梓「ぜぇ…ぜぇ…」

G「…」

梓「なんとかタッパーに戻せたけど…」

梓「疲れたぁ~…」

G「…」 カサカサ

梓「…もう」

梓「止まるなら止まるって言ってよね…」

G「…」 サーセン

梓「…」

梓「ふふっ」

梓「ゴキにゃん」 ニコッ

G「…」 テレテレ



げつようの朝!

梓「純!!」 トテトテトテ

純「あ、梓」

純「梓…先週は本当ごめん!!この通り!!」

梓「ううん、そんな事もう気にしてないよ!」 ニコニコ

純「えっ」

梓「えへへ…」 ニコニコ

純(なんでニコニコしてるの…?)

純「……ハッ …もしかして梓怒ってる?

  って…そりゃそうだよね…やっぱりゴキブリなんて…」

梓「? 怒ってないけど…?」 キラキラ

純「えっ」

梓「何も酷い事されてないのに怒るわけないよ」 ニコニコ

純「えぇ…」

純「じゃ、じゃあ何でそんなにニコニコ笑ってるの…?」

梓「え、私そんなに笑ってた…?」

純「笑ってた笑ってた」

梓「うーん… まあいい事あったから…かな」

純(…いい事?)

純「! あ」

純「そっかそっか」

梓「?」

純「梓はそんなにたい焼きが楽しみだったんだね」 ウンウン

梓「あ、そんな約束もあったっけ」

純「え、ええぇ 違うの?!」

梓「考えてみたら 鯛焼き10匹は流石に純に悪いし…

  今度1匹だけ奢ってくれればいいよ」

純「あ、梓に取って鯛焼き以上の事が…?!」

梓「えへへ…」

純(な 何かちょっと不気味なんだけど…)

梓「あ そうだ!」

梓「ねえ 純!”1つだけなら何でも言う事聞く” って言ってたよね!?」

純「あ ああ、そんな事も言ったような…」 アセアセ

純(はっ いい事ってもしかしてそれ!?)

純(い、一体何をさせるつもり…?!?!) ゴクリ…

梓「じゃ、じゃあ1つお願いがあるんだけど!」

純「うっ! あ、あんまり無茶な事は止めてね!!」

梓「……そ、そう言われると ちょっと無茶かも…」

純(あ、梓 本当に何させるつもりなの!?!?!)

純「ほ、放課後まで待って!!心の準備しとくから!!」

梓「え う、うん…」

純「それと… あの子 返してもらう話だけど…」

梓「…」 ションボリ

純(な、なんでションボリ…?)

純「でも人がいる内は騒ぎになると思うし…

  悪いんだけどそれも放課後まで待ってて貰えないかな…」

梓「…」 パァア

純(え、えぇ な、なんで パァア?)

梓「あ、そうだ

  放課後は時間あるんだよね!?」

純「え うん 部活あるからそんなに長くは取れないけど…」

梓「じゃあ!放課後になったらすぐ準備室来て!!」

純「えっ… いいけど…」

梓「純に見せたいものがあるんだ! あ、先輩達にも言っておかないと…」

純(一体何…???)



放課後!
 ドタドタドタドタ
   ハヤクハヤク ジュンコッチ!
 マ、マッテ アズサ

軽音部室!
ガチャ

梓「お待たせしました!!」

純「失礼しまーす…」

唯「あ、あずにゃん! それに純ちゃん!! おーっす!」 バッ

紬「こんにちは」 ニコニコ

純「こ、こんにちは!」

紬「今、お茶入れるわね」 ニコッ

純「は、はい!」(緊張する…)

純「?」 キョロキョロ

純「あれ?澪先輩は?」

律「あー、澪は今ちょっと外して貰ってるんだ」

純「そうなんですか…」 ションボリ 

梓「じゃあ、純 そこで見てて!」

純「?」



律「梓の奴、張り切ってるなぁ…」

紬「ふふ、楽しみだわぁ」

純「えと あの一体何を…」

唯「今からあずにゃんとゴキにゃんでセッションだよ!!」

純「えっ」

スッ

梓「行くよ、ゴキにゃん」

カパッ

G「…」 バサバサバサバサ

純「えっ」



梓「…」 ジャーン!!

