二階・紬の部屋

三日目、午後22時48分

コンコン。

紬「……」ビクッ

唯「ムギちゃん。私、私だよ」

紬「唯……ちゃん」

唯「うん。開けて開けて~」

紬「……」

ガチャッ。

紬「どうしたの、こんな時間に……」

唯「お話、あるんだ」

紬「お話?」

唯「うん。探偵さんが、私の部屋に来たんだよ」

紬「!?」

紬「そ、それで?」

唯「……」

紬「ゆ、唯ちゃん!」

唯「……」

紬「一体何を話したの!?」

唯「……うるさいな」

紬「っ!」

唯「そんなに興奮しないでよ。あまり大したことは聞かれてないからさ」

唯「あ、でも~」

唯「なんだかムギちゃんの事をよく聞かれていた気がするな~」

紬「!?」

唯「明日、また話を聞かせてほしいって探偵さんに言われちゃったよ」

紬「わ、私の事……?」

唯「うん。もう、犯人の事わかっちゃったみたいだね」

紬「そ、そんな……証拠だって残してなかったはずよ……」

唯「……」

唯「それをね、明日私に聞きたいんだってさ」

紬「……!」

唯「……」

唯「私さ、明日話すからね」

紬「唯……ちゃん」

唯「だって、疲れちゃったよ。もう……」

紬「……」

紬「ごめんね、唯ちゃん」

唯「いいよ、別に」

紬「唯ちゃん……私たち捕まっちゃうのね」

唯「え、何言ってるの? 捕まるのはムギちゃんだけだよ」

紬「えっ……!?」

唯「私は関係ないもん。私は『ムギちゃんが純ちゃんを殺したのを見ただけ』だもん」

紬「だ……だって唯ちゃんは、一緒に、地下室まで運んでくれて……」

唯「私は、それを目撃しちゃっただけだもん」

紬「ゆ……」

唯「それにしても、ついてないよね~」

唯「純ちゃんと仲良くなりたくて……待ち伏せだっけ?」

唯「階段でちょっとおどかしたら、そのまま下まで頭から……」

紬「やめて! やめてよっ!」

唯「……」

唯「よかったね、私がそれを偶然見つけて。一緒に手伝っ……おっと。私は見ただけだったね」

紬「……それを、あの人に話したの?」

唯「明日、お話するつもりだよっ」

唯「それにね~。ムギちゃんは気付いてないかもしれないけどさ」

唯「もう一個あるんだ。ムギちゃんが犯人になっちゃう決定的な情報が」

紬「!」

唯「まあ、それも明日の……ね」

紬「な、なによ……その情報ってなによ!」

唯「……じゃあ、おやすみなさい」

唯「また明日、ね」ニッコリ

紬「……」

紬「ゆい……ちゃん」



二階・憂の部屋

午後23時22分

憂「……」

ピッ。

憂「あ、メール」

『ありがとう、約束通り終わったよ。これできっと、大丈夫だよ』

憂「……」

憂『うん、わかった~』

……。



ガチャッ。

憂「あ」

憂「……えへへっ」テクテク

「……」

憂「……うん、わかった。約束通り、だね」

「……」

憂「うんうん。じゃあ、おやすみなさい」

憂「また明日ね~」テクテク

バタン

唯「……」

唯「おやすみなさい、憂」



二階・唯の部屋

四日目、午前1時41分

「すー、すー……」

……カチ、カチ。

カチャッ、ギィイイ。

「すー、すー……」

紬「……」



紬『ああ、私はお金よりも素敵なモノを持ってるんだ』



紬(さよなら、私のお友達)



スッ……。

ドスッ。

「……っ……」

グシュッ。

「ぁ……ぁ」

紬(さよなら……唯ちゃん)

紬(さよなら……)

ドンッ、ドンッ。

ズシュ。

紬(……)

「……」



二階・紬の部屋

四日目、午後12時過ぎ

ドンドンドンドン!

美雪「紬ちゃん、紬ちゃん!」

紬「……ん」

紬(扉の向こうから声が聞こえる……)

紬(眠い……昨日はあんまり眠れなかったな)

紬(もうお昼……声は、美雪ちゃん?)

美雪「紬ちゃん起きて! 大変よ! 憂ちゃんが、憂ちゃんが……」

紬(……?)

紬(憂ちゃんの、何が大変なのかしら)

美雪「憂ちゃんが……殺されたのよ! ねえ、起きて、紬ちゃん!」

紬「……」

紬「えっ……」


11