~ epilogue ~

紬「今から52年後に第三次世界大戦が起こるの」

紬「事の発端は特殊な性癖を持った一人の日本人女性だった」

紬「その女性は顔面に数の子をぶつけられる事に性的興奮を覚えたの」

紬「女性と付き合っていた男性は、女性の欲求のために、日々、数の子をぶつけたわ」

紬「そして運命の日、男性は気まぐれでヘディングで女性に数の子をぶつけた。そしてある力に目覚めてしまったの」

紬「そう、澪ちゃんが超数子砲(ヘディング・ロウ)と呼んでいる・・・それよ」

紬「男性は能力に目覚めたことによって力に溺れて悪意ある行為に走るようになった」

紬「そして同じ能力を持たせた仲間を集めギャンググループを作り始めたの」

紬「グループ名は"ヘリング・ロウ"日本語訳すると"数の子"・・・そのままね」

紬「ギャングは着々と規模を拡大し、勢力を伸ばしていったわ」

紬「そこで政府は対ヘリング・ロウ部隊"CODS"を組織したの」

紬「CODSは数の子に対抗資源として明太子を選んだわ。そして明太子を独自に研究して・・・」

紬「明太子を人の顔面にぶつけ続けると能力が開花することを発見したの」

紬「そう、これが唯ちゃんの能力、明太殺し(メンタイブレイカー)よ」

紬「明太殺しが数の子にも有効であることが発覚するとさっそく実戦に投入されたわ」

紬「でも、結果は惨敗。奴らの超数子砲の面制圧力は尋常じゃなかったの」

紬「対して明太殺しは凄い能力とはいえ、守ることしか出来ない。奴らの数を減らすことは出来なかった」

紬「そこでCODSは明太子を能力開発の道具としてだけではなく対人兵器として使用する戦術を使い始めたの」

紬「一人の老指導者が隊員たちに一から明太子を使った格闘術を叩き込んだわ」

紬「そうしてCODSとヘリング・ロウの戦闘は激化。それはすなわちスケトウダラとニシンの乱獲が始まることを意味していた」

紬「戦いは5年も続いたわ。度重なる戦闘でスケトウダラとニシンの数は激減。日本は海外に数の子と明太子を輸出できなくなった」

紬「運の悪いことにそのとき世界では超絶日本食ブーム真っ只中でね。おせちに欠かせない数の子、白米に欠かせない明太子、被害は大きかった」

紬「それでキレた諸国が日本に核を打ち込んで戦争が始まったの」

澪「なにそれこわい」

紬「我が琴吹財閥もCODSを全面的にバックアップしていたんだけれど、最悪な結果に終わってしまったわ」

紬「あのときヘリング・ロウが小規模だった時点で何とか壊滅させられていれば・・・そう思わない日はなかった」

紬「そして琴吹財閥は戦争の中10年の歳月をかけてタイムリープ装置を開発したのよ」

紬「そして私は戦争を起こさないために、この時代にタイムリープしてきたの」

唯「なんと」



憂「ということは・・・今、紬さんの中身は・・・・」

紬「そう、85歳くらいのおばあちゃんということね。ふふふ」

澪「で、でも!なんで私たちを戦わせることが戦争を起こさないことにつながるんだ!!」

紬「CODSのメンバーには皆、海産物のコードネームがついていたわ」

澪「?」

紬「そしてCODSに明太子格闘術を叩き込んだ老指導者のコードネームは・・・・"ウニ"」

唯「ウニ?」

紬「そう・・・ふふ、ウニって色んな漢字があるんだけど、どう書くか知ってる?」

紬「ひとつは海栗、ひとつは海胆、そして・・・・雲丹」

唯「雲丹?」

紬「そのまま読んでみて?」

唯「雲丹・・・うん・・・たん・・・・、う・・・・うんたん・・・!!うんたん!うんたん!!」

紬「そう!つまりその老指導者とは唯ちゃん!あなたなのよ!!」

唯「うんたん!うんたん!!」

澪「・・・・・」

紬「明太子流格闘術の流派は"平沢流"よ。私も唯ちゃんに叩き込まれたわ」

唯「あ!それであのときあずにゃんにダイブ・トゥ・ブルーを使えたんだ!」

紬「現在の時点で唯ちゃんの平沢流の技がもし、既に超数子砲との戦闘を想定した形に整えられたものだったら・・・」

紬「つまり、唯ちゃんが超数子砲使用者を倒すという経験を積ませる事で!将来CODSがヘリング・ロウを殲滅する可能性が激増するの」

澪「な、何故対戦相手が私だったんだ・・・・?」

紬「・・・・戦いが相手を倒すだけじゃなく、相手と分かり合えるものだということを証明したかったの」

紬「あなた達ならどんなに分け隔てられてもきっと分かり合えると信じてたわ」

澪「・・・・・」

紬「1688回かかったけどね」

紬「もちろん、本当に危なくなった時には二人にも事情を説明して止めてたんだけどね」

紬「正直何度も諦めそうになったわ。やり直すたびに協力者に説明しなきゃいけなかったんだもの」

憂「協力者?」

紬「そう、この計画には協力者が不可欠なの。唯ちゃんと澪ちゃんに能力を使わせるためにはね」

澪「ま・・・・・まさか・・・・・・」

紬「そう、もう分かるわよね」



律「よ、よぉー澪!元気だったかー!!」

梓「先輩・・・・ごめんなさい・・・・・」

医師「やぁどうも」

さわ子「二人ともお疲れ様」

和「ごめんね二人とも」

澪「・・・・・・・」

唯「ほえー・・・・・」

紬「そちらのお医者さんは琴吹傘下の病院の先生なのよ」

紬「あとは学校でこんなことをするには先生の協力が必要だったし・・・」

紬「あなたたちの関係の調整役としても頭のいい和ちゃんの協力も仰いだ」

紬「そして能力を使えるようになってもらうには、二人が特別な愛情を注ぐ人物の協力が必要」

律「は・・・はは・・・・」

梓「////」

澪「・・・・・・・」

唯「アア゛アア゛アアッァァア゛アア!!とか叫んでた私ってなんだったのかなー」

澪「・・・・・・」

律「はははは・・・・いやー、澪・・・・私が宿題出来ないとかいう理由で夜の学校にノート取りに帰ると思うか?」

澪「・・・・・・」

バシュッバシュッ!!!!

