律「私達さぁ、好きな人とかできたらまず一番最初に言う事にしような」

澪「な、なんだよそれ!嫌だっ」

律「え~なんでだよ~!」

澪「むしろこっちがなんでだよ!恥ずかしいだろ・・」

律「だってさ~、なんかいきなり知らない人前に連れて来られて
付き合ってますとか紹介されるの嫌じゃん」

澪「た、確かに嫌かもな・・なんで知らないうちにみたいな・・」

律「だろだろ~?だからさ、私が好きな人できて困った時はまず澪に相談するからな!
  だから澪も一番に私に相談するんだぞ!」

澪「う、うん・・わかった」

律「約束だぞ~・・?」

私は思った事を澪に伝え、澪はそれを納得してくれた
満足だった
親友ってこういうものだと
それで澪も満足させられたものだとも思っていた
でもそれは間違っていた

私は本当に気付いていなかったんだ
澪の本当の気持ちに・・



律「ごめんく~ださい!」

澪「はーい、あがってあがってー」

夏休み
梓を交えて5人での合宿は楽しかった
あ、さわちゃんも入れて6人か
ごめん、さわちゃん
1ヵ月ある筈の夏休みは本当に早く感じる
残りもいよいよ1週間というところで
毎年の恒例行事の為私は澪の家に出向いた



澪「まったく・・毎日ちゃんとやっていればこういう事にはならないだろ・・」

律「まぁまぁ、まったくやって無い訳じゃないんだ
まる写しさせてもらうって訳じゃないんだから許して澪しゃん」

澪「はいはい・・何飲む?ムギ茶しかないけど」

律「ありがとうごぜぇますだ~」


律「・・・」

澪「・・・」

律「・・・」

澪「・・・」

律「・・な~澪、さっきからパソコンで何見てるんだ~?」カリカリ

澪「あ~・・これこれ」

律「どれどれ?」

律「へー・・レフティモデルのベースかぁ」

澪「どれもこれも素敵だろ~?」

律「ホントだな~澪の好みの物だけ揃ってるって凄いな~」

澪「当たり前だろ~これは私のお気に入りのものだけを集めたフォルダだからな」

律「あ、ホントだ・・フォルダ名☆mio☆フォルダって・・」
澪「な、なんだよ?!別にいいだろ~
夏休みの間、頑張ってネットで集めたんだ!」

律「・・地味な生活送ってたんだな・・外出ろよ、外」

澪「う、うるさい!宿題写し終わったのか?」

律「あ、そうだった、そうだった」




――
―――

律「ふ~こんなもんかな・・」ノビー

澪「へ~今年は早かったな。毎年の事で写し慣れたんじゃないか?」

律「とりあえず、今日はこれで終わり!
  また明日も来るからよろしく!」

澪「」

律「それじゃあな~ありがと~」

澪「・・・」

澪「ちょっと律!・・今日・・泊ってかないか?」

律「泊り・・?泊ってっていいのか~?」

澪「ああ、律がいいなら泊ってってよ」

律「ん~どうしよっかな~・・」

澪「明日もどうせ来るんだろ?だったらその方が良いんじゃないか?」

律「そうだなーそれじゃお言葉に甘えて泊ってくかな」

澪の家に泊ることはよくある
この夏休みだけでも数回あった
いつもの私は泊る事に何の抵抗も無い筈だったのだが
今日に限っては何故か渋る私がいた
理由は・・よく分からないけど・・
感じ取ったんだ
第六感っていうのかな?

きっと今日何かよくない事が起こるんだって



律「いや~なんかいつもごちそうになっちゃってすみません」

澪母「りっちゃんは家族みたいなものなんだからいいのよ」

澪「マ・・母さんは律が来ると豪勢な料理になるんだ」

律「え?そうなんですか?・・・なんか悪いな」

澪母「いいのよ、勝手にそうしてるだけなんだから
   澪といつも一緒に遊んでくれてるお礼よ」

澪「///」

律「ありがとうございます!」

澪「り、律、お風呂入ってきたら?」

律「え、私は後でいいよ。人の家で一番最初に入るの悪いし・・」

澪母「遠慮することないのにね」

澪「そうだぞ律、遠慮するなよ」

律「いやホントに後でいいから」

澪母「りっちゃんは謙虚でえらいのねー、まだ若いのに
   ああ言ってるし澪ちゃん入って来ちゃったら?」

澪「律いいのか?先行っちゃうぞ?(ちゃん付けはやめてってあれ程・・)」

律「行ってらっしゃ~い」




――
―――

澪「律上がったぞ~、母さんは最後でいいって言うから行ってきなよ」

律「りょ~かい、行ってくるぜぃ」

澪「タオル用意しといたからな」

律「ありがと~澪しゃん」

ガチャ・・バタン・・

澪「・・・」キラーン


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