唯「…はっ び、びっくりしたよ…」 ドキドキ

律「ど、どうしたんだ梓…」 ドキドキ

梓「あ…う…すみません…」

紬「! わかったわ 梓ちゃん!」

梓「ムギ先輩…!?」

紬「りっちゃん、鞄から虫を追い出すのはいいけど

  ここで追い出したら、飛び出してきた虫に梓ちゃん驚いちゃうんじゃないかしら?」

梓「えっ」

紬「梓ちゃんもそれが言いたかったのよ、ね?」 ニッコリ

梓(ちがう…!)

律「それもそうか、じゃあ鞄だけ持って廊下で追い出してくるよ」

梓「そ、それも困ります!!!!」

律「なんでだよ、このまま虫が入ったままでも梓はいいのかー?」 ブーブー

梓(虫が入ってて凄っく困ってるのは本当だけど、見られるのは不味いんですってば!!)

梓「えっと…その…」

梓「み、見られたくない物が入ってるので…」

梓(鞄の中身に興味持たれたく無かったけど…背に腹は帰れない!ここは正直に言っておこう…)

律「見られたくない物……? 道端で拾ったHな本か!?梓はエロエロだなー!」

梓「違いますっ!変な事言わないでください!!」

紬「もしかして吸っちゃいけないような違法な薬物!?ダメよ?めっ!」

梓「それも違います!不良じゃないです!!」

唯「じゃあ親に内緒で飼ってる子猫?いいなー! かわいい子!?」

梓「そ、それも違います、て言うか 生き物を鞄に入れてあげないでください」

梓(惜しい…この人は時々核心をついてくるから怖い…)

律「じゃあ何が入ってるんだよ」

梓「い、言いたくありません…」

律「はっ!もしかして 彼氏と一緒に撮ったプリクラとか!!」

唯「キャーッ!りっちゃん、それヤバいよ!!」 ドキドキ

紬「彼氏にあげる手編みのマフラーとかかもしれません」 ドキドキ

律「それもありだな! いやー梓も隅に置けませんなー」 ワクワク

梓「それも違いますっ!!!彼氏なんていません!!!」

唯律紬「えー」

梓「えーっ!じゃないですっ!!」

律「…焦る所がまた怪しい…」

梓「なーっ!!」

律「もう、冗談だってばー ちょっとからかっただけー」

梓「もう!」 プクーッ



律「ま、梓が見られたくないなら仕方ないか」

唯「えー、気になるのにー」

紬「まあまあまあ」

梓(ほっ)

律「でもどうするんだー?」

鞄 …カサ

律「あの様子だとまだ虫が中にいるっぽいし…」

梓(そうだ!根本的な事はまだ解決してないじゃん!)

律唯紬「うーん…」

澪「コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ…」

梓(どうしよう…)

紬「!」 ピコーン!

紬「目隠しして鞄開けちゃうのは どう!?」

梓「えっ」

律「どういう事だ?」

紬「私達の誰か1人が目隠しするでしょ?

  それで残りの皆で、後ろから鞄の場所のヒント教えてあげるの!!

  ヒントを参考にして目隠ししてる人は鞄を開けて虫を追い出すのよ!」

梓「スイカ割りか!!」

紬「でもこれなら梓ちゃんも鞄の中見られなくて済むし、

  虫が出て行ったのを後ろの人が確認できるでしょ?」

梓「でも…」(いや、ないだろ)

律「それだ!!」

唯「それだよ!ムギちゃん!」

梓「えぇえ!?」




唯「うぅ…前が見えないよー」 アセ アセ

律「目隠ししてるんだから当たり前だろ…」

紬「私皆でスイカ割りするのが夢だったのー」 ポワポワ

律「『スイカ割り』じゃないけどな、『カバン開け』…って言うのも何か変か」

梓「結局やるんですね…」

唯「あっずにゃーん!!」 ダキッ

梓「うわっ 唯先輩 やめてください! って本当に見えてないんですか?!それ!」 ヨロッ

唯「うん、見えてないよ あずにゃんの事なら気配でわかるよ!!」

梓「なな なんですかそれ!」 ゾワッ

紬「今のは梓ちゃんの声から位置を割り出したんじゃないかしら」

律「唯は音感いいからなー、目隠し役は適任かもな」




律「い~ち! に~! さ~ん!」

唯 グルグルグル

紬「し~! ご~! ろ~く!」

唯 グルグルグル

梓「な~な… は~ち… きゅ~う…」

梓(なにしてんだ…私…)

唯「じゅう!よし行っくよー!