G「…」 バサバサ

ジャンジャン ジャカジャカ

唯「わー!」

律「…」

紬「…」

純「え え?」

梓「♪」 ジャーンジャーンジャカ

G「♪」 バサバサバサバサ


♪ ♪ ♪


純「!!…す、すごい」

G「♪」 バサバサ



ジャーン

G「…」バサバサ…ピタ

梓「えっと、こんな感じです」

唯「すごいすごーい!」 パチパチパチパチ

律「やるな、梓!」 パチパチパチ

紬「本当、すごいわねー!」 パチパチパチ

梓「えへへ」

G「…」 テレテレ

梓「純、どうだった?」

純「うん、凄かった…!」(色んな意味で)

純「で、でも 何でこんな事になったの?」

梓「この3日間散々練習したからね!」 フンスッ

純「いや、そうじゃなくて…」

律「この3日の間に梓の中でどういった心境の変化が…」

紬「でも何だか素敵だったわぁ」 ポワポワ

律「…ま 正直ゴキブリなんて気持ち悪い!!って思ってたけどさ

  ここまで巧みにゴキブリを操ってたら…感動するしかないな!」 ウンウン

律(流石に澪には見せられないけど…)ボソッ

唯「やっぱり凄いね!あずにゃんは!」

梓「いえ、何もかもゴキにゃんのおかげです!」

G「…」 ソレホドデモ



梓「……」

純「? 梓?」

梓「お別れだね ゴキにゃん」

G「…」

唯「えっ」

律「元々 ゴキにゃんは純ちゃんから預かってた訳だしな…」

唯「あ、そっか!そうだよね!」

梓「私、ゴキにゃんに会えて本当に良かった!」 ニッコリ

G「…」 テレテレ

梓「それもこれも純のおかげだよ!」

梓「ありがと 純、私とゴキにゃんを出会わせてくれて!

  感謝の印として純には私とゴキにゃんのセッション、見て欲しかったんだ!」

純「そ、そう 私にはよくわからないけどさ…

  まあ喜んでもらえたなら良かったよ…」

純(その感謝のされ方はちょっと理解できないけど…)

梓「今朝、お願いがあるっていったでしょ?

  本当はその時にゴキにゃんを引き取りたいってお願いしようと思ってたんだ…」

純(えぇえ… お願いって それ??!)

梓「でもそれは無茶だよね… 純のお父さんも連れ歩きたいくらいゴキにゃんの事好きみたいだし…

  だから 今日でお別れ」

梓「ゴキにゃんの事、私忘れないよ!」

G「…」

梓「元気でね、ゴキにゃん!」 ウルウル

G「…」 タッシャデナ



唯「うぅ…あずにゃん!ゴキにゃん!」 ウルウル

律「やめろよ…泣けるじゃないか…」 グス

紬「悲しい別れね…」 メソメソ

梓「純、お父さんに言っておいて

  これからもゴキにゃんの事大切にしてくださいって」



純「…」

純「それなんだけどね梓…」

梓「?」

純「実は…」

……

梓「えっ」

純「だからお父さんもう虫飼わないって」

梓「なんでっ!?」 グイッ

純「お父さん…この休み中にスズメバチに刺されちゃってさ

  それが結構ヤバかったみたいでトラウマになっちゃったの

  それで虫はもう嫌だ!!って…」

梓「なにそれっ!!全然虫への愛が足りてないよ!!」

純「え…まぁ…そうだね」

 (なんで私怒られてるんだろ…)



純「と、とにかく…それでほとんど虫は遠くの知り合いにそのまま引き取ってもらって…」

純「後はその子だけなんだけど…」

唯律紬「!!」

梓「それじゃあ、もしかして!!」

純「梓 引き取ってくれる?」 ニコッ

梓「…」

梓「…わぁ…」

梓「やったー!!!純ありがとう!!!」 ガシッ

純「う、うん まあ気にしないでよ…」

唯「おめでとう!あずにゃーん!!」

律「よかったなー!!」

紬「今日はお祝いしましょ!」 ニコッ

梓「はい!先輩たちもありがとうございます!」 ニコニコ

純(梓、こんなに喜ぶなんて…ちょっと複雑だけど…)

純「そ、それじゃあ私ジャズ研いくね…」


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