佐木「先輩、テープ持ってきましたよ!」

金田一「お~、ご苦労さん」

佐木「どれから見ます? 三日分、全部揃ってますよ」

金田一「……一日目から、頼むよ」

ガシャッ。



唯「あ、おかえりムギちゃ……って、うわあ団体さんだ~」

律「おっ、なんだか一気に賑やかになったな~」

紬「細かい話は後よ。今はお客様にタオルを貸してあげないと……」

憂「はい、タオルですよ」

紬「あ、ありがとう~憂ちゃん。さあ、どうぞ」

……。

佐木「これは本当に最初ですね」

佐木「……当たり前ですけど、まだみんな生きてるんですよね」

金田一「……」

律『ようし、みんな移動だ移動~!』タタタッ

佐木「娯楽室に移動するところですね」

唯『頑張るぞ~』テクテク

梓『唯先輩、一番最初トチらないで下さいよ!』グイッ

唯『大丈夫だよ~。あずにゃ~ん』

憂『ふふっ、頑張ってねお姉ちゃん』スタスタ

純『……』トボトボ

金田一「……」

唯『き~みがい~ないと~♪』

佐木「移動の後、演奏会のスタートですね」

唯『な~にもできな~』

サッ。

憂『……』ジー

金田一「お、おい佐木。なんでいきなり憂ちゃんにカメラを向けてるんだよ」

佐木「いやあ、新しいカメラに目移りしちゃって。あ、でも大丈夫ですよ。彼女中心に撮ってたのはこの演奏の時だけですから」

金田一「ったく~、頼むぜ名カメラマン」

佐木「はいはい」

唯『想いよ~と~どけ~』

憂『……』ジー

佐木『先輩?! 大丈夫ですか?』ジー

金田一『い、いてて……何かにつまづいた……』

佐木「地下で鈴木さんを見つけた時……ですね」

佐木『……あ、電気のスイッチありましたよ。ほら』ジー

カチッ。

純「」

金田一「……」

佐木「何度見ても、慣れませんね。あの寒さ、今でも身震いしますよ」

純「」

佐木「あんな格好で、可哀想に……」

金田一「……」



この後、二日目の午後のテープを見てから……。

佐木「じゃあ、三日目ですね」

金田一「中野梓が殺害されて……みんなに話を聞くところか」

憂『はい、これがそのメールです』

金田一『……この、最後のメール。22時30分の後は?』

憂『えっと、私着替えてから地下に向かったんですよ。で、ちょっと準備に手間取っちゃって……15分くらいかな』

金田一『準備を終えて地下室に向かったら……』

憂『はい。梓ちゃんが倒れていて……私、みんなを呼びにいって……ううっ……』

金田一『他に、何か変わった事は?』

憂『そんな余裕なかったですよ……』

金田一『例えば、奥に誰かの雰囲気を感じたとか、純ちゃんの様子が変わっていたりとか……』

憂『……奥まで行く勇気は無かったですけど気配とかは感じなかったと思います』

憂『純ちゃんは……毛布がかかっていたくらいです。それ以外は何も……ううっ』



佐木「……憂ちゃんも、可哀想ですよね。友達が死んでいるところを見ちゃうなんて」

金田一「……」



佐木「えっと、さっきのビデオが日付が変わってすぐの三日目」

佐木「これが三日目の昼になります」

紬『えっと、朝から移動して……この別荘についたのはお昼、13時くらいだったと思うわ』

佐木「アリバイ等を聞いている時ですね」

金田一『問題は……夜だ』

澪『た、確か初日は……0時近くまで騒いでたかな』

律『騒ぎ疲れて、部屋にもどったらすぐ寝ちゃったけどな~』

金田一『そこに鈴木さんは?』

唯『集まったのは、私と澪ちゃんとりっちゃんの三人だよ。みんな誘ったけど……寝ちゃう人が殆どだったから』

律『まあ、初日だったしな~。四泊五日もあるんだから、体力温存てカンジ?』

金田一「つまり、3人は0時過ぎまで一緒にいた?」

澪『大体、そんな感じかな。少なくとも1時にはもう寝ていたよ』

紬『でも、どうして冷蔵室に……』

憂『探検じゃないかな。純ちゃんて元気な子……だったから』ジー

唯『ええ~。でもあんな格好で冷蔵庫開けたくないよ~……』

律『でも、あの地下室にめちゃくちゃ美味いアイスが保管されてたら、どうする?』

唯『あ! 行きたい行きたい!』

紬『でも、地下の冷蔵庫内には冷凍されたお肉とかしか……お菓子類は何もないはずよ~』

唯『……がっくし』

金田一「……」

金田一『……じゃあ、二日目だ。主に夜……最後に梓ちゃんを見た時間は? 誰か覚えていないか?』

澪『私は、就寝前……午後21時くらいかな』

律『私も』

紬『それくらいかしらね』

唯『私もだよ~』

憂『……直接梓ちゃんを見たのは、私も同じくらいです』

佐木『となると……』ジー

金田一『犯行時間は、夜の21時以降の可能性か』



佐木「……と、これが三日目ですね。ここから金田一先輩と別れて、後は夕飯辺りの記録が……」

金田一「いや、もういいよ。サンキュ~な佐木」

佐木「えっ。まだテープはあるんですよ?」

金田一「いいんだよ。さっきまでので十分さ」

佐木「そ、それじゃあ先輩……もしかして犯人が!」

金田一「……目処だけは、な。それに、気になっていた事の確認も出来たしな」

佐木「せ、先輩それじゃあ……」

金田一「……」


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