  って… うぅ 目が回るー 皆どこ~?」 フラフラ

梓「て言うか 回る必要あったんですか、コレ?」

律「それは気分だよ気分!!」

梓「はぁ…」

律「よし!唯まずは右だ右ー!!」

唯「こっち?」 フラフラ

トスン 唯「いたっ!」

梓「あ、壁に当りましたね…」

唯「もう痛いよ!りっちゃん!」 プンスカ

律「ははは、ごめんごめん!」

紬「りっちゃん 意地悪したらだめよ」

律「悪い悪い!つい…」 テヘッ

唯「もう!」 プンプン

紬「唯ちゃん!左よ!」

唯「こっちー?」 フラフラ

梓「あ、行きすぎです もう少し右」

唯「りょーかいー」 フラフラ

紬「そのまままっすぐね!まっすぐ!」

唯「へーい」 フラフラ

唯「うぅ…」 ヨロッ トテトテッ

律「なんか見てて危なっかしいな」 ヤレヤレ

澪「そう思うならやめろよ」

律「お、澪 復活したのか」

唯「うわっとっと」 ヨロッ トテッ

澪「あ、おい 唯 左にズレたぞー!少し右に戻れー!」

律「参加するんかい…!」

唯「こんな感じかなぁ…」 ソロリソロリ

紬「そうそう!その調子!!」

唯「うぅ…」 ヨロッ トテッ ヨロッ トテッ

澪律紬「あんよが上手! あんよが上手!」 パン パン

梓(ここ何部だっけ…)



律「唯 あと少しだぞー!」

唯「よっ よっ」 トテッ トテッ

澪「あと1歩くらい!」

唯「… ここー?」 スタタ

梓「うーん 惜しいですね! もうあと一歩!」

唯「ここだー!」

梓「そう! そこです!!」

紬「やったわね! 唯ちゃん!」

唯「えへへー」 テレテレ

律「よーし! 後はカバン開けるだけだな!」

梓「そうですね…って ハッ!」

梓(開けられたらダメじゃん!! ノリノリで何やってるんだ、私!!!)

梓「あ、あの」

律「ここからは慎重にだぞ!唯!

  敵は突然飛び出してくるかもしれないからな!!」

澪「うぅ 虫か… 私は後ろ向いとくよ…」

唯「合点です!!りっちゃん隊員!!」

梓「ここらへんで やめませんか…?」

唯「駄目だよ!あずにゃん こっからが大事なんだよ!!」

律「そうだぜ、梓 ここまで来て引き返す訳にはいかない!!」

紬「大丈夫よ梓ちゃん 唯ちゃんを信じてあげて…!」

梓「えぇ…」(なんだコレ)



唯「じゃあ… 開けるよ…!」

律「ああ 唯 健闘を祈る!」

紬「唯ちゃん… 頑張って!」

梓(本当になんだコレ)

鞄 ジーッ

唯「…」 クルッ バッ シュババッ

梓「なんですか あのポーズ…」

律「どうやら罠は仕掛けられてなかったようだな…」

梓「当たり前じゃないですか 私の鞄ですよ…?」

律「気分を盛り上げようと思って…!」

梓「はぁ…」

律「よし、唯! 引き続き解体作業に戻ってくれ!」

梓「解体って… 何を…」

唯(ラジャー!) シュバッ



澪「…」 ドクン…

紬「…」 ドクン…!

律「…」 ドクン!!

唯「…」 ドクン!!!

梓(帰りたい…)


シーン



律「動きがありませんな…」

梓(もう虫なんかいないで帰れないかな…)




鞄 カサカサ

バッ!

唯「とったどおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」ババーン!


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