律「ウホァッwwwwやめてwww数の子ぶつけちゃ嫌wwwwww」

紬「りっちゃんをめちゃくちゃにするところはゾクゾクしちゃったわー」

澪「・・・・・・」

律「はははは・・・いやー、澪・・・・・デコが妊娠するわけないだろ・・・・常識的に考えて」

バシュッバシュッ!!!!

律「ウホァッwwwwやめてwww生臭いホホァアwwwwww」

紬「梓ちゃんは唯ちゃんの平沢流の技を鍛えるのにも大きく貢献してくれたわねー」

紬「でもまさか唯ちゃんが頑張りすぎちゃって肩を壊したのは予定外だったけど」

紬「あのときの梓ちゃんはマジ泣きだったわね」

梓「//////」

唯「あずにゃん・・・・」

紬「あ、ちなみにあのときりっちゃんが飛び出してきたのは予定外だったのよねー」

唯「え、そうなの!」

紬「ちょっとタイミングが早かったというか・・・おかげで計画の修正が必要になっちゃったのよー」

律「えっはっは、面目ない」

紬「まぁその代わりにお尻に唯ちゃんのダイブ・トゥ・ブルーを喰らったみたいだしチャラにしたけどね」

唯「あ、あれお尻に入ったんだ」

律「なっはっは!」

澪「・・・・・」

紬「まぁ、そんな感じだったのよー」

澪「なんでムギまで参加して色々と騙したんだよ・・・」

紬「え?びっくりしたでしょ?」

澪「あぁ・・・・したけど・・・・」

紬「私、皆にドッキリを仕掛けるのが夢だったの~」

澪「・・・・・・」



紬「ま・・・・そういうわけで、私はそろそろお暇しましょうかしら」

憂「ちょっと待ってください紬さん」

紬「なにかしら憂ちゃん?」

憂「紬さんは未来の世界で戦争が起こったからこの時代にタイムリープしたんですよね?」

憂「それなら、この時代で歴史を修正して、戦争が起こらなくなったなら・・・・」

憂「未来の世界で紬さんはタイムリープ装置を作らない、この時代にも来ない、未来は変わらない・・・ってことになるんじゃないですか?」

紬「タイムパラドックスってやつね」

紬「その辺は心配しなくても大丈夫、この世界では戦争は起こらないわ」

澪「なんでわかるんだ?」

憂「・・・実は今話してる紬さんはこの平和な世界の未来から、まるで戦争がある世界であるかのように話している?」

紬「本当に戦争のあった世界の私が一度だけやってきて、その後は嘘を使ったループが完成しているって説ね」

律「それかドラゴンボールみたいに未来が沢山出来るってやつとか?」

紬「ありとあらゆる時点で世界は無数に分岐して平行して存在しているって説ね」

紬「ふふ・・・解釈は任せることにしようかしら~」

澪「未来のムギは随分意地の悪い性格のようだな」

紬「それじゃ・・・・みんな、この時代の私とも仲良くしてあげてね」

澪「・・・ああ」

律「じゃ、世話になったな!」

梓「さよなら・・・ムギ先輩」

唯「・・・ばいばい、ムギちゃん」

紬「ばいばい、みんな、また後でね」

紬「・・・」

紬「・・・・あら?私・・・・ここで何をしてたんだったかしら?」

唯「おかえり、ムギちゃん」

紬「・・・・?」

さわ子「さてみんな!一件落着したところで・・・・!!」

さわ子「この廊下を片付けましょうか」

唯・澪・律・梓「・・・・・」

紬「きゃあ~!なぁにこれ!」



―――――

唯「・・・・・ねえあずにゃん」

梓「・・・・・はい」

唯「あれって全部演技だったの?」

梓「・・・・・」

唯「あずにゃんは演技派だねぇ~」

梓「・・・・・いえ、先輩・・・・私は、演技が必要なところ意外は・・・・ほとんど本気でした」

唯「へ?そうなの?」

梓「は、はい・・・・」

唯「例えば?」

梓「じ、実は明太子ぶつけられるの・・・・ちょっとクセになっちゃったみたいで・・・・」

唯「へぇ~そうなんだ~、・・・他には?」

梓「え、えっと・・・・だ、大好きとか・・・・」

唯「それだけ?」

梓「あ、ぁあ、愛してる・・・・とか・・・////」

唯「・・・・・」

梓「・・・・・」

唯「あずにゃん・・・」

梓「・・・・・はい」

唯「あずにゃん・・・・」

梓「・・・・・・・・はい」

唯「あーずっにゃん」

梓「・・・・・・・・・はい///」

唯「えいっ」

梓「ォギャッ!!」



唯「あずにゃんは明太子ぶつけられるの好きだねぇ~」




~ END ~