律「私が澪に殺された!?

ハハッだったらここにいる私は幽霊かっちゅーのだっちゅーの!!」スカッ

梓「胸もないのに何やってんですか」

律「なんだとー!!」ギュウゥ

梓「いたた!律センパイいたいですよ!」

「いたい…」ポロ

律「あ、ありゃりゃ?そんな強く締めたつもりは…

ごめん梓、大丈夫かー?」

梓「う、うぅうわぁああぁん

律センパイ、律センパイ…」ヒック

律「なにこれ」

紬「」グスッ



カチャカチャキュイイインピタッ

律「ビデオを巻き戻してる音だぞー!!」

梓「誰にしゃべってるんですか?」

紬「そんなことより再生画面を見ましょう」




澪『律…』ブチッ

『唯…』ブチッ

『うわぁぁぁっぁぁぁっ』ガラッ ブゥゥゥン ドチャッ



律「うっひょおぉぉぉなんだよコレ?」



律「うっひょおぉぉぉなんだこれ?」

梓「これを見て

てっきり律センパイが昇天されたものかと…」

紬「窓から落ちたショックで

記憶を失ってるワケじゃないのよね?」

律「うーん、どうだろ。自信ないけど…私、忘れっぽいし」

梓「いやいやいや、澪センパイの部屋は5階ですよ?」

「打ち所が良かったとしても

そんなにピンピンしてるって事は

ないでしょう」

紬「じゃあ、このビデオにうつってる

りっちゃんは誰なの?」

梓「もっと巻き戻せば、この律センパイ?がどこから来たのか

わかるんじゃないですか?」

紬「梓ちゃん」

梓「はい?」

紬「あなたは内心、私が

この合宿を機会に 

けいおん部のみんなのあられもない姿を24時間

舐めるように監視しつくす変質者だと

思っているんだろうけど」

梓「はい」

紬「ビデオは本当に

唯ちゃんを密閉したときからしか

作動させていないの」

梓「えっ、そんなバカな」

紬「だから、澪ちゃんがりっちゃん?の髪を

引き抜いていた以前の

映像は記録されていないのよ」

律「つまり…

どういうことだってばよ?」



梓「そういえば、あの棺おけ…

今にして思えばアレに

律センパイ?が入れられて

いたんじゃないでしょうか」

律「あー、みんなで運んだとき

けっこー重かったもんな」

紬「ひょっとして澪ちゃん、

りっちゃんのそっくりさんを殺して…?」

梓「…」ゴクリ

律「ハハ、血を見ただけで泣いちゃうアイツが

人殺しなんかするワケないじゃん」

梓「しかしビデオが…」

律「まっ、あーだこーだ言うより

澪に話を聞くのが一番早いだろ」

紬「それもそうね、といっても澪ちゃん

部屋には戻ってないようだけど…」

梓「じゃあ律センパイ?が落っこちた場所に

行ってみましょうか」ザッ



─ラブホテル前─

梓「この上が澪センパイの部屋だから…」

紬「りっちゃん?が落ちたのは

このあたりのハズよね」

律「特に変わったトコもないけど」

「おーい、澪ー!!」

梓「うーん」

「律センパイはどこに消えたんでしょうか、律センパイ?」

律「私は律センパイ?じゃないぞー!」

梓「なに言ってんですか?」



─森の中─

ズルズル

澪「うぅっ、はぁはぁ」ズルズル

「冷静になってみたらエライ事しちゃってたなぁ」

「律の髪の毛や皮膚を移植したラブドールなんて

誰かに見られたら

私の人生オシマイだよ」ズルズル

澪「私の目を覚まさせてくれた唯には

感謝しなくちゃな」

ズルズル…

澪「よし、ここまで離れたら大丈夫だろ!」

「さようなら律人形…来世では幸せになってくれ」シュボッ メラメラ

「やれやれ、こんなところ人に見られたらなんて思われるか…」

ガサガサッ

澪「!?」



さわ子「あら、澪ちゃんじゃない」ガサッ

澪「さ、さわ子先生!?」ドキッ



澪「下半身丸出しで何してるんですか」



さわ子「あなた達が合宿に行くって話を聞いてたら

私も一緒に遊びたくなっちゃって」

「それで、みんなの後を追ったの」

澪「下半身丸出しで?」

「怖っ!!」

さわ子「最初はスカート履いてたに決まったでしょ!?バーカ!!」

澪「ご、ごめんなさい!!」

さわ子「でもね、別荘につく前に

暗くなっちゃうし

道に迷うし、人影は見えないし」

「そこでイチかバチか下半身丸出しになってみたってワケよ」

澪「きがくるっとる」

さわ子「でもホラ、部屋に鍵かけ忘れて

オナニーしてるときに限って

親にみつかる法則ってあるじゃない?」

「それと同じ原理で、誰とも会いたくない状況を作り出すことで

逆にあなたと出会うことができたのよ」

澪「すごいすごい!!

この感動を卒業文集に書いておきますね!!」

さわ子「その文章、誰にも見せずに私に提出してちょうだい」



さわ子「ところで…こんな寂しい森の中

どうして1人で焚き火なんてしてるの?」

澪「えっ」

さわ子「あら、なんか炎の中に人の足みたいなものが…」

澪「ハハッそんなワケないでしょう」

「ちょっと太目の枝でしょうよ」ガハハ

さわ子「そりゃそうよねぇ」モハハ

さわ子「ん、なんか炎の中に人の指みたいなものが…」

澪「ハハッ先生」

さわ子「なぁに?」

澪「えーっと…」

「どっか行け」



さわ子「わりゃあああああああああああああああああ!?」

澪「ひっ」

さわ子「いくら私が若いからってねぇ、

ナメるにも程があるんじゃないの!?」

澪「ご、ごめんなさい!!

若いなんて思ってませんから!!」

さわ子「んだとゴルアアアアアアアァ!?

ペシャンコにすっぞ!?」

澪「(あっ、人形の原型がないくらい

燃えカスになってきたぞ)」

澪「先生、バカやってないで

ムギの別荘に戻りましょう」キリッ

さわ子「そうね!」

さわ子「ところでお腹ペッコペコなんだけど

ご飯残ってるのかしら」

澪「あぁ…トンカツならありますよ」

さわ子「トンカツ?いいじゃない!!」

澪「ただしトンカツしかありません、本当に」



─森の中2─

律「おーい、澪ー!!」ガサガサ

梓「いませんね…

律センパイ?を運んで森の中に逃げたと

思ったのですが」

紬「ねぇ、思ったんだけど澪ちゃんのケータイに

電話してみたら?」

律「おー、私としたことが気付かなかったぜ!!」パカッ

梓「むしろ律センパイだからこそという感も否めませんが」

律「お前、寝ている間に

肛門に何か入ってても知らないよ?」カチカチ

梓「どんと来いです!」

紬「あっ、電話ストップ!りっちゃん!アレ…」

律「ん!!なんか燃やした跡があるな…」

梓「ここで澪センパイが何かを燃やした…?」

律「キャンプファイヤーでもしたのかなー」

紬「何かイヤなニオイがするわね…」スンスン

「りっちゃん、梓ちゃん。

ちょっと燃えカスを調べてみてくれない?」

律「合点!!」ガザゴソ

梓「今さりげなく汚れ仕事を押し付けましたよ、あの貴族」

ガソゴソ

律「うひょ?」

梓「ぅわっ!!は、灰の中から、ここコレ…人間の手!?」

紬「澪ちゃん…一体、何を…」

律「う~ん、生理だったのかなアイツ」

梓「生理でいちいち人間を殺して燃やしますか!?」

紬「あの澪ちゃんがそんなことするワケないわ」

梓「澪センパイじゃなくてもそんなことしませんよ」

律「わっかんねーぞ~?」

「アイツ、意外とアレなところあるからなぁ」

紬「アレ?」

律「例えばホラ、ふわふわタイムの歌詞あるだろ?」

梓「え?はぁ…」

律「実はアレ、江戸時代の斬首刑を元にしてるって説もあるんだ」



ふわふわタイム 

作詞 秋山澪

『キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI

揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ

いつもがんばる君の横顔

ずっと見てても気づかないよね

夢の中なら二人の距離縮められるのにな

あぁ カミサマお願い

二人だけのDream Timeください☆

お気に入りのうさちゃん抱いて今夜もオヤスミ♪』



律「首斬り役人が

今から処刑する罪人を見ていると

いつも緊張して心臓の鼓動が早くなる」

梓「そりゃハートDOKI☆DOKIでしょうね…」

律「処刑人だって快楽殺人者じゃない」

「本当は殺したくないけど仕事だからね…

揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ」

律「死を覚悟した罪人は、処刑人の顔を見ようともしない」

紬「だけど、処刑人はその覚悟を決めた横顔を

見つめ続けるのね☆」

律「夢の中なら死にゆく男に 一声かけてやることもできるが

お上の手前、そんなこともできない」

紬「そこで神様にお願いするのね!」

梓「『お気に入りのうさちゃん』って?」

律「生首さ…自らが斬り離した生首抱いて今夜もお休み…」

梓「私たち そんな歌を歌わされてたんですか?」

紬「じゃあもしかして澪ちゃん、本当に人を…」

律「バッキャロウ!!

アイツが人殺しするなんかするワケねぇ!!」

「友達なのにそんな事もわかんねぇのか!!」

梓「いやいや、さっきノリノリで

「わっかんね~ぞ」とか言ってたのは誰ですか」

律「えっ誰だよ」

紬「りっちゃん、私の瞳をのぞきこんで。

そこに犯人が映し出されるから」


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